椿駅
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椿駅(つばきえき)は、和歌山県西牟婁郡白浜町椿330-4にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)の駅。
椿温泉の玄関口ではあるが、その温泉街の中心部とはかなり離れていて寂しい場所に位置する。単線区間に由来する列車交換のために、特急が数往復停車する。
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[編集] 駅構造
単式ホーム・島式ホーム複合型の2面3線を有する、行違い可能な地上駅。単式ホームから階段を下りたところに駅舎が置かれる。ホーム間の連絡は跨線橋による。1番線のホームは若干幅が狭い。
古くから駅舎は木造瓦葺で、内部の待合所には出札窓口が残る。駅舎の「椿駅」の看板にはツバキの花の絵がかかれており、駅舎の周りにもツバキの木が植えられている。また、待合所には山形県西置賜郡飯豊町にある東日本旅客鉄道(JR東日本)米坂線の羽前椿駅の写真が飾られている。
2003年11月1日から無人駅となっているため、駅員はいない。それまでは簡易委託駅であり、駅舎の中の出札口で切符を販売していた。
- のりば
- 白浜・紀伊田辺・和歌山方面(特急列車を含む)
- 周参見・串本・新宮方面(特急列車を含む)
- 周参見・串本・新宮方面(1日1本普通列車が発着するのみである)
[編集] 利用状況
1日平均28人(乗車人員、2004年。出典:平成18年刊行和歌山県統計年鑑)
[編集] 駅周辺
この駅は、椿温泉で知られる椿集落の入口であるが、その中心部からはかなり離れている。海岸線沿いにある椿温泉からは内陸に位置するため、山中にある駅といった風情である。椿地区の中心地にはバスなどの交通手段があるが、この駅の周辺には手つかずの山林が広がるのみで、駅はいたって寂しい場所にある。
駅前には朝来帰川(あさらぎがわ)が流れており、それに沿って椿の中心部たる朝来帰の集落まで、県道215号が伸びている。その道を駅からしばらく行くと、小規模な集落である朝来帰にたどりつく。そこから海岸線に沿ってさらにもう少し行くと、ようやくホテルやリゾートマンション・釣具屋などがある椿温泉の温泉街にたどり付くことができる。このように、駅から温泉まではかなり離れているため、駅前には旅行客が自由に使ってよい貸し自転車が置かれている。
- 白浜町立椿小学校
- 白浜町役場椿出張所
- 椿郵便局
[編集] 歴史
この駅は昭和10年3月、国鉄紀勢西線の紀伊富田駅から当駅までの開通と共に終着駅の紀伊椿駅(きいつばきえき)として開業した。椿駅を最初から名乗れなかったのは、五能線に当時既に椿駅があったからである。開業のわずか1年後の昭和11年10月に、国鉄紀勢西線は当駅から周参見駅まで延伸となり、当駅は終着駅でなくなった。その後当駅は昭和34年、今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となったのを受けて国鉄紀勢本線の駅となり、さらに国鉄の分割民営化を経て現在に至っている。なお駅名は、五能線において昭和39年10月1日に八森駅が東八森駅と改称され、同年11月1日に椿駅が八森駅に改称されたのを受け、昭和40年3月1日椿駅へ改称となった。同じ日には白浜口駅が白浜駅に、紀伊湯浅駅が湯浅駅に、金岡駅が堺市駅に改称されている。現在の石勝線東追分駅もこの日の開業である。
- 1935年(昭和10年)3月29日 - 国鉄紀勢西線の紀伊椿駅(きいつばきえき)として開業。
- 1936年(昭和11年)10月30日 - 国鉄紀勢西線が当駅から周参見駅まで延伸。
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)との間が紀勢本線とされる。
- 1965年(昭和40年)3月1日 - 椿駅に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割民営化により西日本旅客鉄道に承継。
- 2003年(平成15年)11月1日 - 簡易委託解除、完全な無人駅となる。
[編集] 隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- 紀勢本線(きのくに線)
- 特急「くろしお」「スーパーくろしお」停車駅
[編集] その他
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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