ひらけ!ポンキッキ
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ひらけ!ポンキッキは、フジテレビで1973年4月2日から1993年9月30日まで放送していた幼児・子供向けのテレビ番組である。
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[編集] 概要
主に発達心理学を駆使した幼児教育、情操教育を中心に、3歳児以降をターゲットに製作されている。メイン司会の「おねえさん」と番組キャラクターのガチャピン、ムックが出演(※おねえさんは数年ごとに交代する)。番組の主人公はあくまでおねえさんで、ガチャピンやムックはサブキャラクターに過ぎない。また「おにいさん」が出演している時期もある。
放送開始時は月曜日〜金曜日の午後2時30分からの放送だったが、1975年より朝8時台の放送となり、以来長年にわたり「朝の顔」として親しまれるようになる。幼児・子供向け番組であるにも関わらず「レベルが高く、わかりやすい」充実した内容はもはや芸術の域とも言われ、受賞の多さがそれを証明している。
中期オープニングの『青い空白い雲』は、ゴダイゴのタケカワユキヒデが作詞・作曲を手がけ、元ザ・タイガースのかはしかつみが歌っていた(後の『ポンキッキーズ21』でV6の井ノ原快彦とブラザートムがカバー)。
1993年10月に『ポンキッキーズ』に改題し、番組内容も大幅に変更した。
[編集] 「おともだち」絶対主義
この番組のコンセプトともいえる。OTOMODACHIがキーワード。元々は横澤彪プロデューサーが発案したといわれている。『ポンキッキーズ』以降でもエンディングには歌「みんなともだち」がしばしば使用され、おともだち哲学は一貫している。
[編集] タイトルの由来
『ポンキッキ』の名の由来にはさまざまな説や噂があるが、この語に特に意味はなく、幼児にとっての発音しやすさから採用された造語といわれている(幼児の発達段階においてはP=破裂音で始まる言葉が最も発しやすい語とされている)。また当番組は、方向性は異なるものの、アメリカの教育番組『セサミストリート』をモデルに作られており『ひらけ!』の部分は『セサミ』と同じく『アリババと40人の盗賊』のセリフ「ひらけ胡麻」(Open Sesame)から採られている。なお、サンスクリット語で「胡麻=ポンキ」という説があるが、これは完全な間違いである。
なお、かつてフジテレビ系『なるほど!ザ・ワールド』にて出題された問題で「『ポンキッキ』の名の由来」を問うものがあり、正解は「当時のフジテレビ社長の某氏は小説を書くのが趣味で、自作の小説内に登場させた『ポンキッキ博士』の語呂が良かったので、そのまま番組名に採用した」と社長本人が出演して語られていた。
[編集] 番組内のコーナー
おねえさんとガチャピン、ムックの掛け合いを描いたシーンの合間に以下のコーナーが挿入される。
[編集] 歌
ほぼ全てがこの番組のために制作された独自の歌であり、バックで流されたアニメーションや実写映像が印象に残っているという人も多い。シングルレコード450万枚以上を売り上げ(オリコン調べ)、シングル盤売上記録1位を誇る『およげ!たいやきくん』をはじめ、『いっぽんでもニンジン』『パタパタママ』『ホネホネ・ロック』『はたらくくるま』『まる・さんかく・しかく』といったヒット曲も出た。
[編集] ミニコーナー(スポット)
文字や数字の意味、数の概念、色の名前などを30秒程度で紹介するというコーナー。映像はアニメーションが多い。BGMとして使用された曲はピンク・レディー、キャンディーズなどのアイドル歌謡曲や民謡、ロックンロールなど多岐に渡った。ジンギスカンの「ハッチ大作戦」やスティービー・ワンダーの「Sir Duke」のイントロも使用された。
ビートルズの曲である"Please Please Me"、"Please Mr.Postman"、"Baby It's You"、"When I'm Sixty-Four"、"Here Comes the Sun"、"One After 909"、"Lady Madonna"それに(厳密にはウイングスの曲だが)"Hi,Hi,Hi"、"Silly Love Songs"などがアレンジして用いられていたことから、当時の子供でビートルズを知ったのは「ひらけ!ポンキッキ」からだった、という人が少なからずいる。当番組放送時にはビートルズは既に解散しており、1980年にジョン・レノンも暗殺されているため、当番組は正に「ビートルズを知らない世代」のファンを生み出したと言える。
[編集] しつけ
ペギー葉山が登場し、子供達に「好き嫌いをせずにんじんを食べましょう」「花火は大人と一緒にしましょう」などと告げ、望ましい行動やしてはいけない行動といった道徳をやさしく諭す。
[編集] 寸劇(サブコア)
はせさん治、パンチョ加賀美のコンビが、コント仕立ての寸劇を行う。内容には数や記号などの紹介も含んでいる。
[編集] 実写映像(コア)
実写映像で動物や植物、自動車をはじめとした乗り物などを紹介するコーナー。海の生物を紹介する際はガチャピンが海に潜ることもあった。
[編集] アニメーション・劇
- アップルポップ
- 動物の村に住むオオカミ一家を中心とした人形劇。鳥山明がキャラクターデザインを担当した。
- お天気ボーイズ
- 天気をモチーフとした仲間達が繰り広げる幼児向けアニメ。
- えくぼおうじ
- えくぼおうじを中心にしつけや道徳の要素を織り込んだ幼児向けアニメ。
- ピーターラビットとなかまたち
- 世界的に有名なピーターラビットの絵本を原作としたアニメーション。
- きかんしゃトーマスとなかまたち
- 眠れぬ夜の小さなお話
- 森の動物達が主人公の物語。原作はサザンオールスターズの原由子。ナレーション、エンディングテーマ曲も原由子がつとめた。
[編集] アラカルト
- 番組の最高視聴率は番組から生まれた『およげ!たいやきくん』が社会現象となっていた1976年2月に記録された22%。
- 番組初期では、おねえさんの他に船長という人物が出演しており、彼が卵から生まれる前のガチャピンを南の島から連れてきたという設定があった。また、ガチャピンは当初のんびりした内気な性格に設定されていた。
- 1992年10月2日ポンキッキ5000回の放送時にNHKの『おかあさんといっしょ』内『にこにこぷん』のキャラクターが出演。幼児番組の人気キャラクター同士、夢の競演となった。これは同年の5月5日にNHKの『ファミリーコンサート』にてガチャピンとムックが出演したお礼の出演と思われる。なお、この出演がにこにこぷんとして事実上最後のステージであった(既に人形劇は新作になっていた)。
- 一時期「ポンキッキ新聞」発行やコンピューターによる幼児の発達診断を行うサービスが存在した。
[編集] 出演者
[編集] おねえさん
- 初代 1973.04~1975.03 - 可愛和美
- 2代 1975.04~1976.03 - 日向亜希
- 3代 1976.04~1978.03 - 石井雅子
- 4代 1978.04~1981.03 - 高橋愛美
- 5代 1981.04~1983.03 - 荒川美奈子
- 6代 1983.04~1986.03 - 石丸有里子
- 7代 1986.04~1987.12 - 広瀬えり子
- 8代 1987.01~1989.09 - 木の内もえみ(本名・古内もえみ→結婚し鈴木もえみ)
- 9代 1989.10~1992.03 - 橘いずみ(本名・周栄良美→結婚し眞田良美)
- 10代 1992.04~1993.09(ポンキッキーズ含めると1994.03) - 三輪優子
[編集] おにいさん
[編集] その他
- ガチャピン 1973.04~1993.09
- 声:初代 - 矢沢邦江、2代 - 雨宮玖二子
- ムック 1973.04~1993.09
- 声:初代 - 石山かつみ、2代 - 松田重治
- しつけ 19xx.xx~1988.03頃 - ペギー葉山
- 船長 197x.xx~197x.xx -
[編集] 歴代のテーマ曲
[編集] オープニングテーマ
- 1973.04~1976.03 - ポンキッキ・スキャット(ポンキッキ合唱団)
- 1976.04~1979.03 - ポ・ポ・ポ・ポ・ポポポ・ポ・ポンキッキ(柿葉享子、ロイヤルナイツ)[1]
- 1979.04~1986.09 - 青い空白い雲(かはしかつみ)
- 1986.10~1988.03 - きょうも1センチ(マナ)
- 1988.04~1989.03 - ご期待下さい!(うしろ髪ひかれ隊)
- 1989.04~1990.03 - ふしぎなぼうけん(真璃子)
- 1990.04~1992.03 - もっと!(しばたかの)
- 1992.04~1993.03 - ふしぎ色のプレゼント(安東祐季)
- 1993.04~1993.09 - グッドモーニング・トゥ・ジ・アース(インストゥルメンタル曲)
[編集] エンディングテーマ
- 1973.04~1976.03 - おはよう・さよなら・ポンキッキ(御影あい子、ミレード児童合唱団)
- 1976.04~1979.03 - 未来へつづくポンキッキ(いしいまさこ、ロイヤルナイツ)[2]
- 1979.04~1986.09 - かもめは空を(かはしかつみ)
- 1986.10~1988.03 - ちきゅうともだち(ひやまきよし)
- 1988.04~1989.03 - 今日はサイコー!(うしろ髪ひかれ隊)
- 1989.04~1990.03 - ようこそぼくんちへ(真璃子)
- 1990.04~1992.03 - ハロー・マイフレンズ(しばたかの)
- 1992.04~1993.09 - 風の花束(ぶんけかな)
[編集] 放送された楽曲
- およげ!たいやきくん(子門真人)
- ホネホネロック(子門真人)
- パタパタママ(のこいのこ)
- ハッスルばあちゃん(のこいのこ)
- まる・さんかく・しかく(のこいのこ)
- はたらくくるま(1~3)(のこいのこ、子門真人、窓花さなえ)
- サンデーパパ(フーコ)
- たべちゃうぞ(ガチャピン(矢沢邦江))(わずか1週間で放送打ち切り。)
- カンフーレディー(高田とも子、コスモス)
- ジョキジョキテーラー(キドアイ)
- ぼくはきかんしゃトーマス(戸田恵子)
- いっぽんでもニンジン(なぎらけんいち)
- そらとぶさんりんしゃ(なぎらけんいち)
- ママのみぎてはまほうのて(なぎらけんいち)
- きんこんかんのうた(ぶんけまりこ)
- おっぱいがいっぱい(ぶんけかな)
- ドキドキドン!一年生(ぶんけかな)
- ピンクのバク(ぶんけかな)
- 8がつってすてき(ぶんけかな)
- てんしのおしっこ(ぶんけかな、ぶんけまりこ)
- ねむねむのひつじ(ぶんけかな、ぶんけまりこ)
- からだ元気?(しょうじけいすけ)(木の内もえみバージョンも存在する)
- ぼくはでんしゃ(子門真人、ぶんけかな)
- でんしゃのなかはおもちゃばこ(ぶんけかな)
- げんきたいそうポンキッキ(木の内もえみ)
- ドレミたいそう(木の内もえみ)
- ジャングルディスコ(木の内もえみ)
- のりたいでんしゃ はしるきかんしゃ(のこいのこ)
- ふねがゆく(本間勇輔)
- そらとぶなかま(本間勇輔、森の木児童合唱団)
- アラビアのおひめさま(木の内もえみ)
- アラッ!でんわ(ぶんけかな)
- このみちどんどん(のこいのこ、ガチャピン、ムック)
- へっちゃらロック(CONNY'S)
- かまっておんど(大竹しのぶ)
- クレヨンで描いたタイムマシン(SAY'S)
- NINJIN娘(田原俊彦)
- かいぶん21めんそう(山崎清介)
- はなのにっぽんさのよいよい(片岡鶴太郎)
- やせろ!チャールス豚三世(大野方栄)
- ガチョウの物語(チェッカーズ)
- みつめていたい(光GENJI)
- かぜひいてねんね(鹿島ヒデヤ)
- うめぼしのうた(鈴木玲子)
- ほえろ!マンモスくん(児島由美)
- おふろのかぞえうた(ビックリ・エレクトリック・カンパニー)
- あいうえおほしさま(うらいみさこ、うらいさちこ)
- ともだちでいようね(原由子)
- ユウウツなセーラーズ(木の内もえみ、山崎清介、砂川直人)
- わっはっはたいそう(木の内もえみ、ガチャピン、ムック)
- いっとうしょうたいそう(木の内もえみ、ガチャピン、ムック)
- いっとうしょうたいそう2(橘いずみ、ガチャピン、ムック)
- ドレミファンタジー(森の木児童合唱団)
- ごあいさつのうた(アルフィー、池田典代)
- またね(橘いずみ)
- ヤッホー!しんかんせん(おがわみと)
- きた!きた!とっきゅう(窓花さなえ)
- 恐竜音頭(三波春夫)
- いちばんロック(前田雅子、ロイヤルナイツ)
- パンダがなんだ(石川進)
- 恐竜が街にやってきた(上條恒彦)
- ゴロちゃん(すぺぺ)
他多数
[編集] 放送時間
- 1973.04~1975.09 - 月~金14:00~14:30
- 1975.10~1977.03 - 月~金8:15~8:45(関東地区のみ17:30~18:00に再放送)
- 1977.04~1988.03 - 月~金8:01~8:30(1981.03までは16:00~16:30に再放送)
- 1988.04~1992.09 - 月~金7:45~8:30
- 1992.10~1993.09 - 月~金8:00~8:30
[編集] ネット局
- フジテレビ
- 北海道文化放送
- 岩手めんこいテレビ(1991.04~)
- 仙台放送
- 秋田テレビ
- 山形テレビ(~1993.03)
- 福島テレビ(1983.10~)
- 新潟総合テレビ
- 長野放送
- 富山テレビ
- 石川テレビ
- 福井テレビ
- テレビ静岡
- 東海テレビ
- 関西テレビ
- 山陰中央テレビ
- 岡山放送
- テレビ新広島(1975.10~)
- 四国放送(1977.04~1993.03)
- テレビ愛媛
- テレビ西日本
- サガテレビ
- テレビ長崎(1990.10~)
- テレビ熊本
- テレビ宮崎
- 沖縄テレビ
[編集] 提供スポンサー
- 花王(当初は花王石鹸)
- ツクダオリジナル
- ピープル (玩具メーカー)
[編集] 受賞歴
- 1976年 第9回テレビ大賞優秀番組賞
- 1977年 放送文化基金 児童・幼児向け番組部門奨励賞
- 1983年 第26回ニューヨーク国際フィルム・テレビ・フェスティバル児童教育賞
- 1984年 アジア太平洋放送連合児童番組部門賞
- 1985年 児童福祉文化奨励賞
- 1988年 バクダッド国際テレビフェスティバル子ども番組賞
- 1990年 番組内コーナー「プルーラとせかいのにんぎょうたち」厚生省中央児童福祉審議会推薦
[編集] スタッフ
- 構成:高見映(『できるかな』のノッポさん) 高田文夫(昭和48年に当番組で構成作家デビュー)
- プロデューサー:野田宏一郎(野田昌宏)横澤彪 大島正 藤田洋一(フジテレビ副部長)など
- 音楽:本間勇輔
- 挿入歌の主な作詞:伊藤アキラ 高田ひろお
- 音効:長谷川龍(ノイズ)
[編集] 関連番組
- ポンキッキーズ(1993年10月~2001年3月、2005年4月~2006年3月)
- ポンキッキーズ21(2001年4月~2005年3月)
- ポンキッキ(2006年4月~2007年3月)
- ガチャガチャポン!(2005年4月~2006年03月)
[編集] 前後番組の変遷
フジテレビ ポンキッキシリーズ | ||
---|---|---|
前番組 | ひらけ!ポンキッキ | 次番組 |
- | Super Kids Zone ポンキッキーズ |
フジテレビ 月~金曜14:00~14:30 | ||
---|---|---|
前番組 | ひらけ!ポンキッキ (1973年4月~1975年9月) |
次番組 |
? | ? | |
フジテレビ系 月~金曜8:15~8:45 | ||
? | ひらけ!ポンキッキ (1975年10月~1977年3月) |
8:00-ひらけ!ポンキッキ 8:30-? |
フジテレビ系 月~金曜朝8:00~8:30 | ||
8:15-ひらけ!ポンキッキ | ひらけ!ポンキッキ (1977年4月~1988年3月) |
ひらけ!ポンキッキ |
フジテレビ系 月~金曜7:45~8:29 | ||
8:00-ひらけ!ポンキッキ | ひらけ!ポンキッキ (1988年4月~1992年9月) |
6:45-FNN World Uplink 8:00-ひらけ!ポンキッキ |
フジテレビ系 月~金曜朝8:00~8:30 | ||
ひらけ!ポンキッキ | ひらけ!ポンキッキ (1992年10月~1993年9月) |
Super Kids Zone ポンキッキーズ |
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