まんがはじめて物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『まんがはじめて物語』(まんがはじめてものがたり)とは、1978年5月6日から1984年3月31日にかけてTBS系列にて放送され人気を博した子供向けテレビ番組である。制作はダックスインターナショナル。
番組終了後もタイトル、出演者を変更した後続番組が1991年まで制作、放送された。さらに2001年には単発スペシャル番組『21世紀まんがはじめて物語』が放送された。この一連の作品をまんがはじめて物語シリーズなどと呼ぶことがある。
目次 |
[編集] 内容
子供達に身近な物事の起源や歴史といった"はじめて"をドラマ仕立てで紹介する、娯楽要素を盛り込んだ子供向け教養番組。最大の特徴として実写撮影とアニメの2つの表現方法を混用した点が挙げられる。物語の導入部と結末はフィルムカメラにより収録され、核となる時間旅行シーンはアニメで表現された。
実写とアニメの切り替え時のセリフは「クルクルバビンチョ パペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの モーグタン」
1回の放送時間は実質25分ほどであり、その内訳はオープニング曲、本編1、本編2、エンディング曲、次回予告と続く。毎回2つの事柄について取り上げるが、まれに本編1、本編2を通して1つの事柄を扱う回もある。このように放送形式は通常のテレビアニメに沿っており、単にアニメ番組として扱われる事も多い。
番組最高視聴率は、1978年12月23日放送の28.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。また、ニールセン調べ、関東地区では1979年1月6日放送の25.3%が最高。
実写とアニメの併用という珍しい表現方法、子供の知的好奇心をくすぐる内容が支持され、放送期間中に厚生省中央児童福祉審議会推薦番組に認定、文化庁こども向けテレビ用優秀映画賞を受賞した。さらに『新まんがなるほど物語』が放送された1988年にはシリーズ全体でATP長寿番組賞を受賞するなど、優秀な子供向け教養番組として高い評価を受けた。
[編集] 登場人物
- モグタン - 声:津賀有子
- 時間旅行をはじめ、超能力とも魔法とも取れる不思議な能力を多数持つピンク色のキャラクター。番組中ではお姉さんとともに時間旅行をし、地名や歴史上の人物などの情報を教える役割を務める。番組内の登場人物には豚に似ているなどとからかわれたりしていたが、実際は悪夢を食べるとされる架空の動物、獏をモチーフにしている。しかし外見は実在の動物であるバクに近い。実写シーンでは人形劇のぬいぐるみの姿で登場した。
- 場面転換時になどは「バビンチョ!」という意味不明な語句を発する。
- 後番組である『まんがどうして物語』などの一連のシリーズにも、歴代キャラクターから「先輩」と呼ばれ、度々ゲスト出演した。
- お姉さん - 演・声:うつみ宮土理(初代・~19話)、岡まゆみ(2代目・20話~)
- 何かにつけて「はじめて」を知りたがり、モグタンやロングおじさんにさまざまな質問をするという好奇心旺盛な性格。その役割は生徒役であるとともに視聴者層の子供の代わりをしているともいえる。
- 当初はうつみ宮土理が演じていたが、20話から病気治療(肝臓の病気)の為に降板、急遽岡まゆみに交代した。そのため「まんがはじめて物語のお姉さんといえば岡まゆみ」と連想する人も多い。岡まゆみの出演と陽気なキャラクターは番組の雰囲気作りに貢献し、大人の視聴者をも引き付けた。
- ロングおじさん - 演・声:吉村光夫
- その名調子で詳細な解説を担当するナレーター。番組中ではモグタンやお姉さんと会話を行うなど、単なるナレーターに留まらず1人の登場人物として扱われている。本編ではナレーションに専念し姿を見せることは滅多になかったが、番組の終わりに放送された次回予告などではひんぱんにテレビ画面に登場した。
- ロングおじさんという名前は役名ではなく吉村光夫の愛称である。
- ※このほか、卑弥呼やレオナルド・ダ・ヴィンチといった歴史上の人物もアニメの姿で登場する。そのほとんどはモグタンやお姉さんと度々会うためか面識があるようで、親しげに会話する。
[編集] 時間帯とネット局
TBSでは毎週土曜日の17:30~18:00に放映された。しかし、この時間帯はTBS系列の地方局ではローカル放送の枠であるところが大半であった。「天才クイズ(中部日本放送)」や「みやぎ東西南北(東北放送)」などである。これら多くの番組は地元で定着しており、当該地域から関東地方に来てこの時間帯にこの番組をやっているのを見て驚くほどの感覚であった。
このため、TBS系列の地方局での初回放送時期・時間帯については未だ不明なところが多い。以下はその情報の一部である。
北海道放送(HBC)では、土曜17:30-18:00の時間帯はローカルニュース「テレポート2000」の前身番組「テレポート6(後のWE!テレポート6)」を放送していたため、1週遅れで土曜17:00-17:30に放送、後に1983年頃から土曜7:00-7:30に放送するようになり、後継番組の「まんがどうして物語」を放送していた1985年頃からは土曜16:54-17:24に放送していた。
中部日本放送(CBC)では日曜朝9:30-10:00に放送していた。
静岡放送(SBS)では木曜19:00-19:30に放送していた。
[編集] 再放送
本放送を視聴していない世代の中には、以下の再放送により本作の存在を知った者も多い。この他再放送ではないが科学技術館の館内にてビデオ上映も行われた。
[編集] TBS系列
TBSやATVでは昭和末期、朝6時台に再放送が実施された。いずれも30分枠。
[編集] 独立UHF放送局
1990年代には他のシリーズ作品と共に、各地の独立UHF放送局にて再放送が繰り返された。日本自転車振興会の競輪補助事業、及びその助成を受けた放送番組センターの配給番組として、番組制作能力の乏しいこれらの局に対し貸し出しが行われたためである。一部の局では「まんがおもしろタイムトンネル」と改題し放送を行った。
こちらは15分番組として再編成されており、エンディングや次回予告、2パートにまたがる長編エピソードの放送は行われていない。岡まゆみ出演分のオープニング曲はすべて『?謎なぞアイランド』に統一され、番組最後にはその回を担当した脚本家と監督の名前が5秒ほど表示された。
[編集] TBSチャンネル
独立UHF放送局での放送終了後となる2004年3月末にTBS運営のCS放送チャンネル、TBSチャンネルで再放送が開始された。本放送時に実施されたアンコール放送を省いた上で現存する次回予告やミニコーナーを付け加え、極力当時の状態を再現し放送を行った。
[編集] スタッフ
- 音楽:伊部晴美
- 演奏:猪俣猛とダックスフント
- 現像:東洋現像所
- 衣装協力:東急百貨店
- プロデューサー:丹野雄二(ダックス・インターナショナル)、鈴野尚志(TBS)
- 制作:ダックス・インターナショナル、TBS
[編集] 主題歌
[編集] オープニング
- 『不思議な旅』(第1期)
- 作詞・作曲:森雪之丞、編曲:小六禮次郎、歌:うつみ宮土理、津賀有子
- 『未知へのロマン』(第2期)
- 作詞:森雪之丞、作曲:都倉俊一、編曲:田辺信一、歌:1980チューインガム・カンパニー
- 『?(ハテナ)謎なぞアイランド』(第3期)
- 作詞:吉岡治、作曲・編曲:寺島尚彦、歌:岡まゆみ
- 『IMAGINATION EXPRESS<夢急行>』(第4期)
- 作詞・作曲:GUNPHER BEHRLE、訳詞:さがらよしあき、編曲:飛澤宏元、コーラスアレンジ:古田喜昭、歌:Sugar
[編集] エンディング
- 『名物!モグタン音頭』(第1期)
- 作詞・作曲:森雪之丞、編曲:小六禮次郎、歌:うつみ宮土理、津賀有子
- 『恋に落ちたら』(第2期)
- 作詞:森雪之丞、作曲:都倉俊一、編曲:田辺信一、歌:1980チューインガム・カンパニー
- 『モグタン・マーチ』(第3期)
- 作詞:吉岡治、作曲・編曲:寺島尚彦、歌:津賀有子
- 『タマゴ』(第4期)
- 作詞・作曲:松田隆宏、編曲:飛澤宏元、コーラスアレンジ:古田喜昭、歌:Sugar
[編集] 関連項目
- まんがはじめて物語シリーズ
- 東急百貨店 - 衣装協力。放送当時、東急電鉄が関東地区での番組スポンサーだった関係か。
- ミームいろいろ夢の旅 - 番組概念に共通点が見られるテレビアニメ。
- 元祖!でぶや - パロディーでモグタンに似せた「デブタン」というキャラクターが登場する。
[編集] 外部リンク
- 日本パスタ協会 - キャンペーンキャラクターにモグタンを採用している
TBS 土曜17:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | まんがはじめて物語 | 次番組 |
おくさまは18歳(再放送) (1977.10.08 - 1978.04.29) ※土曜17:00枠に移動 |
まんがどうして物語 |
カテゴリ: テレビ番組に関するスタブ | 子供向け番組 | 教養番組 | TBS系アニメ | アニメ作品 ま | 1978年のテレビアニメ