ダリウス・ミヨー
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ダリウス(ダリユス、ダリュスとも)・ミヨー(Darius Milhaud, 1892年9月4日 - 1974年6月22日)は南フランスのエクス=アン=プロヴァンスに生れ、スイスのジュネーヴで没したフランス人の作曲家。ピアニストや指揮者としても活躍し、自作の録音を残している。
目次 |
[編集] 年譜
富裕なユダヤ系の家庭に生れ、幼い頃からヴァイオリンとピアノを習う。
- 1909年(17歳) パリ音楽院入学。ポール・デュカスに管弦楽法を学んでいる。
- 1917年 - 1919年(25歳 - 27歳) 第一次世界大戦中、外交官詩人として有名なポール・クローデルの秘書としてブラジルで生活(なおポール・クローデルはその後1921年から6年間駐日大使をしている)。
- 1920年(28歳) ブラジルから帰国して、《ブラジルへの郷愁》を作曲。この頃いわゆるフランス6人組の一員として注目される。
- 1921年(29歳) ジャン・コクトーによるバレエ《屋根の上の牡牛》を作曲。
- 1922年(30歳) 自作の曲の公演の為にピアニストとしてアメリカ合衆国訪問。
- 1923年(31歳) バレエ《世界の創造》をジャズの要素を取り入れて作曲、成功例となる。
- 1928年(36歳) 歌劇《クリストファー・コロンブス》を作曲。
- 1939年(47歳) 2台のピアノの為の《スカラムーシュ(空威張りする臆病者)》、木管五重奏曲《ルネ王の暖炉》を作曲。
- 1940年(48歳) ユダヤ系だった為に第二次世界大戦中はアメリカに亡命。
- 1940年 - 1946年(48歳 - 54歳) カリフォルニア州のミルス・カレッジ※で作曲を教える。その後は*1971年まで1年おきに教鞭をとったため、フランスとアメリカを頻繁に行き来する生活を送った。
- 1947年 - 1962年(55歳 - 70歳) パリ音楽院作曲科教授。
- 1963年(71歳) 《ニューヨークのフランス人》を作曲。
- 1974年6月22日(82歳) ジュネーヴで没する。
生まれつき小児麻痺を患っていたため車椅子を使う機会も多く、そのうえ1920年代からリューマチに悩まされた。作曲意欲は旺盛で、様々な楽器編成を試みたり、タンゴやジャズにも影響を受け、強烈なリズム感が特徴である。また映画音楽にも筆を染め、創作活動は亡くなるまでその衰えを見せなかった。
[編集] 作品
弦楽四重奏曲18曲、交響曲12曲、室内交響曲6曲、ピアノ協奏曲5曲、ヴァイオリン協奏曲3曲、その他膨大な作品がある。
吹奏楽の分野では「フランス組曲」が有名である。非常に難易度の高い作品であるが、もともとは学生吹奏楽団のために書かれた。
分野を問わず、多くの作品を残していることが伺える。
[編集] エピソード
- ミヨーは少年時代より既に近代的な和声を使いこなす術を心得ていたが、パリ音楽院での和声の成績はすこぶる悪かった。あきれる和声の教師ザビエ・ルルーに対し、ある日ミヨーは授業の後でルルーに自作のヴァイオリンソナタを見せた。ルルーは最初「和声が出来ない生徒がどうして作曲が出来るのか」と相手にしなかったが、ミヨーが彼の曲を弾き始めたところ、一小節目で彼の顔色が変わった。そしてルルーはヴァイオリンの旋律を歌ったりピアノの高音部でなぞったりしながら最後まで曲を見て、そして一言「君は私のクラスで何をしているのかね?君は既に自分の和声語法を持っているのに、さらに因習的な和声を習おうとしているのか。クラスを去りたまえ」と言ったという。(自著Ma Vie heureuseより)
- 対位法の技術を教えることの難しかった当時のアメリカの教育事情を考慮して、アンドレ・ジェダルジュのフーガの教程の英語版の出版に協力し、英語版序文を書いた(訳出者は別。現在はこの英語版は絶版)。
[編集] 著書
- ダリウス・ミヨー、クロード・ロスタン『音楽家の自画像』(別宮貞雄訳/東京創元社/1957)
- 『ダリウス・ミヨー――幸福だった私の一生』(別宮貞雄訳/音楽之友社/1993)
- 原語版 «Ma Vie heureuse» Darius Milhaud, Édition Zurfluh, 1998. ISBN 2-87750-083-7 (originalement: Édition Pierre Belfond, 1987)
[編集] ミヨーに関する著書
- ジャン・ロワ『ミヨー』(広田正敏訳/音楽之友社/1971)