イエローマン ~星の王子様~
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イエローマン ~星の王子様~ | ||
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サザンオールスターズ の シングル | ||
リリース | 1999年3月25日 2005年6月25日(再発) |
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録音 | 1998年11月~ 猫に小判STUDIO VICTOR STUDIO |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 9分56秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | サザンオールスターズ | |
レビュー | ||
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チャート順位 | ||
売上枚数 | ||
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サザンオールスターズ 年表 | ||
PARADISE (1999年) |
イエローマン ~星の王子様~ (1999年) |
TSUNAMI (2000年) |
『イエローマン ~星の王子様~』(YELLOW MAN ほしのおうじさま)は、サザンオールスターズの43枚目のシングル。1999年3月25日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
前年シングル、オリジナルアルバムともにサザンの90年代のワーストセールスとなり、セールスの低迷には歯止めが効かない状況であった。そういった中で発売された本作は、桑田佳祐が自信を持って放った作品であるが、結局は1989年の「女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)」以来となる、オリコンでの累計売上が10万枚を切る作品となる。この後オリジナルアルバムの発売は前年の『さくら』以降2005年の『キラーストリート』まで途絶えることとなり、発売から6年が経過している本作は収録されず、現在でもシングル盤にのみ収録となっている。ちなみにc/wの「夏の日のドラマ」は2000年のバラードベスト『バラッド3 ~the album of LOVE~』に収録された。
こういった背景から2005年の再発時にはかなり高いセールスを記録し、累計売上も10万枚を突破。当初累計売上が9万枚であった「女神達の情歌」も同時に10万枚を突破したため、サザンのシングルは1983年の「東京シャッフル」以降すべての作品がオリコンでの累計売上が10万枚を超えていることになる。
本作ジャケットに写されているピエロや、PVに登場するふくよかな歌手は桑田佳祐である。特にPVでのデブスタイルは、特殊メイクによって5時間以上掛けて作られたものであり、顔が桑田の名残を見せる以外全く別人という手の掛かり様である。その他、PVにはプロレス好きが高じてか「太陽は罪な奴」のアントニオ猪木に続き、新日本プロレスの蝶野正洋が出演。このPVは2004年のPV集『ベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)』に収録された。
本作は桑田の自信とは裏腹に不振に終わるが、翌年の「TSUNAMI」がサザン最大のみならず2000年、2000年代、さらにCDシングルとしても最大のセールスを記録することとなり、完全復活を果たす。これもサザンのセールスが低迷していたものの、1985年の『KAMAKURA』発売時には既に国民的バンドとしての地位を確立していたからであると言える。
[編集] 収録曲
- イエローマン ~星の王子様~
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
桑田自身大変気に入っている作品であり、、不調だったセールスに反してライブでの演奏頻度が高く非常に盛り上がるナンバーである。ライブでは演奏のたびに様々な演出が施され、桑田自身がコスチュームを着て登場することが多い。
タイトルに特に意味はなく、歌詞の世界もノリや語感を重視して作り上げたものとになっている。特に最後の桑田のセリフは唐突的であり、インパクトが強い。
もともとこの曲は、直後の全国ツアー『Se O no Luia na Quites ~素敵な春の逢瀬~』に向けて、『さくら』の収録曲だけでは物足りない、それでいて既存の定番曲には頼らずにライブのラストに盛り上がる曲が必要だとの考えで急遽作られたものであった。桑田は作曲の時点で、ドームの5万人の観客が両手で波打っている姿を想像していたという。
ライブの直前でプロモーション期間が全く無く、テレビ番組での披露は『ミュージックステーション』出演の1回のみだった。曲調も決して一般受けするものではなく、タイアップが無かった事も売上にブレーキをかけてしまった原因となっている。
2004年の「愛と欲望の日々」c/wとしてこの曲のライブバージョンが収録されているが、この際のアレンジはかなりブルージーなアコースティックサウンドで、原曲とは全く別物の印象を受ける仕上がりとなり、ラストのセリフは演奏からカットされている。
また、歌詞に登場する『下司なPleasure』『木偶のTreasure』という部分が、前年発売のB'zの大ヒットベストアルバム『Pleasure』『Treasure』を比喩しているとしてB'zファンから非難を浴びる。桑田自身は単に遊びとして挿入しただけで皮肉を込める考えはなく、そもそも桑田は自身のラジオ番組内で『B'zの稲葉浩志と呑んだことがある』とも語っており、当人達の仲は良好とされる。しかし現在でもB'zファンがサザンファンを敵対視しているとも言われている。余談ではあるが、B'zの松本孝弘は自分の好きなアルバムの1つとしてサザンの『世に万葉の花が咲くなり』を挙げている。この曲は現在シングル盤にのみ収録。 - 夏の日のドラマ
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
1996年の「太陽は罪な奴」c/w、「君に贈る LOVE SONG」以来となる、ドラムの松田弘ボーカル曲。サザンのシングルに桑田以外のボーカル曲が収録されるのもこれ以来である。
タイトルの通りサザンの王道とも言える夏の淡い恋模様を描いたラブソングであり、桑田ボーカルでの演奏を望む声が多かった中、桑田はリクエストに応え『桑田佳祐のキヤノンFMワンダーランド~やさしい夜遊び~』内で生唄で披露した事もある。
この曲が松田ボーカルになったのは、一説には「ドラマ」と「ドラマー」をかけたからとも言われている。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Vocal(#1)、Guitar(#1,2)、Chorus(#2)
- 大森隆志:Guitar(#1,2)
- 原由子:Keyboards, Chorus(#1,2)
- 関口和之:Bass(#1,2)
- 松田弘:Drums(#1,2)、Vocal(#2)
- 野沢秀行:Percussion(#1,2)
- イエローマン ~星の王子様~
- 角谷仁宣:Computer Programming
- 斎藤誠:Ah-Chorus
- CLITOLINA:Voice
- 夏の日のドラマ
- 角谷仁宣:Computer Programming
- 小倉博和:Electric Guitar
- Tommy Snyder:Special Thanks