スキル
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スキル(skill) とは通常、教養や訓練を通して獲得したアビリティ(能力、技量、才能)のことである。日本語では技能と呼ばれることもある。生まれ持った才能に技術をプラスして磨きあげたものもスキルという。たとえば、音楽家の作曲能力やカリスマなど。
資格や特技のように、他の人にない特殊な知識や能力を指す場合が多いが、会話や筆記のような通常の行動においても「スキルを高める」ことによってより高いレベルのものになるという考え方がある。また、乳幼児や障害者を対象としたような文脈では、歩行や食事などの日常動作もスキルとして論じられる場合がある。
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[編集] 日本における「スキル」という用語の使用例
日本では、近年、ビジネスにおいて「スキル」という言葉がよく使われるようになってきている。たとえば、ビジネススキル[1]、コミュニケーションスキル、ヒューマンスキル[2]、ITスキル標準、スキルアップなどである。「…スキル」のように接頭辞に特技や専門分野や専門用語の名前を入れて使うことがある。
日常会話やビジネスでは「…するにはスキルが足りない」「…するにはスキルがいる」「…する…のスキルが足りない」「…のスキルを習得する」などのように使う。「資格を習得する」ことも「スキルを習得する」と呼ぶことがある。
就職、転職を支援する人材募集企業や派遣会社などではスキルという言葉をよく使用している。
[編集] スキルの主な例
例:
- 学力
- コミュニケーション能力(対人コミュニケーション、対人能力、対人スキル、ヒューマンスキル、対話能力、会話能力)
- ソーシャルスキル、ビジネススキル(プレゼンテーション能力、社会技能、礼儀作法、社交能力、外交能力など)
- 話法: リスニング、トーキング、コミュニケーション能力(対人コミュニケーション)
- ノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)
- リテラシー(識字): ライティング(筆記)、リーディング(読書)(識字率が低い国や地域ではスキルと見なされやすい)
- 数学、物理学、化学、生物学、情報科学、医学などの専門分野の学問の習得など
- 運動スキル(運動技能)
その他
- カリスマ
- 知覚
- 説得
- 手続き記憶(Procedural memory)、知識、専門技能(expertise)、流暢さ
- (専門的)職業(Profession)
- 多重知能論(Theory of multiple intelligences)
- 思考、知能、IQ
- 医師免許、運転免許など、資格を取得しなければ実行できないものなど。
- 情報処理技術者試験、オラクルマスターなどの認定資格によって得た能力や知識など。
[編集] スキルと技術との違い
スキルの技術との違いは、技術が職人的な技芸だけでなく、ナノテクノロジー、ハイテク、科学技術などの応用手段や知識が含まれている事に対し、スキルは主に人間行動に大きく左右されやすいことに関する能力や職人的なものなどに限ったものを指すことにある。
例えば、製造業は主に機械によるものであり、目的を達成するためには人間の能力の違いが大きく受けないものであるのでスキルとはいいにくい(機械の扱いに関する能力についてはスキルと呼ぶが何が何でもスキルという言葉が適していると限らない)。
[編集] 脚注
- ^ カテゴリCategory:ビジネススキルを参照
- ^ カテゴリCategory:ヒューマンスキルを参照
[編集] 関連項目
- 教育
- 記憶、知識
- 能力(Competence)
- 職業、就職、転職
- 思考、知能
- スポーツ、ゲーム
- マインドスポーツ(Game of skill)(スキルゲーム)
- Four stages of competence
- 人間発達理論(Human development theory)
- 無能力
- 個別資本(individual capital)
- オンラインスキルベースゲーム(Online skill-based game)
- 転換可能スキル分析(Transferable skills analysis)
- 関連カテゴリ