広角打法
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広角打法(こうかくだほう)とは、野球における打者の技術の一つである。
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[編集] 概要
野球では、投球のコースは大きく分け、打者側から「内角」「真ん中」「外角」の3つに分けることができる。基本的にはどのコースの球でもセンター方向に打ち返すことを心がけるのだが、広角打法では、内角は引っ張り(右打者ならレフト、左打者ならライト)、真ん中ならセンター返し、外角なら流し打ち(引っ張りの逆。右打者ならライト、左打者ならレフト)と、打ち分けることがベストとされる。習得するに為の難易度は高いが、この打ち分けをできるとどのコースにも最善のバッティングができるため、広角打法を備えた打者には打率を高く残す好打者が多い。
[編集] 広角打法の打者の例(現役選手)
ここでは、広角打法を各方向に打球を打ち返す能力とし、各方向へのヒットもしくは本塁打が概ね25-40%に分散している選手を挙げる。
名前 | 所属(当時) | 記録年 | レフト方向 | センター方向 | ライト方向 |
イチロー | オリックス・ブルーウェーブ | 1999 | 34(24%) 4(19%) |
51(36%) 5(23%) |
56(39%) 12(58%) |
二岡智宏 | 読売ジャイアンツ | 1999 | 42(35%) 8(44%) |
44(36%) 4(22%) |
35(29%) 6(33%) |
中村紀洋 | 近鉄バファローズ | 1999 | 54(40%) 17(55%) |
44(33%) 8(26%) |
36(27%) 6(19%) |
田口壮 | オリックス・ブルーウェーブ | 1999 | 42(30%) 8(89%) |
52(37%) 1(11%) |
47(33%) 0(0%) |
上段がヒット、下段が本塁打の数。パーセントは四捨五入
[編集] 広角打法の打者の例(引退選手)
- 落合博満(元ロッテ→中日→読売→日本ハム)
- 山本浩二(元広島東洋カープ)
- ランディ・バース(元阪神タイガース)
- 掛布雅之(元阪神タイガース)
- 山内一弘(元毎日・大毎→阪神→広島)
- 張本勲(元東映・日拓・日本ハム→読売→ロッテ)
- 石毛宏典(元西武→ダイエー)
- 広澤克実(元ヤクルト→読売→阪神)
- シャーマン・オバンドー(元日本ハム)
- 中西太(元西鉄)
- 篠塚和典(元読売ジャイアンツ)
- トーマス・オマリー (元阪神タイガース)
- 千葉茂(元読売ジャイアンツ。通算96本中81本は逆方向の本塁打だった。)
[編集] ゲーム
実況パワフルプロ野球でも特殊能力として広角打法がある。能力としては「強振でボールを流し打ちした時でもパワーが落ちない」となっている。 またプロ野球スピリッツではこの能力をもっている選手はパワーにたいして長打力が高くなっている
[編集] 参考文献
- 江川卓解説・二宮清純プロデュース 『江川卓スカウティングレポート2000』 ザ・マサダ刊 ISBN 4-88397-011-6