ニコン
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 100-8331 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 富士ビル |
設立 | 1917年(大正6年)7月25日 |
業種 | 精密機器 |
事業内容 | カメラ、顕微鏡、双眼鏡、メガネ、半導体製造装置(ステッパ)など、光学機器の設計、製造 |
代表者 | 苅谷道郎(取締役社長兼CEO兼COO) |
資本金 | 366億60百万円 |
売上高 | 単体:5,211億円(2006年3月期) 連結:7,309億円(2006年3月期) |
従業員数 | 4,352名(2006年4月1日現在) |
外部リンク | http://www.nikon.co.jp/ |
株式会社ニコン(Nikon Corporation)は、カメラ・デジタルカメラ・双眼鏡・顕微鏡・ステッパー・メガネなど、光学機器の大手メーカーであり、三菱グループの一員でもある。
ブランド名及び社名であるNikon(ニコン)は、元の社名である日本光學工業(NIPPON KOGAKU K.K.)の日本光學の部分を略したものである。なおNikonは、アメリカでは「ナイコン」と発音される。
2006年1月12日にフィルムカメラ部門を大幅に縮小しデジタルカメラ部門に集中することを発表した。
目次 |
[編集] 社史
- 1917年 光学兵器の国産化を目的として、東京計器製作所、岩城硝子製造所、藤井レンズ製造所が合同し、三菱の資本により「日本光學工業株式會社」(日本光学)を設立。主に海軍むけの光学兵器を開発・製造。(東京光学機械が主に陸軍むけだったため、「陸のトーコー、海のニッコー」と呼ばれた)
- 1931年 写真レンズの商標を「ニッコール」(NIKKOR)と決定。
- 1933年 九一式高射装置を完成。
- 1938年 九八式測的盤を完成。「武蔵」「大和」に搭載。
- 1945年 第二次世界大戦終結に伴い、主として民生品の生産に転換。6×6判二眼レフカメラ、35mm高級カメラの製造を検討。
- 1946年 35mmカメラの名を「ニコン」(Nikon)と決定。結果的にブランド名、そして社名となる。
- 1948年 「Nikon」(後に「Nikon I」と呼ばれる)を香港に初出荷。画面サイズは24×32mmのいわゆるニホン判。
- 1946年 眼鏡レンズ「ポインタール」発売。
- 1950年 「Nikon S」を発売。ライフ誌のハンク・ウォーカー(Hank Walker)は、ニッコールとともに朝鮮戦争の取材に携行、ニューヨーク・タイムズにその優秀性を報告する。
- 1952年 ニッコールクラブ設立。
- 1953年 アメリカでの販売をジョセフ・エーレンライヒ(Joseph Ehrenreich)が担当する。(彼は多くの日本製カメラを扱うようになる)
- 1954年 実体顕微鏡SM型、レベルE型を発売。
- 1957年 「Nikon SP」を発売。現在では、「LEICA M3」にならぶ名機として高い評価を得ている。
- 1959年 35mm一眼レフカメラ「Nikon F」を発売。「Nikon SP」をベースに設計された、最初のプロ用一眼レフカメラ。
- 1961年 8ミリカメラ「ニコレックス-8」を発売。
- 1962年 国産初の大型天体望遠鏡「91cm反射望遠鏡」を東京天文台 岡山天体物理観測所に設置。フォトマスク製作用レンズ「ウルトラマイクロニッコール 105mm F2.8」を発売。
- 1963年 La Spirotechniqueとの提携により、レンズ交換式水中カメラを開発し、「NIKONOS」(ニコノス)として発売。
- 1968年 創立50周年を記念して銀座三丁目にニコンサロンを開設。
- 1971年 35mm一眼レフカメラ「Nikon F2」発売。世界初の一眼レフ用AFレンズ「AFニッコール80mm F4.5」を試作。精密光波測距装置「MND-2」発売。
- 1974年 東京天文台 木曾観測所に「105cm シュミット望遠鏡」設置。
- 1980年 日本初のLSI製造用ステッパーNSR-1010Gを発売。
- 1980年 35mm一眼レフカメラ「Nikon F3」発売。
- 1980年 「Nikon F3」を元にしたスペースシャトル用35mm一眼レフカメラをNASAに納入。
- 1982年 「カラービデオカメラ S-100」を発売。ウェハ検査顕微鏡装置「OPTISTATION」(オプチステーション)発売。
- 1983年 「35mmダイレクト電送装置 NT-1000」を発売。報道機関むけ。
- 1984年 MO、MO再生装置の開発を発表。
- 1986年 TVカメラ用レンズ「TVニッコールレンズ S15×9」発売。
- 1987年 X線ステッパー「SX-5」発売。
- 1988年 「株式会社ニコン」に改称。電子スチルカメラ「Nikon QV-1000C」を発売。
- 1988年 35mmAF一眼レフカメラ「Nikon F4」発売。
- 1990年 タイにNikon Co., Ltd.設立。
- 1992年 世界初で唯一のAF一眼レフ水中カメラ「NIKONOS-RS」を発売。
- 1995年 一眼レフタイプのデジタルカメラ「Nikon デジタルスチルカメラ E2/E2s」を富士フイルムと共同開発。
- 1996年 最高級AF一眼レフカメラ「Nikon F5」発売。
- 1997年 コンパクトタイプのデジタルカメラ「Nikon COOLPIX 100」
- 1999年 デジタル一眼レフカメラ「Nikon D1」発売。
- 2000年 オランダにNikon Holdings Europe B.V.を設立。
- 2001年 マレーシアにNikon Sdn.Bhd.を設立。
- 2002年 中国に尼康光学儀器有限公司を設立。
- 2003年 ニコンのすべての製作所がゼロエミッション達成。
- 2003年 ポーランドに Nikon Polska sp.z.o.o.を設立。
- 2003年 中国上海に尼康儀器有限公司を設立。
- 2004年 35mmAF一眼レフカメラ「Nikon F6」発売。
- 2006年 デジタルカメラ事業に経営資源を集中するため、フィルムカメラ関連事業を大幅縮小。
[編集] 事業
事業規模としては2004年3月期時点で、カメラなど映像事業が売上げの56%、半導体製造装置などの精機事業が同31%、光学測定器・顕微鏡などのインストルメンツ事業が同9%となっている。
[編集] カメラ
35mm一眼レフカメラのNikon Fシリーズ、デジタル一眼レフDシリーズ、コンパクトデジタルカメラCOOLPIXシリーズなどで知られる。 詳細は、ニコンのカメラ製品一覧へ。
[編集] 天体望遠鏡
受注生産による天文台むけ大型望遠鏡や周辺装置を手掛けているほか、一時期、小型で個人むけの屈折式天体望遠鏡を量産していた。
詳しくは、ニコンの天体望遠鏡製品一覧を参照のこと。
[編集] 双眼鏡
船舶、漁船などで多く採用
[編集] 半導体製造装置
半導体や液晶ディスプレイの製造に用いる露光装置であるステッパー(縮小投影型露光装置)を1980年に日本で初めて製品化し、以後日本および世界市場で事業を行っている。2003年度出荷台数において、世界シェア44%(ガートナー調べ)と首位の座を占める。紫外線を用いたi線ステッパーのほか、KrF,ArFエキシマレーザ・ステッパーやEB(電子ビーム)露光装置などの最先端の装置に強みがある。
[編集] 子会社
[編集] 参考文献
- 荒川龍彦 - "[復刻]明るい暗箱" 朝日ソノラマ 2000 ISBN 4-257-12027-4
- 遠藤諭 - "計算機屋かく戦えり" アスキー出版局 1996 ISBN 4-7561-0607-2
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 株式会社ニコン
- 株式会社ニコン 映像カンパニー / ニコンカメラ販売株式会社
- 株式会社ニコンビジョン (望遠鏡、双眼鏡、個人用顕微鏡、ルーペなど)
- 株式会社ニコンインステック (顕微鏡、測定器、理化学機器など)
- 株式会社ニコンアイウェア (メガネ)
- 株式会社ニコン・トリンブル (測量機、Trimble Navigationとの合弁)
- 株式会社ニコン・エシロール (メガネ、Essilor Internationalとの合弁)
- Aqualung France (旧 La Spirotechnique、NIKONOSのベースとなったCalypsoを開発)
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