ディズニー・チャンネル
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ディズニー・チャンネル(Disney Channel)は、ウォルト・ディズニー・カンパニーが運営を行うケーブルテレビチャンネル。ディズニー制作の映画、アニメーション、テレビドラマなど娯楽番組を主に放送し、幼児、児童から青少年を中心とした全年齢を視聴対象としている。
1983年にアメリカ合衆国で放送を開始したのが始まりである。1990年代に入るとイギリスなど他国でも放送を開始し、2000年代初頭には60以上の国・地域で視聴できる世界的なチャンネルとなった。日本では日本国内のディズニーの事業を統括するウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の放送事業部門であるウォルト・ディズニー・テレビジョン・インターナショナル ジャパンにより運営が行われており、2003年11月18日から放送を開始している。
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[編集] 日本での展開
1990年代以降の日本においてディズニーアニメの放送はネット局の少ないテレビ東京系列、有料放送となるWOWOWの一部の時間帯に限られており、ケーブルテレビやデジタル衛星放送など多チャンネル放送の普及に伴い、マニア層からは恒常的にディズニーアニメが視聴できるディズニー・チャンネルの開局が望まれるようになった。また衛星放送事業者やケーブルテレビ事業者からはプラットフォームへの顧客加入を牽引するキラーコンテンツを持つチャンネルとしてその動向が注目されていた。しかし日本では放送法により外国企業の放送事業参入が制限されていたこと、さらにディズニー側は日本の市場価値は高いとしながらも有料放送市場が未発達で収益が期待できないと判断し放送開始を見送っていた。
その後ディズニーは放送法の規制緩和を受け、外国企業の放送事業参入を許した電気通信役務利用放送法に基づく放送事業者としてSKY PerfecTV!、大手ケーブルテレビにて放送を行うと2003年4月に開局計画を発表、同年11月18日に放送を開始した。2003年は本国のディズニーチャンネル開局、東京ディズニーランド開園から20周年、11月18日という日付はミッキーマウスの誕生日に当たる。
電車などの公共交通機関を利用した広告の実施、SKY PerfecTV!やケーブルテレビ各局へ向けたプロモーション番組「ディズニー・トゥーンタイム」の供給など、放送前から関係各社を巻き込んだ積極的な広報活動を行っていたこともあり、日本国内での視聴世帯は2004年1月時点で200万世帯を突破した。しかしSKY PerfecTV!での視聴世帯数はおよそ10万とケーブルテレビ経由の視聴世帯と比較して少ない。これはケーブルテレビにおいては追加料金なしに見られる基本チャンネルであるのに対し、SKY PerfecTV!では他チャンネルとのセット割引がないプレミアムチャンネルとして放送を開始したことが影響している。その後2004年10月からセット割引が設定された。ディズニー・チャンネルジャパンでは5年間で500万世帯の視聴拡大を目標に掲げている。
開局1年後となる2004年11月18日にはSKY PerfecTV!110(現・e2 by スカパー!) での放送も開始した。こちらはTBS系列の委託放送事業者、C-TBSへの番組供給という形を取る。
また2005年12月1日には、SKY PerfecTV!において2番目のチャンネルとなるトゥーン・ディズニーを開局した。トゥーン・ディズニーではアニメーションに特化した編成を敷いている。なお、トゥーン・ディズニーとディズニー・チャンネルとのセット料金が設定されている。SKY PerfecTV!110での放送は遅れて2006年4月1日に開始している。こちらの委託放送事業者はシーエス九州となる。
[編集] 放送形態
日本独自の番組を除き、すべて日本語による吹き替え音声と英語の2か国語で放送が行われる。SKY PerfecTV!、SKY PerfecTV!110やデジタル送信のケーブルテレビではステレオ2か国語放送という形態が取られており、どちらの言語でも臨場感のあるステレオ音声で視聴できる。
番組本編中には画面左下にチャンネルロゴが常時表示される。これは他の有料チャンネルでも同様に行われている事であり、ディズニー・チャンネルに限ったことではない。しかし他局に比べてロゴが大きく、番組冒頭とCM明けには画面下部に番組タイトルが、さらに不定期で特別編成などの告知も表示されるため、一部の視聴者からはロゴが目立って邪魔との批判がある。プレイハウスディズニーの時間帯では、当初他の時間帯とは異なる原色を多用した派手なロゴが使用されていたが、批判を受けてか2004年3月からは白1色の地味な物に変更された。
番組と番組の間には数分のショートアニメ、ミニ番組が放送される。これらは番組表に掲載されない。
[編集] 番組
番組内容により放送時間を区切るゾーン編成を取る。日本で初めて放送された番組は「蒸気船ウィリー」であった。
ディズニー・チャンネル放送番組を参考。
[編集] マジカル・ワールド・オブ・ディズニー (The Magical World of Disney)
ファミリー映画を中心に長編作品を放送するゾーン。ディズニー・チャンネルで毎日午後8時と深夜0時の他、土日には昼間2時にもこのゾーンが設けられている。日本ではディズニー映画、本国のディズニー・チャンネルで制作されたテレビ映画の他、ワーナー・ブラザーズ、MGM、コロムビア映画、ドリームワークス、ネルヴァナ社などの洋画も放送されている。 邦画では「星に願いを -七畳間で生まれた410万の星-」という作品が2006年9月に放送されている。
全編吹き替え放送というチャンネルの方針から、吹き替え音声が存在しない他社の作品もディズニー側で吹き替え版を制作した上で放送される。字幕放送は行われていない。
[編集] ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー
ディズニー・チャンネルが独自に制作した映画を放送するゾーン。このゾーンで放送されるほとんどの映画は、ディズニー・チャンネルで放送されている海外ドラマの主な登場人物を演じている、言わば、「ディズニー・チャンネル スター」が演じている。主な作品として、「アイドル追っかけ大作戦!」、「ライフイズ ワン!ダフル」、「ハイスクール・ミュージカル」、「チーター・ガールズ」、「チーター・ガールズ2」、「秘密のミラクル・マジシャン」、「カデット・ケリー」、「彼女はホログラム・スター」、「カンフー・プリンセス ウェンディー・ウー」、「私の日記はベストセラー」などがある。
[編集] プレイハウスディズニー (Playhouse Disney)
幼児向けアニメを中心とし、合間に番組進行を務めるお兄さん・お姉さんのゲーム、工作や料理などのコーナーを交えた幼児向け教育娯楽番組のゾーン。ディズニー・チャンネルで平日朝8時から昼2時までの6時間放送。土日は朝8時から10時までの放送。
各コーナーの出演者は全員日本人だが収録は主にパリのスタジオで行われている。2004年からは東京のスタジオで収録された視聴者参加型コーナーが加わった。
同様の幼児向けアニメ番組枠としてカートゥーン ネットワークは「ピぽらぺポら」を、アニマックスは「アニメっこMAX」を開始するなど、既存のアニメチャンネルにも影響を与えた。
[編集] アニメーション・ドラマシリーズ
上記のゾーン以外ではディズニーおよびその関連会社が制作した短編アニメやシリーズアニメ、海外ドラマなどが放送されている。
過去に日本の地上波やWOWOWでも放送された「サブリナ」、「ダックテイル」、「チップとデールの大作戦」、「ガミー・ベアの冒険」、「アラジンの大冒険」、「恐竜家族」などの他、ディズニー・チャンネルで日本初放送となった作品として「アメリカン・ドラゴン」、「キム・ポッシブル」、「リジー&Lizzie」、「レイブン 見えちゃってチョー大変!」、「22世紀ファミリー~フィルにおまかせ~」、「スイート・ライフ」、「シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ」などがある。
[編集] オリジナル番組
東京ディズニーリゾートやイベント、新商品の情報、キャラクター秘話などを紹介する日本独自の番組として、森公美子と石井正則司会の「ディズニーパラダイス」、日替わりミニ情報番組「ディズニー365」なども制作・放送されている。 その他、「アートアタック」、「DVDダッシュ!」などもある。
[編集] 世界のディズニー・チャンネル
ディズニーはアメリカや台湾(中華民国)など海外の一部におけるスタジオジブリ作品のテレビ放送権を獲得しており、これらの地域のディズニー・チャンネルではジブリ作品が長編作品の枠で放送されている。
[編集] アメリカ
1998年にアニメを専門に放送する兄弟チャンネル、Toon Disneyを開局した。このチャンネルでは過去に制作されたアニメの放送だけでなく、ディズニー傘下にあるABCで放送されるアニメ、特撮番組の時差放送も行う。
[編集] アジア
ディズニー・チャンネル アジアとしてフィリピン、インドネシア、シンガポールなどの東南アジアを中心に韓国、香港へも放送が行われている。2000年に日本のアニメとして初めてぶぶチャチャが放送された。
ケーブルテレビの普及した台湾ではディズニー・チャンネル アジアでも放送されている作品を交えた上で独自の編成を取っている。放送は台湾語で行われ、プレイハウスディズニーの時間は平日3時間と少ない。シリーズアニメはディズニー以外の作品が多く、日本のアニメも数多く放送されているが、その中にはあずきちゃん、星のカービィなどディズニーらしい選択とも言える作品が並ぶ。さらにマジカル・ワールド・オブ・ディズニーに相当する長編作品枠「Disney奇妙世界」ではスタジオジブリ作品だけでなく、世界名作劇場やちびまる子ちゃんの映画も放送された。
[編集] 関連項目
- トゥーン・ディズニー
- ディズニー・チャンネル放送番組
- 過去にディズニー・チャンネルで放送された番組
- SKY PerfecTV! チャンネル一覧
- ウォルト・ディズニー・カンパニー
- 東京ディズニーリゾート
- ディズニーストア
- ディズニー・オン・アイス
[編集] 外部リンク
公式サイト
- ディズニー·チャンネル - 日本(日本語)
- Disney Channel - アメリカ(英語)
- Disney Channel Asia - アジア地域(英語)
- Disney Channel Taiwan - 台湾(中文)
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