観音埼灯台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
観音埼灯台(かんのんざきとうだい)は、。神奈川県横須賀市に属する三浦半島の観音崎最東端に立つ、白色八角形の中型灯台で、日本初の洋式灯台、この灯台の着工日を記念して11月1日が灯台記念日となっている。初代の設計はレオンス・ヴェルニー等が担当したが、地震により2度再建され、現在の灯台は3代目にあたる。また、日本の灯台50選にも選ばれている。周辺は、県立の観音崎公園として、自然が保護されていて、東京湾、浦賀水道を一望の下にすることも出来る。
目次 |
[編集] 歴史
- 1866年(慶応2)アメリカ、イギリス、フランス、オランダと結んだ「改税条約」(別名「江戸条約」)によって建設することを約束した8ヶ所(観音埼、野島埼、樫野埼、神子元島、剱埼、伊王島、佐多岬、潮岬)の灯台(これらを条約灯台とも呼ぶ)の一つで、最も早く完成・初点灯した。
[編集] 初代
- 1868年(明治元)11月1日 着工。この日を記念して11月1日が灯台記念日となっている。
- 1869年(明治2)2月11日<旧暦では1月1日>に完成・初点灯。設計はレオンス・ヴェルニー等のフランス人技師が担当し、建設当初は、レンガ造りの四角い洋館建てで、 屋上に灯塔を設けたフランス風白色八角形のレンガ造灯台。地上から灯火までが12.12mの高さで、フランス製の第3等フレネル式レンズを使用し、3重心灯器で1,750カンデラ、光達距離14海里(約26km)だった。
- 1922年(大正11)4月26日 地震のため大きな亀裂が発生(崩壊したとする資料もある)。取り壊し。
[編集] 2代
[編集] 3代
[編集] 概要
現在使用されている3代目の灯台について概要を示す。
- 航路標識番号 2030 [F6360]
- 位置 (北緯 35度15分22秒 東経 139度44分43秒)
- 塗色・構造 (白色 八角塔形 コンクリート製)
- レンズ (第4等フレネル式)
- 灯質 (群閃白光 毎15秒に2閃光)
- 実効光度 (77,000カンデラ)
- 光達距離 (19海里<約35km>)
- 明弧 (152度から17度まで)
- 高さ<地表~塔頂> (19m)
- 灯火標高 (56m)
- 初点灯 (1869年(明治2)2月11日)
- 所在地 (神奈川県横須賀市鴨居 4-1187)
[編集] 一般公開
内部の見学が可能な参観灯台である(参観料:大人150円、小人20円)。灯台からは浦賀水道を航行する船舶や対岸の房総半島が一望できる。
[編集] 灯台資料展示室
灯台資料展示室が併設されていて、初代の灯台を造ったフランス人レオンス・ヴェルニーの胸像や灯台レンズ、灯台用ランプなどの貴重な資料も展示されている。
[編集] 「喜びも悲しみも幾歳月」
木下惠介監督、佐田啓二・高峰秀子主演の映画「喜びも悲しみも幾歳月」(1957年松竹作品)のファーストシーンに登場し、ロケが行われたことでも知られている。
[編集] 周辺にある碑
- 初代海上保安庁長官大久保武雄(橙青)の句碑「汽笛吹けば 霧笛答える 別れかな」
- 高浜虚子の句碑「霧いかに 深くとも嵐 強くとも」
[編集] 交通
[編集] 関連項目
カテゴリ: 日本の地理関連のスタブ項目 | 日本の灯台 | 横須賀市 | 神奈川県の建築物・観光名所