鳥の海
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所在地 | 宮城県 | |||
面積 | 1.3 km² | |||
周囲長 | 6.8 km | |||
最大水深 | 4.8 m | |||
平均水深 | m | |||
貯水量 | km³ | |||
水面の標高 | 0 m | |||
成因 | 堰止湖 | |||
淡水・汽水 | 汽水 | |||
湖沼型 | 富栄養湖 | |||
透明度 | 1.8 m |
鳥の海(とりのうみ)は、宮城県亘理郡亘理町の太平洋岸に位置する汽水湖。
目次 |
[編集] 概要
阿武隈川河口の南側に位置し、古代の阿武隈川旧河口跡が堆積によってせき止められる形で生成された内湾状の湖である。仙台湾沿いに散在する小湖沼群の中でも最大のもので、短い水路で太平洋と繋がる。餌となる魚介類が豊富なことから渡り鳥や海鳥を主体とする野鳥の生息地となっており、地名の由来ともなっている。
古くは仙台藩主伊達家の狩場であったが、現在では釣りとバードウォッチングの名所となった。水深がごく浅いため、湖岸全周に渡る堤防沿いと、湖中央にある浮島の「蛭塚」東側は、大潮の際には干潟となる。環境省による「日本の重要湿地500」の1つにも選定された。近年は自然環境悪化が問題となっている。
- 面積 : 1.3km2
- 周囲 : 6.8km
- 湖面標高 : 0.0m
- 流入河川 : 鐙川排水路ほか
- 流出河川 : なし(海へ直接流出)
[編集] 蛭塚
湖の中央に浮かぶ面積4.38haの小島「蛭塚」(ひるづか)は、古くは「浮島塚」とも呼ばれた。近世以前は疫病患者の隔離場所に用いられていたともいう。クロマツ林や湿地帯など貴重な自然環境が残されており、保護植物のハマサジの群落もある。公園として整備され、北岸から歩道橋の「マリンレインボーブリッジ」が通じるが、自然保護のため日中のみ通行可能であり、またペットの持ち込みが禁止されている。
[編集] 鳴き砂
2006年11月、明成高等学校の調査チームにより、汽水湖河口より吉田浜にかけての海岸一帯で日本国内最大規模の鳴き砂の存在が確認された。
[編集] レジャー
[編集] 釣り
湖の北岸には荒浜漁港があり、沿岸漁業が盛んである。また、湖岸では至るところに釣り客がいる。釣り場としては安全で、車でポイントにアクセスでき、湖岸沿いに公園もあるため、家族連れが弁当を広げながら釣りを楽しむ風景が特徴的。
[編集] 温泉
2002年に「鳥の海温泉」(単純泉 44℃)が湧出した。
[編集] グルメ
- はらこ飯
- ホッキめし
- しゃこめし
- あさりめし
- 鳥の海ビール
[編集] バードウォッチング
[編集] 海水浴
すぐ近傍の太平洋岸には荒浜海水浴場もある。海に繋がる水路の北側にあり、テトラポッドと防波堤に囲まれている。仙台湾南部は夏季に波が荒いため、消波施設がない場所での遊泳は禁止である。砂浜と鳥の海との間には、津波対策用の高いコンクリート製防潮堤がある。
[編集] サーフィン
鳥の海のすぐ東の海に面した「荒浜」(砂浜)は、初級から上級まで対応し、質の上では宮城県第二のサーフスポットである。仙台市からやや離れているためサーファーは少ないが、その分、サーファー同士の衝突リスクが低く、自由にサーフィンが出来る。
鳥の海が海と繋がっている水路を挟んで北と南にサーフスポットが分かれる。水路には橋がかかっていないため、アクセス経路も異なる。しかし、サーフスポットとしては南北合わせて「荒浜」と呼ばれる。水路から外洋方向に延びている防波堤と南東方向から来るうねりとの関係で、水路の南北で波高に大きな違いがある。
北側は、防波堤によってうねりが遮られ、全般に波高が低い(初級~中級)。また、防波堤と消波ブロックに囲まれた荒浜海水浴場部分では、波が小さく整っているため、初心者には最適な練習場となっている。
他方、南側(吉田浜)はうねりが直接入り、かつ、防波堤の反射波との合成で波高が大きい。こちらは上級者向けである。
[編集] 交通
JR常磐線亘理駅より,町民乗合自動車「さざんか号」荒浜線「鳥の海停留所」下車。