サクラ大戦シリーズ
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サクラ大戦シリーズ(サクラたいせん、英字表記:Sakura Wars または Sakura Taisen)は、日本のゲームメーカーセガより1996年から開発、販売されているアドベンチャーゲーム、及びそれとしたアニメ、舞台ショウなど派生作品のシリーズである。
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[編集] 概要
大正時代の風俗を感じさせるスチームパンクな雰囲気の「太正」時代を舞台に、特殊部隊「帝国華撃団・花組」を率いて悪しき魔物と戦うゲーム。アドベンチャーゲームパートでとった行動による主人公への好感度の変化が、戦略シミュレーションゲームパートでの花組隊員の戦闘力に影響するシステム。基本的には恋愛ゲームだが、戦略シミュレーションゲームでもあり、演出面ではスチームパンク、大正浪漫、戦隊ヒーローもの、歌謡曲、ミュージカル、ロボットと幅広い要素を融合させた意欲作で、更に高品質なアニメなども先進的に取り入れている。
アニメ(OVAシリーズ4本、TVシリーズ1本、映画1本)の他、花組の隊員たちが都市の魔を鎮めるために舞台女優をやっているという設定を利用した声優自身の出演によるミュージカル「歌謡ショウ」や、ラジオ番組もある。
以上のようにゲームから始まり、ミュージカル、アニメ(OVA、テレビ、劇場映画)、ラジオ、ドラマCD、小説、漫画、パチスロと、活動するメディアを拡大する大ヒットシリーズとなった。また、セガサターンの売上げにも貢献したと言われている。
ドリームキャストの製造中止とセガの家庭用ゲーム機撤退により、これまでセガのゲーム機で展開されてきた大神一郎を主人公としたシリーズは『サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~』にて完結。プレイステーション2での大神一郎シリーズの移植後、新主人公である大河新次郎を主人公とするシリーズが開始された。尚、PS2への移植はサクラ大戦1のリメイク版の次に3の移植版が出ている。(2と4の移植版は出ていない)
また、CESA大賞 '96において、サクラ大戦が大賞を受賞。ファミ通をはじめ各ゲーム誌においても、オリジナルシリーズの1,2,3,4は名作とされた(評価スタッフによるクロスレビュー、読者ゲームランキングなどによる)。この恋愛アドベンチャーゲームと戦略シミュレーションゲームとの融合は、サクラ大戦がその源流。後年の『ギャラクシーエンジェル』や『らいむいろ戦奇譚』も、この形式に倣った。
スチームパンクなロボットアニメとしても受け止められるので、スーパーロボット大戦シリーズへの参戦が望まれている(21世紀初頭のドリマガでスーパーロボット大戦シリーズプロデューサーの寺田貴信、オーバーワークス(当時。現セガ)の寺田バトルデザイナーとの対談で寺田貴信が冗談交じりでオファーを出した)。レッド・エンタテインメント公式サイトの掲示板にもその話題が出たが、広井王子本人と思われる人物によって、やんわりと参戦を否定する書き込みがされた。
[編集] シリーズ作品
発表されている作品は以下の通り。
※SS=セガサターン、DC=ドリームキャスト、PS2=プレイステーション2、GBC=ゲームボーイカラー、PSP=プレイステーション・ポータブル、PC=Microsoft Windows
[編集] 本編作品
- サクラ大戦 (SS, PC, DC)
- サクラ大戦 ~熱き血潮に~ (PS2) - 1のリメイク
- サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~ (SS, DC, PC)
- サクラ大戦1&2 (PSP) - 1と2のカップリング移植版
- サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~ (DC, PC, PS2)
- サクラ大戦物語 ~ミステリアス巴里~ (PS2)
- サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~ (DC, PC)
- サクラ大戦 COMPLETE BOX (DC)
- サクラ大戦V EPISODE 0~荒野のサムライ娘~ (PS2)
- サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~ (PS2)
[編集] 関連作品
- サクラ大戦 花組対戦コラムス (SS,PC)
- サクラ大戦 花組通信 (SS)
- サクラ大戦 蒸気ラジヲショウ (SS)
- サクラ大戦 帝撃グラフ (SS)
- サクラ大戦 花組対戦コラムス2 (DC)
- サクラ大戦オンライン (DC) - オンラインサービスは2005年11月30日に終了した。
- サクラ大戦オンライン ~帝都の長い日々~
- サクラ大戦オンライン ~巴里の優雅な日々~
- 大神一郎奮闘記 ~サクラ大戦歌謡ショウ「紅蜥蜴」より~ (DC)
- サクラ大戦GB 檄・花組入隊! (GBC)
- サクラ大戦GB2 サンダーボルト作戦 (GBC)
- サクラ大戦 帝國華撃團 電幕倶楽部 (PC)
- サクラ大戦 電幕倶楽部2 (PC)
- サクラ大戦3 デスクトップ アクセサリーズ (PC)
- サクラ大戦 デジタルデータ集 太正十二年度 電脳記録年鑑 (PC)
- サクラ大戦ケイタイクラブ(携帯端末・i-modeおよびYahoo!ケータイ)
- サクラ大戦@EZ(携帯端末・EZweb)
- サクラ大戦MMO(仮称)
- 2006年7月のChinaJoyで中国での発売が告知。日本版は未発表。
[編集] 発売予定?作品
2002年の「サクラ大戦ワールドプロジェクト」で発売が告知されたタイトル。2006年現在、続報が全くないため開発が継続しているのか不明。
- サクラ大戦物語 帝都編
- 『サクラ大戦物語 ~ミステリアス巴里~』の帝都東京版。
- KOUMA / 降魔(仮称)
- サクラ大戦の前史である降魔戦争における対降魔部隊の戦いを描くアクションアドベンチャー。
- 桜姫錦絵巻
- 戦国時代を舞台とした「サイコスリップアクション」。サイコスリップアクションとはどんなゲームなのかも定かではない。
[編集] 登場キャラクター
詳しくはサクラ大戦シリーズの登場人物を参照のこと。
[編集] メカニック
詳しくはサクラ大戦シリーズのメカニックを参照のこと。
[編集] 特殊道具
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
- 魔神器
- 帝國華撃団銀座本部に厳重に保管されていた祭器。剣、鏡、珠の三つ揃って初めて機能する。能力は保持者の霊力、妖力を莫大な程に高める事や聖魔城の封印を解く事等。只、その代償として使用者の命を大きく消耗させ、人間が使用すれば死に至る。サクラ大戦1では物語中盤で奪取され、聖魔城を復活させてしまうがその後取り返す。サクラ大戦2では薔薇組が秘密任務として魔神器を守っていた。物語終盤ではこれらを用いて敵の黒幕、京極慶吾の野望を打ち砕こうとして、真宮寺さくらが使用しようとするが、大神がその行動に反対して魔神器を破壊する。以降は登場しない。
- 二剣二刀
- 霊剣荒鷹:真宮寺家に伝わる由緒正しき霊剣。現在はさくらが使用。
- 神刀滅却:米田一基が持っている刀、大神へと受け継がれる。
- 光刀無形:山崎真之介が使用していた刀、現在は帝国華撃団が保管。
- 神剣白羽鳥:藤枝あやめの使用していた神剣、死後は藤枝かえでへ。
- 作品内の設定とは無関係ではあるが、これらの名称は「霊験あらたか」、「心頭滅却」、「荒唐無稽」、「真剣白刃取り」の駄洒落から来ている。又、二剣二刀とは関係無いが加山雄一の愛刀は『妖刀苦肉』で、これも「羊頭狗肉」の駄洒落であろう。
[編集] スタッフ
- 総合プロヂューサー:広井王子
- キャラクター原案:藤島康介
- 音楽、作曲:田中公平
- 構成:あかほりさとる
- キャラ設定、作画監督、パブリシティーイラストレーション:松原秀典
- 脚本:あかほりさとる、川崎ヒロユキ
- メカニックデザイン:明貴美加
- メカデザイン:森木靖泰
- 制作総指揮:入交昭一郎、香山哲
- エグゼクティブプロヂューサー:大場規勝
[編集] 主題歌
- 『檄! 帝国華撃団』(ゲーム第1作)
- 『檄! 帝国華撃団(改)』(ゲーム第2作、OVA第2期)
- 『檄! 帝国華撃団(改II)』(OVA第2期)
- 『檄! 帝国華撃団III』(ゲーム第3作)
- 『ゲキテイ』(TV版)
- 『御旗のもとに』(ゲーム第3作)
- 『檄! 帝~最終章~』(ゲーム第4作)
- 『檄! 帝国華撃団』と『御旗のもとに』のミックスバージョン
- 『檄! 帝~最終章~』(ゲーム第4作)
- 『地上の戦士』(ゲーム第5作)
[編集] アニメ
- サクラ大戦 桜華絢爛
- 第1期OVA、全4話。ゲーム第1作以前から第1作中盤付近までを舞台とする。(1997年12月18日より発売開始)
- サクラ大戦 轟華絢爛
- 第2期OVA、全6話。ゲーム第2作の後、巴里への転属を控えた大神が隊員たちとの思い出を回想する形式の一話完結。(1999年12月18日より発売開始)
- サクラ大戦TV
- 2000年4月8日から同年9月23日までTBSや毎日放送と一部系列局で放送。全25話。
- 劇場映画サクラ大戦 活動写真
- 2001年12月22日、東映系にて公開。ゲーム3作目、大神が巴里へ留学中に帝都で起こった事件を描く。
- この作品のラッピング広告が都営バス巣鴨営業所の車両 (P-C162) に2001年秋から2002年1月まで掲出された。またこのバスを題材にしたフォトコンテストが開催され、優勝者には実車で使われたラッピングシートが賞品として贈呈されたという。
- サクラ大戦 神崎すみれ 引退記念 す・み・れ
- 第3期OVA、全1話。(2002年12月18日発売)
- サクラ大戦 エコール・ド・巴里
- 第3期OVA、全3話。(2003年3月19日より発売開始)
- サクラ大戦 ル・ヌーヴォー・巴里
- 第4期OVA、全3話。(2004年10月20日より発売開始)
- サクラ大戦 ニューヨーク・紐育
- 第5期OVA、全3巻6話。(2007年4月4日より販売開始)
[編集] ドラマCD
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[編集] 小説
あかほりさとる作品
- サクラ大戦 前夜(全3巻)
- サクラ大戦(全4巻)
- サクラ大戦 巴里前夜(1、2~)月刊ドリマガにて連載中
川崎ヒロユキ作品
- サクラ大戦 轟華絢爛 ISBN 4829113510
- サクラ大戦 太正恋歌(全2巻)
- サクラ大戦 活動写真 ISBN 4829114088
[編集] 漫画
[編集] ラジオ
太正に実在したラジオ局という設定。大正時代を摸した内容で、ゲームのストーリーと連動している。
- 情報番組形式の番組。
- サクラ大戦 お台場放送局(1998年4月-1998年9月 ニッポン放送)
- ワイドショー形式の番組。
- パーソナリティ:真宮寺さくら、長宗我部祟
- 帝探:大河原一美
- オープニングコール:山本元気
- 宣伝通信ナレーション:那須恵理子、増山さやか、山本元気、横山智佐
[編集] 舞台
以下、特に記載のないものは東京公演のみ。これらの他にもミニライブショウなどもあり。
[編集] 歌謡ショウ
- 帝国歌劇団・花組特別公演「愛ゆえに」(1997年7月19日~21日)
- 帝国歌劇団・第2回花組特別公演「つばさ」(1998年8月10日~16日)
- 帝国歌劇団・第3回花組特別公演「紅蜥蜴」(1999年8月4日~7日)
- 帝国歌劇団・第4回花組特別公演「アラビアのバラ」(2000年7月28日~8月4日)
- 帝国歌劇団・花組 新春歌謡ショウ「新世紀カウントダウン・花組ライブ」(2000年12月31日~2001年1月7日)
- 歌謡ショウ 五周年記念公演「海神別荘」(2001年8月10日~18日)
- 帝国歌劇団・花組 新春歌謡ショウ 神崎すみれ引退記念公演「春恋紫花夢惜別」(2002年1月2日~6日)
- 帝国歌劇団・花組 スーパー歌謡ショウ「新編 八犬伝」(2002年8月15日~25日)
- 帝国歌劇団・花組 2003年新春歌謡ショウ「初笑い七福神」(2003年1月3日~7日(東京)、1月10日~11日(大阪))
- 帝国歌劇団・花組 スーパー歌謡ショウ「新宝島」(2003年8月15日~21日)
- 帝国歌劇団・花組 2004年新春歌謡ショウ「歌え♪花組」(2004年1月2日~5日)
- 帝国歌劇団・花組 第3回スーパー歌謡ショウ「新西遊記」(2004年8月13日~19日)
- 帝国歌劇団・花組 2005年新春歌謡ショウ「笑え!花組」(2005年1月7日~10日)
- 帝国歌劇団・花組 第4回スーパー歌謡ショウ「新・青い鳥」(2005年8月13日~20日)
- 帝国歌劇団・花組 2006年新春歌謡ショウ「跳んでる花組♪」(2006年1月4日~8日)
- 帝国歌劇団・花組 歌謡ショウファイナル公演「新・愛ゆえに」(2006年8月12日~22日)
- ファイナル公演「新・愛ゆえに」は、2007年3月、NHK-BS「日曜シアター “山川静夫の新・華麗なる招待席”」において劇場中継(録画)された。(ゲスト:広井王子)
[編集] ディナーショウ
- ディナーショウ 浪漫のクリスマス(2001年12月21日(大阪))
- ディナーショウ 巴里のクリスマス(2001年12月23日)
- ディナーショウ2002 巴里のクリスマス(2002年12月22日(東京)、25日(大阪))
- ディナーショウ2003 巴里のクリスマス(2003年12月23日)
- ディナーショウ2004 巴里のクリスマス(2004年12月23日)
- ディナーショウ2005 新次郎のクリスマス IN TOKYO(2005年12月23日)
[編集] レビュウショウ
- 紐育レビュウショウ ~歌う♪大紐育♪~(2006年3月18日~19日)
[編集] 番外編
- ミュージカル サクラ大戦 ~花咲く乙女~(1998年4月4日~15日(東京)、5月1日~5日(大阪))
- 南青山少女歌劇団が帝国華撃団・乙女組を演じた。
[編集] パチスロ
- サクラ大戦S2(2005年:エレコ・アルゼ)
- エレコ初の5号機としてデビルマン3と同時発売。メダル獲得枚数の異なる2種類のビッグボーナス(スーパービッグは約360枚、ノーマルビッグは約270枚獲得)を搭載している。デビルマン3と異なりリプレイタイムや重複フラグなどの機能は搭載していない分、ボーナス確率がやや甘めに設定されている。また、4号機では通常1から6の6段階だった設定が1と6の2段階としている。
- キャラクターとしては大神、さくら、すみれ、マリア、アイリス、李紅蘭、カンナらが登場。通常時は舞台ステージか銀座ステージのどちらかに滞在し、展開によって降魔との対決を始めとする様々な連続演出に発展する。またビッグボーナス中はBGMとして主題歌が流れる。
- 5号機なのでリール制御が1つしかないが、「中中青」と呼ばれる「中押しで中段に青7が止まるとスイカorボーナス確定」という制御が打ち手の間で話題となり、この出目に魅了される者が出た反面、どんな演出でも「中中青」が出ない限り信頼度がほぼゼロと、演出殺しの面も持っていた。
- ちなみに「さくらの水着姿が液晶に表示されるとボーナス確定」などのプレミア演出も用意されている。
[編集] カードゲーム
[編集] 小ネタ
- 舞台設定となっている架空の年号「太正」だが、モデルとなった「大正」が15年までだったのに対してシリーズが長期化したことで太正16年になっても改元されずに続いている。
- 第2作サブタイトル『君、死にたもうことなかれ』は、与謝野晶子が日露戦争に出征した弟の身を案じて作った詩から。
- 第3作サブタイトル『巴里は燃えているか』は、第二次世界大戦後期、ナチスに占領されていたパリが解放されるまでの数日間を描いたフランス映画から。
- 第4作サブタイトル『恋せよ乙女』は、中山晋平作曲の『ゴンドラの唄』から。
- 第5作サブタイトル『さらば愛しき人よ』は、レイモンド・チャンドラーの小説、『さらば愛しき女よ(Farewell, My Lovely)』から。
[編集] 関連項目
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- 魔弾戦記リュウケンドー
- 同じ広井王子原作の実写作品(制作:松竹・テレビ愛知)。
- 真宮寺さくらをモチーフにしたと思われるキャラクター西園寺海が登場している
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- カードキャプターさくら
- CLAMP原作の漫画・アニメ作品だが、主人公(メインヒロイン)の名前が同じくさくら(木之本桜)であったためかよく混同され、俗にこれをさくら違いと呼ぶ場合がある。こちらも第65話「さくらと雪兎と消えゆく力」で女袴で登場。
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- 謎のホームページ サラリーマンNEO
- NHKのコント番組
- 「会社の王国」内で田口浩正が「檄!帝国歌劇団」を熱唱し、周りをどん引きさせている。
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- るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
- ジャンプ本誌において、京都編エピローグ中の祝勝会で「檄!帝国歌劇団」のパロディと思われる「激!京都御庭番衆」を翁が熱唱していた。(ただしコミックス版では音符に修正されている)
[編集] 参考文献
- サクラ大戦 クロニクル ISBN 4839909601 (2003年7月28日)
[編集] 外部リンク
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主要作品 | サクラ大戦(血潮) - 君、死にたもうことなかれ(1&2) - 巴里は燃えているか - 恋せよ乙女 - COMPLETE BOX - V0荒野のサムライ娘 - さらば愛しき人よ |
関連作品 | 花組対戦 - 花組通信 - 大神一郎奮闘記 - オンライン - GB - GB2 - ミステリアス巴里 |
映像作品 | 桜華絢爛 - 轟華絢爛 - TV - 活動写真 - 神崎すみれ引退記念 - エコール・ド・巴里 - ル・ヌーヴォー・巴里 - 紐育 |
関連項目 | 登場人物 - メカニック(霊子甲冑) - 年表 - 舞台ショウ - 漫画 - ケイタイクラブ - ドラマCD - 太正浪漫堂 |