国鉄ED29形電気機関車 (初代)
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ED29形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した直流用電気機関車である。
[編集] 概要
本形式は、1927年(昭和2年)に豊川鉄道(現在のJR東海飯田線の一部)が日本車輌製造(機械部分)及び東洋電機(電気部分)で製造したデキ52で、1943年(昭和18年)に豊川鉄道が戦時買収されたのにともない、国鉄に引き継がれたものである。
買収後も私鉄時代の番号のまま、引き続き飯田線で使用され、1952年(昭和27年)に国鉄形式を付与されてED29形(初代。ED291)となった。1959年(昭和34年)3月に廃車され、岳南鉄道に譲渡された。
岳南鉄道では国鉄時代の番号のまま、主に貨物列車の牽引や入換え用として使用され、2006年現在も車籍を保持しているが、貨物列車滅少のため休車となっており、岳南富士岡駅構内に留置されている。
形態的には、切妻の箱形車体であるが、台枠を前後に延長した長いデッキを有しており、製造時は妻板前面中央に砂箱を有していた。乗務員室扉は車体前面にあるが中央に砂箱がある関係で向かって左側に寄せて設置されている。同タイプの電気機関車としては、小田急電鉄のED1031、近畿日本鉄道のデ21などがある。
国有化後は、機器の標準化改造を実施され、当初は電動カム軸式であった制御装置は電磁空気単位スイッチ式に改められ、パンタグラフも国鉄形式のPS13に交換された。デッキにあった砂箱も台車に移されている。
[編集] 主要諸元
- 全長:11,240mm
- 全幅:2,540mm
- 全高:4,153mm
- 運転整備重量:40.70t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 台車形式:板台枠式
- 主電動機:MT15-B形(104kW)×4基
- 歯車比:18:70=1:3.89
- 1時間定格出力: 400kW(1300V定格) :416kW(1500V定格)
- 1時間定格引張力:4600kg
- 1時間定格速度:
- 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
- 制御方式:抵抗制御、2段組合せ制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:AEjR空気ブレーキ、手ブレーキ
[編集] 関連項目
- 豊川鉄道・鳳来寺鉄道・田口鉄道の電車
- 日本国有鉄道の旧型電気機関車 ■Template ■ノート
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- D型機(旅客用)- ED50 - ED51 - ED52 - ED53 - ED54 - ED55(計画のみ) - ED56 - ED57
- F型機(貨物用)- EF10 - EF11 - EF12 - EF13 - EF14 - EF15 - EF16 - EF18
- F型機(旅客用)- EF50 - EF51 - EF52 - EF53 - EF54 - EF55 - EF56 - EF57 - EF58 - EF59
- H型機 - EH10
- アプト式 - EC40 - ED40 - ED41 - ED42
- 私鉄買収機 - ED20 - ED21 - ED22 - ED25 - ED26 - ED27 - ED28 - ED29 - ED30 / ED25II - ED31 - ED32- ED33 / ED26II - ED34 / ED27II - ED35 / ED28II - ED36 - ED37 / ED29II - ED38 - ケED10 - デキ1(旧宇部) - ロコ1(旧富山地鉄) - デキ501(旧三信) - ロコ1100(旧南海)
その他の国鉄電気機関車
- 新性能機関車
- 開発史 - 日本の電気機関車史