屋敷しもべ妖精
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屋敷しもべ妖精(House-elf)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の生物である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 概要
小さく醜い人型の魔法生物(独自の魔法を操り、その魔力は魔法使いより強力らしいが、敵対的に使われることは稀)。茶色い顔、テニスボールくらいの大きな目、顔が割れて見えるほどに大きな口、コウモリのような長い耳、細く短い手足に長い指が特徴。甲高いキーキー声をしている。
特定の魔法使いを自身の「主人」とし、その主人に一生涯仕え、日常の家事や雑用などの労働奉仕を行う(これは屋敷しもべ妖精にとって「本能行動」に当たる)。妖精自身にとって不本意な命令であっても、主人の命令には必ず従わなければならない。また、屋敷しもべ妖精は隷従の証として、衣服の代わりに枕カバーやキッチンタオル等の布を身に付けている(主人から衣服を与えられる事は、妖精にとって「解雇」を意味する)。
屋敷しもべ妖精の生活拠点は、大きな館や城など、大金を持つ魔法使いが住む比較的大きな建物が多い(そうでない場所での行動も可能だが、積極的に敷地外に出ることはないらしい)。その為、屋敷しもべ妖精を従えていることは魔法界では一種のステイタスと見なされている。 尚、ホグワーツ魔法魔術学校では100人以上の屋敷しもべ妖精を雇っていて(主に日中は厨房、夜は城内で働いている)、その数は恐らくイギリス最多である。
一般に屋敷しもべ妖精の間では、主人に忠実で無休無償で奉仕することが名誉であり、自由になることや労働代償を求めることは不名誉とされる。これを知ったハーマイオニー・グレンジャーは、4巻でS.P.E.W.(Society for Promotion of Elfish Welfare、屋敷しもべ妖精福祉振興協会)を設立、屋敷しもべ妖精の「解放」を目指し活動している(但し、映画では妖精の「解放」活動は描かれていない)が、これは前述の通り既に屋敷しもべ妖精の大多数(ドビー等一部を除く)が名誉と認識しているために、それを止めさせようとするハーマイオニーは大多数の妖精から反発を受け嫌われる羽目に合っている。
屋敷しもべ妖精のモチーフは、ブラウニーやレプラコーン、伝承上のホブゴブリン等、特定の家に住み着いて奉仕する妖精であると思われる(実際、ブラウニーについては「家事の褒美として衣類を与えられると、満足して家から離れてしまう」と言われている)。
[編集] 屋敷しもべ妖精一覧
- ドビー(Dobby)
- 男性。ハリー・ポッターが初めて会った屋敷しもべ妖精だが、かなりの変わり者で、主人ではないはずのハリーに対して妄信的な尊敬の念を抱いている。
- ウィンキー(Winky)
- 女性。優しく細やかで情に厚い母性的な性格。高所恐怖症。クラウチ家を解雇後は、しょっちゅう泣いているらしい。
- 4巻に登場。バーテミウス・クラウチ・シニアを主人としていたが、クィディッチのワールドカップ直後、死喰い人騒ぎの現場に居合わせたことで、クラウチ家を解雇される。その後、マルフォイ家から解放されたドビーと共に、ホグワーツへ再就職した。しかし、解雇された後もクラウチ家に忠実であり続け、ホグワーツでは飲んだくれて全く働いていない様子。
- 実はシニアの息子バーテミウス・クラウチ・ジュニアが母親と入れ替わって脱獄した後、クラウチ家でジュニアを世話していた。幽閉状態のジュニアを思い、彼をクィディッチのワールドカップ見物に行かせるよう主人に懇願して実現したが、彼女が見張りを怠ったためジュニアが死喰い人騒ぎを起こしたとされたのが、クラウチ家解雇の真実である。法を遵守する主人にとって、ジュニアの脱獄は絶対に知られてはならない秘密であったため、彼女もマッド・アイ・ムーディに化けていたジュニアから真実を聞くまで、その口を固く閉ざした。
- クリーチャー(Kreacher)
- 男性。魔法族を至上とする「純血主義」の主人に長らく仕えたことから、彼自身も「純血主義」である。長らく独りだったせいか、独り言を言う癖がある。
- 初登場は5巻。ブラック家に仕え、ブラック家最後の一人であるシリウス・ブラックを主人としていたが、ブラック家の理念に反するシリウスに必ずしも従順ではなかった。そのため、シリウスの「出て行け」と言う命令を「屋敷から出て行け」と解釈し、ブラック家の血縁で「純血主義」のナルシッサ・マルフォイに会いに行く。その後はシリウスと同時にナルシッサを主人として、ヴォルデモートに有益な情報を流し、ハリーを騙して魔法省へ行くよう誘導した。
- シリウスの死後、彼の遺言でハリーに仕えることになるが(6巻)、ハリーに仕える事も快くは思っていない。
- ホキー(Hokey)
- 女性。故人。
- 6巻に登場。ヘルガ・ハッフルパフの末裔、ヘプジバ・スミスを主人としていたが、誤って主人に毒を盛り殺した(実際はヴォルデモートがスミス殺害の罪をホキーに着せたのではないかとアルバス・ダンブルドアは推測している)。死の直前、ダンブルドアによって記憶を採取された。
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