ジンギスカン (グループ)

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ジンギスカン（Dschinghis Khan）は、ドイツ（当時西ドイツ）の男女6人組音楽アーティストグループである。

1979年から80年代前半にかけて『ジンギスカン(Dschinghis khan)』や『めざせモスクワ(Moskau)』などが世界的に大ヒットした。1985年解散。

2005年 12月、2006年から20年ぶりに活動を再開させることが報道され、1996年に他界したルイス・ヘンリック・ポンジェッター、スケジュールの調整がつかなかったレスリー・マンドキを除く4人にゲストダンサー3人を加えたメンバーによる初のライブが12月17日にモスクワのオリンピックアリーナで行われた。

なお、上記のアルファベット表記はドイツ語によるもので、英語圏でもこの表記である。しかし日本版CDでは契約の関係から、英語表記である「Genghis Khan」と表記される。

[編集] 結成

1979年、ドイツのプロデューサー、ラルフ・ジーゲルと、経済学者であったベルント･マイヌンガーが、当時人気を博していたドイツのアーティスト、ボニーMのヒット曲「怪僧ラスプーチン」をモデルとしてジンギスカンという曲を作った。それをヨーロッパのポップミュージックの登竜門でもある「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」に応募するためにメンバーが集められ、結成したのがこのグループである。

6人のうちルイスを除く5人はその時にオーディションで選ばれた。ルイスは企画当初からメンバーとなることが決まっていた。「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のドイツ国内予選ではグランプリを獲得し、本選出場を果たしたものの、本選では4位に終わり、グランプリはならなかった。

[編集] メンバー

エディナ・ポップ（Edina Pop、1942年 2月3日 - ）: ハンガリー出身。ジンギスカン結成前にもドイツ国内でソロの音楽活動をしていた。解散した後もドイツで音楽活動をしている。
ヘンリエッテ・ハイヒェル（Henriette Heichel、1953年 11月13日 - ）: オランダ出身。身長171cm・体重52kg。結成前にメンバーのウォルフガングと結婚するが、解散後離婚。離婚により姓が変わり、現在はヘンリエッテ・シュトローベル (Henriette Strobel) として活動している。
ヴォルフガング・ハイヒェル（Wolfgang Heichel、1950年 11月4日 - ）: ドイツ出身。身長188cm・体重80kg。結成前はシンガーソングライター兼プロデューサーとして活躍していた。上記のヘンリエッテと結婚するが解散後離婚。解散後しばらくは、ジーゲルがプロデュースするグループ"That's Life"で音楽活動をしていた。
レスリー・マンドキ（Leslie Mandoki、1953年 1月7日 - ）: ハンガリー出身。結成前はボーカリスト兼パーカショニストとして活躍。ジンギスカン在籍中に一部作曲を担当している。解散した後も音楽活動をしている。
スティーヴ・ベンダー（Steve Bender、1942年 11月2日 - 2006年 5月7日）: ドイツ出身。結成前はギタリスト兼ボーカリストとして活躍。腰痛が原因で途中脱退。脱退後はドイツの音楽プロデューサーとして活躍。ジンギスカン在籍当時はスキンヘッドにしており、一日に二度髪を剃っていた。2005年の再結成のため奔走し、モスクワのライブにも参加したが、2006年5月7日、肺癌により死去。享年63。娘は歌手のメラニー・ベンダー（Melanie Bender）。
ルイス・ヘンリック・ポンジェッター（Louis Hendrik Potgieter、1951年 4月4日 - 1996年）: 南アフリカ出身。身長184cm。ヨーロッパでダンサーとして活躍しており、活動初期には主にダンス担当だった。後期ではボーカルを担当することもあった。解散後はレスリー・マンドキ、ヘンリエッテ・ハイヒェル等と共にジンギスカン・ファミリーとしての短期間の活動を経て南アフリカに帰国。帰国後はホテルのマネージャーを務めていた。1996年、エイズによる合併症によって死去。

Daniel Käsling、Stefan Track、Ebru Kaya: 2005年の再結成ライブのときに参加したダンサー。このうちStefanは、メンバーとトラブルを起こしたために2006年1月をもって脱退した。

[編集] 代表曲

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国や地名をモデルにしたもの

めざせモスクワ (Moskau): ソビエト連邦（現在のロシア）のモスクワがモデル。これが縁で1980年のモスクワオリンピックに招待された^[要出典]が、当時の西ドイツはオリンピックをボイコットしている。ドイツ語版のほかに英語版もある。日本ではダークダックスとバオバブシンガーズによってカバーされた。後者は、メンバーである声優が自分のやっている役を演じながら、アニメのタイトルやキャラの名前を曲にあわせて羅列して歌う支離滅裂な怪作で、原曲の歌詞の意味は全く引き継いでいない。千葉ロッテマリーンズのグッドウィルドーム限定の応援歌「西武には負けられない」の原曲でもある。; また2005年、歌詞が日本語に聴こえるという空耳ソング「もすかう」としてインターネットを中心にブームとなり、シングルカットすることになった。
栄光のローマ (Rom)
インカ帝国 (Machu Picchu)
めざせメキシコ (Mexico)
さらばマダガスカル (Madagaskar)
シエラネバダ (Sierra Nevada)
砂漠の国サハラ (Sahara)
KOREA: メンバーのレスリー・マンドキとニュートン・ファミリーのエヴァによるデュエット曲。「めざせモスクワ」のように、1988年に行われるソウル･オリンピックをテーマにして制作された。日本でも少女隊が英語と日本語でカバーした。

特定の人物をモデルにしたもの

ジンギスカン (Dschinghis Khan): モンゴル帝国の帝王チンギス・ハーンがモデル
ハッチ大作戦 (Hadschi Halef Omar): カール・マイ (de:Karl May) の児童文学の主人公、ハッチ・ハレフ・オマール (de:Hadschi Halef Omar) がモデル。
ツタンカーメン (Tut Ench Amun)

その他

ロッキング・サン (Rocking Son Of Dschinghis Khan): 2006年、この曲も「もすかう」同様、歌詞が日本語に聴こえるという空耳ソング「うはww母さんちょwwwww（もしくは母さんチョップ）」としてインターネットを中心にブームとなっている。
サムライ (Samurai): 日本の侍をモデルとしているが、楽曲は中国風である。
キャプテン・ネモ (Kapt'n Nemo): 『海底二万リーグ』のネモ船長がモデル。
ローレライ (Loreley): ライン川の魔女、ローレライ伝説がモチーフ。
妖精クラバウターマン (Klabautermann): 船に住み着く海の妖怪、クラバウターマンがモデル。
哀愁のピストレーロ (Pistolero): メキシコのガンマンを歌ったもの。

ドイツのチャートでは「ジンギスカン」が1位、「めざせモスクワ」が3位、「ローレライ」が6位、「ハッチ大作戦」が7位と4曲のTOP10入り楽曲がある。

[編集] ディスコグラフィ

アルバム

Dschinghis Khan (1979)
Rom (1980)

ボーナストラックを抜いたものが"Viva"として同年リリース。日本では『ザ･グレイテスト･ヒッツ』として発売。

Wir sitzen alle im selben Boot (1981)

以下は日本では未発売。

Helden, Schurken & der Dudelmoser (1982)
Corrida (1983) ("Bullfighting")
Die Großen Erfolge (1999)

シングル

Dschinghis Khan (1979)
Moskau (1979)
Hadschi Halef Omar (1979)
Rom (1980)
Pistolero (1981)
Loreley (1981)
Wir sitzen alle im selben Boot (1981)
Klabautermann (1982)
Der Dudelmoser (1982)
Himalaja (1983)
Olé Olé (1984)
Mexico (1985)

[編集] 日本への影響

ジンギスカンは、楽曲「ジンギスカン」の強烈なインパクトにより、1970年代後半からディスコなどのダンスシーンでアラベスクなどとともに人気を博した。また、それにより当時の竹の子族と呼ばれる若者にも多大な影響を与え、数多くのカバー曲も生まれた。

近年ではモーニング娘。の楽曲『恋のダンスサイト』のモデルとなったり、『めざせモスクワ』の動画がYouTubeなどのインターネット上で流出し、日本でも2ちゃんねる等のネット上で話題となっている。2004年には2006 FIFAワールドカップへむけてのサッカー日本代表の応援歌「成吉思汗（ジンギスカン）～ドイツへ行こう」のベースになる（同曲のCD発売は2005年）などいろいろと話題になっており、再評価の機運も高まっている。