柏駅
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柏駅(かしわえき)は、千葉県柏市柏市柏1丁目(JR)及び末広町(東武)にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東武鉄道の駅である。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
JR東日本と東武の構内が接しており、同じ向きに線路・ホームが並んでいて番線が連続している。そして2社の橋上駅舎が連続しており、外形上駅舎が一体で、出入口を共有している形である。ただし南口は同じ橋に両社の橋上駅舎が並ぶ形である。
JRと東武の改札内は完全に分離されており、連絡改札口も存在せず、双方の改札口を通らないと乗換できない。
改札はいずれも北側の中央口(ただし東武は「西口・東口」改札とする)と南口の2箇所にある。
JRに関しては北側(中央口)と南口は別の駅舎ではあり、連絡通路(橋)が改札内に設けられているが、東武は駅ビル「柏高島屋ステーションモール」と合造のためどちらも同じ駅舎となっており、2つの改札口が橋上で向かい合っている。
なお、西口の出入口は駅名に東武・JRの2社表示があるのに対し、JR管理の東口の出入口はJR東日本ロゴのみで東武の表示が無いが、既述の通り両社の駅舎は事実上一体であるため、東口もJRコンコース経由で東武コンコースに繋がっている。
[編集] JR東日本
島式ホーム2面4線を持つ橋上駅で、改札口は中央口と南口の他、朝ラッシュ時限定で3・4番線(快速)ホーム専用の入場改札が中央口改札側(自動券売機の左側)にある。
2005年7月9日のダイヤ改正より特急「フレッシュひたち」のほぼ全てが当駅停車となったことから、3・4番線ホームに自由席特急券売機が設置されている。
中央口前にみどりの窓口、びゅうプラザがある。なお、南口券売機横にあったみどりの窓口は2006年7月に営業を終了し、今はその役目を指定席券売機や中央口のみどりの窓口に譲っている。自動改札機はSuicaとJR西日本のICOCA対応。
緩行線は北柏方に留置線が1本あり、松戸方面へ折り返すことが可能(平日朝6本、夕方13本、土休日朝5本、夕方7本が当駅始発)。尚、1番線の当駅始発列車は、我孫子方面発よりも僅かに南柏寄りに停車し、整列乗車位置を別けている。
なお、3・4番ホームの発車案内表示器はかなり横幅が長く、「特急 フレッシュひたち ○号」なども1列で全て表示できる。反面、種別欄が狭く、「特別快速」の場合は広い横幅に反してかなり窮屈な表示になる。
- のりば
1 | ■常磐線(各駅停車) | 新松戸・綾瀬・西日暮里・代々木上原方面 |
2 | ■常磐線(各駅停車) | 北柏・我孫子・取手方面 |
3 | ■■常磐線(快速) | 松戸・北千住・日暮里・上野方面 |
4 | ■■常磐線(快速) | 我孫子・取手・成田・土浦・水戸・いわき方面 |
[編集] 東武鉄道
頭端式ホーム2面4線を持つ橋上駅で、駅施設は駅ビル「柏高島屋ステーションモール」の中にある。
ホームの構造上、大宮方面と船橋方面を直通する列車は当駅でスイッチバックを行う。改札は北口と南口の2ヶ所がある。位置関係は記述の通り。
かつて、野田線が貨物輸送を行っていた時は、常磐線(当時は国鉄)への連絡線が存在していたが、現在はステーションモールの駐輪場となっている付近である。現在の8番線が元の貨物列車の引き込み線及び常磐線への連絡線のうちの1本である。また7・8番線ホームの下に元の8番線と貨物列車の引き込み線が存在していた。
一時期は駅員と笛の合図のみだったが、2007年3月10日から発車メロディとテープの放送も開始された。
[編集] のりば
5・6 | ■野田線 | 六実・新鎌ヶ谷・船橋方面 |
7・8 | ■野田線 | 運河・野田市・春日部・大宮方面 |
- ※当駅を跨いで六実・船橋方面と運河・野田市方面を直通する列車は、配線上6・7番線のみ(到着時に折り返し向かう方面の発車ホームに入線するため、6番線から野田市方面行、7番線から船橋方面行が発車するという事はない。但し、回送運用ではこの限りではなく、土曜・休日ダイヤでは7番線より船橋方面の留置線へ回送する列車が存在する。)
- ※5・6番線ホームと7・8番線ホームは頭端が通路でつながっており、平面乗り換えが可能。
- ※日中は6番線が空いている事が多いため、団体・試運転などの臨時列車はここへ入線する事が多い。
[編集] 利用状況
- JR東日本の乗客数は1日あたり135,074人(2005年度)で、同社内で19番目に多く、千葉県内のJRの駅で1位。
- 東武鉄道の乗降者数は152,017人(2005年度)で、全線において池袋、北千住に次いで第3位である。
[編集] 乗り換えの利便性
[編集] JR総武線
総武本線方面に行く場合には、時間面では緩行線同士の場合はわずかながら新松戸駅・西船橋駅乗換が早いが、快速線同士(特急フレッシュひたちからも含む)や緩行線と快速線との乗り換えは、ほとんどの場合東武線経由の方が便利である。
ちなみに、JRでは一時期に総武線方面へのアクセスがJR有利であるという張り紙を掲出していた。
[編集] 東京都心方面
北柏駅から山手線の駅(池袋方面など)に向かう場合は、西日暮里乗り換えより当駅から快速に乗り換えて日暮里駅に出る経路が利便性が高い。また、松戸・北千住駅へ早く着きたい場合も当駅から快速に乗り換えた方が便利であるが、こちらは本数が多い通勤時間帯でないと利便性はそれほど高くない。待ち時間次第では、さほど変わらない場合もある。
他に、当駅から東京地下鉄千代田線の駅へ早く到達したい場合は、北千住駅まで快速を利用して北千住から千代田線に乗り換える方法がある。
[編集] その他の特徴
- 1972年(昭和47年)に当時の国鉄が、国鉄初となる自動改札機を初めて当駅に設置した。
- 常磐線快速電車の停車(ホーム新設)は複々線完成翌年の1972年10月2日からであり、快速線の停車駅としては最も新しい。特急停車は国鉄末期の1986年から(後述、当時は「ひたち」)で、後に登場する速達タイプの特急「スーパーひたち」は、上りの10時08分発の18号のみ停車する。「フレッシュひたち」については、2005年7月9日の改正以降、朝方の上り列車5本を除きすべて停車する様になっている。そのため、当駅からの特急列車利用客が急増した。
- 常磐線~武蔵野線方面の臨時急行列車が停車していた時期もあったが、「フレッシュひたち」と同じE653系を使用していたため誤乗が絶えず、途中から柏駅通過のダイヤに変更された。これは485系に変更された現在も継続されている。
[編集] 駅周辺
駅東側から旧水戸街道付近、さらにその先にかけての周辺一帯は、商業集積地となっており、柏市の中心市街地が形成されている。その外縁は住宅地である。
日本で初めて作られた駅前ペデストリアンデッキ(通称『ダブルデッキ』)で駅東口出入口とつながるスカイプラザ柏(ビックカメラ)、そごう柏店(旧本館、旧タワー館)、ファミリ柏(丸井VAT)といった大規模店舗のみならず、駅前通り(ハウディモール)を軸に、二番街通り(丸井柏店、新星堂カルチェ5、長崎屋、常陽銀行柏支店を含む)、セントラルパル街など中小規模の商店が多い中心部型の商店街が広がり、主に日中・夕方を中心に多くの人で賑わう繁華街の様相である。最も古い商店街は1942年頃から栄えた旧水戸街道柏神社~北方面の「柏本町通り」で、こちらは燃料店、種苗店、呉服店、学生服店など、現代風の店が多い駅前付近と異なり昔ながらの業態も持っている。
また東武駅舎と一体となっている柏高島屋ステーションモールは、同駅の象徴的な駅ビルと言える。
その他、市街地としての歴史は浅いものの駅西側地区にはオフィスビルなどが立ち並び、証券会社支店や小規模の商店などが存在する。
駅出入口は、東口、西口の他に南口がある。東西を結ぶ跨線橋に出る南口改札口は、すぐ左手(東)のファミリ柏ビル内に進めば、小柳町上空通路を経由して二番街通り、セントラルパル街方面への近道として利用でき、屋根がある。また、右手(西)に進めば千葉県立東葛飾高等学校、市進予備校、みくに幼稚園方面への最寄出口となる。
駅東西にはタクシー乗り場とバスターミナルがある。バスターミナル・バス乗り場については記述の通りである。
[編集] 東側
東口又は南口より左方向の側。
柏市柏(丁目)、中央町、中央、泉町、緑ヶ丘、若葉町、千代田(丁目)、東上町(あずまかみちょう)、東、桜台方面。
原則として徒歩10~15分以内の場所にある主な施設を記載する。
- デパート・複合商業ビル
- そごう柏店 - 東口デッキ直結
- スカイプラザ柏 - 東口デッキ直結
- ビックカメラ
- 浅野書店
- ファミリ柏 - 南口歩道橋直結
- 丸井柏店 - ファミリ柏より小柳町上空通路経由二番街
- システムランドビル - ファミリ柏より小柳町上空通路経由
- スーパーマーケットなど
- 長崎屋 - ファミリ柏より小柳町上空通路経由二番街
- 京北 - 東口直進信号右折二番街
- イトーヨーカドー柏店- 東口直進ハウディ・モール
- カスミ - 千代田2丁目
- マミーマート -若葉町
- ケーヨーデイツー -若葉町
- 主な専門店
- 新星堂カルチェ5(音楽CD、DVD、楽器、スポーツ用品、書籍) - 東口直進信号右折二番街
- タワーレコード柏店(音楽CD、DVD) - ファミリ柏より小柳町上空通路経由システムランドビル4,5階
- ディスクユニオン(音楽CD、レコード)、オーディオユニオン(楽器)柏店 - セントラルプラザ地下
- ライトオン(ジーンズ) - ファミリ柏より小柳町上空通路経由システムランドビル
- ニューサンキ(衣料)
- 柏神社の交差点を左折するとジーンズメイトがある。さらにその裏に進むと古着店や雑貨店などが並ぶ一角があり、一部で「裏柏(通称ウラカシ)」などと呼ばれる。
- 主な飲食店
- レストラン、喫茶店などの飲食店はそごう内、ファミリ柏ビル内、スカイプラザ柏ビル内、二番街、セントラルパル街、東パル街などにある他、裏通りに地元系の店も存在するがあまり目立たない。
- 東側の有名ファストフード類は、モスバーガー、マクドナルド、松屋、吉野家、ケンタッキーフライドチキン、ミスタードーナツ、ドトール、スターバックスコーヒーがある。
- 駅に近い雑居ビルや柏神社東方付近「柏銀座通り」などに居酒屋・飲み屋系料理店があるが、歓楽街と呼べるほどは特化していない。
- 名所
- 柏神社(「天王様」と呼ばれる)
- 駅前、駅周辺は夏のイベント「柏まつり」の会場になり、開催日には凡そ68万人の人出となる。
- 駅周辺は路上ライブのメッカで、メジャーデビューしたアーティストに東口デッキからのSomething ELseや南口通路からの奥華子などがいる。
- 金融機関
- 証券会社
- 三菱UFJ証券 柏支店 - 丸井VAT横
- 大和証券 柏支店 - 駅前通り
- みずほインベスターズ証券 柏支店 - 駅前通り
- 日興コーディアル証券 柏支店 - 駅前通り
- 娯楽施設
- 柏シネマサンシャイン(映画館) - 柏神社裏
- 駅近くにパチンコ店が数店ある。
- 宿泊施設
- ビジネスホテルたかぎ - スカイプラザ裏
- 三井ガーデンホテル柏 - そごう前から伸びるサンサン通り
- 柏第一ホテル - 駅前通り旧水戸街道交差点先
- その他
[編集] 西側
西口又は南口より右方向の側。
柏市末広町、旭町、向原町、豊四季台、西町、明原、あけぼの方面。
原則として徒歩10~15分以内の場所にある主な施設を記載する。
- デパート・複合商業ビル
- 飲食店
- レストラン・飲食店はステーションモール内や駅前付近にある。
- 西側の有名ファーストフード店は、ステーションモール内を含めてベッカーズ、モスバーガー、ドトール、スターバックスコーヒー、マクドナルドがある。
- 名所
- 柏市立砂川美術工芸館(芹沢銈介) - 徒歩約15分呼塚交差点付近
- 金融機関
- 証券会社
- 新光証券 柏支店 - 西口本通り
- 丸和証券 柏支店 - 西口本通り
- 水戸証券 柏支店 - 西口本通り
- 宿泊施設
- 柏プラザホテル - 南口西側前
- 末広イン - 南口西側前
- ザ・クレストホテル柏(帝国ホテル系) - 高島屋前の通り北方向
- その他
- 岡田病院 - ステーションモール北側
- 駅近くのコンビニエンスストアは、サンクス、デイリーヤマザキが各1店、ファミリーマート、ローソンが複数店あり、東側より目立つ。
- 柏駅西口郵便局 - 旭1丁目
- LEC 柏本校 - 西口本通り
- セントラルウェルネスクラブ- 高島屋前の通り北方向
- 千葉県立東葛飾高等学校 - 旭町3丁目
[編集] バス路線
市内各地など各方面からバス路線が集中する。比較的距離の長い路線も多く、現在の松戸駅とはやや対照的である。
- バス乗り場は基本的には3ヶ所ある。
[編集] 東口
- 停留所名は「柏駅東口」である。乗り場全体がデッキに覆われ、1番乗り場脇に定期券・回数券の委託販売所がある。
- 日曜及び休日の日中は東口に乗り入れない。駅前通りが歩行者天国の実施により車両通行止めになるため、同時間帯は「駅入口」停留所(同時間帯の専用乗り場)が始発停留所となる(駅入口終着便の方向幕は「柏駅入口」と「柏」が付く)。駅前通りを直進し、旧水戸街道との交差点を渡った先に停留所があり、「鮨よし前」という案内がある。
- 路線バス
[編集] 西口
- 停留所名は「柏駅西口」である。1~3番乗り場は柏高島屋ステーションモールS館専門店街1階にあり、改札口からは建物内の移動のみで行くことができる。
- 4・5番乗り場は、柏高島屋ステーションモールT館(高島屋)前の道路上にある。
- 降車場はターミナルと国道6号の間の道路上にあり、屋根は付いていない。駅前デッキ・駅ビルとはエスカレーターで結ばれ、乗降の旅客動線が分離されている。
- 高速バス乗り場は、柏高島屋ステーションモールT館の北方にあるホテル「ザ・クレストホテル柏」前にあり、西口からは徒歩で約3分かかる。
- 路線バス
- 東武バスイースト(西柏営業事務所)
- 豊四季台団地循環 [柏01] - 1番乗り場
- 高田車庫(向原住宅経由 [柏15]、団地センター前経由深夜バス [柏41])、柏の葉キャンパス駅西口 [西柏02]、柏の葉公園 [西柏01]、国立がんセンター(柏の葉公園経由 [西柏01]、税関研修所経由 [柏44]) - 2番乗り場
- 市内循環 [柏02]、高田小学校入口 [柏02]、免許センター [柏06]、流山駅東口 [柏06] - 3番乗り場
- 若柴循環 [柏05]、若柴 [柏09]、柏の葉キャンパス駅東口 [柏09]、布施 [柏04]、三井団地 [柏11] - 4番乗り場
- 東急柏ビレジ [柏14]、柏たなか駅 [柏03]、柏市立高校(香取台経由 [柏12]、柏たなか駅経由 [柏03]) - 5番乗り場
- 高速バス
[編集] 歴史
- 1896年(明治29年)12月25日 - 日本鉄道の柏駅が開業。
- 当時「千代田村」「柏村」といった地名があったが、当時「千代田」は千代田城、つまり現在の皇居を示し「畏れ多い」とされる言葉だったため「柏」を採用したという経緯がある。
- 1906年11月1日 - 日本鉄道国有化
- 1909年10月12日 - 国有鉄道線路名称制定、常磐線となる。
- 1911年(明治44年)5月9日 - 千葉県営軽便鉄道野田線の駅が開業。
- 1923年(大正12年)8月1日 - 千葉県営軽便鉄道野田線を北総鉄道に譲渡
- 1923年(大正12年)12月27日 - 北総鉄道船橋線の駅が東側に開業。
- 1929年(昭和4年)11月22日 - 北総鉄道が総武鉄道に改称
- 1930年(昭和5年)8月30日 - 総武鉄道船橋線から野田線柏駅への連絡線を設け、船橋線の柏駅を野田線柏駅に統合。
- 1944年(昭和19年)3月1日 - 東武鉄道が総武鉄道を吸収合併
- 1948年(昭和23年)4月16日 - 東武鉄道野田線と船橋線は野田線となる
- 1956年(昭和31年)12月27日 - 西口を開設。
- 1971年(昭和46年)4月1日 - 橋上駅舎(現在の中央口)完成。
- 1971年(昭和46年)4月20日 - 国鉄常磐線複々線化。但し、快速線にホームは設置されず。
- 1972年(昭和47年)6月28日 - 国鉄初となる自動改札機を設置。(試験運用)
- 1972年(昭和47年)10月2日 - 国鉄常磐線の快速ホーム設置で快速電車が停車する様になる。
- 1979年(昭和54年) - 東武鉄道の駅に駅ビル「柏ローズタウン」(現・柏高島屋ステーションモール)が開業。
- 1980年(昭和55年)10月1日 - 客車列車を除く普通列車・快速電車がすべて停車する様になる。
- 1984年(昭和59年) - 東武鉄道野田線の貨物列車廃止
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 国鉄特急列車(「ひたち」)の一部が停車する様になる。
- 1987年(昭和62年)2月20日 - 東西自由通路(現在の南口がある橋)が完成。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い、常磐線はJR東日本が継承。
- 1992年(平成4年)4月23日 - 東武鉄道、南口を設置。
- 1998年(平成10年)7月12日 - JR常磐線の3・4番線ホームを3m拡幅。
- 1999年(平成11年)4月8日 - JR東日本、南口を開設。
- 2005年(平成17年)7月9日 - JR特急列車「フレッシュひたち」の千葉県内停車駅を柏に統一。朝の上り一部を除くすべてのフレッシュひたちが停車。特別快速新設に伴い、停車駅となる。