そごう
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種類 | 株式会社 |
本社所在地 | 〒542-8555 大阪市中央区心斎橋筋1丁目8番3号 |
電話番号 | 06-6281-3111 |
設立 | 1919年(大正8年)12月(株式会社十合呉服店) |
業種 | 小売店業 |
事業内容 | 百貨店 |
代表者 | 代表取締役社長 内村俊一郎 |
資本金 | 11,000,000円 |
売上高 | 4,689億94百万円(2006年2月期) |
従業員数 | 2,845名(2006年2月末現在) |
主要株主 | ミレニアムリテイリング100% |
関係する人物 | 十合伊兵衛(創業者)、水島廣雄、和田繁明 |
外部リンク | http://www.sogo-gogo.com |
特記事項:1830年(天保元年)「大和屋」として創業(のちに十合呉服店に改称) |
株式会社そごう(Sogo Co.Ltd.)は、日本の大手百貨店の一つ。西武百貨店と共同のミレニアムリテイリング傘下である。(ミレニアムリテイリングはセブン&アイ・ホールディングス傘下。)本店所在地は大阪市中央区心斎橋筋1丁目8番3号。
目次 |
[編集] 概要
- 経営破綻前は読売ジャイアンツの応援セールを行っていたが、これは旧東京店(有楽町そごう)の建物所有者が読売グループであることによった。東京進出に際して建物がなかなか見つからずにいたところに、読売グループが建物を快く提供したため、これに対する恩返しの意味もあった。
- 「人、街、世界をつなぐ、そごうネットワーク」なるキャッチフレーズも存在した。
- 1990年代に、店舗が存在する横浜のFM放送局FMヨコハマや、千葉のFM放送局ベイエフエムで、正時の時報提供も行っていた。
- 日本興業銀行出身の水島廣雄の下で旧名称「十合」の十にちなんで、「ダブルそごう(全国二十店舗)」「トリプルそごう(同三十)」などと称して積極的な展開をしたが、この際土地の値上がりを見込んで土地買収を行っていたため、これが元で負債を抱え、後に民事再生法適用の運びとなった。
- また、直営の店舗は大阪店、東京店、神戸店のみで、それ以外の店舗は地元との共同出資による別会社であった。そのため1995年の阪神・淡路大震災でその神戸店が被災したことも、経営危機のもとであった。
- なお、奈良そごう(現・イトーヨーカドー奈良店)をはじめとする全支店フロアには、巨大で絢爛豪華な会長室(俗称:皇居。連絡口はバックヤード倉庫奥等に巧妙に配置し、一般客には一切気付かせない仕組み。連絡用エレベーターも、一般客向け開放エレベーターとは別個に設置されていた)があったといわれ、このようなバブル経済期の遺産もそごうを苦しめた一つの原因と考えられる。(現在もイトーヨーカ堂奈良店の楽器店のスタジオ、札幌エスタ(ビックカメラ札幌店などが入居)のテーマパーク札幌ら~めん共和国として存在する。)
- 五年後をめどにセブン&アイホールディングスの完全子会社化を実施する予定。(現在はミレニアムリテイリングの子会社。)
- イメージフラワーはダリア。包装紙や紙袋に印刷されるほか、関連組織の名称にもダリアを冠したものがある。
[編集] 沿革
- 1830年(天保元年) 十合伊兵衛(そごう いへえ)が、大阪坐摩神社(陶器神社)近くに古手屋(古着屋)「大和屋」を開業。
- 1877年(明治10年) 大阪心斎橋筋に大和屋を移転。十合呉服店と名付ける。これが後のそごう心斎橋本店(旧大阪店)である。
- 1919年(大正8年)12月 法人改組、株式會社十合呉服店設立。
- 1933年(昭和8年) 神戸店、元町より三宮阪神ビル(現在地)に移転。
- 1935年(昭和10年) 村野藤吾設計のモダニズム建築の傑作、大阪店が御堂筋とともに竣工。(2003年解体)
- 1940年(昭和15年) 株式會社十合と商号変更。
- 1957年(昭和32年) 東京地区初の店舗として、国鉄有楽町駅前の読売会館にそごう東京店(通称:有楽町そごう)を開店。
- 1958年(昭和33年) 水島廣雄入社。副社長に就任。(1962年社長就任。)
- 1969年(昭和44年) 法人改組50周年を機に株式会社そごうに商号変更、全国各地に多店舗展開を行った。
[編集] 民事再生手続以降
- 2000年(平成12年)7月12日 株式会社そごうなどグループ22法人が民事再生法の適用を申請し事実上倒産。負債総額1兆8,700億円。また同日、多摩そごうが特別清算開始を申請。半数以上の店舗を閉鎖。
- 2000年(平成12年)7月13日 木更津そごう・長野そごう、自己破産申立。
- 2000年(平成12年)7月26日 再生手続開始決定。元西武百貨店社長の和田繁明氏を特別顧問に迎える。
再生手続22社の経過は以下の通り。
- 再生手続廃止決定を経て破産宣告 ―札幌そごう、多摩そごう、船橋そごう(船橋ららぽーと内)、黒崎そごう、豊田そごう、加古川そごう、奈良そごう、福山そごう、小倉そごう、錦糸町そごう― 以上の店舗は順次閉店。
- 再生計画認可13社 - そごう(※)、新千葉そごう、柏そごう、横浜そごう、大宮そごう、川口そごう、八王子そごう、千葉そごう、西神そごう、廣島そごう、廣島そごう新館、呉そごう、徳島そごう
※そごう(当時)が直営していた3店舗のうち、そごう東京店は2000年(平成12年)9月24日に閉店し撤退(同店が入居していたビルには現在はビックカメラ有楽町店が入居)、そごう大阪店は閉店し跡地にそごう心斎橋本店を再生(下記に詳述)、そごう神戸店は営業を続けながら大改装を実施した(本館は阪神大震災復旧のなかで大改装が行われていたが、隣接して重複設置されていたエスカレーターの撤去により売場を拡大した。また、震災復旧中も営業していた本館地階ならびに新館は、民事再生後のこの時期に大改装が行われたうえで、新館の1階から4階には、西武百貨店とグループ化なったそごうを象徴するごとく神戸ロフトが誕生した)。
- 2000年(平成12年)12月25日 大阪店を閉店。この閉店自体は、民事再生法申請前(水島時代)に決定されていたことであったが、閉店の目的については、和田氏をはじめとする新経営陣が「撤退のための閉店ではなく、そごう発祥の地にふさわしい店舗として再生させるための閉店」へ方針転換したうえでの閉店となった。
- 2001年(平成13年)1月31日 再生計画認可。
- 2001年(平成13年)2月 グループ各社の受け皿となる予定の休眠子会社「株式会社十合」が株式会社西武百貨店と包括的業務提携を締結。さらに、再生13社を完全子会社にする。
- 2002年(平成14年)9月1日 再生各社の合併により、株式会社そごうに一本化完了。
- 2003年(平成15年)1月30日 再生手続終結決定。
- 2003年(平成15年)4月 1935年(昭和10年)に建てられた大阪店を解体。
- 2003年(平成15年)6月1日 十合、そごうならびに西武百貨店の3社はグループ経営への移行で合意。ミレニアムリテイリンググループを発足し、株式会社十合を株式会社ミレニアムリテイリングに商号変更。そごうと西武百貨店はこの傘下で事業会社として再編を進める。
- 2003年(平成15年)12月12日 心斎橋本店起工式。
- 2005年(平成17年)5月31日 大阪市心斎橋の旧そごう大阪店を改修して開店させる「心斎橋本店」を、同年9月7日に開店することを発表。併せて横浜市に一時的にあった本社機能及び本社登録地を、6月13日に大阪市に復帰。
- 2005年(平成17年)8月2日 9月7日に開店する「心斎橋本店」に、計約1300台分の駐車場を確保することを明らかにした。確保した駐車場は、自前駐車場が274台分、クリスタ長堀と契約した1030台分。
- 2005年(平成17年)9月7日 心斎橋本店が新装開店。開店記念のCMに宮沢りえを起用。
- 2005年(平成17年)12月26日 セブン&アイ・ホールディングスが、そごうの親会社・ミレニアムリテイリングの株式を野村プリンシパル・ファイナンスから買収してセブン&アイの子会社にすることを発表。
- 2006年(平成18年)6月1日 ミレニアムリテイリングはセブン&アイの完全子会社となった。
- 2011年(平成22年)頃 この頃をめどにそごう・西武百貨店はセブン&アイホールディングスの完全子会社となる予定。(現在はミレニアムリテイリングの子会社。)
[編集] 日本店舗
- 心斎橋本店(旧そごう大阪店。地下鉄御堂筋線地下鉄長堀鶴見緑地線心斎橋駅直結)
- 横浜店(旧横浜そごう。JR横浜駅東口)
- 千葉店(旧新千葉そごう。JR千葉駅西口再開発ビル1000シティの核店舗。京成千葉駅直結)
- 神戸店(阪神三宮駅。本館は三宮阪神ビル+三宮さくらビル+自社ビル、新館はケイエスビル+S・ヨシマツビル)
- 広島店(旧廣島そごう+廣島そごう新館。広島バスセンタービル+NTT クレドビル。広島電鉄紙屋町西電停前)
- 大宮店(旧大宮そごう。JR大宮駅西口)
- 川口店(旧川口そごう。JR川口駅東口)
- 柏店(旧柏そごう。JR・東武鉄道柏駅東口)
- 八王子店(旧八王子そごう。JR八王子駅ビル内)
- 呉店(旧呉そごう。JR呉駅前)
- 徳島店(旧徳島そごう。JR徳島駅前)
- 西神店(旧西神そごう。神戸市営地下鉄西神中央駅前、ダイエー西神店と2核1モールを形成)
ミレニアムリテイリングがセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となったのに伴い、従来四国には出店しない方針であったセブン&アイが徳島県に店舗を持つこととなった。
[編集] 海外店舗
海外は倒産寸前はアマリン、エラワン(タイ王国・バンコク)、香港、北京(中華人民共和国)、シンガポール、台北、中壢、台中、高雄、新竹(中華民国)、クアラルンプール、ペナン(マレーシア)、ジャカルタ、クラパガディン(インドネシア)を出店していた。 現在存続しているそごうは以下のとおり
- 香港そごう(現地会社:利福国際、香港崇光)
- 台湾(太平洋崇光)台北に4店、中壢に2店、新竹に1店、高雄に1店;台中に広三崇光1店
- マレーシア 数店
- インドネシア 数店
- タイ 数店
- 北京(北京荘勝グループ)
など。基本的には水島氏の影響でオリンピック開催地に出店形跡あり。現状は不明。
※香港そごうは、もともと自社ビルだったが、民事再生後に売却候補になり、2000年の夏に香港の有名不動産会社に売却され、現在は現地の運営会社にフランチャイズとして運営している。
[編集] 閉鎖した店舗の現状
(ギフトショップを除く)(2005年9月7日現在)
- 旧そごう大阪店(心斎橋そごう)(大阪市中央区)→閉鎖した店舗で唯一、営業を再開している。2000年12月25日に一旦閉店したが、店舗を建て替えて2005年9月7日にそごう心斎橋本店として新装開店した。新店舗は地下2階・地上14階、売り場面積は約40000m²で、ハートビル法の認定を受けている。心斎橋本店のキャッチコピーは"なにわ遊覧百貨店"。
- 旧店舗閉店後は三越に売却する予定だったが、親会社・ミレニアムリテイリングの和田繁明社長の提案により「創業の地にそごう再生のシンボル」として売却を撤回し、店舗建て替えの上営業再開に踏み切っている。また、新店舗は当初、地上8階・地下3階の予定だったが、売り場面積の拡張を狙い建物の容積率の規制緩和を待って着工したため営業再開が延期した経緯がある。
- 旧札幌そごう(北海道札幌市)→「札幌エスタ」(そごうがメインテナントとして入居していた当時から商業ビルブランドとして並存。現在のテナントはビックカメラ、ユニクロ、赤ちゃん本舗など。札幌駅前バスターミナル併設)
- 旧そごう東京店(有楽町そごう)(東京都千代田区)→ビックカメラ有楽町店
- 旧錦糸町そごう(東京都墨田区)→「アルカキット」(クイーンズ伊勢丹、アカチャンホンポなど)
- 旧柚木そごう(東京都八王子市)→イトーヨーカ堂南大沢店(旧ダイエーの部分と併せて)
- 旧多摩そごう(東京都多摩市)→2000.11.15、三越多摩センター店・大塚家具多摩ショールーム
- 旧船橋そごう(千葉県船橋市)→)「LaLaport WEST」(ベスト電器など)
- 旧木更津そごう(千葉県木更津市)→「アクア木更津」(新鮮市場マルエイなど)
- 旧茂原そごう(千葉県茂原市)→「サンヴェル」(南総通運が運営する専門店ビル)
- 旧長野そごう(長野市)→長野市再開発複合施設「ToiGO」(信越放送(SBC)本社ビル)
- 旧豊田そごう(愛知県豊田市)→松坂屋豊田店
- 旧奈良そごう(奈良市)→イトーヨーカドー奈良店
- 旧加古川そごう(兵庫県加古川市)→ヤマトヤシキ加古川店
- 旧福山そごう(広島県福山市)→福山ロッツ(天満屋系不動産会社設立の専門店ビルへ変換。メインテナントとして、ファイブフォックスなど)
- 旧そごうサンホームズ(広島県広島市安佐南区)→解体、その後パチンコ店、隣接していた立体駐車場は、そのまま解体せず、パチンコ店駐車場、貸し駐車場
- 旧小倉そごう(福岡県北九州市)→小倉伊勢丹
- 旧黒崎そごう(福岡県北九州市)→井筒屋黒崎店
- 旧ロンドンそごう→ヴァージン・メガストア
- 旧バルセロナそごう
- 旧シンガポールそごう→ラッフルズ・シティ・ショッピングセンター(イギリス資本のデパートロビンソンズ、マークスアンドスペンサーなどが入店)
以下2店は、そごうとは業務提携中心で親会社は別の企業であったが、そごうグループ破綻の影響を受けている。
- 旧コトデンそごう(香川県高松市 親会社は高松琴平電気鉄道) →高松天満屋
- 2001年1月、民事再生法を申請の上で同年4月に閉店。同社への債務保証が影響し、親会社も同年12月に民事再生法を申請した。
- 旧いよてつそごう(愛媛県松山市 親会社は伊予鉄道)→いよてつ高島屋
[編集] その他
- 有楽町で逢いましょう 1957年にフランク永井が歌った流行歌。翌1958年には大映で映画化された。元々はそごう東京店開店時のキャッチコピー。
- 2006年2月、店舗デザインのアメリカ専門誌「VMSD」が主催する国際店舗デザインコンテストの総合百貨店部門で、そごう心斎橋本店が1位となった。そごう心斎橋本店は、デザインと企画をアメリカ・シアトルのキャリソン・アーキテクチャー社が担当した。
[編集] ディズニーとの関係
そごうは、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの参加企業(オフィシャルスポンサー)として有名である。
東京ディズニーリゾートの参加企業として提供しているのは、「イッツ・ア・スモールワールド」(ランド)・「ドックサイド・ステージ」(シー)の2つの施設である。
横浜・千葉・大宮・川口・柏・西神・神戸・広島・呉・徳島の各店舗には、大きな掛時計が設置されている。奈良店にも存在したが、民事再生法適用時に閉鎖し、後イトーヨーカドーとなったため撤去された。毎時00分の3~4分前になると世界各国の民族衣装を着た子供の人形が現れ、"It's a Small World"(小さな世界)を演奏する。買い物客などを中心に好評で、写真を撮る人も多い。また待ち合わせ場所としてもよく使われる。この時計は、そごうがイッツ・ア・スモールワールドのスポンサーになっているため、設置されたものである。なお、この時計の制作は、以前東京ディズニーリゾート参加企業を務めていたセイコーである。心斎橋本店では時計は設置されていないが、毎正時に館内放送で時報を鳴らしている。曲は時計と同じ"It's a Small World"である。
「イッツ・ア・スモールワールド」は東京ディズニーランド開業時からスポンサーになっているが、「ドックサイドステージ」は、東京ディズニーシー開業後の2003年4月12日からスポンサーになった。これは、そごうの経営破たんが強く影響している。2000年1月27日に、翌年の9月に開業を控えた「東京ディズニーシー」への第1期参加企業14社が発表された。この14社の中に、参加企業としては古株であるそごうの名前も載っていた。そごうは、当時、東京ディズニーランドのトゥーンタウンのスポンサーになっていた講談社のように、東京ディズニーシーのマーメイドラグーンエリア全体のスポンサーにつく契約を結んでいた。しかし、この年の7月に、そごうは民事再生法の適用を申請し、経営破たん。9月には、経営再建中であり、新たな出費はなるべく避けたいとの意向から、スポンサー契約を解除することとなってしまったのである。その後、東京ディズニーリゾートの運営母体であるオリエンタルランドは、そごうに代わる新たなスポンサーを模索したが、結局スポンサーなしのまま、現在に至っている。
2003年1月にそごうは再生手続の終結を決定した。この年の4月から、そごうは東京ディズニーリゾートへの投資を活発化させ、東京ディズニーシー「ドックサイドステージ」のスポンサー就任や、イッツ・ア・スモールワールドでの期間限定イベント「イッツ・ア・スモールワールド・ベリーメリーホリデー」の開催などを行うこととなる。ドックサイドステージについては、座席が無く、アスファルトの地面に直接腰を降ろして見る形式だったのだが、そごうのスポンサー就任に合わせて、ベンチ席が設けられた。
また、横浜店と広島店、千葉店(オーロラモールジュンヌ内)には「ディズニーストア」もある。以前は、札幌・多摩・豊田などの各店舗内にもあったが、撤退した。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
日本の大手百貨店 |
伊勢丹 | 西武百貨店、そごう(セブン&アイ系) | 大丸 | 高島屋 松坂屋 | 三越 |阪急百貨店(阪急百貨店グループ系) 日本の百貨店のページで「全国的に展開」とされているものを掲載。 |
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