水島臨海鉄道水島本線
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水島本線(みずしまほんせん)は、岡山県倉敷市の倉敷市駅から三菱自工前駅を経て、倉敷貨物ターミナル駅に至る水島臨海鉄道の鉄道路線である。
水島に建設された軍需工場の専用鉄道として敷設され、戦後は水島臨海工業地帯に立地する工場からの製品輸送を行う鉄道となった。1948年に地方鉄道法に基づく鉄道として旅客営業が開始され、1952年に倉敷市営となったが、1970年からは水島臨海鉄道が運営している。水島本線では貨物営業のほか倉敷市~三菱自工前間で旅客営業も行っており、沿線の工場や、学校などへの通勤・通学客を運んでいる。三菱自工前~倉敷貨物ターミナル間は貨物営業のみを行っている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):11.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:
- 旅客駅:10駅(起終点駅含む)
- 貨物駅:1駅
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 最高速度:60km/h
[編集] 運行形態
旅客列車が毎時2~3本運転されている。ほとんどが倉敷市~水島間の列車で、倉敷市~三菱自工前間の列車は昼間時間帯にもあるが、主に朝の通勤時間帯と夕方以降に運転される。2007年3月18日のダイヤ改正までは昼間時間帯には三菱自工前発着列車は運転されていなかった。
なお、早朝時間帯の上り1本(三菱自工前駅5時2分発)と下り1本(倉敷市駅5時47分発)の列車は日曜日運休で、深夜時間帯の上り1本(水島駅23時8分発)と下り1本(倉敷市駅23時35分発)の列車は金・土曜日運転となっていたが、2007年3月18日のダイヤ改正で早朝の日曜日運休の列車は毎日運転に、深夜の金・土曜日運転の列車は廃止された。
また、大半の列車は1995年から1996年に導入されたMRT300形だが、朝の時間と、夕方の上り4本(三菱自工前駅7時28分発、8時30分発、17時44分発、19時5分発)と下り4本(倉敷市駅7時59分発、9時47分発、18時24分発、19時50分発)はキハ20形で2両編成として運行される(※注・時刻等は2007年3月18日改正前のもの。 但し、土・日・祝日はワンマン列車となり、MRT300形で運転)。
また、平日はMRT300形でも朝(一部列車除く)と夕方のラッシュ時には2両編成での運行となる。早朝や、昼間、深夜はワンマン運転となる(但し、土・日・祝日は新型車両で全列車ワンマン運転となる)。
[編集] 利用状況
水島本線の近年の輸送実績を下表に記す。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。
年 度 | 輸送実績(乗車人員):万人/年度 | 貨物輸送量(発送) 万t/年度 |
貨物輸送量(到着) 万t/年度 |
特 記 事 項 | |||
定期 | 定期外 | 1日平均 | 合計 | ||||
2002年(平成14年) | 100.8 | 70.5 | 0.46 | 171.3 | 0.33 | 0.16 | |
2003年(平成15年) | 97.8 | 70.2 | 0.46 | 168.0 | 0.35 | 0.15 | |
2004年(平成16年) | 93.5 | 67.8 | 0.44 | 161.3 | 0.35 | 0.15 | |
2005年(平成17年) | |||||||
2006年(平成18年) |
[編集] 歴史
- 1943年6月30日 - 三菱重工水島航空機製作所専用鉄道として倉敷~水島航空機製作所間が開業。
- 1947年 - 元水島航空機製作所専用鉄道を水島工業都市開発に移管。
- 1948年8月20日 - 水島工業都市開発が社倉敷(現在の倉敷市)~水島~水島港間を地方鉄道法による鉄道として開業。
- 1949年5月20日 - 球場前駅開業。
- 1949年11月15日 - 西富井駅開業。
- 1952年4月1日 - 倉敷市に譲渡。倉敷市交通局運営の市営鉄道となる。
- 1959年以前 五軒家駅廃止。
- 1965年8月20日 - 水島~川鉄前間が開業。
- 1970年4月1日 - 水島臨海鉄道に移管。
- 1971年6月1日 - 倉敷市~水島間CTC化。
- 1972年9月18日 - 水島~三菱自工前間の旅客営業を開始。三菱自工前駅開業。
- 1981年4月7日 - 倉敷市駅を国鉄倉敷駅前に移転。
- 1982年 - 球場前駅を移転。
- 1983年4月1日 - 三菱自工前~川鉄前間に倉敷貨物ターミナル駅が開業。倉敷貨物ターミナル~川鉄前間を廃止。倉敷市~倉敷貨物ターミナル間を水島本線、三菱自工前~西埠頭間を西埠頭線に改称。
- 1986年3月3日 - 栄駅開業。
- 1988年3月13日 - 浦田駅開業。
- 1989年3月29日 - 福井駅開業。
- 1992年9月7日 - 浦田~三菱自工前間を高架化。常盤駅開業。
- 1996年3月16日 - ワンマン運転開始。
- 2002年3月23日 - 土・日・祝日は、全列車ワンマン運転となる(例外除く)。
- 2007年3月18日 - 三菱自工前発着列車を昼間にも運転開始。土・日・祝日運休、週末のみ運転の列車がなくなる。
[編集] 駅一覧
倉敷市駅 - 球場前駅 - 西富井駅 - 福井駅 - 五軒家駅 - 浦田駅 - 弥生駅 - 栄駅 - 常盤駅 - 水島駅 - 三菱自工前駅 - 倉敷貨物ターミナル駅
- 西富井駅からはかつて専売公社への引込み線が分岐していた。
- 五軒家駅は1959年以前に廃止。五軒家駅は1955年制作の映画『麦笛』のロケで使われた駅である。
[編集] 接続路線
- 倉敷市駅:山陽本線・伯備線(倉敷駅)
- 水島駅:水島臨海鉄道港東線(貨物線)
- 三菱自工前駅:水島臨海鉄道西埠頭線(貨物線)