海のYeah!!
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海のYeah!! | ||
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サザンオールスターズ の アルバム | ||
リリース | 1998年6月25日 | |
ジャンル | ロック | |
時間 | Disc1 63分13秒 Disc2 68分34秒 Total 131分47秒 |
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レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | サザンオールスターズ | |
チャート順位 | ||
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ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
サザンオールスターズ 年表 | ||
Young Love (1996年) |
海のYeah!! (1998年) |
さくら (1998年) |
『海のYeah!!』(うみのイェー)はサザンオールスターズのベストアルバム。1998年6月25日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
当時既に日本の国民的バンドとしての地位を確立するほどの人気であったサザンが、デビュー20周年を記念して発売したベストアルバム。当時ベストアルバムブームにあった邦楽業界の渦中でリリースされ、発売時は当然のように話題となり、オリコンチャートでの初動は100万組を記録し週間チャートでも1位を獲得。サザン歴代1位の初動となった。その後発売されたベストアルバム『バラッド3 ~the album of LOVE~』が初動売上130万組を記録し、これが現時点での自己最高初動となっている。
このアルバムの発売目的は同年に行われた静岡県渚園での大規模野外コンサート『スーパーライブ in 渚園 モロ出し祭り ~過剰サービスに鰻はネットリ父ウットリ~』を楽しんでもらうためのアルバムといった位置づけであり、20年間でのヒット曲や人気の高い曲が選出されている。1998年だけで245万組、翌1999年にも1.2万組(チャートインしていない期間を含めるとさらに売り上げは上回る)、その後毎年夏にチャートを上昇させ現在は累計で約334万組(ビクター発表では400万組)を売り上げ、サザンとしては2006年現在でシングル・アルバム含め自身最高のセールスとなっている。「TSUNAMI」が大ヒットした2000年、ボーカルである桑田佳祐がソロで活躍した2001年、サザンが活動を再開した2003年などは特に高い売上を記録した。現在でもロングヒットを続け『バラッド3』とともに売上を伸ばし続けている。オリコンチャートに登場した作品で、初動が100万枚以上でチャート登場週数が100週を超えた作品はこの作品が初で、2枚組以上の作品としては現在日本最大の売上である。
タイトルは「海の家」を捩ったもの。初回盤は特殊クリアスリップケース、デジパック仕様。通常盤は一般的なプラスチックケースであり歌詞カードのサイズも異なるが、収録内容など外装以外は同一。通常盤は現在でもCDショップで並んでいる事があるが、初回盤の新品購入は非常に困難である。理由として、現在もほとんど中古が出回らずその結果毎年売上を伸ばし続けているため、初回盤が残ったりすることが無いことが原因である。
「太陽は罪な奴」「恋のジャック・ナイフ」はシングル版とアルバム版では異なるが、前者はシングル盤、後者は『Young Love』収録バージョンが使用されている。ちなみにこのアルバムのラストには、一昨年ライブで演奏された「平和の琉歌」が収録されている。この曲は沖縄でのライブ『ザ・ガールズ万座ビーチ』で演奏されたものだが、ライブビデオの特典CDにのみ音源が収録されているため、今作で初めて正式にCD化となった。そのためベスト盤であるものの、このアルバムを手に入れなければサザンオールスターズの全曲を入手することにはならない。
下記の通りこれまで数々の企画盤がリリースされているが、発売時期や曲調などに拘らない純粋なコンピ物はこの作品のみであり、大衆に受け入れられる選曲になっていることが大ヒットの要因である。とはいえこのアルバムは“夏”の楽曲を中心に選曲されているために漏れた楽曲もかなり多く、そういった意味では完全なる綿密な選曲での、更に限定盤ではないサザンのベストアルバムは存在しないことになる。
なお本作のカセット盤がDISC1と2で別々に発売されている(海賊版ではない)。アミューズ、ビクター、タイシタマークも刻印されているが、発売元はビクターでは無くユニバーサルミュージックである。カセット盤ではCD盤には無い撮りおろしの写真や、ディスコグラフィーなども歌詞カードに付録されている。なおこちらのカセット盤は中国を拠点とした発売方式であり、勿論公式には除かれている。歌詞カードは通常盤をそのまま使っており、日本語である。
また、このアルバムのCMには当時まだ無名だった「パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ」(パパイヤ鈴木は当時本名の鈴木寛の名義)が出演しており、彼らは同年の渚園での野外コンサートにも出演した。コンサートに出演した模様は同年発売のビデオ・DVD『1998 スーパーライブ in 渚園』に収録され、このCMは2004年発売のPV集『ベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)』に収録されている。
[編集] 収録曲
DISC1はSEA SIDE、DISC2はSUNNY SIDEとされているが、基本的に発売順であるため特に意味は無い。
収録曲は各作品で説明しているため、ここでは説明を省略する。タイトル表記は基本オリジナル収録時のものに従った。
[編集] DISC-1 ~SEA SIDE~
- 勝手にシンドバッド (1978)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum) - いとしのエリー (1979)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎) - C調言葉に御用心 (1979)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎) - 栞(しおり)のテーマ (1981)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) - いなせなロコモーション (1980)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) - 夏をあきらめて (1982)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生) - チャコの海岸物語 (1982)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生) - 匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB (1982)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生) - 鎌倉物語 (1985)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:大谷幸) - Bye Bye My Love (U are the one) (1985)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & リアル・フィッシュ) - ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY) (1984)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎) - 海 (1984)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:新田一郎) - みんなのうた (1988)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 小林武史) - 希望の轍 (1990)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & 小林武史) - 忘れられた Big Wave (1990)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 門倉聡)
[編集] DISC-2 ~SUNNY SIDE~
- 真夏の果実 (1990)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 小林武史) - YOU (1990)
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:サザンオールスターズ) - シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA (1992)
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:小林武史 & サザンオールスターズ) - 涙のキッス (1992)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & サザンオールスターズ) - さよならベイビー (1989)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 門倉聡) - エロティカ・セブン EROTICA SEVEN (1993)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 編曲補:片山敦夫) - 素敵なバーディー (NO NO BIRDY) (1993)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 編曲補:片山敦夫) - そんなヒロシに騙されて (1983)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) - マンピーのG★SPOT (1995)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) - あなただけを ~Summer Heartbreak~ (1995)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:山本拓夫 & サザンオールスターズ) - Moon Light Lover (1996)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:山本拓夫 & サザンオールスターズ) - 太陽は罪な奴 (1996)
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:中西俊博 & サザンオールスターズ) - 恋のジャック・ナイフ (1996)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ) - 愛の言霊 ~Spiritual Message (1996)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ SAX SOLI編曲:山本拓夫) - 平和の琉歌 (1996)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
本作唯一の新曲。厳密には初CD化となる楽曲。1996年から1997年に行われた年越しライブの際アカペラで披露された未発表曲「平和の牛歌」がセルフパロディとして演奏されているが、楽曲や歌詞のテーマなどは全く異なるものである。この“牛歌”バージョンに関しては平和の牛歌を参照。反戦歌との受け取り方もあり、戦争や平和についての比喩や皮肉を込めた風刺曲である。このような趣旨の曲は桑田のソロ作品を中心として数多く存在するが、平和そのものに対する投げかけや、反戦歌と受け止めることも出来る楽曲はこの曲が唯一とも言える。テーマはアメリカ軍による沖縄領土の占領、現在も残る米軍基地についてである。それ故に現在では高校の地理の授業でも取り上げられる。タイトルの「琉歌」は「りゅうか」と読み、「流歌(ながれうた)」と「琉球(沖縄の旧称)」を掛けたものになっている。ライブビデオ『平和の琉歌 ~Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ" in 沖縄~』の特典シングルとして発表されていたために、正式にはこれが初CD化となっている。本作に収録されたものと同じスタジオレコーディングバージョン(PVも存在)だけでなく、同ライブの沖縄公演のライブバージョンも収録されている。JNN・TBS系報道番組「筑紫哲也 NEWS23」のエンディングテーマにもなった。
前作 | サザンオールスターズの企画盤アルバム | 次作 |
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HAPPY! | バラッド3 ~the album of LOVE~ |
オリコン週間アルバムチャート第1位 1998年7月6日付~1998年7月13日付 (2週連続) |
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前作: SMAP 『SMAP 012 VIVA AMIGOS!』 |
サザンオールスターズ 『海のYeah!!』 |
次作: 相川七瀬 『crimson』 |