鉄道コレクション
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鉄道コレクション(てつどうコレクション)は、2005年から株式会社トミーテックより発売されている鉄道車両のディスプレイモデル(展示用模型)である。通称「鉄コレ」と呼ばれている。Nゲージに準拠した規格であり、別売パーツによって簡単に走行可能なNゲージ車両に改造することができる。
※シリーズの名称は「鉄道コレクション」だが、トミーテック公式サイト内では「The鉄道コレクション」の表記も見られる。
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[編集] 概要
同社から既に発売されていた「バスコレクション」、「カーコレクション」、「街並みコレクション」等と同じく縮尺150分の1(日本型Nゲージのスケール)モデルで、これらと同じくブラインドボックス販売である。但し、車輛がモデル化された一部鉄道会社では、自社の当該形式のみ中身を選べるように発売されたことがある(パッケージは通常と同じ)。
これまで同社が展開するNゲージブランドであるTOMIXはもとより、関水金属(KATO)、グリーンマックス、マイクロエースといった主要Nゲージメーカーが全くと言っていいほど手がけてこなかった、地方私鉄の1960年代~1970年代前後の小型車輛を中心にモデル化したのが特徴で、このため購買層の年齢が比較的高いと言われている。しかしながら、実際には、高い年齢層はもちろんのこと若い層、ジオラマと模型好きの女性にも好評である。鉄道模型専門誌RM Modelsには、中学生が改造したモデルも発表されている。同誌によれば若い年齢層は当時の活躍をあまり知らないがゆえに、逆に自由に楽しめることがあるという。また、価格の安さも、若年層の購入を後押ししている(第1弾・第2弾は1輛が税込みで420円で、通常のNゲージ車両価格(付随車でその3~8倍、動力車では10倍以上)から考えると相当安い)。
車輛の主なパーツ構成はプラスチック成形品による塗装済み車体、床板(電車の場合はこれに座席パーツが付く)、台車枠および車輪・軟質材によるパンタグラフから成り、玩具の手法でコストダウンが図られている。これにディスプレイ用のダミーレール(TOMIXの旧茶色床レールに近い形状)と封入された車輛の銘板が付いた台座が付属する。
鉄道模型として扱うこともしっかりと考慮されており、Nゲージ化するための専用動力装置や走行用パーツセットも用意されてる。特に動力装置にはフライホイールが付き、Nゲージの中でも一、二を争うほどの高い走行性能を持っている。パンタグラフもTOMIXをはじめNゲージメーカー各社から発売されている細密なものに換装することができる。 TOMIXではほぼ同時期にミニカーブレールシリーズを発売しており、車両と組み合わせることでテーブルの上などの限られたスペースでも運転が楽しめるようになっている。
[編集] 製品化された車種
第1弾・第2弾では、2種類のフリーランス塗色モデル(以下フリー)と、1種類の会社を特定しない二軸貨車の2輛セットが存在する。なお、このフリーにはトミーのT・O・M・Yの4文字をあしらったオリジナルの社紋が入っている。
各シリーズとも、10種類の通常モデルと、1種類のシークレットモデルで構成されている。
[編集] 第1弾
2005年11月発売。フリーの塗色は小豆色地、窓周り肌色。
- 鶴見臨港鉄道モハ100形〔15m級〕
- 同鉄道の国鉄買収後、地方私鉄へ払い下げられた後の各形式をモデルにしている。
- 日本鉄道自動車小型車〔12m級〕
- 同社が地方私鉄に納入した全長12mの電車をモデルにしている。
- 銚子電気鉄道デハ501 - 緋色地、窓周りベージュ。パンタグラフ側は貫通形。
- 上田丸子電鉄モハ2321 - 下半分濃紺、上半分アイボリー。上記銚子デハ501の譲渡前の姿である。
- フリー・モ1032 - 上記2種と異なり、両側とも非貫通である。番号はモ1031の続番。
- 名古屋鉄道デキ100形〔12m級〕
- かつて同社に在籍した12m級の凸型電気機関車をモデルにしている。
- デキ104 - 黒地に前面警戒色(黒・黄色の縞)帯、屋根は灰色。
- デキ101 - 黒一色。
- 私鉄木造貨車ワフ+ト
- 大正~昭和初期に各地の私鉄に投入された古典的な木造有蓋緩急車と木造無蓋車のセット。
- 車番はワフ71とト4。塗色は黒一色。
- シークレット
- 銚子電気鉄道デハ501、旧塗色 - 上田丸子からの譲受当初の塗色であるベージュ地、窓周り赤。
- 専用ケース
- 第1弾の全10種とシークレットを収納可能。鶴見臨港鉄道モハ100形の無塗装車が入っている。
[編集] 第2弾
2006年3月発売。フリーの塗色は茶色地、窓周りクリーム色。
- 南武鉄道モハ100形〔15m級〕
- 同鉄道の国鉄買収後、地方私鉄へ払い下げられた後の各形式をモデルにしている。
- 新潟交通モワ51形〔12m級〕
- 同社の鉄道線開業から廃線まで在籍した電動貨車。動力ユニットの関係で実車に比べて長さ方向でオーバースケールである。
- 新潟交通モワ51 - 晩年の塗色である下半分緑色、上半分黄色。
- 高松琴平電気鉄道62形〔15m級〕
- 自社工場で鋼体化された電車で、鋼体化当初は前面2枚窓、非貫通。晩年は前面貫通、3枚窓に改造されていた。実車は1形態1輛のみなので、類型車は実在しない。
- 高松琴平電気鉄道62 - 晩年の前面貫通、3枚窓の姿。下半分ピンク、上半分クリーム色。
- フリー・2001 - 前面非貫通、2枚窓。前面の塗り分けは金太郎塗り。塗色、台車以外は下記シークレット62非貫通と同一仕様。
- 私鉄貨車 鋼製ワフ・木造ワ
- 昭和期の鋼製有蓋緩急車と大正~昭和初期の木造有蓋車のセット。ワフは元南海電気鉄道ワブ500。
- 車番はワフ1とワ115。塗色は黒一色。
- シークレット
- 高松琴平電気鉄道62、非貫通 - 1980年代初期の前面非貫通時代の姿。塗色はノーマルモデルと同じ。
- 専用ケース
- 第2弾の全10種を収納可能。新潟交通モワ51の無塗装車が入っている。
[編集] 第3弾
2006年9月発売。今回は1950年代~1960年代の初期私鉄高性能車をモデル化しており、前2回にあったフリーと二軸貨車は発売されない。メーカー希望小売価格は483円(税込み)。各車とも連結面側のカプラーがアーノルトカプラーに改められている。
- 小田急2200・2220形〔18m級〕
- 小田急時代、及び譲渡後の姿をモデルにしている。いずれもM車(パンタグラフ1個)、M'車(パンタグラフなし)の各2種類。列車無線アンテナ(小田急用)、スノープラウ(富士急用)、排障器(新潟交通用)のパーツが付属している。
- 南海21000系〔17m級〕
- 南海時代の冷房改造後、及び譲渡後の姿をモデルにしている。いずれもM'車(パンタグラフは2個、または1個)、M車(パンタグラフなし)の各2種類。
- シークレット
- 新潟交通モハ2229、前面方向幕なし - 衝突事故発生時の修繕によって前面貫通扉が埋め込まれ、方向幕が撤去された後の姿。
- 専用ケース
- 8輛収納可能(従って、第3弾の全種類は入らない)。新潟交通モハ2229ノーマルモデルの無塗装車が入っている(付属パーツは入っていない)。
[編集] 第4弾
2007年3月発売。17m級旧型国電などがモデル化されている。
- 富士急行モハ7032(元クモハ14形)‐クハ7062(元クハ16形400番台)
- 弘南鉄道モハ1121(元クモハ11形400番台)‐クハ1611(元クハ16形400番台) - かつての同社鋼製車標準塗色である下半分茶色、上半分ベージュ。
- 西武モハ377(元クモハ11形400番台)-クハ1331(元クハ16形400番台) - 晩年に同社旧性能車標準塗色となった赤地、窓周りベージュ。
- クモハ12000・クモニ13007 - 旧型国電の標準塗色であるこげ茶色。
- 大井川鐵道モハ312・クハ512 - かつての同社急行用車両標準色である赤地、窓周りクリーム色。
- シークレット
- クモハ12000、仙石線色 - かつての一般型気動車に使用されていたものと同じ朱色地、窓周りクリーム色。
- 専用ケース
- 8両収納可能(従って、第4弾の全種類は入らない)。弘南鉄道モハ1121の無塗装車が入っている。
[編集] オープンパッケージ製品
2006年10月開催のプラモデルラジコンショーにて、以下の製品が一般流通品にて発売されることが発表された。2007年1月発売。
- 名古屋鉄道3700系2両セット
- 名鉄時代、及び高松琴平電気鉄道への譲渡後の姿を製品化。メーカー希望小売価格は1575円(税込み)。
[編集] 限定品
- 阪急920系
- 富士山麓電気鉄道モ1形
- 富士急行創立80周年記念企画品。バスコレクションのいすゞBX352限定モデルとのセット販売。製造当初のパンタグラフ2個の姿でモデル化。
- 富士急行5700形 モハ5708(M)-モハ5707(M')
[編集] Nゲージ化パーツ
- 動力ユニット
- TM-01(12m用)・TM-02(15m用)
- 第1弾発売に合わせて発売された黒染め車輪の動力ユニット。3種類の台車枠パーツとアーノルトカプラーユニットとのセット。台枠と台車枠パーツの成形色は黒。台車枠パーツの内容はTM-01~04で共通。メーカー希望小売価格は税込み2,415円。
- TM-03(12m用)・TM-04(15m用)
- 第2弾発売に合わせて発売された銀色車輪の動力ユニット(TM-01・02が黒染め車輪のためかうまく集電出来ないとのクレームが上がってきたため、急遽制作された)。車輪とメーカー希望小売価格以外はTM-01・02と共通。メーカー希望小売価格は税込み2,310円。
- TM-05(17m用A)・TM-06(18m用)
- 第3弾の発売に合わせて発売。両台車駆動となっている。従来と同じ3種類の台車枠パーツと、アーノルトカプラーユニットのセット。台車枠パーツはTM-01~04と異なり、またTM-05とTM-06で異なる。台枠と台車枠パーツの成形色はグレー。メーカー希望小売価格は税込み2,940円。
- TM-07(17m用B)
- 第4弾の発売に合わせて発売。TM-05とは軸距が異なる。付属の台車枠パーツは新規制作。台車枠パーツの成形色は黒。メーカー希望小売予価は税込み2,940円。
- このうちTM-01~04は片台車駆動・全軸集電、TM-05~07は両台車駆動・全軸集電である。
- Nゲージ走行用パーツセット
- TT-01
- 金属車輪4個とウェイト1個、アーノルトカプラーユニット2個のセット(1輛分)。二軸貨車にも使用可能(ウェイトは使用しない)。メーカー希望小売価格は税込み420円。
- TT-02
- 金属車輪8個とウェイト2個、アーノルトカプラーユニット2個のセット(2輛分)。アーノルトカプラーユニットの胴受けは三種類の長さのものが同梱される。メーカー希望小売価格は税込み840円。
- TT-03
- アーノルトカプラーユニットの成型色が黒である以外はTT-02と同一の仕様。メーカー希望小売価格は税込み840円。
- 動力台車枠
- TD-01
- TM-01~04に付属の台車枠パーツのグレー仕様。別途動力ユニットTM-05が必要。メーカー希望小売価格は税込み315円。
- TD-02
- TM-07に付属の台車枠パーツのグレー仕様。別途動力ユニットTM-07が必要。メーカー希望小売価格は税込み315円。
- パンタグラフ
- 下記の通りTOMIX製品のメーカー推奨オプションがあるが、KATO・グリーンマックス製の各種パンタグラフも取り付けられる。
-
- 第3弾小田急2200系用 - TOMIX・PT4212S-AM(品番0206)
- 第3弾南海21000系用 - PG16(品番0238)
- 上記以外の製品 - TOMIX・PS13(品番0224)
- なお、二軸貨車と動力ユニット以外は床板にボディマウントタイプTNカプラー取り付け用の突起、溝がある。
[編集] 関連商品
- ジオラマコレクションシリーズ(略称:「ジオコレ」)
- バスコレクション (THE バスコレクション) 通称:「バスコレ」
- 大型路線バスの150分の1スケールモデル。姉妹品として小型路線バスの「ミニバス編」も発売された。
- 街並みコレクション 通称:「街コレ」
- カーコレクション (THE カーコレクション) 通称:「カーコレ」
- トラックコレクション (THE トラックコレクション)
- トレーラーコレクション (THE トレーラーコレクション)
- 上記トラックコレクションのトレーラートラック版。コンテナトレーラーに付属の航送用コンテナはTOMIXの一部コンテナ貨車に装着可能である。
- 建物コレクション
- 「街コレ」が基本的に商業施設や公共施設をモデル化しているのに対し、民家などをモデル化する。キット形式のオープンパッケージ販売。2006年10月発売。
- 情景コレクション
- 市井の人物などをモデル化した情景用パーツを展開する。オープンパッケージ。2006年11月発売。
- その他
- ジオラマキャラクターズ
- アニメ・ゲーム・特撮キャラクターの150分の1スケールモデル。
- スーパーミニカーブレール・ミニカーブレール
- 既存TOMIX製レールのカーブ半径を半分にした小半径のカーブレール。「鉄コレ」はこれの最小半径である半径103mmのカーブも走行可能である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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