熊本電気鉄道
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熊本電気鉄道株式会社(くまもとでんきてつどう)は、熊本県で熊本市と合志市を結ぶ上熊本・藤崎宮前~御代志間の鉄道と、熊本市から菊池市・山鹿市までの地域で路線バスを運営している会社である。本社所在地は熊本県熊本市黒髪3丁目7番29号。通称は熊本電鉄。略称は熊電。地元では菊池電車とも呼ばれる。
[編集] 歴史
- 1909年8月15日 菊池軌道として設立。
- 1911年10月1日 池田(現在の上熊本)~北千反畑町(のちの広町)間が開業。
- 1913年8月27日 池田~隈府(のちの菊池)間が全通。
- 1924年4月1日 菊池電気軌道に社名変更。
- 1942年5月1日 菊池電気鉄道に社名変更。
- 1948年1月8日 熊本電気鉄道に社名変更。
- 1950年10月1日 上熊本~北熊本間が開業。
- 1954年6月1日 熊本市交通局へ上熊本~藤崎宮前間を譲渡。
- 1986年2月16日 御代志~菊池間を廃止。
[編集] 鉄道事業
[編集] 路線
藤崎線の一部では、路面電車のように軌道が自動車が走る道路上にある併用軌道となっている。
[編集] 車両
[編集] 現存車両
- 5000系 - 元東急5000系(初代)
- 6000系 - 元東京都交通局6000形
- 200系(3代目) - 元南海22000系
[編集] 過去の車両
※すでに除籍された車両。
- 電気機関車
- 旅客車
- 1~6
- 7・8→コハ31・32
- 23・64・68~72・76・77→1~9(1~8は2代目) - 元京都市電狭軌1形
- 12~15→11~14 - 元上田温泉電軌12~15
- モハ11・12(2代目) - 元名古屋鉄道
- モハ13・14(2代目) - 元鉄道省、宇部鉄道(現・宇部線)引継車
- モハ15・16 - 元名古屋鉄道、竹鼻鉄道(現・名鉄竹鼻線)引継車、荒尾市交通局へ再譲渡
- ハ21・22 - 元鉄道省
- ハ25 - 元鉄道省、阿南鉄道(現・牟岐線)引継車
- モハ41→ホハ41 - 元名古屋鉄道
- モハ51~54
- モハ55・56
- ホハ57・58
- モハ71形(71~73) - 元日本国有鉄道(国鉄)モハ90形(初代)、広浜鉄道(現・可部線)引継車
- モハ71は車籍はないが北熊本工場の入換用として使用されている。「被爆電車」と呼ばれることが多いが、71は広島市への原子爆弾投下の時点では下関市にある幡生工場に入場しており、実際には被爆していない(被爆したのは現存しない72である)。なお、足回りだけでなく外観にもきちんと修繕の手が加えられており、今後も出来る限り使用されるものと思われる。
- モハ101形(101~103)
- モハ121形(121・122) - 元国鉄クハ6000形、南武鉄道(現・南武線)引継車
- モハ201形(201・202) - 元国鉄モハ1形
- モハ201形(201・202、2代目) - 元東急3150形
- モハ301形(301~304) - 元小田急1100形
- 500系(501~506) - 元静岡鉄道100形
- モハ601形(601) - 503の両運転台化改造車
- 貨車
[編集] 自転車持込み
全線において、9:00~15:30の間は列車内に自転車を無料で持ち込むことができる。ただし、団体利用時や悪天候時は利用不可のこともある。
[編集] 今後について
熊本市側の起点である藤崎宮前駅は中心部から若干離れているため、改軌・LRT化の上で国道3号の上に軌道を敷き、熊本市電の水道町電停に直結する計画がある。完成の暁には熊本駅方面と合志市方面が直結され、利便性が大幅に向上する。その一方で、事業費が100億円近くかかり、同社単独での実施は不可能であり、行政などの理解・支援が得られない場合は2008年3月で鉄道線を全廃する方針を明らかにしている。
[編集] バス事業
[編集] 事業概要
鉄道事業を補完する目的で乗合バス事業がはじめられた。乗合バスは熊本駅・熊本交通センターを起点に熊本市北東部方面に向けて放射状に路線が広がっている。貸切バス事業も行われており、観光バスは県内でもいち早くスーパーハイデッカーを導入するなど積極的な運営で知られる。特定輸送としては、養護学校のスクールバスや、菊陽町・合志市などのコミュニティバスを委託を受けて運行している。
以前は神戸市・姫路市と熊本市を結ぶ夜行高速バス「ユウヅル号」を山陽電気鉄道と共同運行していたが1998年3月30日に廃止された。
[編集] 営業所
[編集] 車両概説
国内大型4メーカー全社の車両を使用している。車体は西日本車体工業製が中心である。近年はノンステップバスの導入が進む一方、中古車の購入も多くなっている。塗装は一般路線車は白地に赤・青の帯であるが、ノンステップバスは黄色地に熊をモチーフにした熊本電鉄のマスコットキャラクター「アイミーくん」のイラストを入れた塗装となっている。貸切車は白地に濃紺、赤色濃淡4色の帯である。
かつては熊本~菊池間に2階建てバス(日産ディーゼルスペースドリーム)を運行していたが、1994年頃に廃車となった。
[編集] 乗合バスの運行路線
現在の運行路線は、大別して菊池線と市内線に分けられる。
菊池線は熊本市と菊池市を結ぶ幹線とそれに付随する支線とからなる。
市内線は熊本市中心部と新地団地・楠団地・武蔵ヶ丘団地を結ぶ路線、熊本市中心部と山室地区を結ぶ路線、またその支線とからなる。熊本市外にも顔を出している。
[編集] 運行している市町村
- 熊本市
- 菊池市
- 山鹿市
- 合志市
- 菊陽町
- 大津町
[編集] バスの系統番号
熊本市街に乗り入れるバスには、系統番号が表示されている。熊本電鉄バスには、北1~北9(北7は欠番)・子10・子18・県33~35が割り当てられている。北は北熊本経由(北9は例外)、子は子飼橋経由で、原則往復とも同じ番号を表示するが、県庁行きの場合のみ県33~県35の番号となる(県33の復路は北1・県34は北5・県35は北9となる)。
[編集] 運行路線の詳細
[編集] 菊池線
※浄行寺/北浄行寺~北熊本間はすべて国道経由(女性センター前経由)(菊池方面行きは浄行寺に停車せず、北浄行寺に停車)
[編集] 菊池線(北1)
熊本駅~交通センター~水道町~藤崎宮前~女性センター前~北熊本~堀川~上須屋~御代志~辻久保~高江~泗水~富の原~菊池プラザ~菊池温泉 (この書体の箇所で途中折返しあり)
- 県庁発着:県会議事堂~県庁前~水前寺公園~水道町~…
- 藤崎宮駅シャトル:平日朝のみ藤崎宮前駅始発の熊本駅行きと県庁行きが運行される
- ニュースカイホテル経由:熊本駅発のみ1本だけ、呉服町・商工会議所前を通らずに運行される
- 化血研経由:北熊本~上須屋間で、堀川を経由せず、化血研前・機能病院前・飛田バイパス経由で運行される(北3)
- 須屋駅経由:電車の運行が終了した後の補完として、1日1本(菊池方面行のみ)が堀川~黒石間において上須屋を経由せず、須屋駅前・三ツ石経由で運行される。
[編集] 七城経由菊池線(北2)
熊本駅~交通センター~水道町~藤崎宮前~女性センター前~北熊本~堀川~上須屋~御代志~辻久保~高江~泗水~三万田~林原~七城役場前~野間口~菊池プラザ~菊池温泉(この書体の箇所で途中折返しあり)
ほとんどのダイヤが御代志~菊池間の運行である。(御代志にて大人100円の乗り継ぎ割引制度あり)
- 再春荘発着:再春荘病院構内~御代志~菊池温泉
- 西寺バイパス経由:御代志~菊池温泉系統のみ設定 七城~菊池間で、野間口・菊池プラザを経由せず菊池市役所経由で運行
- 豊田線:菊池温泉~菊池プラザ~七城役場前~林原~平島(植木温泉)~豊田
- 山鹿線:辻久保~高江~林原~来民~山鹿
[編集] 田島経由菊池線(北2)
交通センター~水道町~藤崎宮前~女性センター前~北熊本~堀川~上須屋~木原野~野々島~田島~林原~七城役場前~野間口~菊池プラザ(この書体の箇所で途中折返しあり)
- 山鹿線:交通センター~林原~来民~山鹿(月~土曜のみ)
- あんずの丘線:交通センター~林原~七城役場前~水辺プラザ~あんずの丘(土日祝日のみ)
[編集] 旭志線
田島~岡~佐野~平江~孔子公園~泗水~高江~桜山~住吉~伊坂~伊萩~姫井~小川
- 桜山体育館経由 桜山から桜山体育館までを復乗する
- 旭志小学校経由 小川発朝1本月~金のみ
- 田島~孔子公園間は平日のみ運行
[編集] 野々島線(月~金のみ運行)
辻久保~野々島~御代志間のみの運行
- 一部ダイヤは、そのまま熊本北高校発着(上須屋・城北校前経由・スクールダイヤ)
[編集] 三里木経由竹迫線(子10)
交通センター~水道町~子飼橋~熊本大学前~竜田口駅前~二里木~三里木~鉄砲小路公民館(復乗)~合志市役所~竹迫~中林~高江~泗水(孔子公園)
- 野付経由 鉄砲小路から竹迫間を合志市役所合志庁舎を経由せず直行する
[編集] 市内線
※浄行寺~北熊本間は一部を除き三軒町経由。
[編集] 堀川経由新地団地・武蔵ヶ丘・すずかけ台・杉並台線(北5)
交通センター~水道町~藤崎宮前~三軒町~北熊本~堀川~新地団地(花立車庫)~武蔵ヶ丘北口~武蔵ヶ丘車庫
~武蔵ヶ丘北口~すずかけ台~泉ヶ丘団地(下群)
~武蔵ヶ丘北口~永江団地~杉並台団地(太字の箇所で途中折返しあり)
- 熊本駅発着 熊本駅~交通センター~水道町~…
- 県庁発着 県会議事堂~県庁前~水前寺公園~水道町~…
- 合志市役所発着 ~武蔵ヶ丘北口~すずかけ台~泉ヶ丘団地~群~合志市役所
[編集] 堀川・楠団地経由武蔵ヶ丘・すずかけ台線(北8)
交通センター~水道町~藤崎宮前~女性センター前~北熊本~堀川~麻生田~楠団地~沖畑団地~武蔵ヶ丘車庫~すずかけ台~泉ヶ丘団地~群~合志市役所(浄行寺には停車しない)
- 三軒町経由 1本だけ存在(北6)
- 下群発着 ~泉ヶ丘団地~下群
- 辻久保発着 ~合志市役所~竹迫~原口~辻久保
[編集] 清水ヶ丘・楠団地経由新地団地・武蔵ヶ丘・すずかけ台・杉並台線(北9)
交通センター~水道町~藤崎宮前~三軒町~万石~清水ヶ丘~麻生田~楠団地~沖畑団地~武蔵ヶ丘車庫~すずかけ台~泉ヶ丘団地(下群)
~武蔵ヶ丘車庫~永江団地~杉並台団地(太字の箇所で途中折返しあり)
<麻生田小学校(バイパス)経由> ~清水ヶ丘~麻生田小学校~楠団地~沖畑団地~…
- 熊本駅発着 熊本駅~交通センター~水道町~…
- 県庁発着 県会議事堂~県庁前~水前寺公園~水道町~…
- 岩倉台経由 交通センター発武蔵ヶ丘車庫行き・楠団地発交通センター行き
~清水ヶ丘~岩倉台~麻生田小学校~楠団地~沖畑団地~…
- 新山経由杉並台 ~沖畑団地~中迎原~新山~杉並台団地
- 北高校行 ~麻生田~北高校
[編集] 北バイパス経由新地団地・武蔵ヶ丘・すずかけ台・杉並台線(子18)
(本数少)
交通センター~水道町~子飼橋~熊本大学前~竜田口駅前~北バイパス~北高校~麻生田~新地団地~花立車庫~武蔵ヶ丘北口~武蔵ヶ丘車庫
~北高校~麻生田~麻生田小学校~楠団地~沖畑団地~武蔵ヶ丘車庫~永江団地~杉並台団地
~北高校~楠団地~沖畑団地~武蔵ヶ丘車庫~すずかけ台~泉ヶ丘~群~合志市役所
~北高校~楠立道~武蔵塚駅~武蔵ヶ丘車庫~永江団地~杉並台団地
[編集] 山室経由外沖・大鳥居線(北4)
交通センター~水道町~藤崎宮前~三軒町~北熊本~山室~化血研前~外沖
交通センター~水道町~藤崎宮前~三軒町~北熊本~山室~化血研前~機能病院前~鶴の原団地~南陽台~梶尾温泉~大鳥居(立石)
- 菊南観光ホテル経由大鳥居線 ~機能病院前~菊南観光ホテル(復乗)~鶴の原団地~…
- 四方寄線 3系統あり
~北熊本~堀川~古閑~四方寄(北5)
~北熊本~堀川~葉山団地~四方寄(北5)
~北熊本~山室~化血研前~機能病院前~葉山団地~四方寄(北4)
[編集] 杉水・津留線(月~金のみ運行)
津留行き(楠団地発)
運行経路注意
楠団地~武蔵塚駅~武蔵ヶ丘車庫~南ヶ丘小学校~永江団地~南群~群~合志市役所~竹迫~杉水~旭志小学校~津留
津留発(御代志行)
御代志~辻久保~原口~竹迫~杉水~津留
[編集] 合志役場~菊池病院線(日祝日運休)
合志市役所~竹迫~福原~菊池病院 (合志市役所停留所にて大人100円の乗り継ぎ割引制度あり)
[編集] 武蔵塚駅~黒石原~御代志・農業公園線
楠団地~武蔵塚駅~武蔵ヶ丘車庫~すずかけ台~泉ヶ丘~黒石原~みずき台~黒石駅~御代志~農業公園(農業公園は土日祝のみ・月~金は御代志まで)
バリエーション
- 月~金の一部ダイヤは泉ヶ丘を経由せず、すずかけ台から直接黒石原に直行
- 月~金は一部を除き再春荘病院構内に乗り入れ
[編集] 武蔵塚駅~合志役場線(月~金のみ)
- 楠団地~武蔵塚駅~武蔵ヶ丘中学~永江団地~永江公民館~合志市役所
- 楠団地~武蔵塚駅~武蔵ヶ丘中学~下迎原~新山~永江公民館~合志市役所
[編集] 武蔵塚駅~すずかけ台~杉並台線(月~金のみ)
楠団地~武蔵塚駅~武蔵ヶ丘車庫~すずかけ台~泉ヶ丘~南群~永江団地~杉並台団地
[編集] 翔陽高校線(スクール)
新地団地(花立車庫)~新地~麻生田~楠団地~沖畑団地~武蔵ヶ丘車庫~すずかけ台~泉ヶ丘~群~合志市役所~竹迫~福原~(ノンストップ)~翔陽高校
[編集] 北部中学校線(スクール)
北部中学校~甲佐神社~南陽台~鶴~四王子橋~葉山団地
[編集] 山鹿~菊池~大津線
2006年3月1日より運行開始。ジェイアール九州バス山鹿線を引継いだもので、産交バスと共同運行である。なお、TO熊カード・エコ定期券の利用はできない。
[編集] 外部リンク
これまで公式Webサイトは不動産部で運営されており、鉄道・バス事業については触れられていなかったが、2006年10月3日にリニューアルが行われ、鉄道・バス情報も掲載されるようになった。
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