山口二郎
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山口 二郎(やまぐち じろう、1958年7月13日 - )は、日本の政治学者、北海道大学大学院法科研究科付属高等法政教育研究センター長。専門は、行政学、政治学。
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[編集] 人物
岡山県岡山市生まれ。岡山県立岡山操山高等学校を経て、1981年東京大学法学部卒。東京大学法学部助手を経て、1984年北海道大学法学部助教授。1987年コーネル大学に留学。1993年北海道大学法学部教授となる。1997年オックスフォード大学、2005年ウォーリック大学で在外研究を行う。
大蔵省の意思決定に関する研究からスタートしたが、平成に入ってから政治評論を多く執筆している。細川内閣誕生前後は選挙制度改革や政界再編など「政治改革」の旗振り役となり、村山内閣ではブレーンとして政策提言を行った。かつては「政権交代に有用」と小選挙区制推進の立場であったが、橋本内閣成立前後から「間違いだった」と誤りを認め、軌道修正している。社会党が政権を離れ、社民党に党名変更後、新しく結成された民主党のブレーンになった。
国立大学の独立法人化に伴い、教員が公務員でなくなったため、選挙では応援演説を積極的に行っている。2005年の総選挙では辻元清美等の応援演説を行った。
道政をはじめとした自治体行政、地方分権に関する発言も積極的に行っている。2007年春の北海道知事選挙に向けて民主党の公募候補として他薦され、連合北海道に加盟する有力労組や民主党道議が推薦人を募った結果、公募に必要な500人を大きく超える3000人の署名が集まった。本人は事態の推移を見極めるコメントを出していたが、8月に入って辞退する意向を明らかにした。
[編集] 著作
[編集] 単著
- 『大蔵官僚支配の終焉』(岩波書店, 1987年)
- 『一党支配体制の崩壊』(岩波書店, 1989年)
- 『政治改革』(岩波書店[岩波新書], 1993年)
- 『日本政治の同時代的読み方』(朝日新聞社, 1995年)
- 『日本政治の課題――新・政治改革論』(岩波書店[岩波新書], 1997年)
- 『イギリスの政治 日本の政治』(筑摩書房[ちくま新書], 1998年)
- 『危機の日本政治』(岩波書店, 1999年)
- 『地域民主主義の活性化と自治体改革』(公人の友社, 2001年)
- 『地方政治の活性化と地域政策』(公人の友社, 2004年)
- 『戦後政治の崩壊――デモクラシーはどこへゆくか』(岩波書店[岩波新書], 2004年)
- 『ブレア時代のイギリス』(岩波書店[岩波新書], 2005年)
[編集] 共著
- (石川真澄・神保哲生)『マスコミと政治は市民に学べ――市民が政治を変える』(ほんの木, 1995年)
- (石川真澄・田中秀征)『どうする日本の政治』(岩波書店, 2000年)
- (金子勝・高橋哲哉)『グローバリゼーションと戦争責任』(岩波書店, 2001年)
- (杉田敦)『現代日本の政治』(放送大学教育振興会, 2003年)
[編集] 編著
- 『現代日本の政治変動』(放送大学教育振興会, 1999年)
- 『北海道大学法学部ライブラリー(5)自治と政策』(北海道大学図書刊行会, 2000年)
- 『日本政治再生の条件』(岩波書店[岩波新書], 2001年)
- 『「強者の政治」に対抗する!』(岩波書店, 2006年)
[編集] 共編著
- (新藤宗幸)『現代日本の政治と政策』(放送大学教育振興会, 1995年)
- (生活経済政策研究所)『連立政治同時代の検証』(朝日新聞社, 1997年)
- (奥田安弘)『グローバル化する戦後補償裁判』(信山社, 2002年)
- (大石眞・久保文明・佐々木毅)『首相公選を考える――その可能性と問題点』(中央公論新社[中公新書], 2002年)
- (金子勝・藤原帰一)『東アジアで生きよう!――経済構想・共生社会・歴史認識』(岩波書店, 2003年)
- (石川真澄)『日本社会党――戦後革新の思想と行動』(日本経済評論社, 2003年)
- (山崎幹根・遠藤乾)『グローバル化時代の地方ガバナンス』(岩波書店, 2003年)
- (宮本太郎・坪郷寛)『ポスト福祉国家とソーシャル・ガヴァナンス』(ミネルヴァ書房, 2005年)
- (宮本太郎・小川有美)『市民社会民主主義への挑戦――ポスト「第三の道」のヨーロッパ政治』(日本経済評論社, 2005年)