イトーヨーカ堂
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イトーヨーカ堂(イトーヨーカどう)は、関東地方を中心に四国・九州以外の全国に店舗をもつゼネラルマーチャンダイズストア(GMS)。セブン&アイ・ホールディングスの子会社であり中核企業である。
目次 |
[編集] 概要
種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | ヨーカドー・IY |
本社所在地 | 102-8450 東京都千代田区二番町8-8 |
電話番号 | 03-6238-2111(代表) |
設立 | 2006年3月1日 (1920年(大正9年)創業) |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 総合小売事業 |
代表者 | 鈴木敏文(代表取締役会長兼CEO) 亀井淳(代表取締役社長兼COO) |
資本金 | 479億8700万円(2006年2月) |
売上高 | 単体:1兆4705億2300万円(2006年2月期) 連結:3兆6,236億円(2005年2月期) |
従業員数 | 4万5825名(2006年2月末現在) |
決算期 | 毎年2月末 |
主要株主 | セブン&アイ・ホールディングス 100% |
関係する人物 | 吉川敏雄、伊藤雅俊、井坂榮 |
外部リンク | www.itoyokado.co.jp |
特記事項:持株会社化に伴い、2005年8月26日上場廃止 |
店舗名としては、通常「イトーヨーカドー」と表記しており、報道などの略称では「ヨーカドー」といわれることが多い。証券市場では「イトヨーカ」と表記されることが多かった(持株会社セブン&アイ・ホールディングスの上場後は非上場)。英語表記の頭文字を取って、「IY(アイ・ワイ)」とも呼ばれる。
出店方針としては、セブン-イレブンと同様にドミナント政策を中心に展開しており、全国展開を優先しているイオンや以前のダイエーと対照的である。このような効率的な経営が他社より高い利益率を生んでいる。
独立系だが、かつての三井銀行と縁が深い。三井物産とは物流などの面で提携関係にあり、共同でダイエーの再建に名乗りをあげた。また、2005年にはショッピングセンター(SC)開発会社「株式会社モール・エスシー開発」を三井物産と共同出資で設立し、従来あまり注力していなかった大型ショッピングセンター事業を本格展開、「Ario(アリオ)」として各地で開業している。
[編集] 創業の歴史
1920年(大正9年)、現名誉会長・伊藤雅俊の母親・伊藤ゆき(故人)の弟にあたる吉川敏雄(故人)が、浅草に「羊華堂洋品店」を開業したのが始まり。この羊華堂が非常に繁盛したため、吉川と14才の差がある異父兄・伊藤譲(故人)が手伝い始め、浅草、千住、荻窪に3店舗あるうちの浅草の一店を任される。
譲の弟である雅俊は、市立横浜商業専門学校(現・横浜市立大学)卒業後、当時の三菱鉱業(現・三菱マテリアル)に就職。入社後すぐに、陸軍特別甲種幹部学校に入校し陸軍士官を目指したが、敗戦を迎え三菱鉱業に復帰。
空襲で焼け出されたゆきと譲は、足立区千住で羊華堂を再開。1946年、雅俊も三菱鉱業を退社し、羊華堂を手伝うことになる。 1956年、気管支喘息の持病を患っていた譲社長が死去し、雅俊が経営を引き継いだ。1971年、現在の社名であるイトーヨーカ堂に改称(ハトの図柄のコーポレートアイデンティティ(CI)も同時に採用)。
[編集] 持株会社への移行
GMSの中では、トップの利益率を誇ってきたが、2003年度、2004年度ともに売上高、営業利益でイオンに抜かれた。また、子会社だったセブン-イレブン・ジャパンに収益力・株式時価総額で逆転されている状態で、買収の標的にされやすい状況であった(この時期、同様の状況にあったニッポン放送がライブドアによる買収の標的となっている)。
これらの改革として、2005年9月1日にセブン-イレブン・ジャパンおよびデニーズジャパンと共同で「セブン&アイ・ホールディングス」を設立し、持株会社傘下でそれぞれ対等な子会社となった。これによってセブン-イレブンからの配当収益が受けられなくなり、単独での収益改善を迫られることとなる。最高経営責任者の鈴木敏文は、この経営統合はイトーヨーカ堂の改革のためだと、持株会社発足時の会見で述べている。
また店舗看板も「セブン&アイ・ホールディングス」の図柄に変更されたが、イトーヨーカ堂のCIとしての鳩マークが廃止された訳ではなく、公式サイト内やチラシにおいては現在も引き続き併用されている。
経営統合後、不採算店舗の閉鎖が急ピッチに進められており、2006年度に入ってからも、いわき植田店(福島県いわき市)・足利店(栃木県足利市)・鹿沼店(栃木県鹿沼市)が既に閉鎖されている。また、2007年2月までに北四十二条店(北海道札幌市)・江別店(北海道江別市)・浜松駅前店(静岡県浜松市)・新潟木戸店(新潟県新潟市)を閉鎖することが決まっている。このほか、秋には小牧店(愛知県小牧市)を閉鎖することが検討されている。
[編集] 海外展開
中華人民共和国北京市に6店舗、四川省成都市に2店舗を展開している。1店舗当たりの年間売り上げは、約80億円と国内店舗に肩を並べ今後も急成長する可能性がある。
[編集] 創業・会社設立時期
創業は1920年(大正9年)であるが、1958年(昭和33年)4月に「株式会社ヨーカ堂」として法人化した(後の株式会社伊藤ヨーカ堂)。
1971年には、株式の額面変更のために「川越倉庫株式会社」(1913年(大正2年)3月設立)から改称した「株式会社イトーヨーカ堂」に伊藤ヨーカ堂を吸収合併し、現社名となった。また現在の法人としての同社は、持株会社化の枠組みの一環で(セブン&アイ記事中に詳しい)、会社分割により2006年(平成18年)3月1日に設立された。
- 資本金 400億円(2006年3月現在)
- 店舗数 181(2006年1月末現在)
- 雇用契約者数 約6万5千人(2006年1月現在)
[編集] 沿革
- 1920年(大正9年) - 「羊華堂洋品店」が今の東京都台東区浅草に開業。
- 1958年(昭和33年)4月 - 株式会社に改組、株式会社ヨーカ堂設立。
- 1965年(昭和40年)6月 - 社名を株式会社伊藤ヨーカ堂とする。
- 1970年(昭和45年)10月 - 株式額面変更の準備として川越倉庫株式会社の社名を株式会社イトーヨーカ堂(現社名)に変更する。
- 1971年(昭和46年)3月 - 株式会社イトーヨーカ堂が株式会社伊藤ヨーカ堂を吸収合併して、株式額面変更完了。
- 1972年(昭和47年)9月 - 東京証券取引所市場第2部に上場する。
- 1973年(昭和48年)7月 - 東京証券取引所市場第1部に指定替えを受ける。
- 1984年(昭和59年)4月- エスパ1号店を東京都昭島市にオープン。
- 2005年(平成17年)9月1日 - イトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパン、デニーズジャパンの3社で株式移転により持株会社・セブン&アイ・ホールディングス設立。これに伴いイトーヨーカ堂は8月26日に上場を廃止し、新持株会社の100%子会社となった。
- 2006年(平成18年)3月1日 - グループ再編手続きでイトーヨーカ堂に交付されたセブン&アイ株をセブン&アイに移転させるため、従来のイトーヨーカ堂をセブン&アイに吸収合併した。これに先立ち、同日に事業会社たる新会社の「株式会社イトーヨーカ堂」を会社分割により設立。
[編集] 店舗一覧
[編集] 現在の店舗
- 現行店舗については、イトーヨーカドー 店舗のご案内もしくはイトーヨーカドー店舗ブログ案内をご覧ください。
[編集] 閉鎖した店舗
[編集] 北海道・東北地方
- 北海道
- 大麻店
- 帯広店(旧店舗)
- 月寒店 2001年6月10日閉鎖(現在はカウボーイが入る。のちに近隣のエスパ福住店はイトーヨーカドー福住店に業態転換)
- イトーヨーカドー専門店館(旧琴似店→ザ・プライス) 2003年8月31日閉鎖
- 北四十二条店 2007年1月14日閉鎖
- 江別店 2007年1月21日閉鎖
- 青森県
- イトーヨーカドーマルキ(五所川原市<旧:マルキ飛島> 郊外の「エルムの街」にイトーヨーカドーが出店するため、移転という形で閉店。)
- 八戸店 2003年2月23日閉鎖(現在は映画館「八戸フォーラム」や洋品店「マルマツ」等をはじめとしたテナントビル「cino(チーノ八戸)」として営業中。同店は八戸沼館店(ピアドゥ)開店後もしばらくは営業を続けていたが、不採算のため閉鎖。八戸地区の店舗は八戸沼館店に移行した格好となった)
- 岩手県
- 北上店 2000年1月30日閉鎖(現在はテナントビル「おでんせプラザ ぐろーぶ」)
- 福島県
[編集] 関東地方
- 東京都
- 小岩店(旧小岩駅前店→現小岩店とは別店舗)
- 綾瀬店(旧店舗)
- ザ・プライス赤羽店(旧赤羽店)
- 大井店 1997年4月6日閉鎖- 跡地は食品スーパー、ドラッグストア、100円ショップなどが入店するおおい元気館
- 大山店
- 亀有店(旧店舗は1996年1月7日閉鎖、跡にジャパンホームバリュー。商店街奥から駅前の再開発ビル・リリオに移転した。さらに2006年に環七通り沿いアリオ亀有開店に伴い亀有駅前店に改称。地元では、前回移転時に旧店の存続を反故にされたため、今回も駅前店の存続を疑う声が多い)
- 三鷹店
- 南砂町店 現在地にはジャスコ南砂店、ドイト。
- 大森店(旧店舗) - 旧・大森京成百貨店。イトーヨーカドーに売却後、「オーモリ京成」を経てイトーヨーカドー大森店に業態変更。現在はオオゼキ大森店などが入居する複合商業ビル。
- 蒲田店 現在はつるかめなどが入店
- 昭島店 2003年10月17日閉鎖(移転のため)
- 千葉県
- 四街道店(旧店舗)2005年3月21日閉鎖-現.M2プラザ四街道
- 新店舗はJR四街道駅近くの精工舎跡地に2005年4月に開店した。
- 稲毛店 1998年3月1日閉鎖-現在マルエツ稲毛店・ファッションプラザパシオス・ダイソー
- 志津店 1997年5月5日閉鎖-現在OKストア志津店・100円ショップシルク・ロッテリア
- 八幡宿店 2005年4月17日閉鎖
- 野田店 2003年6月15日閉鎖→同じ場所に再出店予定(時期は未定)
- 長沼店 2003年2月2日閉鎖
- 君津店 2006年1月22日閉鎖
- 鎌ヶ谷店 2006年1月15日閉鎖→鎌ヶ谷ショッピングプラザの核テナント「食品館イトーヨーカドー鎌ヶ谷店」として2006年4月20日営業再開。
- 神奈川県
- 相武台店(建物解体)
- ザ・プライス溝ノ口店
- 大和店 2002年7月閉鎖
- 中央林間店 2004年1月25日閉鎖(跡地は解体され、サミットラプラ中央林間店となっている)
- 希望ヶ丘店 2005年5月15日閉鎖(現ライフ)
- 埼玉県
- 春日部店(旧店舗)1996年12月9日閉鎖
- 杉戸店 2003年1月26日閉鎖
- 上福岡西店 2004年11月7日閉鎖(現在跡地はディスカウントスーパーギガマート上福岡店になっている)
- せんげん台店 2006年1月15日閉鎖
- 茨城県
- 栃木県
[編集] 中部地方
- 山梨県
- 新潟県
- 新潟木戸店 2007年2月25日閉鎖
- 長野県
- 松本店(→エスパ松本店)
- 岡谷店
- 静岡県
- 浜松駅前店 2007年1月14日閉鎖
[編集] 関連会社
[編集] 備考
- イトーヨーカ堂で発生した事件
- 元社長・伊藤雅俊は神奈川県平塚市の百貨店「梅屋」の会長職を務めている。
- 青森・秋田の一部では通称「イトヨー」と呼ばれる。
- 2006年3月より店舗ブログを開設。個々の店舗から地域密着型の情報発信を行うことに取り組んでいる(2006年11月11日現在、67店舗で実施)。
[編集] 関連項目
- セブン銀行(旧アイワイバンク銀行)
- 女と男 聞けば聞くほど…(TBSテレビのトーク番組)
- クレヨンしんちゃん(イトーヨーカ堂のパロディとしてサトーココノカドーが登場)
- 秋田ショッピングセンター
[編集] 外部リンク
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