沢木耕太郎
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沢木 耕太郎(さわき こうたろう、1947年11月29日 - )は、東京都大田区生まれのノンフィクション作家、エッセイスト、小説家、写真家。
東京都立南高等学校、横浜国立大学経済学部(長洲一二ゼミナール)卒業後、入行した富士銀行を一日で退社し(人ごみに紛れての出社途中、信号待ちしている時に退社を決意)、自ら取材して作品を書き上げるルポライターとして1970年に『防人のブルース』でデビュー。以降、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品を上梓している。
目次 |
[編集] 概要
- 浅沼稲次郎を暗殺した少年と浅沼を描いた(二人が接近するところが読者を引き込む)『テロルの決算』にて、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。ノンフィクション作家として注目を集める。(ちなみに、同様のテーマを扱った作品に大江健三郎の『セブンティーン第二部政治少年死す』がある。)
- デリーからロンドンまで乗り合いバスで旅をする沢木自身が主人公の旅行記『深夜特急』は、当時の多くの若者に刺激を与え、バックパッカーの旅行ブームが沸き起こった。今でも個人旅行者の間では、このノンフィクション風の小説がバイブル的な存在となっている。1996年には大沢たかお主演でテレビドラマ化された。バラエティ番組の『進め!電波少年』で、プロデューサーがこの小説をヒントに企画を立てたことは有名。
- 『クレイになれなかった男』の続編といえる『一瞬の夏』では、プロボクサーのカシアス内藤こと内藤純一が再び世界チャンピオンへ挑戦する姿を克明に描き、作中にはボクサーや帝拳ジムの名物マネージャー・長野ハル等、ボクシングファンには名の知れた人達が登場する。
- 『NHKスペシャル』などでは、自ら取材してテレビ出演することもある。
- ブラジルのジャングルでセスナ機が墜落し、九死に一生を得た体験がある。(『イルカと墜落』に収録)
- 在京FM局J-WAVEで毎年12月24日の深夜に「旅」をテーマとして放送される特別番組『MIDNIGHT EXPRESS ~天涯へ』に、ナビゲーター(DJ)として出演している。
[編集] 受賞歴
- 1979年 『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞
- 1982年 『一瞬の夏』で第1回新田次郎文学賞を受賞
- 1985年 『バーボン・ストリート』で第1回講談社エッセイ賞を受賞
- 1993年 『深夜特急 第三便』で第2回JTB紀行文学賞受賞
- 2003年 これまでの作家活動で、第51回菊池寛賞を受賞
- 2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞受賞
[編集] 作品リスト
- 若き実力者たち 現代を疾走する12人(1973年)
- 敗れざる者たち (1976年)
- テロルの決算 (1978年)
- 人の砂漠 (1977年)
- 一瞬の夏 (1981年)
- 路上の視野 (1982年)
- バーボンストリート (1984年)
- 深夜特急 第一便 黄金宮殿 (1986年)
- 深夜特急 第二便 ペルシャの風 (1986年)
- 馬車は走る (1986年)
- 王の闇 (1989年)
- チェーン・スモーキング (1990年)
- 彼らの流儀 (1991年)
- 深夜特急 第三便 飛光よ、飛光よ (1992年)
- 壇 (1995年)
- オリンピア ナチスの森で (1998年)
- 貧乏だけど贅沢 (1999年) ‐対談集
- 血の味 (2000年) ‐初の長編小説
- 世界は「使われなかった人生」であふれてる (2001年)
- イルカと墜落 (2002年)
- シネマと書店とスタジアム (2002年)
- 一号線を北上せよ (2003年)
- 無名 (2003年)
- 杯 WORLD CUP (2004年)
- 冠 OLYMPIC GAMES (2004年)
- 凍 (2005年)
他に訳書として
- キャパ その青春、その死(リチャード・ウィラーン)
[編集] 写真集
[編集] 関連項目
- カシアス内藤
- エディ・タウンゼント
- Sports Graphic Number
- 浅沼稲次郎 (テロルの決算)
- 浅沼稲次郎暗殺事件
- 檀一雄 (壇)
- 円谷幸吉 (敗れざる者たち)
- 榎本喜八 (敗れざる者たち)
- レニ・リーフェンシュタール (オリンピア ナチスの森で)
- ジョー・フレージャー (王の闇)
- 山野井泰史 (凍)
- アルベール・カミュ(卒論で彼について書いたことがある)
- ロバート・キャパ
カテゴリ: 日本のノンフィクション作家 | 東京都出身の人物 | 1947年生