サンキュー先生
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サンキュー先生(サンキューせんせい)とは、『熱中時代』や『3年B組金八先生』などが流行する中で、テレビ朝日系列で放送された教育ドラマ・学園ドラマのことである。
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[編集] 概要
サンキュー先生は、小学校に産休補助教員としてやってきた主人公・石松鈍器と6年生の学級児童たちとの相互交流を描いた作品である。
放送は、1980年(昭和55年)9月8日から1981年(昭和56年)3月24日までされ、全部で26話である。テレビ朝日が企画し、国際放映が制作した。監督の中心人物は山際永三であった。しかし、放映開始前から原作者・池田一朗とプロデューサーの対立が顕著になったため、原作者は、制作に一切関わらないなどのいびつなスタートを切った。舞台裏でのごたごたが災いしてか、産休補助教員と児童たちのほろりとさせる義理人情を描く素晴らしい主題でありながら、低視聴率にあえぎ、2000年代前半まで制作者の国際放映の過去作品リストにも掲載されていなかった。しかし、2003年(平成15年)11月の突然のDVD化で、この作品は、23年ぶりに再評価されることになった。
当時、中学校第3学年を舞台とした東京放送(TBS)のテレビドラマ『3年B組金八先生』を受けて、サンキュー先生は、小学校版の金八先生ともいわれた。物語は、(1)「生徒の成長と共に、石松鈍器が成長する姿」、(2)「事なかれ主義の教員グループと、教育の理想を追求する教員グループの対立」として展開する。
第1話から第4話までの脚本が、原作者の池田一朗直筆によるものである。本放送では、第4話の放送後に1週間空けている。舞台裏では、原作者の池田一朗とプロデューサーの権利関係の整理が行われていたのではないかと考えられている。
なお、同時期に国際放映が制作した「あばれはっちゃく」とは相当スタッフが重なっている。 俳優では、東野英心・浅川薫・西山勝仁・水島聡・吉田友紀が双方に出演しており、シナリオはいずれも山根優一朗が携わっている。テレビ朝日側のプロデューサーはいずれも落合兼武、監督も同一人物である。
放映が開始された1980年9月8日の朝日新聞の社会面には、次のようなキャッチフレーズの広告が載った。内容に合致しているかどうかは、諸兄に判断願いたい。
「子どもたちは声を揃えて言います。先生ありがとう。」
[編集] 登場人物・キャスト
[編集] 学校関係者とその親族
- 石松鈍器 - 出演:西田敏行
- この作品の主人公である。城南大学で国文学を担当する助教授であったが、教授に自分の論文を盗用されたことに憤慨し、大学を辞職した。
- 故郷の小田原のみかん農家に戻り、産休補助教員として各地の小学校を渡り歩いていた。津城第1小学校では、6年2組の学級担任。両親を早くに亡くした。
- 石松正子 - 出演:熊谷真実
- 石松鈍器の妹。みかん山を切り盛りしながら、母親代わりで石松鈍器の世話を焼いていた。
- 石松朝日 - 出演:大塚国夫
- 石松鈍器の叔父。30代半ばを過ぎて身を固めようとしない石松鈍器に小言を鳴らしていた。
- 津城第1小学校の校長。石松鈍器の理想が理解できなくもないが、思い通りに出世が進み、いつも保身に負けていた。
- 津城第1小学校の教頭。決まり通りの学校運営にしか興味を見せず、児童に対しても思いやりが見られなかった。破天荒な石松鈍器を不安視し、理由をつけて追い出そうとしていた。洋画が趣味。
- 6年1組の学級担任と教務主任を兼務。石松鈍器の理想に賛同しており、事故がないよう常にブレーキをかけている。
- 花森晴枝 - 出演:白都真理
- 6年3組の学級担任。児童心理学を得意とし、問題児に盛んに診断を付けていた。
- 増井平太郎 - 出演:有川博
- 6年4組の学級担任。自分の教え子から出来るだけ多くの私立中学校合格者を出すことに教師生命をかける。学習指導だけではなく、サッカー指導も出来るオルタナイティブな人物。
- 野村次郎 - 出演:柴俊夫
- 須川大作 - 出演:森塚敏
- 都築晴枝 - 出演:市毛良枝
- 保育園の先生。
[編集] 児童とその親族
- 小池信夫 - 出演:伊藤康臣
- 6年2組のいじめグループの黒幕。街の有力者の息子で、学校も手出しができなかった。
- 中島真一 - 出演:浅野光伸
- 大河内あゆみ - 出演:浅川薫
- 山口 - 出演:大谷輝彦
- 写生をすると、なぜか空を赤く塗り潰してしまう。
- 茂木 - 出演:西山勝仁
- 漁師の息子で、父親といさかいが絶えなかった。
- 近藤千加男 - 出演:水島聡
- 児童の中で、石松鈍器を最も慕っている。
- 磯谷 - 出演:前田晃一
- 室岡 - 出演:横山武志
- 石松鈍器の学級の強力な受験生。塾があるため、劇の練習もままならない。母親(生田悦子)の体の一部のような存在である。
- 深森の兄 - 出演:吉田友紀
- 中学校のサッカー部のエースだが、ほかのメンバーを邪魔者扱いするために、コーチからレギュラーを外された。卒業生の不良グループと交際がある。(ちなみに、この作品に出演している子役には、吉田友紀に憧れて劇団入りした者も多い。)
- ケンジ - 出演:岩瀬威司
- 保育園児。都築晴枝の教え子。
[編集] 小説
1話~4話の小池物語を収録してある。発行は桃園書房。ただし、すでに絶版になっており、桃園書房への読者の問い合わせに対しては「在庫はない」という回答がされている。編集者と直接電話で話した上で、1~4話の復刊と26話全体の小説化を文書での要請もされたが、無理であろうという返事がされた。理由としては、「当時は桃園書房としてもテレビドラマの小説化は盛んに手がけていたが、今はしていないこと」、「この作品を担当した編集者がすでに退職しており、小説化に至った経緯が不明であること」があげられていた。
なお、サンキュー先生は、学習研究社発行の『月刊少年チャレンジ』でコミカライズされた。ただし、コミカライズ作品は、すでに廃刊になっており、国立国会図書館にも所蔵されていないため、現在は「幻の作品」となっている。
[編集] 各話
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
- 第1話「いじめっ子・いじめられっ子I」
- いじめグループの一員である近藤千加男(水島聡)が、妊娠中の学級担任の市川先生のおなかに頭突きを食らわせ、早産させてしまう。一方、叔父からは「いつまでもぶらぶらしているんじゃない」と説教されながらも、自由な身分がいいと聞く耳を持たなかった石松鈍器(西田敏行)は、産休補助教員として津城第1小学校(ロケ地は小田原市立早川小学校)に赴任する。
- 石松鈍器は、模擬裁判を開いていじめグループを解体しようとする。近藤千加男は、すぐに石松鈍器の熱意を買うが、グループの黒幕であり、街の有力者の息子である小池信夫(伊藤康臣)は、石松鈍器に敵意を煮えくり返させた。
- なお、この回には、いじめられっ子・井川の姉役として、夏目雅子が特別出演している。
- 第2話「いじめっ子・いじめられっ子・II」
- この回では、石松鈍器が「ゆとりの授業」の意義を説いた。(なお、現代のゆとり教育の提唱は、1980年代前半にまでさかのぼることができる。)
- この回には、赤灯台でいじめ仲間を待つ小池信夫(伊藤康臣)の横顔のシーンがあり、視聴者からは定評があるといわれる。
- 第3話「小さなヒーローたち」
- この回では、小池信夫の陰惨さが描かれた。小池信夫は、目的を果たすためには事故を装った傷害事件をいとわないのであった。
- 野球のシーンが登場し、当時の少年のスポーツの花形が野球であったことを感じることができる。
- 第4話「もう一つの落ちこぼれ」
- この回で、小池信夫の石松鈍器に対する感情が変わる。どう変わるかは、見てからのお楽しみ。ただ、「悪に見える子どもにも善のタネが潜んでいる」との原作者の想いが反映されており、涙を誘う。
- 第5話「もやしっ子の挑戦」
- この回は、中島真一(浅野光伸)の旅をめぐる回であった。
- もともと中島真一は、体が弱く、乗り物酔いがひどいため遠足にも参加していなかった。母親は猛烈な過保護で、母親の教育方針に疑問を感じる温厚なサラリーマンの父親も、子育てには口出しできなかった。
- 時刻表を片手に、東海道線の大鉄橋の下でブルートレインを観察する中島真一。「SLが引退したのは5年前」と述べる。「これをきっかけに中島を自立させる」と石松鈍器に仕掛けられ、東京の交通博物館から一人で小田原に帰ることになる。地下鉄の中で乗り物酔いで胸をかきむしる中島真一の姿は、母性本能までかきむしるといわれる場面であった。もやしっ子の中島真一は、1人で小田原に帰って来られるかどうかが注目された。
- 第6話「転校生SOS」
- 第7話「愚かで鈍な俺」
- この回は、海岸での石松鈍器と画家の老人との出会いから始まる。山口(大谷輝彦)は、人とは違ったタッチの絵を描き、心配していた石松鈍器は、画家の老人に山口の絵を見てもらいたいと依頼する。老人は、学校を訪問するものの、玄関に掲げてあった教頭(成田三樹夫)の絵をけなしたことから教頭と大喧嘩になる。教頭は、老人を門前払いするものの、ところがこの老人を邪険にしたことを知った市立美術館の館長は激怒する。なぜ・・・?
- 第8話「愛してます!石松先生」
- この回は、印象としては、きれいな物語といわれる。
- 大河内あゆみ(浅川薫)が、友達としりとりをしながら下校する姿に、「6年生とはいえ、まだこどもなんですねえ」と保健室の先生が微笑む。
- 来るべきものが来て、女子同級生から「私たちが時々体育を休む理由がこれで分かったでしょ」と言われる。
- 両親の離婚問題に苦しんでいた大河内あゆみ。まだ家庭の事情を理解できない幼い弟と妹が「ドラえもん」を見ており、大山のぶ代(当時ドラえもんの声を担当していた声優)の声が聞こえていた。
- 第9話「俺と親父の海」
- この回は、父子喧嘩に明け暮れる茂木(西山勝仁)についての話だった。 茂木の母親が危篤のとき、父親(東野英心)が同席していなかったのは、母親に対する誰よりも深い愛情があったからだった・・・。
- 第10話「開けゴマ!」
- この回では、児童心理学の知識を売り物にする花森先生が、お姉さんが死んだのがきっかけに口を利けなくなってしまった児童と意思疎通しようとして必死になった。
- なお、この回では唯一他学年の児童が登場する。
- 第11話「神様が決めたこと」
- この回では、性について扱われた。
- 小学生に男女交際は早すぎる!という声の中で、石松は?なお、校長(藤岡琢也)も教頭も実はエッチが好きだという設定であった。
- 第12話「石松の危険な賭け」
- この回では、厳格な高等学校教員の息子が主人公であった。
- 父親から無理な要求を課せられ、少年は、心身症に陥っていた。主役児童(芸名不詳)の「大人になんかなりたくない!」との叫びが印象的であるといわれている。
- 第13話「石松最後の授業」
- この回においては、石松鈍器が大学教授に復帰する話が来るものの、石松鈍器は断ってしまう。なぜ?
- また、この回では、久しぶりに伊藤康臣が登場した。
- 第14話「俺は泣かんぞ」
- この回では、退職したはずの石松鈍器に対する市川先生の嫉妬を描くと共に、石松鈍器と市川先生のタイプの違いを巧みに打ち出している。
- 第15話「父と娘のリング」
- この回では、職場では情に欠ける教頭が、娘には普通の父親としての愛情をかけている姿を示してくれほっとさせてくれたといわれている。石松鈍器は、他校への再就職を妨害した教頭に抗議に向かうがバイクのパンクをきっかけに・・・。ただし、この回は、児童がまったく登場しない物語であった。
- 第16話「愛さえあれば!」
- この回では、親子の愛について描かれた。
- 実の子にも手をかける親が少なくない中、血のつながりがない分だけいい父親になろうとする主役少年の母親の愛人島田さんを中心として物語が進んだ。
- 「お母さんは僕のものだ!」と刃物を持ち出して島田さんを拒絶する少年。果たして少年は島田さんを受け入れるのだろうか。
- なお、少年の長髪は、1970年代の整髪料抜きの若者ファッションの影響を受けている。
- 第17話「女心はミステリー」
- この回の作品は、池田一朗の門下生組織「池田会」で当時を知る数少ない女流シナリオライターの作品である。
- 女の喧嘩を解決する手段を知らない石松鈍器は、どうするか?なお、この物語は、戸塚宏の教育方針を肯定していた池田一朗の考えを反映していたかもしれないと池田会関係者が述べている。
- 第18話「愛の神隠し」
- この回では、第19話で受験本番を演じる室岡(横山武志)が重要な役を演じ、次の回の伏線になっている。
- 実力不相応な進学塾の合宿に参加させられ、逃げ出してしまった磯谷はどこへ?
- なお、磯谷を演じた前田晃一には、それなりにファンがいた。さらに、河原崎長一郎(物故者)が磯谷の父役を演じていた。
- 第19話「合格はこの手で」
- この回では、中学受験に失敗する児童の姿が描かれた。
- 試験の最中に鉛筆が折れる場面は印象に残りやすいといわれる。また、室岡(横山武志)が泣きながら小田原の海岸に走って行く場面が涙を誘うといわれている。これらは、オープニングの鼻ほじりシーン(6年生とはいえまだ子ども、という映像を制作者は狙ったのだろう)とともに、この作品全体の佳境ともいわれている。
- 1年で最も寒い季節であるにも拘らず、受験生の6年生の半分は半ズボン姿だった。半ズボン全盛期の作品であることがよく分かる。校庭の児童たちも、馬乗りや棒登りで遊んでいた。
- 第20話「初体験旅行」
- この回における主役は、旅行会社の営業のおじいさんであった。おじいさんは新タイプの修学旅行を提案しており、校長たちからは嫌がられていたが・・・。
- 第21話「花嫁は決まりだ!」
- この回では、大学の教育学部を卒業しようとしている村野文子先生(初井言榮)の娘が描かれる。
- やっと娘と一緒に暮らせると思っていた村野文子先生だが、娘の婚約者は、離島の小学校に赴任しており、娘も離島に行く決心をしていた。
- 第22話「よみがえれ愛の詩」
- この回では、卒業が近づく情景が描かれた。
- 「俺たちもあと1ヶ月で卒業かぁ」との近藤(水島聡)の台詞が忘れられないといわれている。また、出世すればするほど子どもたちの歌声が遠くなることを寂しく思う校長について触れられていた。
- また、この回の一場面である子どもたちが自分たちが起こした不始末について自主的に正座し「自分で自分を罰しているんです」という部分は、この作品の義理人情の最高峰であると評されている。
- 第23話「光と影の道を走れ」
- サッカー大会が近づくものの、石松鈍器にはサッカーのたしなみがない。児童が不満を漏らしたことから、中学校のサッカー部に在籍する深森の兄(吉田友紀)にコーチを依頼する。自分のサッカー技術を過信していた深森の兄だが、しぶしぶ小学生を指導しているうちに心境の変化を示していく。
- 第24話「妹の嫁ぎ行く日に」
- この回においては、「父ちゃん、母ちゃん、正子(熊谷真実)きれいだろ」という台詞が代表的である。
- 卒業記念の寄せ書きを紛失し、怒った児童たちは、石松鈍器の妹の結婚式の合唱にも来てくれなかった。しかし・・・。
- 第25話「愛のカプセル'81」
- この回では、児童たちが石松鈍器の家を掃除していたとき、石松鈍器が高校生のころ母親の病気快癒を願ったタイムカプセルを発見する。これで急にタイムカプセルの話が盛り上がる。
- 「俺たちが31歳になったときに」
- 「私たちの21世紀の最初の同窓会に」
- 「そのときは先生もオジンだね」と児童に言われ、石松鈍器がおじいさんの真似をした。
- その場面の後、妹がいなくなり、生活の些事もできない石松鈍器を不憫(ふびん)に思った児童たちが、当番で石松鈍器の衣食住の世話に来るようになる。これには、PTAから抗議が来たが・・・。
- 第26話「ありったけ愛を」
- 最終回のマドンナは大河内あゆみ(浅川薫)であった。大河内あゆみを背に流れる早川の清流の場面の風景が美しかったといわれる。
- 卒業式の答辞を読む役に大河内が選ばれたものの、学校の習慣ではPTA会長のこどもが答辞を読むべきとされていた。
「この物語はタイムカプセルを掘り起こしてはじめて完結する」という主張がファンにはあり、物語は真の意味では完結していないといわれる。ファンからは、大人になった元子役を集めて、同窓会を開いてもらいたいという声があるといわれる。現在、朝日放送で『探偵!ナイトスクープ』の局長を勤めている西田敏行は、少なからずこの作品に愛着があるといわれるが・・・。
[編集] 作品の時代背景
「教育モノとしては賞味期限切れ。悪に見える子どもも結局は大人が理想化する子ども像に戻って行ってしまう。」 DVD化直後、23年ぶりに世に問われたこの作品をそのように批評した人がいた。 一面では真実を衝いている。
1980年代を通じて、詰め込み教育は悪弊であり、ゆとりの教育こそが理想だと語られていた。 石松鈍器が当時の学習指導要領の理念を盾に破天荒に実践したゆとりの教育も、2000年には総合的な学習の時間として公教育の中に取り込まれる。 しかし、ゆとりの教育が完成した途端、言われ始めたのが学力低下だ。最近、文部科学省もゆとりの教育の全面見直しを言い始めている。総合的な学習の時間の結果、盛況しているのは博物館だけだとの批判に晒されている。鈍器と対立した事なかれ主義の教員たちは、児童の学力低下を心配していた。
小説本を見れば分かるが、池田一朗は1970年代後半の教育論や実際に学校で起きた事件を踏まえてこの物語を書いている。 当時の子どもたちが抱えていた問題と、現代の子どもたちが抱えている問題とがおよそ異なるのはやむを得ないことだと言えるだろう。
が、現在教育現場で叫ばれている生きる力とは、5話「もやっしっ子の挑戦」で鈍器が中島に与えようとしたそのものだ。総合的な学習の時間で、アイデアに苦しむ現実の小学校教員たちが、安易に児童を博物館に連れて行ってしまうのに対し、鈍器が児童たちを交通博物館に連れて行ったのは、生きる力の獲得という明確な目的意識に貫かれていた。 中島は当時としては珍しかった一人っ子で、少子化の現代では、むしろほとんどの子どもがもやしっ子になってしまっているのかもしれない。
この作品は、テレビゲームもないし、子どもをめぐる治安が悪化したと言われ始める時代の前に書かれている。 エアコンの効いた部屋でテレビゲームをしながら、「人を見たら泥棒と思え」と言わんばかりの教育を受けている現代の子どもたちは現代が子どもにとって暮らしにくい時代であることを知るだろう。大人たちは、小学校卒業までは子どもたちが夢の世界に生きられた時代がほんの一昔前まであったことを思い出すだろう。
懐かしい、子どもが子どもでいられた時代の子どもたちに会える作品である。
アスペルさん??
たぶんそうだと思う。文面があの人だ!!
[編集] こぼれ話
- 第3話の野球の試合で応援歌として合唱される津城第1小学校の校歌は、長いこと作詞・作曲者が不明であった。しかし、撮影が終了し、都内のホテルで打ち上げが行われたとき、子役一同で校歌を合唱したら、藤岡琢也が作詞・作曲は自分だったと明かしたとのことである。
- 早川小学校出身者で、元子役と同世代の女性によれば、撮影終了後1年くらいは、元子役が早川に遊びに来ていたとのこと。「僕の住んでいる場所の近くには、海も山もないんだ・・・」との言葉が印象的だったという。
- 第1話で石松が「おれはいじめっ子は嫌いだが、いじめられっ子も嫌いだ。いじめられる子にはいじめられるだけの理由がある」と言う台詞を口にする。今ではとても放送できないだろう。
テレビ朝日系 月曜21時台 | ||
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