国鉄ED14形電気機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ED14形は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省がアメリカ合衆国から輸入した直流用貨物電気機関車である。輸入当初は1060形と称した。
目次 |
[編集] 概要
ED11形に続いて輸入された米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社製の電気機関車。電気部分・機械部分ともに一社による一貫製造である。
4両が1926年に輸入された。
[編集] 構造
ED11形とよく似た構造で、箱型車体の両端に乗務員出入用のデッキを配している。多数のリベットで接合された車体と、十字の桟のある「田の字形」の側窓が特徴である。
[編集] 運用
[編集] 国鉄時代
製造当初は、ED15形などと共に東京機関区に配置され、東海道本線の貨物列車にまず投入された。
1930年に大型機の登場で甲府機関区に移り、中央本線八王子~甲府間で使われた。戦後は一時豊橋機関区に移って飯田線で使われたが、1950年に作並機関区に移り、仙山線作並~山寺間で使われた。仙山線での使用を最後に1960年~1966年に順次除籍され、4両とも近江鉄道へ譲渡された。3号機については、近江鉄道を傘下にもつ西武鉄道へ一旦貸し出された後、近江鉄道へ渡された。
[編集] 近江鉄道時代
近江鉄道(近鉄)では、譲渡された後、石灰石・石油貨物列車などに使用したが、1986年~1988年には貨物列車が廃止されたため本来の目的を失った。その後も1・4号機はイベント、あるいは豪雪時の除雪作業などの事業用として時折り使用されており、2006年現在も車籍を保持している。2・3号機は使用されることなく彦根工場内で長期休車となっていたが、2004年7月1日付けで廃車された。
1~3号機は同社の標準である水色塗装であるが、4号機は国鉄時代の茶色塗装に復元されている。
[編集] 主要諸元
- 全長:11,200mm
- 全幅:2,740mm
- 全高:3,912mm
- 運転整備重量:59.97t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B+B
- 台車形式:イコライザ付板台枠式
- 主電動機:MT8形(128kW)×4基
- 歯車比:16:69=1:4.31
- 1時間定格出力:975kW
- 1時間定格引張力(全界磁):11,600kg
- 1時間定格速度:30km/h
- 最大運転速度:65km/h
- 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
- 制御方式:非重連、抵抗制御、2段組み合わせ制御、弱め界磁制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ
- 制御回路電圧:100V
[編集] 関連項目
- 日本国有鉄道の旧型電気機関車 ■Template ■ノート
- B・D型機(貨物用) - EB10 / AB10 - ED10 - ED11 - ED12 - ED13 - ED14 - ED15 - ED16 - ED17 - ED18 - ED19 - ED23 - ED24
- D型機(旅客用)- ED50 - ED51 - ED52 - ED53 - ED54 - ED55(計画のみ) - ED56 - ED57
- F型機(貨物用)- EF10 - EF11 - EF12 - EF13 - EF14 - EF15 - EF16 - EF18
- F型機(旅客用)- EF50 - EF51 - EF52 - EF53 - EF54 - EF55 - EF56 - EF57 - EF58 - EF59
- H型機 - EH10
- アプト式 - EC40 - ED40 - ED41 - ED42
- 私鉄買収機 - ED20 - ED21 - ED22 - ED25 - ED26 - ED27 - ED28 - ED29 - ED30 / ED25II - ED31 - ED32- ED33 / ED26II - ED34 / ED27II - ED35 / ED28II - ED36 - ED37 / ED29II - ED38 - ケED10 - デキ1(旧宇部) - ロコ1(旧富山地鉄) - デキ501(旧三信) - ロコ1100(旧南海)
- 新性能機関車
- 開発史 - 日本の電気機関車史
[編集] 外部リンク
- 近江鉄道(ED14形の紹介ページあり)
カテゴリ: 日本の電気機関車 | 日本国有鉄道 | 近江鉄道 | 鉄道関連のスタブ項目