チャック・クライン

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チャック・クライン（Charles Herbert Klein, 1904年 10月9日 - 1958年 3月28日）は、主に1930年代に活躍したアメリカ・メジャーリーグの野球選手。ポジションは右翼手。インディアナ州インディアナポリス生まれ。右投げ左打ち。"Hoosier Hammer(インディアナ・ハマー)"と呼ばれ、1933年にナショナルリーグ三冠王になった強打者。

[編集] 略歴

1928年にフィリーズでデビュー。翌年1929年には219安打、43本塁打、打率.356をマークし、初の本塁打王となる。
1930年は250安打,打率.386をマークした年だったが、同じ年にニューヨーク・ジャイアンツのビル・テリーが254安打,打率.401を記録し、両部門ともタイトルを手にすることができなかった。またこの年は170打点を挙げたが、こちらはハック・ウィルソンが191打点(現在のメジャーリーグ記録)を達成していた。
その後も1931年には初の打点王(121打点),と得点王(121得点)、1932年は38本塁打で本塁打王になると共に、20盗塁でリーグ盗塁王も獲得、その年の最優秀選手になった。本塁打王と盗塁王を同時に獲得したのは、彼とタイ・カッブとジミー・シェッカードの３人だけである。
1933年には28本塁打、120打点、打率.368とし、ロジャース・ホーンスビー以来の三冠王となる。この年は他にも最多安打、最多二塁打、出塁率1位、長打率1位(.602)などに輝いたものの、その年の最優秀選手にはカール・ハッベルが選ばれた。
1934年にシカゴ・カブスに移籍するものの、フィリーズ時代のような殆ど全試合の出場はさせてもらえず、打率も3割前後にとどまってしまう。カブスには2年しか在籍せず、1936年シーズン中に再びフィリーズに舞い戻る。
1940年に通算2000本安打を達成。それ以降は時折代打として出る程度になり、1944年に引退。引退後はフィラデルフィアでバーを開いていた時期もあったが、後に脳卒中を患い、故郷インディアナに戻る。1958年に53歳で他界。
1980年にベテランズ委員会によりアメリカ野球殿堂入り選手に選出された。

[編集] 1000安打到達最速記録

クラインは683試合目で通算1000安打に到達しており、これは現在でもメジャーリーグの最速記録である。 2005年にイチローがこの記録に迫った(696試合目:歴代3位)ことで、日本でも多く紹介された。

[編集] 所属球団

フィラデルフィア・フィリーズ(1928年 - 1933年、1936年 - 1939年、1940年 - 1944年)
シカゴ・カブス(1934年 - 1936年)
ピッツバーグ・パイレーツ(1939年)

[編集] 通算成績

[編集] 年度別打撃成績

年度	チーム	試合	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	打点	盗塁	四球	三振	打率	出塁率	長打率
1928	PHI	64	253	41	91	14	4	11	34	0	14	22	.360	.385	.577
1929	PHI	149	616	126	219	45	6	43	145	5	54	61	.356	.402	.657
1930	PHI	156	648	158	250	59	8	40	170	4	54	50	.386	.428	.687
1931	PHI	148	594	121	200	34	10	31	121	7	59	49	.337	.396	.584
1932	PHI	154	650	152	226	50	15	38	137	20	60	49	.348	.404	.646
1933	PHI	152	606	101	223	44	7	28	120	15	56	36	.368	.420	.602
1934	CHC	115	435	78	131	27	2	20	80	3	47	38	.301	.371	.510
1935	CHC	119	434	71	127	14	4	21	73	4	41	42	.293	.348	.488
1936	CHC	29	109	19	32	5	0	5	18	0	16	14	.294	.381	.477
〃	PHI	117	492	83	152	30	7	20	86	6	33	45	.309	.349	.520
1937	PHI	115	406	74	132	20	2	15	57	3	39	21	.325	.383	.495
1938	PHI	129	458	53	113	22	2	8	61	7	38	30	.247	.302	.356
1939	PHI	25	47	8	9	2	1	1	9	1	10	4	.191	.322	.340
〃	PIT	85	270	37	81	16	4	11	47	1	26	17	.300	.354	.511
1940	PHI	116	354	39	77	16	2	7	37	2	44	30	.218	.303	.333
1941	PHI	50	73	6	9	0	0	1	3	0	10	6	.123	.226	.164
1942	PHI	14	14	0	1	0	0	0	0	0	0	2	.071	.071	.071
1943	PHI	12	20	0	2	0	0	0	3	1	0	3	.100	.100	.100
1944	PHI	4	7	1	1	0	0	0	0	0	0	2	.143	.143	.143
Total	17年	1753	6486	1168	2076	398	74	300	1201	79	601	521	.320	.375	.543

[編集] 獲得タイトル・記録

三冠王:1933年
ナショナルリーグ MVP:1932年
最多本塁打:4回、(1929年、1931年、1932年、1933年)
打点王:2回、(1931年、1933年)
首位打者:1回、(1933年)
最多安打:2回、(1932年、1933年)
最多得点:3回、(1930年、1931年、1932年)
盗塁王:1回、(1932年)
ワールドシリーズ出場:1回(1935年)
オールスターゲーム選出:2回(1933、1934年)
5年連続シーズン200安打(1929年 - 1933年)
シーズン250安打(1930年:歴代6位)

※同年のリーグ最多安打はビル・テリーの254安打(歴代3位)

1930年の守備補殺(Assists)数は44で、これは右翼手としてシーズン最多記録である。

[編集] エピソード

クラインはフィリーズにおいて永久欠番の扱いになっているが、初期の頃はまだ背番号をつけておらず、またその後毎年背番号を変えていたため、番号の代わりに、活躍していた頃のチームロゴ(大文字の"P")を欠番に充てている。
1936年 7月10日、リーグ史上初となる1試合4本塁打を放った。
1942年 5月1日の対レッズ戦で、２塁塁審を務めた記録が残っている。