タイニイ・バブルス
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タイニイ・バブルス | ||
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サザンオールスターズ の アルバム | ||
リリース | 1980年3月21日 1989年6月25日(再発) 1998年4月22日(再発) |
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録音 | 1980年1月10日~3月2日 VICTOR STUDIO MEDIA STUDIO |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 42分57秒 | |
レーベル | ビクター音楽産業 | |
プロデュース | 高垣健 Burning Publishers |
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チャート順位 | ||
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売上枚数 | ||
サザンオールスターズ 年表 | ||
ベスト・オブ・サザンオールスターズ (1979年) |
タイニイ・バブルス (1980年) |
Kick Off! (1980年) |
『タイニイ・バブルス』(Tiny Bubbles)は、サザンオールスターズの3枚目のオリジナルアルバム。1980年3月21日発売。発売元はビクター音楽産業。
目次 |
[編集] 解説
発売当時FIVE ROCK SHOWと打ち出し、シングル5ヶ月連続リリースという当時としてはかなり奇抜な企画を実施した。しかし同アルバム収録で同発された「恋するマンスリー・デイ」と「いなせなロコモーション」の間に2ヶ月が要されたため、実際は6ヶ月となった。同時期よりレコーディングに集中する為TVなどメディアの露出を控えることとなり、当時TV出演を中心に活動を行っていたためシングルの売上が激減した。しかしメンバーにとってはテレビ出演のストレスから解放され充実したレコーディングが行えた為、完成度も高くメンバー自身もファンからの評価も高いアルバムである。初めて桑田以外のメンバー、原と松田が1曲ずつボーカルを取った曲が収録されるなど、内容も充実している。
この作品の表ジャケットには猫が使われており、裏ジャケットにメンバー全員分の写真が猫になっているものが載せられ、メンバーは片隅に小さく載っておりサザン作品としては初めて表ジャケットにメンバーが写っていない作品となった。なお、タイトルの“タイニイ”とは、英語圏の国ではペットの猫に付けられる一般的な名前で、日本でいえば「タマ」のようなもの。
本作のカセットテープ盤のジャケットは、LP盤とはジャケット違いであったが、初回生産のみで、後にLP盤と同一のものに統一されている。
高田みづえが「私はピアノ」をカバーしヒットした後、原由子が歌う原曲も注目され、レコード店ではこのアルバムのLP盤の帯に「私はピアノ」の文字が大きく印刷して店頭に並べることが増え、まるでアルバムのタイトルが「私はピアノ」のようになることもあった。
先行シングルのセールスは軒並み落ち込むが、本作はバンド初のオリコンチャート1位を記録した作品であり、本作以降2005年の『キラーストリート』までオリジナルアルバムはすべてオリコンチャートで1位を獲得している。
[編集] 収録曲
シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。
- ふたりだけのパーティ ~ Tiny Bubbles (type-A)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:新田一郎)
「ふたりだけのパーティ」がヤマザキナビスコ「チップスター」CMソングに使われた。この曲はメドレー形式になっており、"~"はサブタイトルという意味ではなくメドレーである事を指している。この後に発表された作品にもアルバム1曲目を主としてこの方式の曲が作られている。同作をはじめそれぞれ曲調が大分違うことが多く、後奏曲は短めに作られている。「Tiny Bubbles (type-A)」は単独曲でないため厳密には異なるが、本アルバム収録の「Tiny Bubbles (type-B)」と同時にサザン初の全英語詞曲となる。 - タバコ・ロードにセクシーばあちゃん
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:新田一郎)
ファンの間では隠れた名曲となっている。タイトルだけ聞くとコミックソングを思わせるが、内容は人生の晩年を迎えた男女の恋心を真剣に歌ったラブソングである。
“タバコ・ロード”とは、アメリカ南部のジョージア州で、煙草の葉・綿などの農業で発展した街を通る街道の通称で、同タイトルのアメリカ映画やブルース音楽が存在する。 - Hey! Ryudo! (ヘイ! リュード!)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:八木正生)
「Ryudo」とは作曲家でありダウン・タウン・ブギウギ・バンドの宇崎竜童を指す。このアルバムの直前に発売され、本アルバム収録の6thシングル「涙のアベニュー」のc/wであるが、シングル盤からは後奏がカットされている。こちらのバージョンはシングル盤にのみ収録。タイトルはビートルズの「ヘイ・ジュード」のもじり。 - 私はピアノ
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生)
原由子初のソロボーカル曲。初めてという事でボーカルの取り方に迷いがあった為、その後の原のボーカル曲とは印象が大きく異なる。歌詞には原が敬愛するラリー・カールトンやビリー・ジョエルが登場。桑田ボーカルでは無いアルバム曲だが、テレビの音楽番組で演奏された事もある。後に高田みづえにカバーされヒットとなる。ちなみに高田みづえはこの後「そんなヒロシに騙されて」(アルバム『綺麗』収録)もカバーしヒットさせている。 - 涙のアベニュー
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生)
FIVE ROCK SHOW 第1弾の6thシングル。歌詞は横浜について歌われている。 - TO YOU
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生)
字あまりな歌詞と歌い方が特徴的な曲。歌詞中にはサザンが所属する事務所アミューズの名が登場する。本作の中ではポップ寄りな傾向の楽曲。 - 恋するマンスリー・デイ
同時発売となり実質シングルカットとなった7thシングル。歌詞は女性の生理について歌われており、登場する「ユウコさん」とは原由子の事である。 - 松田の子守唄
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:新田一郎)
桑田作でドラムスの松田弘初のメインボーカル曲。タイトルはフォークグループ「赤い鳥」の『竹田の子守唄』のパロディー。歌詞はラブソングだが、松田のハイトーンボイスが光るバラードで正に“子守唄”と呼ぶに相応しい。ライブでも幾度か演奏され、松田はドラムを叩きながらのボーカルを披露した。 - C調言葉に御用心
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎)
5thシングル。C調とは"調子いい"の意。 - Tiny Bubbles (type-B)
単独曲としてはサザン初の全英語詞曲。1曲目の「Tiny Bubbles」部分がカットされた形となるが、歌詞歌唱ともに違う。 - 働けロック・バンド (Workin' for T.V.)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生)
サザンの伝統となるアルバムのラストを飾るバラード曲だが、歌詞はFIVE ROCK SHOW以前の、テレビ出演に忙殺されていた際の嘆きや怒りを歌っている。タイトルは自分達自身に訴えかけている。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Lead Vocals(#1~3,5~7,9~11)、Slide Guitars, Chorus(#1~11)
- 大森隆志:Guitars, Chorus(#1~11)
- 原由子:Keyboards, Chorus(#1~11)、Lead Vocal(#4)
- 関口和之:Bass, Chorus(#1~11)
- 松田弘:Drums, Chorus(#1~11)、Lead Vocal(#8)
- 野沢秀行:Percussion, Chorus(#1~11)
- 谷口陽一:Steel Guitar
- Linda:Chorus
- 京谷弘司:Bandneon
- 新田一郎:Horn
- 兼崎順一:Horn
- 吉田俊之:Horn
- 包国充:Horn
- 羽鳥幸次:Horn
- 武田和三:Horn
- 安孫子浩:Horn
- 岡野等:Horn
- 中沢忠孝:Horn
- 福井寛隆:Horn
- 鍵和田道男:Horn
- 市原宏祐:Horn
- 三森一郎:Horn
- 清水万紀夫:Horn
- 鈴木重男:Horn
- 鈴木正男:Horn
- 数原晋:Horn
- 平内保夫:Horn
- 砂原俊三:Horn
- Jake-H-Conception:Horn
- Joe Strings:Strings
- 玉野グループ:Strings
- 多グループ:Strings
前作 | サザンオールスターズのオリジナルアルバム | 次作 |
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10ナンバーズ・からっと | ステレオ太陽族 |
オリコン週間LPチャート第1位 1980年4月7日付~1980年4月14日付 (2週連続) |
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前作: 竹内まりや 『LOVE SONGS』 |
サザンオールスターズ 『タイニイ・バブルス』 |
次作: 中島みゆき 『生きていてもいいですか』 |