江住駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
江住駅(えすみえき)は、和歌山県西牟婁郡すさみ町江住912-4にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)の駅である。
このあたりの車窓から見える海岸は枯木灘といい有名で、宮脇俊三はこのあたりが紀勢本線車窓の白眉であるといった。
目次 |
[編集] 駅構造
島式ホーム1面2線を持ち列車同士の行き違いが可能な地上駅である。ホームから駅舎へは線路を平面横断するがその構内踏切には遮断機と警報機がついている。
この駅には古くからの木造駅舎が残っている。出札口なども残っており地元の住民の俳句なども飾られている。駅舎の中にはベンチが所狭しと並べられ地元住民お手製の座布団などもしかれアットホームな雰囲気である。 この駅は無人駅である。駅員は居らず自動券売機や乗車駅証明書発行機も設置されていない。
- のりば
- 周参見・白浜・紀伊田辺方面
- 串本・紀伊勝浦・新宮方面
[編集] 利用状況
1日平均14人(乗車人員、2004年。出典:平成18年刊行和歌山県統計年鑑)
[編集] 駅周辺
このあたりでは海岸線ぎりぎりにまで山が迫っている。当駅はそのような山を江住川が削ってできた江住川河口のわずかばかりの平地に発展した江住の集落にある。江住の集落にはあるがその中心部とは離れておりこの駅はむしろ端に位置している。駅前には民家や喫茶店などが数件ありその駅前の道を田子方面に少し進むと江角の集落の中心部に出ることができる。逆に駅前の道を見老津方面へ進むと国道に下ることができる。国道からは枯木灘の海が見える。
なおこの駅を最寄とするスポットのうち特筆すべきものが江須崎である。江須崎は暖地性植物群落が見られ昭和28年(1953年)には国の天然記念物に指定された。駅から見老津方面に国道をしばらく進み江須川の集落からは南方向に折れると江須崎に行くことができる。江須崎を一周する遊歩道も用意されている。駅前は串本方面からのバスと周参見方面へのバスの結節点となっている。
- すさみ町立江住小学校
- すさみ町立江住中学校
- 串本警察署江住駐在所
- 江住郵便局
- すさみ町役場江住支所
- 江住港
- 江須崎
- 国道42号
[編集] 歴史
この駅は昭和13年9月、国鉄紀勢西線の周参見駅から当駅までの開通と共に終着駅の江住駅(えすみえき)として開業したが、その約2年後の昭和15年8月には当駅から串本駅まで開通し終着駅でなくなった。その後当駅は昭和34年、今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となったのを受け国鉄紀勢本線の駅となり、さらに国鉄の分割民営化を経て現在に至っている。
- 1938年(昭和13年)9月7日 - 国鉄紀勢西線の周参見駅から当駅までの延伸にともない国鉄紀勢西線の江住駅(えすみえき)として開業する。当初は終着駅であった。
- 1940年(昭和15年)8月8日 - 紀勢西線の当駅から串本駅の開通により終着駅ではなくなる。
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 三木里駅・新鹿駅間の開通を持って現在の紀勢本線が全通し新たに亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となり、当駅も国鉄紀勢本線の駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割民営化により当駅も西日本旅客鉄道紀勢本線の駅となる。