中央・総武緩行線
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中央・総武緩行線(ちゅうおう・そうぶかんこうせん)とは、東京都三鷹市の三鷹駅から御茶ノ水駅を経由し千葉県千葉市中央区の千葉駅までを結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の中央本線の各駅停車と総武本線の各駅停車が直通運転する鉄道路線の通称である。
この区間には中央線複々線区間における緩行線(三鷹駅~御茶ノ水駅)と総武線複々線区間における緩行線(錦糸町駅~千葉駅)を含む。
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[編集] 概要
御茶ノ水駅を介して、中央本線と総武本線の各駅停車が直通運転している路線をまとめて中央・総武緩行線(中央線・総武線各駅停車)という。運行されている列車(E231系や209系の黄色帯電車)は、車両のLED表示では運行地点や方向にかかわらずすべて「中央・総武線」で統一されている(早朝・深夜に御茶ノ水以東のみを走り、中央線内をまったく走らない電車に対してもこの表示である)。駅ホームなどでの案内上は主に中央線(三鷹駅~御茶ノ水駅)内および千葉駅では方面にかかわらず「中央・総武線(各駅停車)」がほとんど。総武線(秋葉原駅~千葉駅)内では方面にかかわらず単に「総武線」、総武快速線の停車駅では「総武線(各駅停車)」で案内している駅が多数である。また、東京近郊路線図では「中央線・総武線(各駅停車)」、鉄道運行情報では「中央・総武各駅停車」であるなど、その表記は非常に多岐に渡る。だが、三鷹~千葉の全駅に渡って「総武」の文字は必ず含めて案内されている。
浅草橋駅以東のいくつかの駅のプラットホームには、総武線の駅ではない「上野」の表記がある。また、いくつかの駅のプラットホームでは快速のみが停車する「東京」の表記もある。
正式名称やJRにおける表記は上記のとおりであるが、中央線の区間においては、一般的に緩行線のことを「総武線」と呼び、快速線のことを「中央線」と呼ぶことが多い。
直通運転は、東京駅発着の中央線各駅停車が運転される一部時間帯(早朝と深夜)を除き実施されている(但し大型工事の実施や運行障害(特に夜間)の発生の場合はその限りではない)。三鷹駅~中野駅間は土休日ダイヤで中央快速線が高円寺駅・阿佐ヶ谷駅・西荻窪駅を通過する関係で土休日ダイヤの方が本数が多い。なお早朝と深夜は総武線側の各駅停車は御茶ノ水駅で折り返し運転となる。また中央本線各駅停車が運転される時間帯の前後の朝夜間に中央本線武蔵小金井駅や国分寺駅・立川駅を始発・終着する中央・総武線直通の列車も存在する。
また、東京メトロ東西線と相互直通運転を行い、中央線側が中野駅から三鷹駅まで、総武線側が西船橋駅から津田沼駅までそれぞれ相互に乗り入れている。総武線側は平日の朝夕のみの乗り入れだが、中央線側の中野駅から三鷹駅までの緩行線では約半分弱の列車が東西線に直通している。但し、終日直通運転がある訳ではない。なお、東葉高速鉄道の車両は相互乗り入れを行わず、その関係で昼間の東京メトロ東西線の快速列車は中野駅での折り返しである。
御茶ノ水駅より東京駅発着の中央線快速電車が三鷹駅まで、錦糸町駅より総武線快速電車 (横須賀線直通)が千葉駅まで複々線で別個の路線として運転されている。
また、三鷹~中野間と船橋~津田沼間は、緩行線ホームに行先の共通する東西線直通列車も発着するため、それとの区別のためにホーム上の電光掲示案内などでは御茶ノ水経由の列車を「総武線」と、東西線直通列車は「東西線」と案内表示されている(東京行の中央線各駅停車の場合、その部分は空白)が、これはあくまで便宜上である。
- ※上の画像にて快速線を「Main Line(=本線)」としているが、実際はこういう区分ではなく、快速線・緩行線共に中央本線・総武本線である。これらに限らず、JRの「○○本線」という路線はそれ自体が路線全体の固有の名称であるので、支線(分岐線)がある場合でも「○○本線の支線」というのが正しい。
ラインカラーは■カナリアイエロー(国鉄黄色1号)。
[編集] 運転形態
列車の運行経路としては、以下の駅を始発・終着で運行されている。
また、新宿駅から総武本線・内房線・外房線方向へ運行される列車や、千葉駅から中央本線へ運行される列車のうち、総武本線の支線である御茶ノ水駅~錦糸町駅を経由するものもある。しかし、運行されている各駅停車列車の運転密度が高い線区であるため、こういった列車運行は定期列車・臨時列車含めてごく少数に留まっている。
御茶ノ水駅を挟んで西側が中央本線、東側が総武本線となる。そのことから、京浜東北線と同様に上り・下りの概念が総武本線支線の起点である錦糸町駅を挟んで崩れることから、運転系統上は以下のように呼称される。
- 総武本線から中央本線へ向かう列車
- 「B線」(びーせん)または「西行」(にしゆき)
- 中央本線から総武本線へ向かう列車
- 「A線」(えーせん)または「東行」(ひがしゆき)
[編集] 列車番号と運用
列車番号は、上2ケタ(時間帯によっては1ケタ)が始発駅の発車時間帯(24時制)を表し、下2ケタが運用番号となる方式を採用している。運用番号は01から始まる奇数の番号である。東行は中央本線基準で上り扱いのため、当該運用番号から1を減じた偶数を用いて列車番号とする。また、末尾のアルファベットはかつては所属車両基地を表していたが、現在は車両が全て三鷹電車区に集約されたため、使用車種により区別されている。BがE231系による運用を表し、Cが209系による運用を表すようになった。(ただし、運用上の都合でE231系によるC運用や209系によるB運用が発生する場合がある)
なお、東西線直通列車の列車番号末尾のアルファベットは、東西線内で快速運転をする列車(通勤快速・東葉快速を含む)についてはA、東西線内で各駅に停車する列車についてはYを使用する。運用番号は東西線内と共通である。ただし、東西線内での列車番号下2桁は西船橋方面、中野方面ともに運用番号のままである(つまり、すべて奇数である)。
[編集] 地下鉄との直通運転
都心部を通過するこの路線における混雑緩和のために、東京メトロ東西線と以下の区間において相互直通運転を行っている。
- 中野駅~三鷹駅間
- 西船橋駅~津田沼駅間(但し、平日朝夕のみ)
[編集] 沿革
1923年(大正12年)の関東大震災以前の総武本線は、両国橋駅(現在の両国駅)を起点としており、東京を起点とする国鉄の中では、隅田川東岸にターミナル駅を有している路線であった。しかし、震災以前より多くの利用客が隅田川を渡る東京の市電を利用しており、その混雑が顕著であったことから、震災復興の際に同駅より都心へ結ぶ路線を建設し、同時に中央本線に乗り入れる計画を立て、両国駅~御茶ノ水駅間の高架路線と御茶ノ水駅~中野駅間の線増(複々線化)建設を行い、前者は1932年(昭和7年)に完成し、後者は1933年(昭和8年)に完成した。
なお、同区間の落成した後の1943年(昭和18年)に中央本線にあった万世橋駅を廃止した。
両国駅~御茶ノ水駅の高架線と御茶ノ水駅~中野駅の複々線化が以上の経緯で建設されたのに対し、それ以外の線増区間は首都圏5方面通勤輸送改善作戦の一環として計画された。中央本線側の複々線化事業は1966年(昭和41年)に中野駅から荻窪駅までの区間が、1969年(昭和44年)に荻窪駅から三鷹駅までの区間が緩行線の新設ということで完成し、中央・総武線電車が三鷹駅までの乗り入れを果たし、現在の三鷹駅~千葉駅間の中央・総武線の原形が完成した。その間、1963年(昭和38年)には山手線の103系新製投入に伴い101系が順次、中央総武緩行線に転属され1969年(昭和44年)に全車両が101系に統一された。
総武本線側は1972年(昭和47年)7月15日に東京駅から錦糸町駅までの新設と錦糸町駅から津田沼駅までの複々線化で快速電車を分離し、これまで1時間あたりおよそ1~2本運行されていた中野駅発着の総武線快速は廃止された。津田沼駅から千葉駅までは複線だったので、各駅停車と快速が共用した。1981年(昭和56年)に津田沼駅から千葉駅までの総武快速線が完成したことで、ほぼ現行の運行形態になっている。1982年(昭和57年)には101系置換えのため201系が投入された。
1990年代末期に当路線を走る103系電車の車両故障が頻発したため、老朽車両ばかりを走らせているとマスメディアから批判された。この影響もあって、2000年(平成12年)にE231系電車が導入されると、103系電車などの旧型電車は短期間で置き換えられた。なお同線に在籍していた201系や205系はさほど老朽化しておらず、問題になっていた車両ではないが、209系・E231系に統一させることで整備等の合理化を図るため全て他線へと転出した。
2006年11月20日から女性専用車両を導入(詳しくは#女性専用車両を参照)。
2007年、JR移行20周年記念事業として車内の自動放送を導入予定。
[編集] 駅一覧
駅名 | 各駅停車 | 地下鉄東西線直通 | 中央線快速 | 総武線快速 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉駅 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:内房線、外房線、総武本線、成田線(総武線(快速)の直通運転を含む) 京成電鉄:千葉線(京成千葉駅) 千葉都市モノレール:1号線、2号線 |
千葉県 | 千葉市中央区 | ||
西千葉駅 | ● | ┃ | |||||
稲毛駅 | ● | ● | 千葉市稲毛区 | ||||
新検見川駅 | ● | ┃ | 千葉市花見川区 | ||||
幕張駅 | ● | ┃ | |||||
幕張本郷駅 | ● | ┃ | 京成電鉄:千葉線(京成幕張本郷駅) | ||||
津田沼駅 | ● | ○ | ● | 新京成電鉄:新京成線(新津田沼駅) | 習志野市*1 | ||
東船橋駅 | ● | ○ | ┃ | 船橋市 | |||
船橋駅 | ● | ○ | ● | 東武鉄道:野田線 京成電鉄:本線(京成船橋駅) |
|||
西船橋駅 | ● | ● | ┃ | 東日本旅客鉄道:武蔵野線、京葉線 東葉高速鉄道:東葉高速線 東京地下鉄:○東西線(T-23) |
|||
下総中山駅 | ● | ┃ | |||||
本八幡駅 | ● | ┃ | 京成電鉄:本線(京成八幡駅) 都営地下鉄:○新宿線(S-21) |
市川市 | |||
市川駅 | ● | ● | |||||
小岩駅 | ● | ┃ | 東京都 | 江戸川区 | |||
新小岩駅 | ● | ● | 葛飾区 | ||||
平井駅 | ● | ┃ | 江戸川区 | ||||
亀戸駅 | ● | ┃ | 東武鉄道:亀戸線 | 江東区 | |||
錦糸町駅 | ● | 東京まで運転 | ● | 東日本旅客鉄道:総武線(快速)(東京方面) 東京地下鉄:○半蔵門線(Z-13) |
墨田区 | ||
両国駅 | ● | 東京方面横須賀線直通運転 | 都営地下鉄:○大江戸線(E-12) | ||||
浅草橋駅 | ● | 都営地下鉄:○浅草線(A-16) | 台東区 | ||||
秋葉原駅 | ● | 東日本旅客鉄道:山手線、京浜東北線 東京地下鉄:○日比谷線(H-15) 首都圏新都市鉄道:つくばエクスプレス線(01) |
千代田区 | ||||
御茶ノ水駅 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:中央線(快速)(東京方面) 東京地下鉄:○丸ノ内線(M-20)、○千代田線(新御茶ノ水駅:C-12) |
||||
水道橋駅 | ● | ┃ | 都営地下鉄:○三田線(I-11) | ||||
飯田橋駅 | ● | (●) | ┃ | 東京地下鉄:○東西線(T-06)、○有楽町線(Y-13)、○南北線(N-10) 都営地下鉄:○大江戸線(E-06) |
|||
市ケ谷駅 | ● | ┃ | 東京地下鉄:○有楽町線(Y-14)、○南北線(N-09) 都営地下鉄:○新宿線(S-04) |
||||
四ツ谷駅 | ● | ● | 東京地下鉄:○丸ノ内線(M-12)、○南北線(N-08) | ||||
信濃町駅 | ● | ┃ | 新宿区 | ||||
千駄ケ谷駅 | ● | ┃ | 都営地下鉄:○大江戸線(国立競技場駅:E-25) | 渋谷区 | |||
代々木駅 | ● | ┃ | 東日本旅客鉄道:山手線 都営地下鉄:○大江戸線(E-26) |
||||
新宿駅 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:山手線、埼京線、湘南新宿ライン 小田急電鉄:小田原線 京王電鉄:京王線、京王新線 東京地下鉄:○丸ノ内線(M-08) 都営地下鉄:○新宿線(S-01)、○大江戸線(E-27、新宿西口駅:E-01) |
新宿区 | |||
大久保駅 | ● | ┃ | |||||
東中野駅 | ● | ┃ | 都営地下鉄:○大江戸線(E-31) | 中野区 | |||
中野駅 | ● | ● | ● | 東京地下鉄:○東西線(T-01) | |||
高円寺駅 | ● | ■ | ▲ | 杉並区 | |||
阿佐ヶ谷駅 | ● | ■ | ▲ | ||||
荻窪駅 | ● | ■ | ● | 東京地下鉄:○丸ノ内線(M-01) | |||
西荻窪駅 | ● | ■ | ▲ | ||||
吉祥寺駅 | ● | ■ | ● | 京王電鉄:井の頭線 | 武蔵野市 | ||
三鷹駅 | ● | ■ | ● | 東日本旅客鉄道:中央線(快速) | 三鷹市*2 | ||
武蔵境駅 | ◇ | ● | 西武鉄道:西武多摩川線 | 武蔵野市 | |||
東小金井駅 | ◇ | ● | 小金井市 | ||||
武蔵小金井駅 | ◇ | ● | |||||
国分寺駅 | ◇ | ● | 西武鉄道:西武多摩湖線・国分寺線 | 国分寺市 | |||
西国分寺駅 | ◇ | ● | 東日本旅客鉄道:武蔵野線 | ||||
国立駅 | ◇ | ● | 国立市 | ||||
立川駅 | ◇ | ● | 東日本旅客鉄道:青梅線・南武線 多摩モノレール:(立川南駅もしくは立川北駅接続) |
立川市 |
- 凡例
- ●:停車 ┃:通過 ■:直通 ○:朝夕に直通 ▲:土曜休日は通過 ◇:朝晩数本程度のみ(●):東京地下鉄の駅に停車
- 三鷹~立川間は早朝千葉方面に数本、夜に千葉方向から数本程度のみ。ほとんどが三鷹止まり。
[編集] 使用車両
現在使用している車両は全て10両編成を組んでいる。
[編集] 中央・総武線各駅停車
御茶ノ水駅経由で中央・総武線として運行されている車両。現行車両ではラインカラーであるカナリアイエロー色の帯を巻いている。(いずれも三鷹電車区所属)
- 209系500番台(1998年12月29日~)
- E231系(2000年3月13日~)
- この中にはかつての209系950番台が含まれる。(1999年~2000年6月=E231-900に改番)E231系900番台も参照されたい。
- 以前使用していた車両
- 101系(1963年~1988年)
- 103系(1979年~2001年)
- 201系(1982年~2002年)
- カナリア色で中央・総武線を走行していた。
- 103系・201系は1988年12月5日の東中野駅列車追突事故により一部廃車が出ている。
- 205系(1989年~2002年)
[編集] 東京メトロ東西線乗り入れ車両
中央・総武緩行線内では三鷹駅~中野駅・西船橋駅~津田沼駅(平日朝夕のみ)で見ることができる。現行車両ではライトブルーとブルーの2本の帯を巻いている。
- 自社車両(東日本旅客鉄道)
- E231系800番台(三鷹電車区所属)(2003年5月1日~)
一応、JRの車両は東葉高速鉄道には乗り入れ可能ではあるが、行われていない。
- 以前使用していた車両
- 他社車両
- 以前使用していた車両
なお、保安設備の都合上、東葉高速鉄道の車両は中央・総武線内には乗り入れできない。
[編集] その他
中央線内の早朝・深夜においては、日中などに中央快速線として運行されている車両も走行する。詳しくは中央緩行線を参照。
[編集] 女性専用車
2006年11月20日から、錦糸町駅を7:20~9:20までに発車するB線(御茶ノ水(中央線)方面行き)の全電車10号車(先頭車両)に設定。実施区間は御茶ノ水まで。A線(千葉方面行き)の電車と、中央線区間には設定されない。
津田沼~西船橋間は、東京メトロ東西線直通電車でも実施している。東西線では当初中野までの全区間で実施していたが、後に大手町までに変更された。