関税および貿易に関する一般協定
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関税および貿易に関する一般協定(かんぜいおよびぼうえきにかんするいっぱんきょうてい、General Agreement on Tariffs and Trade)は、ブレトン・ウッズ協定により自由貿易の促進を目的とした国際協定である。
通常、GATT(ガット)の略称で呼ばれる。
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[編集] 経緯
1930年代の世界恐慌と、それに伴う保護貿易主義の台頭が第二次世界大戦の一因となったとの反省をふまえ、円滑な国際貿易を実現するために、1944年のブレトン・ウッズ体制の枠組みとして、国際通貨基金 (IMF) や国際復興開発銀行 (IBRD) と共に、多国間の協定締結により1947年10月調印、翌1948年に発足した。
GATTは自由(GATT11条:貿易制限措置の関税化及び関税率の削減)・無差別(同1条:最恵国待遇、内国民待遇)・多角(=ラウンド、交渉)の三原則により自由貿易をめざしている。
[編集] 沿革
1948年、ジュネーヴで23ヶ国により貿易交渉協議を行ったのを始まりとしている。
その後、ケネディ・ラウンド、東京ラウンドを経て、1986年から1994年にかけて交渉が行われたウルグアイ・ラウンドの結果、GATTを拡大発展させる形で新たな貿易ルール「WTO協定」が作られ、1995年に国際機関として世界貿易機関 (WTO) が設けられた。GATTはWTO協定の一部(附属書1A(A)「1994年の関税及び貿易に関する一般協定」(通称1994年のGATT))として改正・解消された。
[編集] 貿易交渉
- オーストラリア、ベルギー、ブラジル、ビルマ、カナダ、スリランカ、チリ、中国、キューバ、チェコスロヴァキア、フランス、インド、レバノン、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パキスタン、南ローデシア、シリア、南アフリカ、英国、米国
- アヌシー・ラウンド(1949年):13ヶ国
- トーキー・ラウンド(1951年):38カ国
- ジュネーヴ・ラウンド(1956年):26カ国
- ディロン・ラウンド (1962年):26カ国
- ケネディ・ラウンド (1967年):62カ国
- 東京・ラウンド(1979年):102カ国
- ウルグアイ・ラウンド (1986年):125カ国