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西部警察

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テレビドラマ

西部警察』(せいぶけいさつ)は、石原プロモーションが制作しテレビ朝日系列で放送されていたテレビドラマのシリーズ。

内容は警視庁西部警察署捜査課の大門部長刑事(渡哲也)とその部下たち(大門軍団と呼ばれている)と上司の木暮課長(石原裕次郎)が凶悪犯と戦う姿を描く。

日本のテレビドラマの常識をはるかに超えたド派手な爆破シーンやカースタント、男達の熱い人間ドラマが評判を呼び、シリーズ化された。1980年代20世紀を代表するポリスアクションドラマ(刑事ドラマ)の1つでもある。

本項ではSPECIALを除くシリーズ全体について説明する。各シリーズの詳細についてはそれぞれの項を参照のこと。


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


目次

[編集] 作品

  • 放送開始前
    • 日本テレビ系で放映された『大都会 PARTIII』制作終了直後の1979年、この番組の制作の石原プロが、その設定を元にテレビ朝日用に作ることになった。設定の最大の違いは『大都会 PARTIII』では医者役の石原裕次郎が本作では渡哲也演じる部長刑事をバックアップする捜査課長役であること。
  • 設定
    • 舞台:東京・城西地区(渋谷区・港区・新宿区・目黒区近辺が物語上推定できる地域である)を所轄する、架空の警視庁「西部警察署」・捜査課。ここの部長刑事とその部下たちは、通称「大門軍団」と呼ばれており、「団長」と呼ばれる部長刑事・大門圭介(渡哲也)は犯罪者から恐れられ、時に挑戦すべき対象として名を知られていた。この大門軍団とそれを見守る捜査課長・木暮謙三(石原裕次郎)を中心に、犯罪捜査における活躍を描いたものである。
    • 刑事たちのいでたち:団長役の渡哲也、巽刑事役の舘ひろし、源田刑事役の苅谷俊介などを見ても分かるように、特に放映初期はむしろヤクザ的風体であった(年数と共に、その傾向は緩和していく)。渡のサングラスに関しては、本人がその理由を後に述懐している(別項を参照)。
    • 犯人:非常に凶悪な者ばかりであり、現実世界の現行法で裁かれた場合、殆どの犯人が死刑か無期懲役になる可能性がある。現実的には、こんなに多くの凶悪犯罪者が銃を持って犯罪を起こすことなどあり得ず、犯罪のリアルさよりも凶悪さを描くことに重点が置かれている。
    • 捜査:犯人たちの凶悪さに呼応するかの如く、登場する刑事たちは機動隊上がりか自衛隊上がりと思える武闘派ばかりである。劇中の銃撃戦の派手さや迫力は、ハリウッド映画をしのぐほどであり、ショットガンやライフルを使った刑事たちによる発砲や爆破はことのほか多い(かつ自然に行われており)。また、盗聴や不法侵入など、違法捜査も日常的に行われており、この「西部警察」の世界は、法治国家の警察ではまず考えられない。特に、あまりに凶悪な犯人は射殺されるパターンが多く、人道上問題がないともいえない。現在なら尚更であるが、もちろん「西部警察」放送当時でさえ相当無茶とも言える程であった。一方で、大門軍団の過激な捜査が警察上層部から厳重注意(人事記録に残る懲戒処分の一つ)となったり、一般住民からの電話や手紙・葉書での苦情が殺到して係長が対応に苦慮したり、テレビや新聞などマスコミの記者が取材に押しかけニュースや記事で批判的に取り上げられたりなどといったシーンも劇中に採り入れられ、現実とのギャップを埋める努力も行われていた。
  • 作風
    • ドラマとしてはハード・アクションが前面に出ており、人情物や社会派物と呼ばれるような、視聴者に問題意識を投げかけて「考えさせる」「悩ませる」といった要素は少なく、ただただ理不尽なまでに凶悪な犯罪者たちを、悩まずに徹底的にハードに追い詰め、戦うという側面が強調されていた。宮下隼一によると、師である永原秀一は本作脚本執筆の際、犯人が思想を持つと西部警察はそれを取り締まる思想警察になってしまうため、故意にそういう部分を排除し単なる粗暴犯として描いていたとのこと。勧善懲悪とも違う「犯人の苦悩を描かない」という描写は、石原プロ製作による「西部警察」の後番組や、人気シリーズ「踊る大捜査線」にも踏襲された理念であり、警察ドラマの王道の一つでもある。
    • 確かに「西部警察」は、確実に警察不祥事や警察官の市民暴行ととられる描写が多々あり、警察のイメージダウンにつながる可能性もあった。しかし、過激な描写はあくまでも「西部警察」の物語上での演出の一環として、承知の上で製作されたドラマであったといえるだろう。裏を返せば、上述のようなマスコミ等による警察批判の描写は、ある種の「バランスの産物」とも解釈できる余地がある。
    • 作風の特徴とその変化は以下の通りである。
    • 【初期】「大都会」シリーズに以上にハードボイルドな印象が極めて強い。その一方で、凶悪な犯罪者を通して人間や社会の暗部を鋭く描くといった側面も持ち、アクションシーンのみに頼らない傑作が多く見られた。また、見過ごされがちだが、「野獣死すべし」や「蘇る金狼」の村川透(「大都会」シリーズにも監督として参加している)など、新進気鋭の若手監督も大胆に起用し、映像美の追求もそれと同時に行われていたのは、特筆に価する(この特質は、シリーズが進むにつれ次第に薄れていった)。
    • 【PART-I・後半】新たな特殊車両「マシンX」「サファリ」の投入や、桐生一馬(演・加納竜)の後継の平尾一兵(演・峰竜太)の登場とともに、雰囲気がやや軟化。
    • 【PART-II以降】PART-IIから加入の沖田五郎(演・三浦友和)に過去の事件での負傷から死期が迫るという設定がなされ、沖田のカウントダウン的エピソードが時折織り込まれることで、一時は一転ストーリー全体に悲愴感が漂うも、ポスト沖田には山県刑事(演・柴俊夫)、五代刑事(演・石原良純)という陽性のキャラクターが配され、若干子供向けとも思える特殊車両の更なる増加・増強、見た目に派手な爆発シーンの更なる重視等と相俟って、むしろ楽しさや明るさが目立つようになり、シリーズ終盤を迎えた。
  • 悪役
  • 制作費
    • 詳しい合計金額は不明だが、相当な多額の制作費が投入されていた模様である。制作費を捻出するために、この番組は広告代理店を介することなく、テレビ朝日と直接契約を結んでいた。結果、本来は広告代理店に入る多額のお金が石原プロに入る計算になる。この現状を当時の週刊誌は酷評した。

[編集] 主要登場人物

西部警察の登場人物を参照。

[編集] スポンサー企業

劇用車の全面提供、撮影場所の敷地提供。
地方ロケ時の各販売会社の社長・スタッフの出演、撮影協力など。
当時は深夜営業している小規模スーパーとして認識されていたからか、西部警察PART-Iでは、スーパー「ローソン」として登場していた。
劇用車のオイル交換でオートバックスの店舗に訪れるシーンがあったり、オートバックスの店舗が地方ロケ時の捜査の聞き込み先や事件現場になったりしていた)
北海道・京都ロケで、石原裕次郎の友人である宝酒造の当時の社長の大宮隆氏も登場していた。
  • 共豊産業(現・共豊コーポレーション)&エンケイ・アルミホイール
ほとんどの車両のホイールで同社の製品が使われていた。
バイクにおける劇用車の協力。
同社の塗色のまま企業ロゴの上に旭日章や「警視庁」の文字を貼り付けて警察ヘリコプターに仕立てていた)
第1話・第2話「無防備都市」ではヘッドホン式の無線機やその他の劇中、盗聴した電話や留守番電話を録音したテープを、東芝製のラジカセで再生する場面が幾度も登場する。特殊車両に搭載されているモニタも多くが東芝製。
車両走行、爆破シーンに使用するガソリンの提供。
地方ロケ時、出光興産のガソリンスタンドも登場していた。
特殊車両のトイラジコン、当時同社が製造販売していたミニカーシリーズ「ダイヤペット」、LSIゲームの発売。
特殊車両のプラスチックモデルシリーズの製造販売。

[編集] 西部警察・日本全国縦断ロケ

木暮課長役を演じる石原裕次郎が、乖離性大動脈瘤による長期にわたる闘病生活から復帰できた事を記念すると共に、闘病中自分を応援してくれた全国のファンに対するお礼と、自分の元気な姿を少しでも多くの人に見てもらいたいという意味を込めてPART-II~PART-IIIと股にかけて行われた、テレビドラマとしては異例の大規模な地方ロケ。

詳細は日本全国縦断ロケの項をご参照願いたい。

[編集] 各種データ

1979年から1984年までの放送の約5年間での数字

  • 制作数・・・236話
  • 平均視聴率・・・20%
  • 出演俳優・・・12000人
  • ロケ地・・・4500箇所
  • 封鎖した道路・・・40500箇所
  • 飛ばしたヘリコプター・・・600機
  • 壊した車両の台数・・・約4,680台(1話平均・20台)
  • 壊した家屋や建物・・・320軒
  • 使用された火薬の量・・・4.8t
  • 使用されたガソリンの量・・・12,000リットル
    • (爆破シーンをより効果的に見せるための火炎を発生させる為)
  • 爆破費用の最高額トップ5
    • 1位:5000万円(無防備都市で登場したLADY BIRD)
    • 1位:5000万円(最終回で登場したテロ組織のアジト)
    • 3位:4000万円(SPECIAL宮崎ロケで登場した要塞)
    • 4位:3000万円(福島ロケで爆破された犯人アジト)
    • 5位:1700万円(福岡ロケで爆破された漁船)
    • 参考までに車両1台の爆破の経費は約300万円

[編集] 使用車輌

本作における、もうひとつの主役。一部の車輌は特撮作品や、007シリーズに出てきてもおかしくない「スーパーマシン」として設定されている。破壊された車両数は4,680台とされているが、実際はそれほど多くない。2,000台ほどである。

[編集] 特殊車両

  • ガゼール・オープン - 日産自動車ガゼール(S11)PART-I第1話~第?話「品川88い‥77」PART-I第?話~PART-II第?話「品川58た25-78」(写真集で見られるナンバーは「品川58た25-78」)PART-III第?話~最終話「品川56た26-39」2006.4.12愛のエプロン3時間スペシャル「多摩501ゆ39-08」
    • 木暮課長専用車。自家用車のはずなのだが覆面パトカーとして作られており、初回初登場シーンでは木暮の身分が明かされない段階のため、警察官である事を視聴者に判らせる為か8ナンバー。一度赤色灯をダッシュボードで点灯させて現場に登場したことがある(後期エンディングでも点灯させている)。グローブコンパートメントに警察無線のモニターレシーバー、センターコンソールに自動車電話のハンドセットを装備。幌は(フェアレディZロードスターのような)畳み収納式では無く、支柱を車体に挿して装着するタイプ。
    • 劇中の設定では、一般車に比べて車高が20㎝低いことになっており、これに目を付けた犯人が逃走用車両として指定し、車高を利用して工事中のトンネルで追跡してきたパトカーをまいたこともある。
    • また、2006年春の愛のエプロン特番のオープニングで、渡哲也がテレビ朝日に乗り付ける際に使用された。
  • マシンX- 日産自動車スカイラインジャパン(C211後期) PART-I 第45話~第126話「品川58い97-35」、PART-II第1話~第14話「品川57た97-35」PART-III第47話「戦士よさらば」では「品川58た41-52」
    • 詳細は項目参照
  • 特別機動車両 サファリ - 日産自動車サファリ PART-I 第111話~第117話「品川88そ49-31」 PART-I 第118話~PART-II 第13話「品川88た71-11」 PART-II 第18話以降「品川88た11-10」
    • フロントバンパーに散水銃2門、ルーフ内部に高圧放水銃2門を装備する、特別機動車両隊・通称特機隊の旗艦となる指令車。定員3名。放水の必要がある時は、後部にポンプ付きの放水用タンク車を連結する(PART-III 鹿児島ロケではタンク車が故障したため、単体で放水した)。また潜望鏡式ビデオカメラ・レーダーを装備し、無線だけでなく電話回線の傍受・盗聴も可能である。放水銃・ビデオカメラ使用の際は、大型サンルーフを開ける必要がある。なお、この車両は大門が発注した唯一の車両である(他の車両は木暮の発注)。 上記の鹿児島ロケ(PART-IIIの17話)ではなく同じPART-III 第52話が最後の出番となり、以降本編に登場することはなかった。現在でも石原プロの車両倉庫に保管されている。
  • スーパーZ - 日産自動車フェアレディZ280(S130) 「品川33た35-27」
    • マシンXに代わる大門団長の専用車。AT車であり、ドア窓からルーフ部分を油圧ダンパー式フルオート・ガルウイングドア化。ボンネット上には2連装の催涙弾発射銃が2基搭載されており、運転しながらの発射が可能である。また、リアバンパー下部にはマフラーが5本出ているように見えるが、左右の4本は煙幕発生装置(通称「スカンク」)であり、中央部の1本が実際のマフラーである。 乗車定員4名。基本的に大門団長専用車であるが、沖田刑事、鳩村刑事、山県刑事が運転することもある。 保管はマシンX同様に西部署にあるスーパーZ専用の保管庫があり、シルバーのドアが両側にスライドして開くと暗闇の中からエンジン始動音とライト(赤色含)点灯、そして専用サイレンが鳴り響き発進、現場に急行する。
    • ちなみにスーパーZの撮影用車両は、2800ccNA(ノンターボ)エンジン「L28E」搭載のAT車と2000ccターボエンジン「L20ET」搭載のMT車の合計2台が製作されたと言われている。AT車はMT車と比べて運転しやすい事などから(設定上では、運転しながらRS軍団(後述)への指揮・通信や犯人への銃撃などが行いやすいようにガルウィング状のドアやAT車ベースの車両が採用されたと言われている)、2800ccNAのAT車のスーパーZが番組に登場する事となった。
      この為、登場しなくなったMT車を利用して、PART-IIIの第14話で、長塚京三演じる悪役が運転するスーパーZの偽物(ボンネット上の2連装催涙弾発射銃が機関銃に換えられるといった差異があるという設定だった)とサーキットでレース対決したシーンを制作。しかし、2台共MT車同士で対決しているストーリーになっていた。なお、エンジン音はATであるため連続的なものとなるはずだが、シフトダウンの時に空吹かしして回転を合わせるヒール&トーはMTでなければできない芸当で、モーターファンには不可思議な設定が多い。なお、この第14話の結末は二つ用意されており、お蔵入りとなった結末では長塚京三が使用した2000ccは爆破処分されている。
  • 日産・スカイラインDR30・RS(全車前期型)
    • 共通装備品…FET極東製エアロパーツ・エンケイ製メッシュホイール・サイレン(SPECIALのTVRタスカンも同じ音)・赤と黒のツートンカラー
    • カラーリングに関しては、当時活躍していた「シルエットフォーミュラ」を意識したものと言われている(SPECIALのMR-Sも、全日本GT選手権参戦マシンを再現したもの)。
    • マシンRS(情報分析車)「品川59た35-26」
      助手席をコンソール化して潰し、ここにサーチライト、サーモグラフィ対応ビデオカメラ、コンピュータ、無線機、および信号操作装置(シグナルコントロール:進行方向の信号を直前の色に関係なく青に変えられる)等を搭載している。また車内後部にもコンピュータ、無線機、プリンター等が搭載されており、進行方向に対して横向きに取り付けられた座席で操作する。この後部座席は、2ドア車であることに加え助手席にも大型コンピュータを置いているため、乗降に難あり(ドライバーがいると後部コンソール担当者は乗降出来ない)。スーパーZと共に配備され、主に沖田が運転。乗車定員2名。NAのFJ20Eエンジン搭載。最高時速255km。基本的には運転席および後部座席の2名で乗車し、コンピュータ他の装備は後部座席側で操作するが、ドライバー1名のみが乗車した場合でも、助手席側のコンピュータで各装備の操作が可能である。
    • 以下のRS1~RS3の3台のマシンを総称して「RS軍団」と呼称されることがある。
    • RS1(戦闘指揮車)「品川59た35-29」
      発砲して抵抗する犯人に対応するための単装機関砲2門が装備されている他、マフラーに擬装したアフターバーナーを装備し追跡時に威力を発揮している。 助手席に大型コンピュータを置いているため1人乗り。そのコンピュータには敵味方識別装置、逆合成アパッチャーレーダー、レーダーホーミング装置が装備されていた。エンジン出力(FJ20ET改)280ps。最高時速265km。 機関砲が使用されたのは、本車が登場したPART-IIIの16・17話のみ、アフターバーナー使用の描写も16話と33話のみである。初登場の時は大門が運転していたが、主に山県刑事が運転する。
    • RS2(情報収集車)「品川59た35-28」
      無線傍受用アンテナ・サンルーフ・4連装特殊弾発射筒(トランク内、劇中では未使用)、センサー信号処理装置、パルスドップラーシステムなどを装備している。また反転式パトライトを車体後部側面に格納している。アンテナ等を装備する為にRS1、3に装備されている大型パトライトは装備されていないので覆面車両として使用しやすいはずであるが劇中でそのような出番は無かった。 乗車定員2名。エンジン出力(FJ20ET改)280ps。最高時速260km  主ドライバーは五代刑事。
    • RS3(情報分析車)「品川59た35-26」
      旧マシンRS。RS-1、RS-2登場を期にRS-3に変更された。マシンRSにルーフ上の大型パトライト・エアロスプリットなどのエアロパーツの追加と、タイヤサイズの変更といった再改造を実施。 初代マシンRSであるのにナンバー取りの順番が最後になった理由は不明。主に北条刑事が運転していた。
    • 不思議なRS - 主にPART-II名古屋ロケ以降からPART-IIIまで登場し、ドアミラーの色が赤色になる。マシンRSの影武者の車両で、名古屋ロケのあたりにはすでに、マシンRS役の車両のRS3への再改造が始まっていたための出演と考えられる。
  • スズキ・カタナ - スズキGSX1100S KATANA
    • PART-IIから使用された鳩村専用のバイク。PART-III終盤で大破炎上してしまう。
  • スズキ・カタナR - スズキGSX1100R
    • 上記のカタナの後に乗り換えたバイク。後年に発売された市販車ではなく、ロケ用オリジナル改造車。レース出場用として製作していたものを警察車両に転用したもの。エンジンは、元々レース用としてチューンアップされた為、公道用にデチューンされた可能性がある。エンジンの他、パワーアップに対処する為、大型オイルクーラーに換装するとともに、サスペンションとフレーム周りを強化。エンジン出力170ps。最高時速270km。ゼロヨンタイム10秒。前照灯脇に赤色点滅灯を備え、鳩村用バイクとしては唯一緊急走行が可能。
  • ※大門軍団が対峙する犯人は武装している率が高い以上、特装車両は防弾仕様である事を要するはずだが、その事に触れられたエピソードはなく、更にはその割に被弾した様子もないのがいささか不思議ではある。

[編集] スーパーマシン以外の車両

普通の黒パト(覆面パトカー)や白パト(白黒パトカー)として登場していた。
赤色回転灯がバータイプ(散光式警光灯)のものは非破壊用、丸型(ビーコン)タイプのものは破壊用として使われた。但し、両車とも前面警光灯は装着されていない。破壊を前提としているための予算削減策であり、同様の理由から旭日章も装着されず(スポンサーである日産に配慮し旭日章取付位置にあるエンブレムを活かすためもある)、スピーカの省略、高価なバータイプは載せ替えを容易にするためキャリアを用いてガーターに取り付ける方法を用いた。
(SPECIAL宮崎ロケでは、ブーメランタイプが非破壊用、バータイプが破壊用で、共に前面警光灯を装着)
事故を起こしたパトカーはほぼ必ず大破かあるいは爆発炎上する。
主にPART-Iの頃に破壊役となっていた。しかも、登場が前期型の最低級グレードスタンダード(STD)から登場し、回を重ねるごとに上級グレードや後期型もスタント用となる。また、生産台数の少ない稀少なグレードもまれに登場するが、そんな事は関係なしにスクラップとなる。
    • 330
レギュラー車 331セドリックセダン後期型2000GL-E(コラムAT) マシンX登場まで大門が重用。その後もPART-III初期まで使用されていた。大都会 PARTIIIから継続使用の黒パト。「品川57さ82-74」ほか。実際のナンバーは「多摩57ほ82-74」である。
レギュラー車 331セドリックセダン後期型2000DX 大都会PART-IIIから継続使用。黒パト1台、白パト4台。黒パトのほうは、430セドリックの黒パトが2台になったのを期に予備車化している。その後、縦断ロケ静岡編にて色をシルバーに塗り替えてブルーバードとの激突戦に使用された。
準レギュラー車 330グロリアセダン2800SGL 北海道ロケから登場、東京でも一部の回で使用。
スタント用 PART-Iの終盤に前期型のSTDDXなどの低級グレードが壊され始め、全国縦断ロケからではGL系など。珍しいものでは兵庫ロケにおいて前期型グロリアの2800ccモデルの4ドアHTが登場するが破壊されていない。
    • 430
西部警察が放送開始された昭和54年10月直前の、昭和54年6月にフルモデルチェンジされたばかりの新型車であった為に、スタントカーとして壊された印象は無い。
レギュラー車 430セドリックセダン200 GL(フロアMT、2台) 第1話~PART-IIの第5話まで。黒パト1台(途中から白パトを塗装し直して2台へ)、白パト3台(途中からは2台)。黒パト1台目「品川58た68-12」2台目「品川58た68-14」
レギュラー車 431セドリックセダン200E GL PART-II第6話~PART-IIIのY30型への代替まで。黒パト3台(MT 2台、AT 1台)、白パト4台(MT)。黒パト1台目「品川59た35-17」2台目「品川59た35-21」3台目「品川59た35-22」
スタント車 PART-IIの名古屋ロケ前後からは、430型の中ではタクシーなどに使用される最低級グレードのSTDが破壊役として登場する。PART-III第5話では、PART-I時代に使用されていた前期型GLが大爆破するなど、軽いスタント用としてPART-IIIでは前期型も登場するようになる。
    • Y30
PART-III放送中の昭和58年6月、セドリック・グロリアは430型からY30型にフルモデルチェンジされたが、西部警察ではすぐにY30型には代替せずに半年以上経った頃の回から使用。登場していた回数が少なく、西部警察の劇用車として430型と比べてY30型は影が薄い存在であったようだ。
レギュラー車 Y30セドリック4ドアHT前期型V20ターボSGL 日産自動車の広報車。「品川59つ37-14」「品川59つ37-15」。
    • 放送終了後
劇用車のY30型セドリック4ドアHT・V20-TURBO SGLは、後継番組の『私鉄沿線97分署』の劇用車として引続き使用され、その後『特捜最前線』・『あぶない刑事』の劇用車として使用されていた。なお、『西部警察』の劇用車と『特捜最前線』の劇用車とは、車種も色もグレードも同一であり車両ナンバーも連番になっていた。「品川59 つ37-13~37-16」
    • SPECIAL宮崎ロケ
Y31セダン中期の覆面車・Y31セダン最終型のパトカー・Y32のパトカーが各2台、Y33グランツーリスモの覆面車が1台投入。Y31中期Y32は破壊用。
  • スカイライン
    • C10型(愛称:ハコスカ)・・・デビューから年月が経っていたため登場は多くないが、PART-I時に横転に巻き込まれる一般市民の車や犯人車両で登場し、一応の警察車両として登場するのはPART-IIIでジュンがサンデーラリーに出場した際に使用した4ドア2000GTを勝手に覆面パトに改造して着任日に登場する(ただし、登場回劇中終盤で爆破)。
    • C110型(通称:ケンメリ)

PART-Iの時は主にボディ色シルバーのものが犯人車両としてPART-II以降に全国縦断ロケが開始されてからは専ら破壊役の白パトとして登場。年式的に古かった為破壊されることが多い。

黒パト C110スカイラインセダン2000GT 広島ロケのチチヤスハイパークで431セドリックのスタント車として登場。鳩村刑事が使用。途中で改造車ベースに摩り替わる。
黒パト C111スカイラインセダン2000GTX-E 広島ロケで431セドリックのスタント車として登場。平尾刑事が使用。
白パト 主に4ドアセダンが年式・グレードを問わず破壊される。一部の地方ロケでは2ドアHTのショートノーズも使用。
    • C210/211型(通称:ジャパン)
逃走車輌 C210スカイラインセダン2000GT-EX PART-Iのときに誘拐専用の犯人車両として登場。
白パト C210スカイラインセダン2000GT PART-III宮城ロケの日産サニー宮城での追跡シーンで犯人車輌に追突されて大破。
白パト C210スカイラインセダン1800TI PART-III大阪・神戸ロケ、横転した別のパトカーに追突して炎上。
マシンX C211スカイライン2ドアHT2000ターボGT-E 第45話。スタント用を含め6台製作されたため、回によっては「ターボGT-EX」や「ターボGT-ES」ベースに製作された車輌が登場することも。
    • R30
白パト DR30スカイラインセダン前期型2000RS サファリ登場から。主立って活躍するのはPART-II第6話以降。デビュー当初は純正のスチールホイールだったが、後に他の劇用車に倣いアルミホイールへ変更。「品川88と71-45」
白パト HR30スカイラインセダン前期型2000ターボGT-ES 同上。「品川88と71-53」
白パト S31フェアレディZ 200Z-L 2/2 「大都会PART-III」より継続使用。後に色を塗り替えて石原裕次郎から石原良純にプレゼントされた話は有名である。
逃走車輌 S31フェアレディZ 200Z-L 2/2 「大都会PART-III」より継続使用。またPART-I 104話の「栄光への爆走」では犯人役のクルマとして登場し、芝浦の運河をジャンプするシーンがある。ストーリー上、劇中ではジャンプに成功したことになっていたが、実際は横転し大破している。ただし、横転したのはスタント用の車輌。
白パト C130ローレルセダン後期型 排気量が1800cc~2000ccのものがPART-Iの九州ロケ以降全国縦断ロケで破壊役として登場。
白パト C130ローレル2ドアHT後期型 同上。
    • C230
黒パト C231ローレルセダン2000SGL-E フロアAT車。第1、2話で大門が使用。以降犯人車輌に転用(何故かエンケイ・共豊が協力してからも純正のホイールキャップのまま使われた)。
白パト C230ローレル4ドアHT 宮城ロケ。
白パト C230ローレルセダン 宮城ロケ。東京では東部署のパトカーとして登場し、襲撃されごみ置き場に突っ込む。
白パト C231ローレルセダン 宮城ロケ。
その他 前後期問わず、犯人車輌や横転させる市民の車など。
    • C31
セダン、HTとも犯人車輌として登場。
    • SPECIAL宮崎ロケ・・・C35型が1台使用。
PART-I第31話で桐生の自家用車として登場する。
    • 610
白パト 610ブルーバードセダン後期型2000GT-X 福島ロケ。バズーカ砲で撃たれ炎上。
    • 810
白パト 810ブルーバードセダン1800 名古屋(愛知)ロケ。バズーカ砲で撃たれ炎上。
犯人車輌 811(後期)型のセダンが登場。「大都会PART-III」より継続使用。
現金輸送車 810(前期)型のワゴン。
    • 910
白パト 910ブルーバード4ドアHT後期型1800SSS-E PART-II第6話以降。「品川88 と35-24」
  • TU-189 LADYBIRD
    • PART-I第1・2話「無防備都市」で登場する米軍の多目的装輪装甲車。125mm砲(現在の公式設定では150mm砲)や機銃2門を搭載しており、車内に装備した高性能射撃統制装置によって民間用ヘリコプター相手なら対空射撃も可能である。日本の軍事政権化を画策する富豪、大河内の意を受けた3人の傭兵によって南富士演習場から強奪され東京を暴走し、西部署管轄を狙って暴れ回り警察車輌十数台、ヘリコプター1機を撃墜、警察官を多数死傷させ、テレビ朝日へと入られたが、大門軍団の作戦により廃倉庫へ追い詰め、傭兵を1人射殺、火炎瓶を投げ込まれ内部が炎上、2人を脱出後に逮捕。内部に残った大河内もろとも炎上破壊された。 実際にはコマツのショベルドーザー(ショベル式ブルドーザー)をベースに製作したもの(公道ロケをする上でクローラでは路面に傷をつけるためタイヤになった)とされ、撮影終了後は上部に乗車用の籠を取り付け伊豆の遊園地でアトラクションとして使われたり、建機販社に展示されたりしていた。現在は個人所有で私有地に置かれている。背景は違うものの、現実にこれに似たような事件が近年アメリカでも起きた。(→キルドーザー事件)
      • LADYBIRDが破壊したもの(1話):セドリック230*4(2台は踏みつぶされ、2台は銃撃)、機動隊バス(L.B.が突っ込み側面破壊)、警視庁ヘリコプター
      • LADYBIRDが破壊したもの(2話):テレビ朝日のオープンセット、ダンプカー、セドリック230*4(L.B.の主砲の直撃を受け爆破が3台、大門がL.B.を罠にかけるために蜂の巣になったのが1台)
  • トラック・バス
    • 日産の系列である日産ディーゼルの車両が使われることもあったが、地方ロケなどでは日野三菱ふそういすゞといった他メーカー車種も使用されている。その際には提供の日産に配慮してペットマークや車名に目張りをし、何処の車かわからないようにしていた(一部の車両は目張りしていない)。特にバスは「バスジャック→警官隊の一斉射撃→爆破」がお決まりのパターンであったために、実際のバス会社で廃車になったバスの払い下げを使用したため、車種や塗装に統一感がない。
  • ロケ用車両
    • いすゞフォワードキャリアカー・・・劇用車輸送用。2台作成され、後の「ゴリラ・警視庁捜査第8班」「代表取締役刑事」でも活躍した。
    • 日産シビリアンキャンピングカー・・・後の「ゴリラ・警視庁捜査第8班」富士樹海のロケシーンにて破壊。

[編集] スタッフ

[編集] シリーズ

  • 制作:石原裕次郎
  • 企画:小林正彦(石原プロモーション)、高橋正樹(テレビ朝日)
  • プロデューサー:石野憲助(石原プロモーション)、星裕夫(テレビ朝日)
  • 俳優担当プロデューサー:小島克己
  • 音響効果:小島良雄(東洋音響)
  • プロデューサー補:岩崎純、高山正彦、仲川幸夫
  • 音楽ディレクター:鈴木清司
  • 衣装:第一衣装
  • 美粧:山田かつら
  • 小道具:高津映画装飾
  • 現像:東洋現像所
  • 協力:日産自動車
  • 企画協力:ブローバック・プロ
  • 撮影協力:朝日航洋(旧・朝日ヘリコプター)、共豊産業(現・共豊コーポレーション)(PART-I 第56話より)、エンケイ・アルミホイール(PART-I 第56話より)、出光興産、鈴木自動車工業(現・スズキ
  • 制作 :石原プロモーション テレビ朝日

[編集] PART-I

  • 脚本:永原秀一、柏原寛司、峯尾基三、宮下隼一、新井光、和久田正明、日暮裕一、那須真知子、杉村のぼる(杉村升)、浅井達也、大野武雄、永海秀国、平野靖司、駒田博之、宮田雪
  • 監督:渡辺拓也、澤田幸弘、小澤啓一、村川透、長谷部安春、宮越澄、西村潔、荻原達
  • 助監督:天間敏弘、丸久夫、萩原達、鷹羽邦彦、原隆仁
  • 音楽:宇都宮安重(編曲:石田勝範 演奏:ホーネッツ)
実際には宇都宮安重が編曲も行った曲や石田勝範が作曲した曲も存在する。

[編集] PART-II以降

  • 脚本:新井光、峯尾基三、大野武雄、宮下潤一、那須真知子、柏原寛司、永原秀一、日暮裕一、宮田雪
  • 監督:小澤啓一、渡辺拓也、澤田幸弘、宮越澄、村川透、萩原達、辻理、原隆仁
  • 助監督:原隆仁、萩原達、森清和夫
  • 音楽:羽田健太郎(演奏:高橋達也&東京ユニオン)

[編集] 主題歌

オープニングとエンディングにはインストゥルメンタルのテーマ曲が使用され、主題歌は一貫して石原裕次郎の曲が使用されており本編のラストシーンに挿入されるのが通例だった。

  • 『みんな誰かを愛してる』(PART-I前半、PART-III最終話)
  • 『夜明けの街』(PART-I後半)
  • 『時間(とき)よお前は…』(PART-II初回からPART-II終盤まで)
  • 『勇者たち』(PART-II終盤からPART-III中盤まで)
  • 『嘆きのメロディー』(PART-III中盤から)

[編集] 挿入歌

挿入歌は「コーナーラウンジ」(通称・カド屋)や「セブン」のシーンで、歌手の弾き語りという形で使用されていた。

  • 『愛のゆくえ』(PART-I前半、歌:幸田薫)
  • 『想い出はたそがれ色』(PART-I後半、歌:幸田薫)
  • 『通り雨』(PART-I終盤からPART-II中盤まで、歌:豊島ひとみ)
  • 『男と女のWALTZ』(PART-II後半からPART-III中盤まで、歌:八木美代子)
  • 『つ・ま・ん・な・い』(PART-III後半、歌:八木美代子)
  • 『風の招待状』(PART-III終盤)※PART-II以降のテーマ曲に歌詞を付けたもの

また、各シリーズで一度ずつ、木暮が石原裕次郎の歌を歌うシーンがある(PART-I第48話で『ブランデーグラス』、PART-II第28話で『涙は俺がふく』、PART-III第31話で『思い出さがし」を歌った)。いずれも本筋とは関係ない楽屋ネタだが、これによりPART-Iの放送開始前に発売されていたものの売れ行きが伸び悩んでいた『ブランデーグラス』はヒットすることになった。

更に木暮だけでなく大門も同様に、PART-I第53話冒頭で『ちいさな春』、PART-II第13話冒頭で『無理をするなよ』と渡哲也の歌を歌うシーンがある。

[編集] PART-I,II,IIIが放映されたネット局

※印は、全国縦断ロケで登場し製作協力に参加した局。○印はパートIII最終回でも製作協力した局

[編集] パチンコ

パチンコ機として、ニューギンから2002年に「CR西部警察」が登場。演出が好評で、人気機種となる。さらに2005年夏、続編となる「CR西部警察2」が登場。液晶が大型になり、CPUの性能向上により、前作より当時の映像がふんだんに使われるようになった。

[編集] 補足

何度も地上波放送や衛星放送で再放送が度々行われた。特に、1999年石原裕次郎の十三回忌記念として、全国のテレビ朝日系列で再放送が行われ(2004年のリメイク版放送直前にもPART-I「無防備都市前後編」が一部系列局でも再放送された)、新規ファン獲得とともにリバイバルブームを巻き起こした。2002年2005年にはニューギンからパチンコ機としても登場し、放送が終了した現在でも、根強い人気を得ている。

現実の警察機関からは、凶悪な事件が頻発することや、それに対処する西部署の刑事たちの捜査や犯人との対決も非常に過激であることから、警察のイメージダウンになるとクレームがくるほどであった。実際、人気ドラマであったにも関わらず「西部警察」が警察広報に取り入れられたことは一度もない。また、台湾でも放映されて人気を博したが、現地の暴力団員たちには、犯人達ではなく大門軍団が憧れの的であり、そのファッションが彼らのお手本になったという。

[編集] 外部リンク

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