ヴァレンティン・シルヴェストロフ
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ヴァレンティン・シルヴェストロフ(Valentyn Sylvestrov, 1937年9月30日 キエフ - )はウクライナの現代音楽の作曲家。アルフレット・シュニトケやアルヴォ・ペルト、ソフィヤ・グバイドゥーリナらが居並ぶ旧ソ連の同世代の作曲家の中では、屈指の実力を持つ作曲家と見なされている。
15歳で音楽の個人指導を受けた後、1955年から1958年までキエフ音楽大学夜間学部に学び、1958年から1964年までキエフ音楽院にてボリス・リャトシンスキーに作曲を、レフ・レヴツキーに和声法と対位法を師事。
おそらく前衛的な作風によって著名であるが、いくつかの作品は、モダニズムや新古典主義音楽の流れを汲んでいると見なし得る。伝統的な調性や旋法も用いながらも、劇的な響きと情緒的な響きのテクスチュアを繊細に織り成し、独自の作風を築き上げている。シルヴェストルフが示唆する特色は、たいがいの現代音楽においては犠牲にされてきたものである。「私が作曲しているのは、新音楽ではないのです。私の音楽は、既存の音楽への反応であり、反響なのです」とシルヴェストロフは語っている[1]。
シルヴェストロフは、1974年にソ連作曲家同盟から除名されると、現代的な作風を放棄するよりも、隠遁することを選んだ。たとえば《静寂の歌》のような作品は、非公開で演奏されることを意図して書かれた。
シルヴェストロフの《交響曲 第5番》(1980年~1982年)は、傑作として広く認められており、グスタフ・マーラーのような後期ロマン派音楽のエピローグないしはコーダと見なしてよい。
シルヴェストロフの主要な出版作品には、7つの交響曲、ピアノと管弦楽のための詩曲、数々の管絃楽曲、2つの弦楽四重奏曲やピアノ五重奏曲などの室内楽曲、3つのピアノ・ソナタ、数々のピアノ曲、声楽曲(カンタータ、歌曲)が含まれる。特に有名なものは以下の通り。
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- ピアノ曲《ソナチネ》 (1960年, 改訂1965年)
- 弦楽四重奏のための「小四重奏曲」"Quartetto Piccolo" (1961年)
- 交響曲 第1番 (1963年, 改訂1974)
- アルトフルートと6つの打楽器のための「神秘劇」"Mysterium" (1964年)
- 室内オーケストラのための「スペクトル」"Spectra" (1965年)
- ピアノと管弦楽のための「モノディア」"Monodia" (1965年)
- フルートとティンパニ、ピアノ、弦楽合奏のための「交響曲 第2番」 (1965年)
- 交響曲 第3番「終末の響き」 "Eschatophony" (1966年)
- 管弦楽のための詩曲「ボリス・リャトシンスキーを偲んで」 (1968年)
- ピアノ三重奏のための「ドラマ」 (1970年-1971年)
- チェロとピアノのための「瞑想曲」 (1972年)
- '弦楽四重奏曲 第1番 (1974年)
- Thirteen Estrades Songs (1973年-1975年)
- プーシキン、レールモントフ、キーツ、エセーニン、シェフチェンコほかの詩による連作歌曲集「静寂の歌」 (1974年-1975年)
- 吹奏楽と弦楽合奏のための「交響曲 第4番」 (1976年)
- ピアノのための小品集「キッチュな音楽」"Kitsch-Music" (1977年)
- ソプラノホルンとピアノのための「森の音楽」 (1977年-1978年)
- 無伴奏ヴァイオリンのための「後奏曲」 "Postludium" (1981年)
- チェロとピアノのための「後奏曲」 "Postludium" (1982年)
- 交響曲 第5番 (1980年-1982年)
- キーツの詩によるソプラノと小オーケストラのためのカンタータ「夜鳴き鶯を讃えて」 (1983年)
- ピアノと管弦楽のための「後奏曲」 "Postludium" (1984年)
- 弦楽四重奏曲 第2番 (1988年)
- ヴァイオリン毒草と管弦楽のための交響曲「献呈」"Widmung" (1990-1991年)
- ピアノと管弦楽のための交響詩「超音楽」"Metamusic" (1992年)
- 交響曲 第6番 (1994年-1995年)
- シンセサイザー、ピアノ、弦楽合奏のための「使者」 (1996年-1997年)
- ピアノと弦楽合奏のための「墓碑銘」 "Epitaph" (1999年)
- 室内オーケストラのための「秋のセレナーデ」 (2000年)
- 死者のためのミサ曲 Requiem (2000年)
- 讃歌2001年 (2001年)
- 交響曲 第7番 (2003年)