TK-X
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TK-X(新戦車) は、防衛省・陸上自衛隊が新中期防衛力整備計画に基づき計画・開発している次期主力戦車の通称である。同省の技術研究本部内の技術開発官(陸上担当)が開発試作を担当しており、2009年(平成21年)度での開発完了、2010年(平成22年)度での装備化を目指している。
目次 |
[編集] 開発経緯
陸上自衛隊が現在保有する戦車の後継を検討するに当り、目標性能として、C4I機能による情報共有及び指揮統制能力の付加、火力・防護力・機動力の向上、全国的な配備に適した小型軽量化による戦略機動性の確保といった条件を満たす必要があった。しかし、導入検討の候補となった諸外国の第3.5世代戦車は、陸上自衛隊保有のトランスポーターでの輸送を可能とする様な小型軽量化を行っておらず、90式戦車よりも大型であり重量も約5~15t重く、また、我が国でそのまま利活用できるC4I機能も搭載しておらず、日本独自のC4Iシステムに適応させる為の改修等が必要な物であった。これ等の事から諸外国の戦車は現有戦車の後継としての目標水準を満たすものでなかった。また、90式戦車を改修する案についても、重量等の点で目標とする水準を満たす事は出来ないとされ、C4I機能の追加等を含む改修を実施するとしても内部空間の関係で限定的な付加しかできず、経費面や運用面でも効率的でなかった。以上の事から、現有戦車の後継として各種任務や運用面で必要な目標性能を満たす戦車を装備する為には、開発を行う以外に有効な手段はなく、新戦車の国内開発を行うことが適当と判断された。
[編集] 概要
将来戦での機甲戦闘・機甲打撃及びゲリラ・コマンド攻撃対処で優位な態勢を確立させる為、開発にあたっては、高度なC4I機能等の付加、火力・防護力・機動力の向上、全国的な配備に適した小型軽量化、また、将来の技術革新等による能力向上に対応する為の拡張性の確保、民生品の活用及び部品の共通化等によるライフサイクルコストを抑む経費の抑制。以上の点を開発コンセプトとしている。この事から、全体の性能が90式戦車と同等か、それ以上の戦車の開発を目指していると考えられている。一部の資料では「第4世代戦車」などと明記されるものもある。しかし、現在各国とも「次第4世代戦車」については試行錯誤の段階であり、「第3~3.5世代戦車」の線引きも曖昧な為、はっきりとしていない。
[編集] 火力
火力については対象戦車を確実に撃破できるとされている事から、主砲は国産の120mm滑腔砲の搭載を予定していると考えられている。また、90式戦車にも搭載されている射撃管制装置・自動装填装置も装備するとされている。
現状の90式戦車と同等の威力を持つ砲を搭載した場合、50t程度の車重がなければ反動を押さえ込めず、射撃の精度が保てないと言われており、安易に軽量化が行えないと言う難問がある。これに関しては、アクティブサスペンションを装備し、発砲時の砲を含む車体の動揺をアクティブ制御することで押さえ込む方向で対処される模様である。
一部軍事系雑誌にて砲手が車体に配置されている事の影響による砲塔旋回時における感覚のズレが開発で問題にされているとの記述がなされた。
[編集] 防護力
防護力に関しては、新たに複合装甲を開発し、防御力を下げることなく軽量化を図るとされているが、軽くて防御力のある装甲をそう容易く開発できるのか疑問がある。よって、装甲を容易く取り外し可能な外装式のモジュラー装甲(90式戦車やルクレールは内装式のモジュラー装甲である)にするのではないかとの見方がある。ただ、90式戦車に採用されている複合装甲が開発されてから20年近く経過した現在、当時と同じ材質を用いた場合70%、最新の理論と素材を用いた場合30%の重量で90式戦車と同じ防御能力が得られるとの意見もある。
なお平成18年度に公表された防衛省技術研究本部のサイト内の資料である「公共調達の適正化について(平成18年8月25日付財計第2017号)に基づく随意契約に係る情報の公表(物品役務等)」によると、岐阜県の神岡出張所にて実施されるTK-X正面要部耐弾性試験に関する内容が記載されている。 それによると新型試作砲である120mm架台砲Ⅳ型、そして新型試作砲弾である徹甲弾IV型を用いることと、それらを用いた射距離250mの射撃によりTK-Xモジュール装甲の耐弾性評価を実施することがわかる。
[編集] 機動力
2005年(平成17年)10月25日に防衛省技術研究本部のサイト内に新設された「外部評価委員会 評価結果の概要」によれば、新戦車のエンジンは「90式戦車と同等あるいはそれ以上の機動性能を実現可能な、新戦車用動力装置(エンジン、冷却装置及び変速装置)」を目的とした試作がなされ、
の4点が試作品の基本設計結果とされた。 この新戦車用機関の設計に関し、外部評価委員会は「動力装置の設計は、現時点での最新技術を導入した正攻法なものと考えられる」とまとめている。
[編集] C4I
諸外国の主力戦車に装備されつつあるC4I(Command Control Communications Computers and Intelligence(指揮・統制・通信・コンピュータ・情報))システムを搭載する事で単車内及び近傍戦車同士が相互に情報を共有し、基幹連隊指揮統制システムに連接させる事で集団戦闘能力及び通信能力の向上を図るとされている。
[編集] 戦略機動性
現時点での陸上自衛隊の最新戦車である90式戦車は北海道での運用を考慮して開発された為、重量が50tあり北海道以外での平時における配備・運用が難しいとされている。新戦車は90式戦車よりも軽量化し、40t級になると言われており、本州・四国・九州等の全国的な配備・運用を目指している。その事から新戦車は74式戦車の後継と言われている。
陸上自衛隊では74式戦車の開発以降、事実上鉄道輸送に関しては断念している。これは、全国的な道路交通網の整備がなされ、61式戦車が開発された頃に比べ鉄道に頼らずに済むようになったためである。だが、90式戦車の移送は制約があるのも事実であり、かといって専用のトランスポーターによる輸送を行えば重量制限を受け走行できるルートが限られてしまう可能性や、長距離を自走させた場合に足回りを傷める可能性もある。しかし、74式戦車(38t)程度の40t級、しかも小型の車輌であればそれらの制約を軽減でき、砲塔及び車体を一体化させた状態でも安易に移送する事が可能と考えられる。
[編集] 関連項目
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