日本電音
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日本電音株式会社(にほんでんおん、Nihon Denon Co., Ltd.)は音響機器・音響放送機器を製造販売する日本の企業。販売会社としてユニペックス株式会社を有し、UNI-PEXの商標で販売を行う。
ホール、鉄道駅、美術館など公共施設のPAシステムや、地方自治体の行政無線システムなども扱う。
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[編集] UNI-PEXの発車メロディ
JR東日本が1990年頃より本格的に発車メロディを導入するにあたって、日本電音は同社に自動放送装置の供給とセットで発車メロディの供給も行った。「せせらぎ」、「春」を中心に15年以上も首都圏で使われていることから、UNI-PEX製の発車メロディを聞いたことのある人はかなり多い。中でも雲を友として・清流・草原・こころ・四季~愛しき子供たちへ~の原曲は宗次郎の作曲によるものである。2005年3月9日から、宗次郎の楽曲を発車メロディとして採用する場合著作権料が発生することになったため、これに先立つ3月8日限りで使用を中止している。「雲を友として」、「清流」、「四季」は駅によって曲の長さが異なっていた。
[編集] せせらぎ
発車メロディを代表する曲である。現在でも山手線などで使用されている。なお、相模線の上溝駅ではフェードアウトするタイプを採用している。
[編集] 春
山手線・京浜東北線・常磐線の都区内に立地する駅を中心に多く採用されている。特に京浜東北線では、2005年3月8日までは「清流」とペアで使用されることが多かったが、現在では「清流」が著作権の関係上使用できないため、「春」とペアで使用される曲は駅によってまちまちである。
2003年ごろまで東京都北区の王子で使用されていた「春」は、やや音が高く早回しであった。
「清流」や「雲を友として」の置き換えによって、幾つかの日本電音製の放送機器を使用している駅では「春 New Ver.」という曲に変更された。この曲はサウンドファクトリー製の曲であって、日本電音の「春」とはまったく関係がない。
[編集] 雲を友として
原曲の作曲者は宗次郎である。中央・総武緩行線・京浜東北線で多く使用された。モヤモヤとした曲調が特徴。 著作権料の関係で現在は高崎問屋町駅のみ使用している。
[編集] 高原
現在も埼京線(赤羽線区間含む都内)などで使用されている。 また、呉線では接近メロディとして使用されている。
[編集] 清流
原曲の作曲者は宗次郎である。常磐快速線・京浜東北線で多く使用された。現在は高崎問屋町駅でのみの使用。「清流」を採用していた多くの駅で使用された「春」は現在も聴くことができるが、半数近くの駅で「春 New Ver.」に置き換わっている。
「春」と同じく、以前王子駅で使用されていたものは音が高くやや早回しであった。
[編集] 草原
かつては取手 や代々木、大久保など少数の駅で使用されていたが現在は他の曲に置き換えられている。曲のバックに太鼓や笛の音が入っているバージョンもあり、賑やかな曲である。西日本の呉線の一部の駅では接近メロディーとして辛うじて残存している。
[編集] 四季~愛しき子供たちへ~
読みは、「しき いとしきこどもたちへ」または「しき かなしきこどもたちへ」である。
原曲の作曲者は宗次郎。清流・春・こころと並び、常磐線のUNIPEX製発車メロディとしては有名であったが、首都圏全体では使用された駅はあまり多くなく、そのほとんどが常磐緩行線の千葉県内の駅であった。特に松戸~柏の各駅停車のみが停車する駅で使用されることが多く、非常に暗い曲調で知られていた。
2005年3月9日以降発車メロディに宗次郎の楽曲を使用する場合著作権料が発生するようになったため、この曲はサウンドファクトリーなどの楽曲に置き換わって使用されなくなった。松戸4番線が使用箇所として有名だった。
[編集] こころ
四季~愛しき子供たちへ~と同様に常磐線などで使われていた。「四季」同様、こちらも暗い曲調であった。こちらも著作権料の関係で他の曲に置き換わっている。柏駅と池袋駅では極僅かな期間(前者は1998年頃の一週間程度、後者に至っては2004年6月6日の数時間程度)前奏つきの「こころ」が使われたことがあった。