野原ひろし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
野原 ひろし(のはら ひろし)は、臼井儀人の漫画『クレヨンしんちゃん』に登場する架空の人物。アニメ版での声優は藤原啓治。主人公、野原しんのすけの父。妻みさえの姉の小山まさえと同い年。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
早稲田大学教育学部卒、東京都霞が関の双葉商事営業2課[1]の係長(初期に「課長」という表記があったが正式には「係長」)。秋田県大曲市(現:大仙市)出身。血液型B型。35歳とされるが、一部34歳とする資料[2]もあり、真相は藪の中となっている。なお原作およびアニメでは、最初から35歳で統一されており、34歳という表記は一度も出たことはない。生年は、連載開始年(1990年)から引くと1955年になる。ただし、長女ひまわりが誕生した1996年を基準とすると、1961年になり、この説が最も濃厚である。「野原刑事の事件簿」(1996年12月27日放送)での離婚届によれば牡羊座だが、みさえの星座が大きく矛盾しているため信憑性に乏しい。現在の一人称はオレ、幼少時の一人称はオラ。初期はかなり太っていた。作画デザインが変わるにつれ、輪郭もみさえ同様、変わっている。
[編集] 人物像
みさえには、北千住駅のプラットホームでプロポーズした。家庭内では彼女の尻に敷かれており、基本的に妻には従順。むさえが来てからはみさえが二人いる状態になりよりコキ遣われるようになった。野原家の中では一番幸運に恵まれず、貧乏くじを引いてしまうことが多い(その度、しんのすけやみさえなどかなり幸福になることが多い。特にしんのすけ。たまに自分のせいで迷惑をかけるときもある)。家のローンは32年。そのため、特にしんのすけにローンと税金、ボーナス、お小遣いの話をされると急激に落ち込む。美人に弱く、よく鼻の下を伸ばしたり格好をつけたりしてはみさえとひまわりに睨まれている。 回転寿司ネタの光り加減で鮮度を判別でき、「鷹の目を持つ男」という異称を持つ。子供の頃に連れて行ってもらった大阪万博に興味がある。
趣味はゴルフだが、休日に接待ゴルフに誘われ家族とのピクニックなどの約束を果たせず、混乱が起こることがある。好きなプロ野球チームは巨人。一応大型自動二輪車の運転免許を持っており、サイドカーでしんのすけを連れ高速道路で秋田の実家まで行ったこともある。 靴や靴下の悪臭が非常に強烈で、しんのすけやひまわりが靴下の臭いを嗅いで気絶しそうになったことがたびたびあり、マサオも野原家に来たときに気絶した。また、シロの嗅覚を狂わせたこともある。劇場版では靴の悪臭を武器として利用して戦うこともあり、その臭いは怪獣をもひるませるほどである。髭が濃い上におろし金のように固く(実際に大根をすりおろせるほど)、時として武器になる。映画『爆発!温泉わくわく大決戦』で巨大ロボットのドリルに髭を押し付けたとき火花が散っていた。
暴力的で厳しいみさえとは対照的に、叱ったり制裁をしたりすることは少ない上に、土日・祝日は家族サービスも考えず接待ゴルフや昼寝で過ごすだらしない父親だが、しんのすけに遊ぼうと誘われると嬉々としてそれにつき合う子供思いの一面もある。また、ひろしの落としたライターで火遊びをしていたしんのすけとマサオ君が危うく火事を起こしそうになったところを駆けつけ消火し、2人を本気で叱りつけたこともある(原作11巻)。周囲がみなひまわりばかりをかわいがり、疎外感にとらわれていたしんのすけを穏やかに諭して自覚を与えるようなこともあり、実は要所要所で適切な形での親としての行動がとれる人物である。
休日の朝に眠っていると、大抵しんのすけに罰ゲームじみた凄まじい手段で起こされている。
- 靴下やティッシュペーパーを口の中に詰め込む
- 掃除機で口を吸う
- 洗濯ばさみを顔中に付ける
- 口一杯に煎餅を詰め込まれる
- 顔面にワサビを塗られる
- ぞうさんを顔面にあてる
- 人形やぬいぐるみを抱かせる
- ひまわりに、大きく開いた口の上に深々と腰掛けられる(しかも彼女は大を排便済み)
- なお本人は、夢の中で後輩の女性社員(草加ユミ)に会い、口にカレー味の巨大なおにぎりを詰め込まれていた模様。
- 毛抜きごっこと称して、どこからともなく持ってきた毛抜きで髭を思いっきり抜く
- この毛抜きごっこも夢のなかでは草加ユミに『おじんくさい髭と髪型なんとかなりません?』といわれ引っ張られ続けて目が覚めた模様。
など。また、未遂に終わった例だが、しんのすけが「日曜大工セット」からトンカチを取り出したり、滾った熱湯を持ってくる場面がある。
みさえとの「ママとのお約束条項」の他に「パパとのお約束条項」というのも1条のみだが一応存在する。内容は「パパの頭の上での読書若しくは他の遊戯一切を禁ず」と「ママとのお約束条項」に比べると文体が少々硬い印象をうける。また、「ママとのお約束条項」に彼が新たなる約束を書いたこともあり、内容は「缶ビールに日光浴させては絶対にいけない」である。
切れ痔で一度、入院したことがある。
初期はヒマさえあれば喫煙していたがみさえの出産が近づいたのを期に禁煙した。
学生時代はSF研究会に所属しており、SF初段の資格を持っている(映画『雲黒斎の野望』で判明)。
追い詰められた状況で気合を入れる時「日本のサラリーマンのど根性みせちゃるー!」と叫ぶことがある。
鼻歌を歌っているシーンやカセットテープを探すシーンなどから、サザンオールスターズ(桑田佳祐)のファンと思われる。
余談ではあるが、野原ひろし名義で北埼玉ブルースと言う演歌もCD化されており、美声の持ち主である。アニメや原作でも北埼玉ブルースを熱唱する場面があった。
[編集] 脚注
- ^ 映画『ヘンダーランドの大冒険』では双葉商事株式会社東京本社第一営業部係長となっている。ちなみに住所は東京都中央区日本橋猫町十二番一号となっている。
- ^ 映画『アクション仮面VSハイグレ魔王』、『ブリブリ王国の秘宝』、『雲黒斎の野望』、『ヘンダーランドの大冒険』のパンフレットや、1993年にタイトーから発売されたアーケードゲーム『クレヨンしんちゃん オラと遊ぼ』