みゆき (漫画)
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『みゆき』は、あだち充作の、漫画。少年ビッグコミック連載(1980年~1984年)。
目次 |
[編集] 概要
映画化、テレビアニメ化、テレビドラマ化もされた人気作品。第28回(昭和57年度)小学館漫画賞受賞。
テレビアニメは1983年3月から1984年4月にかけてフジテレビ系で全37話を放映。映画は1983年9月、東宝系で公開された。どちらもキティフィルムの製作。
テレビドラマは、1986年8月4日にフジテレビ系で月曜ドラマランドの枠で放送された。フジテレビと共同テレビの共同製作。
「お約束」のパターン(例えば2人で歩いていると不良にからまれるなど)を並べることにより、逆にそれをギャグにしている。当時のあだち充の長編作品にしては珍しくスポーツが関与せず、純粋にラブコメの要素のみで描いている。
「血の繋がらない妹」と「親不在であるが経済的に困らない生活」という設定は、その後の他作家の諸作品にも影響を与えた。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
主人公、若松真人が二人のみゆきに振り回される。1人は血の繋がらないかわいい妹、もう1人は美人同級生。ほんとに好きなのはどっち??
[編集] 登場人物
- 若松 真人(わかまつ まさと)
- 平凡な、どこにでもいるような高校生(後、浪人→大学生)。母親と2回死別している。妹のみゆきは2人目の母親の連れ子だったため、血の繫がりはない。クラスのマドンナ的存在の鹿島みゆきが自分に気があると判明した直後、父親と共に外国で暮らしていた妹のみゆきが帰国し、一緒に住むようになる。以後、ふたりの「みゆき」の間で揺れつづける。妹のみゆきは自分たちに血縁がないことを知らないと思っているため、そのことを隠し、普通の兄弟として振舞おうとする。みゆきとの共同生活の結果、女性の下着を見ると両手にとって広げるのが癖になってしまっている。大学は1浪して入学する。
- みゆき(妹)にある期間会わないと体調が悪くなる。(「みゆき病」と呼ばれる。)
- 後述の、真崎竜一・中田虎夫・鹿島安二郎の3人を、若松みゆきにまとわり付く三大危険人物と認識している。
- 最後の土壇場で妹のみゆきを恋人として選び、結婚をする。(血縁関係はないので、法的には問題ない。)
- 若松 みゆき(わかまつ)
- 真人の血の繋がらない妹。兄とは違い、成績優秀、運動神経も抜群。髪はウェーブしたショートヘア。物語後半になるにしたがって髪が長めになるが、伸びたというより絵柄の変化と見た方が自然であろう。真人に海辺で出会い、兄と知らず逆ナンしてきた。とても明るい性格で人気者。そのため、まわりにしつこく求愛してくる者があとを絶たないが、みゆき自身は超然としており、みゆきよりも真人の頭痛の種になっている。真人は、あくまでみゆきを妹として、迫り来る野獣からみゆきを守ろうとするが、それが嫉妬と紙一重になっている。ただ兄のガールフレンド鹿島みゆきには少しばかりライバル意識を持っている。幼い頃、猛獣の檻に迷い込んだ自分を命懸けで助けてくれた真人に、肉親に対するものとは異なる愛情を抱いている。原作での生年月日は1966年2月9日(コミックス12巻)。
- みゆき自身は、真人と血縁関係の無いことを以前から知っていた(最終話で間崎竜一の母親の口から語られることでそのことが読者に分かるようになっている)。
- 鹿島 みゆき(かしま)
- 真人の同級生。ロングヘアーの美人でおしとやかなクラスのアイドル。なぜか真人を好きになり、以後、控えめな性格の割にとても積極的に仲を深めようとしてくる。おしとやかに見えて、初期の頃はさかんに若松真人をひっぱたいた。頭に血が上ると、激昂するタイプらしい。料理・裁縫など女性らしい技術は一流。若松真人と同じ大学へ入るため志望校のレベルを真人にあわせて下げる。にもかかわらず、真人が試験に落ちてしまったため、自分は合格しているにもかかわらず浪人をし、真人と同時に同じ大学に入る。誕生日は若松みゆきの誕生日のちょうど1年前。偶然立ち聞きした真人兄妹の秘密を知り、身をひき失恋の痛みを和らげるため単身北海道に旅に出る。
- 間崎 竜一(まさき りゅういち)
- 真人の同級生だが、留年し若松みゆきの同級生となる。年齢は真人の1コ上。(中学卒業後高校浪人しているため、1浪1留となる。大学浪人はしなかった。)若松みゆきに一目惚れし、一緒の修学旅行、一緒の卒業式、一緒の同窓会そして一緒の結婚式のために留年するという暴挙を実行する。とても積極的な性格で、様々なドタバタエピソードを残す。成績不良のため退学になりかかったこともあるが、友人・関係者は同情するよりむしろ歓迎する空気があった。策略で友人をアルバイトにこき使ったりしたことなどもあり、人望はかなり薄い。しかし、腕っ節は強く、数人相手の喧嘩も負けない。オートバイを乗り回し、しばしばヘルメット無しで運転する。二人乗りでヘルメット無しもやったことがある。喫茶店「ドラゴン」を母親と切り盛りし、学生兼喫茶店のマスターをしている。
- 連載当初は若松みゆきに、意外なほど好意的態度で接してもらえたが、しだいに警戒されるようになってしまう。
- 「みゆき病」の第一罹患者。
- 中田 虎夫(なかた とらお)
- 鹿島 安二郎(かしま やすじろう)
- 香坂 健二(こうさか けんじ)
- 真人の同級生。勉強ができてスポーツ万能。表向きは明るく正しく、教師とっては理想の生徒。二枚目で女子にとってのアイドルスター。こんなに恵まれており、女子にモテモテなのに、ひたすら鹿島みゆきのみにアタックする。やり方が姑息なため、読者から抗議の手紙がきたらしい。みゆきと同じ大学に入るために、大幅に志望大学のレベルを下げ、鹿島みゆきが真人のために浪人して予備校に通うことを知ると、自分も浪人して同じ予備校に通おうとする。デートすらしたことが無い、しかもボーイフレンドがいる相手にここまでする、いささか常軌を逸した存在。若松みゆきに3人のレギュラー狼が群がっているのに対し、鹿島みゆきをねらうライバルは基本的に彼のみであることから、どちらの「みゆき」が作品の中心であるかが解かる。
- 沢田 優一(さわだ ゆういち)
- 真人とは年上の幼なじみ、大学生。高校時代までは真人の隣の家に住み、大学を両親とともに西ドイツへわたり留学。未来のサッカー選手。突如帰国の形をとって後半から登場。真人は兄のように慕っており、妹みゆきの相手としても申し分のない存在だったが、真人兄妹の間柄を知る一人として、真人に自分の気持ちを気づかせる最後のチャンスを与えることに。
- 村木 好夫(むらき よしお)
- 真人の同級生。真人と同じくらいの成績にして、同じくらいのすけべさ、どこにでもいるような高校生。要所要所で登場、真人と鹿島みゆきの間柄をうらやみ、ちょくちょく割り込む。もてないと思っていた妹がいる。真人と同じく、大学を浪人してから、同じ大学へ。作者の分身のような存在。どういうわけか、沢田とみゆきの披露宴には登場しない。
[編集] テレビアニメ
既に『うる星やつら』などで小学館作品のテレビアニメ化権を取得していたキティフィルムが、タツノコプロ出身の宮田知行プロデューサー、西久保瑞穂監督を招き、自社で制作スタジオを構えて挑んだ初のテレビシリーズ。フジテレビは既にアニメ製作会社グループ・タックによるあだち充作品『ナイン』をテレビスペシャルで放送しており、『みゆき』の後、『タッチ』『陽あたり良好!』のテレビシリーズと立て続けにあだち充作品を放映していくことになる。
配役は、主役の兄妹は実年齢が近い点が重視された。ヒロインの若松みゆき役を演じた荻野目洋子はキティフィルム製作の実写映画『ションベンライダー』のオーディションを受けたことがきっかけで起用された。演技について厳しい声が寄せられたが、小学生のときに芸能活動をしたものの、中学になってから活動のなかった荻野目にとって再デビューの足がかりとなった。これまで美形や二枚目の役が多かった塩沢兼人は本作の村木役での三枚目演技で新境地を開いたと評価されている。
音楽部門にキティレコードを抱えるキティフィルムらしく、曲を売り出すために、所属アーティストの歌が頻繁に挿入歌として使われ、またこの当時のテレビアニメとしては37話で3曲のエンディング主題歌は異例だったが、その甲斐もありH2Oが歌う「想い出がいっぱい」は番組終了後にヒット。1980年代のスタンダードナンバーとして記憶されることになった。
フジテレビが再放送権を喪失した後は、日本テレビにて再放送が行われた(1996年頃)。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- プロデューサー:宮田智行(原・宮田知行)
- フジテレビ・プロデューサー:岡正
- 製作:多賀英典
- 企画:落合茂一
- 音楽:ライオン・メリー、天野正道、安西史孝
- キャラクターデザイン:遊佐和重
- 文芸担当:関島真瀬
- 美術監督:海保仁三朗
- アート・デザイン:早乙女満
- 音響監督:松浦典良
- 撮影監督:都島雅義
- チーフ・ディレクター:西久保瑞穂
- 制作スタジオ:キティフイルム三鷹スタジオ
- 制作:キティフイルム、フジテレビ
[編集] 放映リスト
- ボクと渚の黒ビキニ!
- ひらて打ちは恋のレッスン
- 竜一のスクランブル誕生日
- 妹ダントツ!あにきはペケ!?
- デートのたびにキツーイ一発
- ロリコン刑事 二枚刃の安!
- 真人マッサオ!ビキニはどこへ?
- やったネ中田!みゆきと婚約!?
- 雨の日のコンサート
- ラブラブハイキング 安次郎の場合…!?
- エッチとすけべ
- 竜一・村木のアルバイト情報!
- 嵐の夜には何かが起こる!?
- みゆきの心 曇りのち晴れ
- 青春づくり 想い出づくり
- 真夏の夜のお願い蛍
- ひとりっ子 ふたりっ子
- ミラクル男 間崎竜一!
- 恋占いラプソディー
- 哀愁の修学旅行
- バトンタッチは夕暮れ時に!
- ヌワァンと5才で結婚宣言!?
- ひとつ屋根の下 二人のみゆき
- 恋のリハーサル
- おしかけ母さんラプソディー
- M・Wは恋のイニシャル!?
- ラブレター代理戦争!
- ロンリー・バースデー
- 迷い狼と金色ウサギ!?
- 雪やコンコン ストレンジャー
- ムフフ写真コンテスト
- 男の点数
- オジャマ虫・村木君!
- すれ違いサードママ
- 落としちゃった戸籍抄本
- 恋の酸素不足
- 愛・哀…ブルーエアメール
[編集] 主題歌
- オープニング - 「10%の雨予報」
- エンディング -
[編集] 映画
同時上映はあだち充原作の『ナイン』のアニメ版。後にあだち充原作のテレビアニメ『タッチ』を手がけるスタッフが制作し、既にフジテレビの日生ファミリースペシャルで放映されたテレビスペシャルである。主演の永瀬正敏はキティフィルムの『ションベンライダー』でデビュー。脚本の高星裕美子はこの後に『タッチ』のシリーズ構成を手がけた。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
[編集] テレビドラマ
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- 脚本:奥津啓治
- 演出:若松節朗
フジテレビ系 木曜19:30枠(1983年3月~1983年12月) | ||
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とびだせものまね大作戦 | 木曜おもしろバラエティ ※19:30~20:54 |
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フジテレビ系 金曜19:00枠(1984年2月~1984年4月) | ||
ストップ!! ひばりくん! | みゆき | クルクルくりん |
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