国道176号
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国道176号(こくどう176ごう)は、京都府宮津市を起点として兵庫県を経由し、大阪府大阪市北区の「梅田新道」交差点に至る一般国道。
沿線では「イナロク」と通称されている(丹後半島でも「イナロク」で通じる)。近畿北部の幹線国道で全線が2桁国道レベルで整備されているため現在、京都府福知山市天津町~大阪市北区梅田新道間の全線を指定区間に編入する計画がある。
だが、三田市より南の阪神メガロポリスでは有数の渋滞地域となっている。大阪方面へ行くのに時間がかかる場合があり、同地区では迂回路(兵庫県道68号川西三田線、兵庫県道82号大沢西宮線など)も多数あるので、大阪方面へは迂回したほうが速い場合もある。
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[編集] 概要
- 陸上距離:159.6km
- 起点:京都府宮津市(新大手橋国道178号)
- 終点:大阪府大阪市北区(梅田新道交差点 = 国道1号終点、国道2号・国道25号・国道26号起点)
- 重複区間
- 主な経由地:京都府福知山市、兵庫県神戸市、西宮市、宝塚市、大阪府豊中市
- 指定区間:
- 西宮市山口町下山口1丁目~宝塚市栄町3丁目(名塩道路)
- 川西市小戸2丁目~大阪市淀川区新高3丁目
(将来は福知山市天津~大阪市北区梅田新道のすべてが指定区間になる予定)
[編集] 管理者
- 宮津市~与謝野町=京都府丹後土木事務所
- 福知山市 = 京都府中丹西土木事務所
- (国道9号重複区間は国土交通省福知山河川国道事務所。将来は天津交差点以南も福知山河川国道事務所へ移管予定)
- 丹波市 = 兵庫県丹波土木事務所柏原派出
- 篠山市 = 兵庫県丹波土木事務所篠山派出
- 三田市 = 兵庫県丹波土木事務所三田派出
- 神戸市北区 = 神戸市建設局北土木事務所
- 西宮市山口町の一部 = 兵庫県西宮土木事務所
- (以上区間は兵庫国道事務所へ移管予定)
- 西宮市山口町下山口1丁目~宝塚市栄町3丁目 = 国土交通省兵庫国道事務所西宮維持出張所
- 宝塚市栄町3丁目~川西市小戸2丁目及びバイパスの兵庫県内 = 兵庫県宝塚土木事務所(将来は兵庫国道事務所西宮維持出張所へ移管予定)
- 川西市小戸2丁目~大阪市淀川区新高3丁目 = 国土交通省大阪国道事務所高槻維持出張所
- バイパスの池田市内 = 大阪府池田土木事務所
- 大阪市内=大阪市建設局北西土木事務所
- (大阪府内は全線が大阪国道事務所高槻維持出張所へ移管予定)
[編集] 歴史
- 1953年(昭和28年)5月18日:二級国道176号福知山大阪線(京都府福知山市~大阪府大阪市)
- 1965年(昭和40年)4月1日:一般国道176号(京都府福知山市~大阪府大阪市)
- 1970年(昭和45年)4月1日:一般国道176号(京都府宮津市~大阪府大阪市)
[編集] 通過市町村
[編集] 接続路線
[編集] 一般国道
- 国道1号・国道2号・国道25号(大阪市北区・梅田新道交差点)(※国道1号重複 = 国道163号、国道25号重複 = 国道26号・国道165号)
- 国道479号(豊中市・稲津町交差点)
- 国道171号(池田市・石橋阪大下交差点)
- 国道171号(池田市・豊島北1(北)交差点)
- 国道171号(池田市・井口堂交差点)
- 国道173号(池田市・西本町交差点)(※国道173号重複 = 国道477号)
- 国道372号(篠山市・古市交差点)
- 国道372号(篠山市・波賀野交差点)
- 国道175号(丹波市・水分れ交差点)
- 国道175号(丹波市・稲継交差点)
- 国道9号(福知山市・東堀交差点)
- 国道429号(福知山市・新庄交差点)
- 国道9号(福知山市・牧交差点)
- 国道175号(福知山市・天津交差点)
- 国道312号(与謝郡与謝野町上山田)
- 国道178号(国道482号起点。宮津市須津)
- 国道178号(宮津市鶴賀)
[編集] 自動車専用道路
[編集] バイパス
- 十三バイパス(大阪市北区~大阪市淀川区)
- 名塩道路(兵庫県西宮市~兵庫県宝塚市)
- 鐘ヶ坂バイパス( 丹波市柏原町上小倉~篠山市追入)
- 加悦谷バイパス(京都府福知山市~与謝郡与謝野町)
[編集] 別名
[編集] 道の駅
- シルクのまち かや(与謝野町)
[編集] 阪神北部のバイパス
大阪府池田市から兵庫県宝塚市まで、国道176号本線とは別に名称のないバイパスがある。これは大阪万博直前の1970年3月に開通したもので、開通当初は大阪府と兵庫県の境界である猪名川大橋から兵庫県側は対面車線で、中国自動車道宝塚IC付近のみ上下4車線であったが、現在では中国自動車道を中央に挟んで高架橋化並びに上下分離各2車線化され、池田市から宝塚市までの道幅が狭い国道176号本線のバイパス機能を果たすとともに、兵庫県側から大阪方面にこのバイパスを走ると再び国道176号本線に合流することはなく、大阪府道2号大阪中央環状線、大阪府道10号・兵庫県道100号大阪池田線につながり、豊中市から大阪市淀川区まで市街地を通る国道176号本線から迂回させる役目を担っている。このバイパスの道路法上の設定は、池田市石橋の国道171号及び国道176号交点で国道176号本線と分岐し、「重複路線」の項での記載のとおり国道171号との重複(実務上は国道171号の名前しか現れないが法的には国道176号が続いていることになっている)区間となり池田市豊島南で国道171号と分離、このバイパス区間を経て再び宝塚市の宝塚歌劇場前交差点で国道176号本線と合流するというもので、本線、バイパスとも同じ国道176号であり、途中で二股になっているという理屈である。管理者は大阪府池田土木事務所及び兵庫県宝塚土木事務所である。従って、このバイパスに併走する国道176号本線は直轄指定区間のままである。2つの国道176号が重複している宝塚市などでは2つを区別するために、片側1車線の国道176号本線を「旧イナロク」と呼ぶ。
このバイパスから続く上下4車線区間は、宝塚駅周辺の整備事業とあわせて宝塚市栄町3丁目交差点まで延長されていたが、さらに「名塩道路」という名称で西宮市山口町までの延長工事が進行している。これは西宮市の生瀬橋交差点の慢性的な渋滞の解消と、生瀬橋から阪神高速道路7号北神戸線西宮山口東出入口に至る区間は、神戸市北区や三田市などでのニュータウン開発で交通量が急増したこと、また、山間部を通るため急カーブが多く異常気象時に交通規制が行われる区間であることなどから、この区間の上下4車線化や急カーブの緩和など大幅な改良工事を行っている。この名塩道路が完成すると、池田市から宝塚市間の前述のバイパス及び、すでに上下4車線化が完成している西宮市山口町から三田市八景中学校前交差点の区間とあわせ、大阪府池田市から兵庫県三田市までの上下4車線化が完成する。
[編集] 福知山市以北
1969年(昭和44年)の一般国道政令により主要府道10号福知山宮津線から国道176号に編入された福知山市天津以北の区間のうち福知山市天津~与謝野町加悦は急勾配が続く。この区間は国道編入当初は狭くてカーブが多く未舗装だった。だが、1984年(昭和59年)に改良工事が完成して快適な観光道路になった。与謝トンネルの与謝野町側はほぼ同時期に改良された国道173号の「はらがたわ峠」(大阪府豊能郡能勢町)や天王峠(兵庫県篠山市)とよく似た勾配上の大カーブがある。現在でも旧道には「176」と書かれた国道標識が数本残されている。
[編集] 関連項目
- 能勢街道 旧街道。大阪市から池田市まで並行。