西条駅 (広島県)
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西条駅(さいじょうえき)は、広島県東広島市西条本町にある、西日本旅客鉄道山陽本線の駅。東広島市の玄関口・中心駅として、広島大学の最寄り駅として栄えている。その他にも西条の酒蔵に程近いため観光駅としての顔もある。10月第2土・日曜は西条中央公園で「酒祭り」があるため県内・県外の観光客で賑わい、通常の駅とは違った一面も持つ。
寝台特急「あさかぜ」廃止により定期の優等列車の停車はなくなったが、臨時列車の寝台特急「サンライズゆめ」の停車駅である。貨物列車の補助機関車解放駅。
駅の利用者規模は他の18万都市と同じだが、駅舎が小さく、また東広島市の中心駅としては余りにも古く、改札口がいまだに自動化されていないので(2007年4月15日に導入)通勤・通学(主に賀茂・西条農業高校および近畿大学工学部への通学客)が利用する平日6:00~9:00・夕方のラッシュ時と家族連れが多く利用する休日、帰省ラッシュ時は当駅で乗車、下車する客と見送りする人で駅舎内はごったがえす。
駅舎の看板は在来線の駅であるにもかかわらず新幹線向けのものが多く、駅構内のキオスクでは土産物を多く取り扱っている。
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[編集] 駅構造
[編集] 駅舎概要
- 地平式コンクリート駅舎(南口のみ)
- 1959年(昭和34年)落成、2000年(平成12年)一部改装
- 駅舎コンコース
- みどりの窓口
- 自動券売機旧式(傾式ボタン式2台・タッチパネル式1台)3台、みどりの券売機1台
- LED式列車案内表示機(改札口天井に広島方面・三原方面1台ずつ設置)
- 改札口1箇所(2007年4月15日に自動改札機に変更)
- キオスク
- 待合所
- 公衆電話2台(駅の外にも3台設置してある)
- トイレ1箇所(広島方面ホームにも1箇所設置)
- サンエトワール(パン屋)(元々はうどん屋が在ったが2002年に閉店)
- 旅行相談コーナー(元々はJR西日本旅行センター『Tis』があったが2005年に閉店)
- コンディトライモーツァルト(洋菓子店)
- 自動販売機(飲料水…2台・タバコ1台)(ホーム内にも設置(飲料系3台・アイス1台))
- 西条駅のキオスクでは西条酒(日本酒)や酒まんじゅう、西条饅頭、地元の和菓子屋「さくらや」の商品など東広島名物の土産物や広島土産も多く取り扱っている。
単式・島式の複合型2面3線のホームを持つ地上駅。駅舎は単式の1番ホーム側にあり、島式の3・4番ホームへは跨線橋で連絡している。
[編集] ホーム・乗り場概要
- のりば
-
- で発着する。)
※平日朝の白市行き1本のみ、4番線でなく3番線に入る。これは、学校休校日に当駅で当該列車の運転を打ち切るためである。
※1番線と3番線の間にホームのない中線(2番線)があり、瀬野~八本松間急勾配用の貨物補機が当駅で切り離され広島機関区へ回送される際の待機や異常時の貨物列車の抑止に使用される。
※4番線の外側にホームのない側線(5番線)がある。この線路は西高屋方に引上線があり、5番線で切り離した補機がここで折り返して2・3番線に転線する。電車も使用しているがほとんどない。電留線もあり、深夜は4~5編成が留置される。
※上り貨物列車は当駅3番線または5番線に一時停車し、広島貨物ターミナル駅から連結されていた瀬野~八本松間急勾配用の補機を切り離す。切り離された補機は2番線または3番線に転線し回送列車として広島機関区へ向けて発車するまで待機する。
※西高屋方には保線車両の基地(留置線)もある。
※広島方面の列車接近メロディーは[1],岡山方面の列車接近メロディーは[2]で統一されている。
[編集] 駅周辺
周辺の旧山陽道沿いには酒蔵が数多くあり、週末には2社以上の酒造会社が酒蔵を開放している。また毎年10月第2土、日曜には「酒まつり」が開催され多くの観光客でにぎわう。
長年の課題であった駅前整備は、2006年2月に完了した。この整備により駅前広場が拡張され、広島大学東広島キャンパスへ続く広島県道195号西条停車場線(愛称 ブールバール)が駅前まで4車線化された。駅前には東横インなどのビルを建て、駅前の発展を推進させている。2005年までの整備前とは想像が付かないほど変貌を遂げており、他の18万都市(高岡駅・今治駅・新山口駅等)と同じ機能を揃えた駅前となりつつある。
宿泊施設
- 東横イン東広島西条駅前(2007年4月25日開業予定)
- 行政機関
- 警察
- 東広島警察署 西条駅前交番
- 商業施設
- 金融機関
- 安芸西条郵便局(駅前に郵便ポストは設置されている。)
- 広島銀行 西条支店
- もみじ銀行 西条支店
- 広島信用金庫 西条支店
- しまなみ信用金庫 西条支店
- 呉信用金庫 西条支店
- 広島市信用組合 西条中央支店
- 山口銀行 東広島支店
- 大学
- 広島大学 東広島キャンパス
- 高等学校
- 広島県立賀茂高等学校…駅から徒歩10分
- 広島県立西条農業高等学校…駅から呉駅方面行きのバスに乗って約15分(交通状況によって変わる)
- 中学校
- 東広島市立西条中学校…駅から徒歩12分
- 小学校
- 東広島市立西条小学校
- 東広島市立東西条小学校
- 東広島市立三ッ城小学校
- 公共施設
- 東広島市中央公民館
- サンスクエア東広島
- 主要道路
- 公園
- 西条中央公園(毎年、「酒まつり」で使われている。)
- 路線バス
広島大学東広島キャンパスが東広島市(当時は賀茂郡西条町)への移転が決定した1973年当時は、西条駅から広島大学を経由して山陽新幹線東広島駅(当時は予定地であり、駅開業は1988年)へ至る新交通システム(当時の計画図によるとモノレールだと思われる)の建設構想があった。
なお、広島大学東広島キャンパスや東広島駅へはバスが運行されている。
[編集] 利用状況
- 1日平均の乗車人員 9,257人(2004年度)
[編集] 歴史
- 1894年(明治27年)6月10日 - 山陽鉄道 三原駅~広島駅間の開通と同時に開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道の国有化により国鉄の駅となる。
- 1959年(昭和34年)10月 - 現駅舎に改築。
- 1984年(昭和59年)1月1日 - 貨物の取扱を廃止。駅舎の西側に有蓋車用の車扱ホームが設置されていた。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となる。
- 2000年(平成12年) - 駅舎を一部改装。
- 2006年(平成18年)2月11日 - 駅前インフラ整備が完了。
[編集] 快速電車の停車について
- 1991年に広島地区に快速電車の設定が行われた。西条駅についてはこの時から快速電車の停車駅に設定された。しかし当初は広島-西条間は全く駅に停車しない設定となっており、西条駅を過ぎると終着駅まで各駅停車と他の地域とは違った形態の快速列車であった。これは広島大学が東広島市西条町下見に移転することが決まっており、JR側が広島市からの大学生の通学によりこの区間の旅客輸送が重要になると考えたためである。
- 2002年3月のダイヤ改正で八本松駅に通勤時間帯の快速電車(現:通勤ライナー)が停車するようになり、同年10月のダイヤ改正時には八本松駅に全ての快速列車、瀬野駅にデータイム時の快速列車が停車するようになった。そして2003年10月のダイヤ改正時に快速電車「山陽シティライナー」がデータイム時の快速電車「シティライナー」と通勤時間帯の快速「通勤ライナー」の2種類に分けることになり現在の形態が出来上がった。しかし運行パターンについては瀬野駅(通勤ライナーは八本松駅)を出ると各駅停車になったりするため、元々西条駅から各駅停車だった1991年とパターンは変わっていない。
- 但し八本松~西条間に新駅要望中の寺家駅が開業すると(現在は未定)新駅に快速列車が停車する事は考えにくいので状況は変わってくると思われる。
- 西条駅からの乗客はこの2駅に止まる様になった当初「これは本当に快速なのか」と言う風に普通電車に間違えられることも多かった。なお、現在も三原方面行快速は、瀬野・八本松への到着時点では「○○~西条間快速」表記付きのままで、当駅に到着する際に快速表記のない(いわゆる普通列車の)行先表示幕に変わる。