名鉄100系電車
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100系電車(100けいでんしゃ)は、豊田線・犬山線と名古屋市営地下鉄鶴舞線との直通運転に用いられる、名古屋鉄道の通勤形車両。
なお本稿では、用途や基本設計が100系(1991年、1993年製造車)と同様で、1編成のみである200系電車についても解説する。
名鉄100系 上小田井駅にて
名鉄100系 催事広告車両 上小田井駅にて
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[編集] 概要
どちらも、1両の長さが20m、両開き4ドアで、座席は全席ロングシートである。 客席の側窓は固定窓で、カーテンは横引き式のものである。冷房は10,500kcalの能力のものを1両に3台搭載する。
名鉄線用のM形ATSと地下鉄線用のCS-ATCを両方備える。6000系と似ているが、正面窓下に銀色の帯があり、この貫通扉部分に当時の名鉄の社章を入れている。また、地下鉄鶴舞線と名鉄線の両方で使える自動放送装置と乗降促進ベルを搭載している。
当車両が地下鉄鶴舞線との直通列車として運行するのは、豊田線と三河線の赤池駅~豊田市駅間と、犬山線の上小田井間~犬山駅間であるが、この他に三河線では豊田市駅から留置線のある土橋駅まで営業または回送で、犬山線では犬山駅~新鵜沼駅までを回送列車として運行する。後者の区間の途中にある犬山橋では、1991年より2000年まで「道路上」を行く100系(=「地下鉄直通用車両」)を見ることができた。この他、下記にあるように、少々変わった運行も見られた。なお、211~214編成は、下記「年表」の「1991年」の項にもあるように、116編成をベースとしているため、100系に含められる。
[編集] 100系
1978年から1993年にわたって製造され、車両の制御方式等も様々である。一部の車両はシステム上200系と差のないものもあるため、年表の形式で紹介する。
[編集] 年表
- 1978年12月 111編成、112編成が製造される。抵抗制御方式で、全車電動車の4両編成。三河線で試用される。
- 1979年6月 113編成~115編成が製造される。制御方式と編成は111・112編成と同じ。
- 1979年7月29日 本来の使用目的である豊田新線(現在の豊田線)が開業し、同線と鶴舞線との直通列車に使用される。
- 1989年 116編成が製造される。制御方式は回生ブレーキ付き界磁添加励磁制御方式に変更されたが、編成はこれまでと同様である。
- 1991年 211編成~214編成が製造される。制御方式と編成は116編成と同様だが一部改良された。使用路線は、1993年まで、豊田線-鶴舞線ではなく、犬山線、名古屋本線、常滑線、広見線を中心に運行された。朝ラッシュ時の急行列車に導入され、2本を併結した8両編成としても使用された。前年製造の6750系で採用された座席、床、化粧板のカラーリングが、これらの編成にも採用されている。
- 1993年4月 鶴舞線が終日6両編成運行となるため、サ150形とモ160形が10組製造される。在籍の全編成の中央に増結された。モ160形は名鉄初となる、GTO素子によるVVVFインバータ制御が採用され、サ150形は100系で初めて、動力を持たない「付随車」となった。
- 1993年8月12日 鶴舞線と犬山線との直通運転が開始され、これ以後211編成~214編成も犬山線-鶴舞線-豊田線の運行となった。
2000年には、東海豪雨により車両不足となったため、211編成を一時的に4両編成として、新名古屋(現在の名鉄名古屋)発着列車に用いたこともあった。
[編集] 200系
1994年、輸送力増強用に製造された215編成を、それまでと区別して200系と呼ぶ。6両編成すべてが前述のサ150形、モ160形で採用されたシステムであるが、それまでの編成とは1・3・5両めが付随車となるなど変化した。1編成6両が在籍。細かいところでは、車内にLED式案内表示器が設置されたり、1992年4月から名鉄が新しいCIマーク“MEITETSU”を採用したため、100系にあった社章を掲出していない。
また、モーターのメーカーも100系では東洋電機製造だったのに対し、200系は三菱電機を採用している。インバータ車の制御装置はモ160形・200系共に三菱電機製MAP型である。
[編集] 主要諸元
- 起動加速度:3.0km/h/s
- 減速度:3.5km/h/s(常用)4.0km/h/s(非常)
- 最高速度:100km/h(鶴舞線ATC区間内75km/h)
- 減速比:抵抗制御車および界磁添加励磁制御車=6.07、VVVF制御車=7.07
[編集] 編成
←犬山・上小田井 | 赤池・豊田市→ | |||||||||
100系 | ||||||||||
モ140(Mc2) | - | モ130(M1) | - | モ160(M) | - | サ150(T) | - | モ120(M2) | - | モ110(Mc1) |
200系(VVVF車) | ||||||||||
モ240(Mc) | - | サ230(T) | - | モ260(M') | - | サ250(T') | - | モ220(M) | - | ク210(Tc) |
[編集] 外部リンク
- 名鉄車両博物館
- 100系(200系も含む)
- ファンサイトの研究ページ:T.K.'s website from Nagoya,Japan
100系電車使用列車
[編集] 関連項目
- 名古屋市交通局3000形
- 名古屋鉄道の車両
- 現用車両
- 特急用電車 : 2000系・2200系 | 1000系・1030系・1200系・1230系・1800系・1850系 | 1600系
- 一般用電車(SR系高性能車) : 7000系・7100系・7700系 | 5700系・5300系 | 6000系・6500系・6600系・6800系 | 1380系
- 一般用電車(VVVF車) : 3500系II・3700系III・3100系 | 3300系III・3150系
- 地下鉄乗入用電車 : 100系・200系 | 300系
- AL系電車 : 6650系・6750系
- 電気機関車 : デキ300形 | デキ370形 | デキ400形 | デキ600形
- 過去の車両
- AL系電車 モ3300形・モ3600形・ク2040形 | モ800形I | モ850形 | 3400系 | 3500系I | 3550系 | 3560系 | 3600系・3650系 | 3700系I | 3800系 | 3850系 | 3880系 | 3900系 | 7300系 | 3300系II
- HL系電車(車体更新車) : 3700系II・3730系・3770系・3780系 | 3790系
- SR系高性能電車 : 5000系・5200系 | 5500系 | 7500系 | 8800系
- 600V鉄道線用電車 : モ700形・モ750形 | モ3080形・ク2020形・ク2320形
- 600V軌道線用電車 : モ510形 | モ520形 | モ550形 | モ560形 | モ570形 | モ580形 | モ590形 | モ600形 | モ770形 | モ780形 | モ800形II | モ870形 | モ880形
- 気動車 : キハ10形・キハ20形・キハ30形 | キハ8000系 | キハ8500系
- 現用車両
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