日本の学校制度の変遷
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日本の学校制度の変遷（にほんのがっこうせいどのへんせん）では明治から現代の日本における学校制度のうつりかわりをまとめる（以下、戦前の教育課程はほとんど「學校」と表記するのが正しいが、漢字制限（当用漢字、常用漢字、教育漢字）により「学校」と書く）。
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[編集] 大正～太平洋戦争初期の学制
師範学校令（1886年）、実業学校令（1899年）、中学校令（1899年）、専門学校令（1903年）、小学校令改正（1907年）、高等学校令（1918年）、大学令（1918年）によって確立された学制が以下のものである。戦前の教育課程は、概ね以下の4段階からなる。現在の学制とは異なり複線型教育の特色がかなり強い。
- 就学前教育機関
- 初等教育機関
- 中等教育機関
- 高等教育機関
- 最高学府
[編集] 就学前教育機関
- 幼稚園 1～3年制（（3）～6歳）→初等教育1
[編集] 初等教育機関
- 小学校尋常科 義務教育6年制（6～12歳）→中等教育1.2.3.6.7.8.9／（義務教育3年制（6～9歳）→初等教育2）
- （東京聾唖学校 4年制（9～13歳）／［新規入学］ 8年制（10～18歳）→なし）
- （東京盲学校 5年制（10～15歳）／6年制（10～16歳）→なし）
[編集] 中等教育機関
- 小学校高等科 3年制（12～15歳）→高等教育1／2年制（12～15歳）→高等教育:補習科 2年制（15～17歳）／［女子のみ選択可］ 1年制（12～13歳）／2年制（12～14歳）→中等教育6/1年制では1年次、2年制では2年次編入
- 実業学校予科 2年制（12～14歳）→中等教育4
- 実業学校乙種 3年制（12～15歳）→なし
- 実業学校甲種 3年制（14～17歳）→高等教育:研究補習 年限不定（17才～）
- 実業補習学校 3年制（12～15歳）→なし
- 高等女学校 4年制（12～16歳）→高等教育2.3:補習科 2年制（16～18歳）→専攻科 年限不定（18才～）／5年制（12～17歳）→高等教育2.3:補習科 1年制（17～18歳）→専攻科 年限不定（18才～）
- 中等学校 4年制（12～16歳）→高等教育5.6.7.8／5年制（12～17歳）→高等教育3.4.5.9:補習科 1年制（17～18歳）
- 高等学校尋常科 4年制（12～16歳）→高等教育8
- 徒弟学校 1～4年制（12～（18）歳）→なし
[編集] 高等教育機関
- 師範学校 4年制（15～19才）→なし
- 女子高等師範学校 4年制（16～20歳）→研究科 1年制（20～21歳）／2年制（20～22歳）
- 師範学校 二部 1年制（16～17、17～18歳）／2年制（16～18歳）→［2年制修了及び5年制中等学校・高等女学校からの進学で1年制修了により選択可］ 専攻科 1年制（18～19歳）
- 専門学校 3年制（17～20歳）／4年制（17～21歳）→研究科 年限不定（20、21歳～）
- 大学予科 2年制（17～19歳）／3年制（16～19歳）→大学1.2.3.4.5.6.7
- 高等学校高等科 3年制（16～19歳）→大学1.2.3.4.5.6.7/専攻科 1年制（19～20才）
- 高等商業学校 3年制（16～19歳）→大学3.4
- 高等工業学校 3年制（16～19歳）→大学5.6
- 高等師範学校 4年制（17～21歳）→研究科 1年制（21～22歳）／2年制（21～23歳）
[編集] 大学
- 帝国大学 3年制（19～22歳）／4年制（19才～23歳）→大学院 年限不定（22、23歳～）
- 文理大学 3年制（19～22歳）（東京.広島）
- 商科大学 3年制（19～22歳）（東京.大阪）
- 商業大学 3年制（19～22歳）（神戸）
- 工科大学 3年制（19～22歳）（旅順）
- 工業大学 3年制（19～22歳）（東京.大阪, 1933年、大阪工大は大阪帝大工学部に編入）
- 医科大学 3年制（19～22歳）（千葉.金沢.岡山.新潟.熊本.長崎）
[編集] 太平洋戦争末期の学制
青年学校令改正（1939年）、国民学校令（1941年）、中等学校令（1943年）によって以下の学制が成立した。中等学校令では、中学校令、高等女学校令、実業学校令を廃止し、高等学校は2年制、中等学校は4年制に年限短縮した。概ね以下4段階である。
- 就学前教育機関
- 初等教育機関
- 中等教育機関
- 高等教育機関
- 大学/大学院
[編集] 就学前教育機関
- 幼稚園 1～3年制（（3）～6歳）→初等教育1
[編集] 初等教育機関
- 国民学校初等科 義務教育6年制（6～12歳）→中等教育1.2.3.8.9.10
- （聾唖/盲学校の初等部 6年制（6～12歳）→中等教育11）
[編集] 中等教育機関
- 国民学校高等科 2年制（12～14歳）→中等教育2.4.5.6.7.［女子のみ選択可］8/2年次編入
- 実業学校 4年制（12～16歳）→高等教育:専攻科 1年制（16～17歳）/2年制（16～18歳）／［国民学校高等科からの進学］ （男子）3年制（14～17歳）/（女子）2年制（14～16歳）
- 青年学校普通科 2年制（12～14歳）→中等教育4.5
- 青年学校（男子） 5年制（14～19歳）→高等教育:研究科 年限不定（19歳～）
- 青年学校（女子） 3年制（14～17歳）→高等教育:研究科 年限不定（17歳～）
- 青年師範学校予科 2年制（14～16歳）→高等教育1
- 師範学校予科 2年制（14～16歳）→高等教育2
- 高等女学校 4年制（12～16歳）→高等教育2.3:専攻科 3年制（16～19歳）/2年制（16～18歳）／高等科 2年制（16～18歳）
- 中等学校 4年制（12～16歳）→高等教育4.5.6.7.8.9:実務科 1年制（16～17才）
- 高等学校尋常科 4年制（12～16歳）→高等教育7
- （聾唖/盲学校の中等部 4年制（12～16歳）／5年制（12～17歳）→なし）
[編集] 高等教育機関
- 青年師範学校 3年制（16～19歳）→研究科 1年制（19～20歳）
- 師範学校 3年制（16～19歳）→研究科 1年制（19～20歳）
- 女子高等師範学校 4年制（16～20歳）→研究科 年限不定（20歳～）
- 高等師範学校 4年制（16～20歳）→研究科 年限不定（20歳～）
- 専門学校 3年制（16～19歳）／4年制（16～20歳）→研究科 年限不定（19、20歳～）
- 大学予科 2年制（16～18歳）→大学1.2.3.4.5.6.7
- 高等学校高等科 2年制（16～18歳）→大学1.2.3.4.5.6.7
- 高等商業学校 3年制（16～19歳）→大学3.4（1944年経済専門学校に改称）
- 高等工業学校 3年制（16～19歳）→大学5.6（1944年工業専門学校に改称）
[編集] 大学
- 帝国大学 3年制（19～22歳）／4年制（19～23歳）→大学院 年限不定（22、23歳～）
- 文理大学 3年制（19～22歳）（東京.広島）
- 商科大学 3年制（19～22歳）（東京.大阪, 1944年、東京商大は東京産業大学に改称）
- 商業大学 3年制（19～22歳）（神戸, 1944年、神戸商大は神戸経済大学に改称）
- 工科大学 3年制（19～22歳）（旅順）
- 工業大学 3年制（19～22歳）（東京）
- 医科大学 3年制（19～22歳）（千葉.金沢.岡山.新潟.熊本.長崎）
[編集] 学校教育法制定当初の学制
教育基本法（1947年）、学校教育法（1947年）、国立学校設置法（1949年）によって、既存の高等教育機関及び、帝国大学を併合して各地に新制国立大学が作られた。中等教育機関は新制高等学校へと昇格した。6・3・3・4制がとられ義務教育の範囲が中学校にまで拡充され、強力な単線型教育に改められた。
戦後の教育課程は、概ね以下の6段階からなる。
- 就学前教育機関
- 初等教育機関
- 前期中等教育機関
- 後期中等教育機関
- 高等教育
- 大学院
[編集] 就学前教育機関
- 幼稚園 1～3年制（（3）～6歳）→初等教育1
- （盲/聾/養護学校の幼稚部 1～3年制（（3）～6歳）→初等教育2）
[編集] 初等教育機関
- 小学校 義務教育6年制（6～12歳）→前期中等教育1
- （盲/聾/養護学校の小学部 6年制（6～12歳）→前期中等教育2）
[編集] 前期中等教育機関
- 中学校 義務教育3年制（12～15歳）→後期中等教育1.入学資格不定1
- （盲/聾/養護学校の中学部 3年制（12～15歳）→後期中等教育2）
[編集] 後期中等教育機関
- 高等学校 （通常制課程）3年制（15～18歳）→高等教育1.2:専攻科 年限不定（18歳～）／（定時制課程）4年制（15～19歳）→高等教育:専攻科 年限不定（19歳～）
- （盲/聾/養護学校の高等部 3年制（15才～18歳）→なし）
[編集] 高等教育機関
- 大学 4年制（18～22歳）→大学院1/専攻科 年限不定（22歳～）／6年制（18～24歳）→大学院1 【学士】
- 短期大学 2年制（18～20歳）→専攻科 年限不定（20歳～）／3年制（18～21歳）→専攻科 年限不定（21歳～）
[編集] 大学院
- 大学院の修士課程 2年制（22、24～24、26歳）→大学院2 【修士】
- 大学院の博士課程 3年制（24、26～27、29歳）→【博士】
[編集] 入学資格不定
入学資格は、各校が定める。
- 各種学校 3ヶ月以上
[編集] 現在の学制
学校制度を参照。
学校教育法が数度にわたって改正され、徐々に複線型教育に近づいたという声もある。なお、進学先の記載については、主に学校教育法の規定によった。文部科学省令や文部科学省告示などにより、同年齢を対象とする学校には入学や編入学が認められている場合が多い。
