機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争の登場人物
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機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争の登場人物(きどうせんしガンダム ダブルオーエイティ ポケットのなかのせんそうのとうじょうじんぶつ)は、オリジナルビデオアニメーション(OVA)『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する架空の人物を解説する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 地球連邦軍
[編集] クリスチーナ・マッケンジー
クリスチーナ・マッケンジー (Christina Mackenzie) (声:林原めぐみ) 全話に登場
地球連邦軍G-4部隊に所属するテストパイロットで階級は中尉。愛称はクリス (Chris) 。
G-4部隊では戦闘を任務とするパイロットではなく、機体の調整を担当する「シューフィッター(個々人の足に合わせた靴を作る製靴職人の意味から)」として、ガンダムNT-1の調整を受け持つ。主人公アルフレッド・イズルハの幼馴染でもあり、お互い隣の家に住んでいた。容貌・性格とも正に「隣のお姉さん」と言うイメージ通りの温和な美人。軍務でサイド6リボーコロニーを離れていたが、新たな軍務でガンダムNT-1と共にリボーコロニーに里帰りすることになり、アルと再会する。また、アルの家を監視に来ていたバーニィを泥棒と間違えてバットで殴り昏倒させてしまった縁で知り合いになり、互いに仄かな好意を抱くようになる。
リボーコロニー内にてケンプファーによる連邦軍秘密工場襲撃時に、ガンダムNT-1を起動させ、チョバムアーマー装甲を破壊されるもガトリングガンによって辛くも撃破。その後機体の補給もままならない状況でザク改の出現に際しても出動。ブービートラップとヒートホークのダメージで機体は中破するものの、こちらもビームサーベルにより撃破している。ただし、ザク改のパイロットがバーニィであったことやアルがサイクロプス隊に関わっていたことなどは最後まで何も知らないままであった。テストパイロットといえどもNT-1を任されるだけの腕であったことは間違いないであろう(実際にはテスト時のNT-1はフルパワーの数分の一の出力でしかテストできなかった)。しかし、このリボーコロニー内での一連の戦闘における機体の激しい損耗により、ニュータイプ専用ガンダムNT-1アレックスは遂にホワイトベースのアムロ・レイへ届けられることはなかった。
一年戦争が終戦を迎えた後、軍務のためサイド6を離れ、地球へ赴任する。その際、彼女は未だその戦死を知らないため、バーニィに対してもよろしく伝えるようにアルに頼んだ。
その後の彼女の足取りは不明であるが以下の未確認情報がある。
- OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』ではアナハイムの制服を着た姿でゲスト出演している。ただし、これは製作スタッフによるファンサービスであり、同一人物であるという確証はない。故に単なる「そっくりさん」とする説もある。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、クリスチーナと呼ばれている女性が、砂漠で座禅を組んでいるシーンとラストに仲間と砂漠を歩いているシーンに登場している。アニメ版では完全に別人だが、小説の新装版『逆襲のシャア』(ハイ・ストリーマー)では、同一人物ではないかと思わせる描写が追加されている。
- ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』ではゲームオリジナルのガルマ・ザビ国葬演説シーンにおいて一瞬だけ後姿で登場する。
なお、バーニィをバットで殴り倒したシーンを見る限り、左利き。ペルシャ猫を飼っている。
[編集] スチュアート
スチュアート (Stuart) (声:後藤健) 第4話・6話に登場
地球連邦軍G-4部隊指揮官で階級は少佐。なお、スチュアートという名は後付け設定で、OVA制作当時の名は単に連邦軍司令である。ベレー帽を被っている。
[編集] ディック・ルムンバ
ディック・ルムンバ (Dick Lumnba) (声:増岡弘) 第4話~6話に登場
地球連邦軍G-4部隊に所属する初老の黒人男性。ガンダムNT-1の開発責任者である。足が不自由なため車椅子を使用している。本来の研究対象はメカニカルアームの平和利用。訪れたアルに対してモビルスーツは必要悪とも言うべきものであり、所詮は人を幸せにすることなど出来ないと言い切った。それだけに、内心ではNT-1の開発に携わっていることへのジレンマを抱える。
[編集] ジオン公国軍
[編集] キリング
キリング (Killing) (声:戸谷公次) 第2話・5話に登場
サイクロプス隊直属の上官で階級は中佐。ルビコン計画の指揮官である。
サイクロプス隊をガンダムNT-1の存在を確認するためだけの捨て駒として扱い、ルビコン作戦の失敗後にはリボーコロニーごと核攻撃で新型ガンダムを破壊しようと画策した。そのために邪魔なグラナダ司令のルーゲンスを射殺し、核弾頭を奪取するなど、思想・人格面にかなり問題のある人物である。
ジオン軍ではグラナダ司令のキシリア・ザビの配属下にあったが、総帥のギレン・ザビを強烈に崇拝していた。敗戦時に総帥ギレン・ザビ戦死の報告を聞いた彼はピストルで自決したと言われている。しかし、その死は何者かによる殺害とも言われており、真相は闇に葬られている。
[編集] フォン・ヘルシング
フォン・ヘルシング (Von Helsing) (声:平野正人) 第5話に登場
ジオン公国軍チベ級チベ型重巡洋艦グラーフ・ツェッペリンの艦長。階級は大佐。
キリングの「ガンダムNT-1を核兵器でサイド6もろとも破壊せよ」という命令を不服とするも(キリングが南極条約を無視する態度をとったのに対し、ヘルシングは条約を頑なに遵守するという態度を取ったため)、やむなく従う。サイド6攻撃に向かう途中、偶然にも連邦軍に発見されるが、これを命令無視できるチャンスと睨んだヘルシングは、交戦後まもなく連邦軍に降伏する。これによりサイド6への核攻撃は回避された。
[編集] ルーゲンス
ルーゲンス (Lugenth) (声:古田信幸) 第5話に登場
ジオン公国軍月面グラナダ基地司令、階級は不明。なお、ルーゲンスという名は後付け設定で、OVA制作当時の名は単に司令官である。許可無く核弾頭を持ち出そうとするキリングを制止しようとして背後から射殺されてしまう。
[編集] ジオン公国軍(サイクロプス隊)
本項では、サイクロプス隊に所属した人物を挙げる。
[編集] アンディ・ストロース
アンディ・ストロース (Andy Strauss) (声:星野充昭) 第1話に登場
階級は少尉。愛称はアンディ (Andy) 。出撃前にはオリジナルのテーマ曲を鼻唄で口ずさむ癖がある。第1話で北極の連邦軍基地を襲撃した際、ガンダムNT-1を搭載したシャトルを発見。シュタイナー隊長の援護を待っては取り逃がすと判断しハイゴッグで突撃するが、ジム寒冷地仕様のマシンガンを受け戦死する。
[編集] ガブリエル・ラミレス・ガルシア
ガブリエル・ラミレス・ガルシア (Gabriel Lamilace Garcia) (声:島田敏) 第1話~4話に登場
階級は軍曹。愛称はガルシア。
バンダナを愛用しており、コックピットにヌードグラビアを貼り付ける趣味がある。銃器やナイフ、爆弾の扱いにも長けており、モビルスーツパイロットよりは工作活動の方が得意なようだ。言葉遣いは荒く、顔を知られてしまったアルの殺害を主張したり、スタンドプレーに走った新兵のバーニィを容赦なく殴るなど粗暴ではあるものの、最後のミッション直前にはバーニィへ「死ぬんじゃねえぞ」と声をかける仲間思いな一面も見せる。シュタイナー、バーニィと共に変装して連邦基地に潜入するも、バーニィの何気ない一言から素性が露見。激しい銃撃戦を繰り広げながら所持していた爆弾でガンダムNT-1アレックスを道連れに自爆したが、火力不足で破壊は失敗に終わる。
[編集] シュタイナー・ハーディ
シュタイナー・ハーディ (Steiner Hardie) (声:秋元羊介) 第1話~5話に登場
サイクロプス隊隊長で階級は大尉。なお、シュタイナー・ハーディという名は製作中に作られた設定で、OVAのクレジットでは単にシュタイナーである。
どっしりとした落ち着いた性格で、大物感すら漂わせる。隊長だけあって隊の中では一番大人である。任務の為に無害な一般人を装うなど、話術にも長けていてジオン国民というプライドよりも任務を優先出来るプロフェッショナルぶりが光る。煙草を嗜んでおり些かチェーンスモーカー気味だったが、ゲン担ぎからか作戦中は銜えるだけで火をつけていない。次々と困難な任務を課せられる中でジオンの敗戦を鋭く予見していた。少年アルに正体を知られた際にガルシアは即座に殺害を主張したが、そこから足がつくのを嫌った彼は寧ろ民間人のアルを上手く利用すべく盗聴器を仕込んだ階級章をアルに贈っている。そしてバーニィにアルの監視を命じた。無益な殺生を好まないが、任務遂行のためには子供ですら利用する冷徹さも持ち合わせている。情報収集の結果、遂に新型ガンダムの所在が明らかになり、バーニィ、ガルシアと共に変装して連邦基地に潜入するが、些細なことから呆気なく素性がばれてしまう。やむなく応戦するため銃をバーニィへ渡すところを銃弾に撃ち抜かれ瀕死の重傷を負う。ガルシアが自爆して引き付ける間にバーニィに運ばれて何とか基地を脱出したが、間もなく息を引き取る。
[編集] 名前について
OVAでは単にシュタイナーとされていたが、製作中に出渕裕によってハーディ・シュタイナー (Hardie Steiner) と名付けられた。しかし、なぜか公式設定では姓と名が逆の「シュタイナー・ハーディ」とされてしまっており、ドイツ系の名前としては不自然になっている。なお、第5話ではチャーリーが「ハーディーが…シュタイナーが死んだか…」と口にしていた。
なお、山口宏著の書籍『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑 一年戦争全記録』(バンダイより発行)ではクルト・シュタイナー (Curt Steiner) と名付けられており、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』(セガサターン版)でもこちらの名で登場している。そのため、彼の本名はハーディ・クルト・シュタイナーあるいはクルト・ハーディ・シュタイナーなのではないかとする説や、「クルト・シュタイナー」は彼の偽名なのではないかとする説がある。
そもそもシュタイナー隊長の元ネタは、ジャック・ヒギンズ著の小説『鷲は舞い降りた』の主人公であるドイツ軍特殊部隊隊長「クルト・シュタイナー」であると思われる。
[編集] バーナード・ワイズマン
バーナード・ワイズマン (Bernard Wiseman) (声:辻谷耕史) 全話に登場(1話はビジュアルのみ)
サイクロプス隊所属の新兵で階級は伍長。愛称はバーニィ。
学徒動員で軍人となり、初戦でサイド6リボーコロニーに潜入したが、彼の搭乗するモビルスーツザク改は被弾しコロニー内の森林公園内へ墜落してしまう。この時にザクを追いかけてきた現地の小学生アルと知り合い、彼のカメラに収められていた映像フロッピーと階級章を交換することで偶然得た情報から、ニュータイプ専用の新型ガンダムであるガンダムNT-1がサイド6に搬入された事実がジオン軍上層部の知るところとなる。
その後、ガンダムNT-1奪取の任務(ルビコン計画)を帯びたサイクロプス隊に、戦死したアンディの補充要員として編入され、隊長のシュタイナー以下、ミーシャ、ガルシアらと共に作戦に従事する。彼に与えられた任務は情報収集とは言いながら、その実は隊にまとわりつくアルの監視(お守り)であった。彼が未熟な新兵とも知らずパイロットへの憧れに目を輝かせるアルに対し、つい見栄を張って「あと1機でエース」と嘘を吐いてしまう。その後、アルの自宅付近で監視任務に就いていた際に隣人の女性クリスに泥棒と間違えられバットで殴り倒されるが、それをきっかけにクリスとも知り合いになり、互いに好意を抱くようになる。
アルと共に不審な民間の工場へ潜入捜査した結果、遂にガンダムNT-1の在処が発見される。サイクロプス隊は変装して基地に潜入し奪取(破壊)工作を行なうが、彼の不用意な一言から正体が露見、隊は彼一人を残して全滅する。ルビコン作戦の失敗を知ったジオン軍上層部は、クリスマスにサイド6への核攻撃を企図する。チャーリーの勧告を聞き、いったんは自分一人でコロニーからの脱出も考えるが、死んでいったサイクロプス隊の面々への思い、アルやクリスを守りたい気持ちに加えて「ガンダムと戦ってみたい」という想いが彼の心に湧き上がり、出航寸前で思いとどまる。友軍の核攻撃を中止させるため、撃墜され放置されていた自分の機体(ザク改)をアルの協力で修理し、タイムリミット内でのガンダムNT-1破壊に単身挑む決意をする。
結局、核攻撃を企図したジオン艦隊は途上で地球連邦軍に遭遇、交戦後に投降したため、サイド6への核攻撃は回避される。しかし彼はそれを知らないままガンダムNT-1をコロニー内の森に誘い出してゲリラ戦に持ち込み、破壊には成功できなかったが、ヒートホークでガンダムの頭部を切断して中破・戦闘不能に陥らせた。が、同時に自身はNT-1のビームサーベルで機関部を直撃され、「もう戦わなくてもいい」と駆け寄るアルの眼前でザク改が大爆発を起こして壮烈な戦死を遂げる。任務の目標であったガンダムNT-1を操縦していたパイロットは、実は互いに惹かれ合ったクリスだったのだが、この事実を彼は最後まで知らないままであった。
彼が死を予感しつつアルに残した最後のビデオレター及びラストのアルの慟哭は、遂に彼の戦死という悲劇に終わったからこそ見る者の胸に一層の感慨をもって迫る。
[編集] 小説版での違い
OVAでは悲劇的な戦死をしてしまう彼だが、小説版ではアルの父親が新聞を見ながら「あのパイロットは奇跡的に一命を取り留めたようだよ」と生存の可能性を匂わせる台詞があるが、小説はそこで終了しておりそれが後にどのように影響を与えたのかは不明である。
この事は『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』などのゲーム作品に受け継がれているが、一部作品ではジオン側に救出されたことに設定が変更されている。また、『スーパーロボット大戦シリーズ』の一部作で彼が特殊技能『強運』や精神コマンド『幸運』を所有しているのは小説版での生存を指しているのではないかとも言われている。
[編集] 補足事項
2006年現在の設定では一年戦争時においてガンダムタイプのモビルスーツ(ゲームや量産機である陸戦型ガンダムを除く)を、そして現実の時間において、ガンダムタイプを「量産型」モビルスーツで初めて撃破、とは行かないまでも戦闘不能にさせた人物である。
整備兵としての素質もあり、経験の少ない学徒動員兵であったが、リボーコロニー内で小破稼動不能となったザク改を同コロニー内で破損・投棄されたジム・コマンド等から部品を調達し、完調状態に修復し自ら計画した作戦を決行した技量も彼が非凡な才能を発揮していたことが伺える(但し、この事実は統合整備計画での影響が強いとされる意見もある)。ゲリラ戦を仕掛け、ガンダムの行動を封じ込めた戦術も顕著とも言える。たとえ軍学校等で講習を受けたにしろ、実際の戦場(正確には敵地とさえいってもよい)において行動したことが、やはり彼が単なる新兵としてサイクロプス隊に配備されただけではない可能性もある。多少は異なるが、彼は後の連邦軍のシップエースとして名高い(公式には抹消されたが)コウ・ウラキと同じタイプの人間であったかもしれない。
もしNT-1がWB隊のアムロ・レイに届けられていたならば、公国軍の犠牲者は更に増加したと思われ、さらにア・バオア・クー戦におけるアクシズ脱出艦隊やデラーズ・フリートの実現も無かったかもしれない。彼が一年戦争時にもたらした功績は語られることも無いかもしれないが、ジオンの後継に影響を及ぼした人物であることには変わりない。
また、ゲーム『SDガンダム GGENERATION DS』においては、ガンダム撃破後アナベル・ガトーによって救出される。彼のガンダム撃破という健闘に“ソロモンの悪夢”は感動すらしていた。
機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズでも登場し、初期はエースがひしめくジオン軍では頼りない能力値であるがしかし彼は連邦・ジオン両軍の中で誰にも負けない成長値を持っておりエースとしての素質を兼ね備えていると言える。
『スーパーロボット大戦シリーズ』では無類のザクマニアとして知られるが、OVAにおける本来の彼は単にザクしか搭乗できる機体が無かっただけであり、寧ろザクをさほど好んでいないようでもある。にもかかわらず、ゲーム内で余りにもザクマニアとして強調し過ぎた(声付きで「ザクの何が悪いんだよ!!」と言う・宇宙空間でシャア専用ザクを勘で拾ってくる・事ある毎にザクの事を話に出す等)ため、バーニィの性格を誤解してしまったプレイヤーも多い。その反省か、近年の作品ではザク好きという設定はほとんど登場していない。とは言え、ザクマニアである事を強調したのは実は『スーパーロボット大戦F』及び『F完結編』くらいで、それ以前の作品ではザクに愛着がある程度(『EX』ではギラドーガの入手時に「ザクは趣味で良い機体があればそっちに乗る」と発言)だったりする。それだけこの作品の印象が強かったとも言える。
なお、『スーパーロボット大戦COMPACT2』及びリメイク版である『スーパーロボット大戦IMPACT』では『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のノリス・パッカードの説得を行い、アイナ・サハリンの説得すら拒んだ彼を味方に付けるという大役を果たす(この作品ではノリスとシュタイナーは顔見知りという設定で、ノリスはバーニィの説得に対して「彼を見込んだシュタイナーの眼は間違っていなかった」とまで評した)。旧作ではパイロットとしての能力は並以下で使いにくいキャラだったが、近年は物語の主役の1人である事やガンダムを中破させたという健闘を評価してか、能力が底上げされている。余談だが、スパロボにおいては原作のストーリーを再現しにくいせいか、ほとんどの作品ではクリスとの出会いは原作とは大幅に違うものになっており、『第3次スーパーロボット大戦』に至ってはクリスをナンパしたのが馴れ初めになっている。なお、『第4次スーパーロボット大戦』ではエピローグでクリスと結婚、私立探偵になったとされている。
[編集] ミハイル・カミンスキー
ミハイル・カミンスキー (Mikhail Kaminesky) (声:島香裕) 第1話~4話に登場
階級は中尉のベテランパイロット。愛称はミーシャ (Misha) 。
毛糸の帽子をかぶった巨漢のいかついロシア系白人(英語版ではロシア訛りの英語が聞ける)。無類の酒好きで、モビルスーツのコクピットにもスキットル(ヒップフラスコ)を持ち込んでいた。
連邦軍北極基地襲撃の際にはハイゴッグを操縦し、基地防衛隊のジム寒冷地仕様を多数撃破している。その後ルビコン計画のため部隊と共にサイド6リボーコロニーへ潜入。他のメンバーと共にケンプファーを組み上げる。出撃前夜にシュタイナーへ「滅びゆくものの為に」と含みのある言葉をかけて乾杯している。
コロニー内の連邦軍秘密工場襲撃の際には、ケンプファーのパイロットとして陽動を担当。他のメンバーが工場に潜入しガンダムNT-1を強奪するために行動する中、グレイファントムから発進したスカーレット隊のモビルスーツを全滅させ、駐留軍のプチモビルスーツ等を多数撃墜しながら工場へ向かう。予定ではガンダムNT-1を抱えてコロニーを脱出するはずだったが、ガルシアの自爆後にクリスが乗り込み不完全ながら起動したガンダムNT-1と交戦。「戦い方を教えてやる」と手近に隠してあったチェーンマインで攻撃し爆破したかに見えたが、外装のチョバムアーマーを剥離させたに過ぎず、慌ててビームサーベルで切りかかろうとするところへ逆に至近距離からのガトリングガンを浴びて機体を蜂の巣にされてしまい戦死する。
[編集] 民間人
[編集] アルフレッド・イズルハ
アルフレッド・イズルハ (Alfred Izuruha) (声:浪川大輔) 全話に登場
本作の主人公で、愛称はアル (Al) 。
一年戦争末期、中立コロニー群サイド6のコロニー「リボー」に生まれ育ったアルは、両親が離婚したため、父と離れ躾に厳しい母親と二人暮らしをしているという複雑な家庭環境で暮らしていた。彼は兄が戦死した一方で、戦争を実感として捉えることができない状況下にいるためにジオン軍のモビルスーツや勇壮な闘いに対して幼い憧れを抱いているミリタリーおたく気味の子供であった。ある日、アルはリボーコロニーへ侵入したザク改が被弾してコロニー内の森へ墜落したのを目撃、森の中でジオン兵のバーナード・ワイズマンと出会う。その後、偶然バーニィを見かけて追いかけたことからジオンの潜入工作部隊「サイクロプス隊」と出会い、ジオンへの憧れを利用される形で彼らの活動に参画することになる。工作活動に随伴する中、アルは彼のお守り役にされたバーニィと親交を深め、兄弟のような間柄になっていく。しかし、サイクロプス隊のNT1テスト基地への潜入作戦は失敗、バーニィ一人を残し隊は壊滅してしまう。バーニィは、密かに心を寄せるクリスがガンダムNT-1の搭乗員と知らぬまま、隊の生き残りとして果敢だが無謀な闘いを挑み、悲劇的最期を遂げる。その経緯を全て見たアルは、戦争の残酷さを身を以て知り、一人の人間として大きく成長することとなるのだった。
物語は、終戦を告げる校長の訓辞を聴きながら涙を流すアルに友人達が「いずれまた大きな戦争が起きるから」と「慰め」の言葉をかけるシーンで終わる。一連の会話はアルの成長を印象づけると共に、一年戦争以後の大規模な戦火を予感させるものであり、終戦がつかの間の平和であることを暗示している。
年齢は11歳で、ガンダムシリーズの主人公としては最年少であり、ザク改のコクピットに入り込みはしたが作中一度もモビルスーツを操縦することがない点でも異色である。また、ジオン贔屓であり、ガンダムを単なる攻撃対象としてひたすら敵視する辺りも他に類を見ない。なお、最年少主人公としては『機動戦士Vガンダム』のウッソ・エヴィンの13歳がそれに次ぐ。因みにウッソはモビルスーツパイロットである。
- 主人公であるにも関わらず、戦闘要員でないためかゲーム作品では登場しない場合が多い(類例に『戦国魔神ゴーショーグン』の真田ケン太が挙げられる)。そもそも作品自体にモビルスーツ戦が少ないためか、『スーパーロボット大戦シリーズ』では原作再現がされずにクリスとバーニィだけ登場することや、作品自体が登場しないことも多い。そういった事情からアルは『第3次スーパーロボット大戦』ゲームオーバーシーン(登場人物の中からランダムで一人が現れ一言喋る)にしか登場せず(事実上の没キャラ)、『スーパーロボット大戦GC』でようやく本編に初登場した。『SDガンダム GGENERATION』シリーズでは、シチュエーションモードという原作再現に特化したモードに於いても一度も登場していない(プロフィールモードにおいても「現地の少年」としか言及されていない)。
[編集] イームズ・イズルハ
イームズ・イズルハ (Ems Izuruha) (声:筈見純) 第1話・6話に登場
アルフレッド・イズルハの父。なお、イームズ・イズルハという名は後付け設定で、OVA制作当時の名は単にアルの父である。別居状態だったが最終話で和解し、親子3人で暮らすようになった。リボーコロニーへ帰る途上で核武装のジオン艦隊が連邦軍に投降する光景を目撃していた。
[編集] クリスの父
クリスの父 (声:村松康雄) 第3話に登場
アルの隣人マッケンジー家の家長。眼鏡をかけ恰幅のいい男性。彼自身は民間人ながら、適齢期の娘クリスチーナが連邦軍に入隊したため気にかけている。娘が泥棒と間違えてバットで殴り倒した若者バーニィをジオン軍特殊部隊の一員とも知らず気に入る。
[編集] チェイ
チェイ (Chay) (声:丸尾知子) 全話に登場
アルフレッド・イズルハのクラスメイトの一人。そばかす面でやせた方の男の子。多分にミリタリーおたく気味であり、アルたちに軍の階級章を見せびらかしていた。サイクロプス隊との接触ですっかりジオン贔屓となったアルをテルコットと共にからかい、アルを庇うドロシーに「お前らデキてたのか」と冷やかしたりもしていた。が、最終回では泣き止まぬアルを励ますつもりで「戦争はまたすぐ始まる」と不謹慎な発言をしている。
[編集] チャーリー
チャーリー (Chaelie) (声:稲葉実) 第4話・5話に登場
サイド6・リボーコロニーにて酒場「ピンクエレファント」を経営しているが、実はジオン公国軍のスパイである。シュタイナーとは古い付き合いらしい。ガルシアは「気の抜けたビール」を符牒にして情報入手を依頼していた。シュタイナーとコスチュームの受け渡しをした際に二人でジオンの敗北を鋭く予見していた。ルビコン作戦の失敗後、友軍によるサイド6への核攻撃が来るとバーニィに教え、すぐに脱出するよう促すが、自身は愛着のあるリボーコロニーと運命を共にする覚悟だった。
[編集] テルコット
テルコット (Telcott) (声:鈴木健) 全話に登場
アルフレッド・イズルハのクラスメイトの一人。アルのミリタリーおたく仲間で太った方の男の子。マザコン気味の大食漢で「ママが言ってた」が口癖。サイクロプス隊との接触ですっかりジオン贔屓になっていたアルをチェイと一緒になってからかったりもしたが、最終回では泣き止まぬアルを慰めている。
[編集] ドロレス・ヘイズ
ドロレス・ヘイズ (Dolores Haynes) (声:吉田古奈美(現:吉田小南美)) 第1話・2話・4話・6話に登場
アルフレッド・イズルハのクラスメイトの一人。愛称はドロシー (Dorothy) 。なお、ドロレス・ヘイズという名は小説版による後付け設定である。
真面目な世話焼き委員長タイプの女の子。口が達者。戦争に憧れるアルたちを小馬鹿にし嫌われていたが、ジオン贔屓な発言でチェイやテルコットにからかわれ孤立していたアルをさり気なく庇ったり、ラストでは泣き止まぬアルを心配して先生を呼びに行くなど優しい一面も見せていた。完全にツンデレな性格である。
[編集] ミチコ・イズルハ
ミチコ・イズルハ (Michiko Izuruha) (声:折笠愛) 第1話~3話・5話・6話に登場
アルフレッド・イズルハの母。なお、OVAのクレジットでは単にアルの母である。夫と別居しており、アルと二人暮らししていたため、躾に厳しい。最終話で夫と和解し親子三人で暮らすようになる。
[編集] 関連項目
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