しなの鉄道
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種類 | 株式会社 |
本社所在地 | 386-0018 長野県上田市常田一丁目3番39号 |
電話番号 | 0268-21-4700(代表) |
設立 | 1996年5月1日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 旅客鉄道事業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 井上雅之 |
資本金 | 23億6445万円(2005年4月1日現在) |
従業員数 | 233人(2005年4月1日現在) |
主要株主 | 長野県 95.42% 長野市 0.74% 八十二銀行 0.51% 上田市 0.42% 千曲市 0.38% 千曲バス |
外部リンク | www.shinanorailway.co.jp/ |
しなの鉄道株式会社(しなのてつどう)は、長野県にある第三セクター方式の鉄道会社。
目次 |
[編集] 概要
北陸新幹線(長野新幹線)の開業の際に東日本旅客鉄道(JR東日本)から経営移管されることとなった信越本線・軽井沢駅~篠ノ井駅間を運営する会社として設立された。この区間はしなの鉄道線となった。
長距離利用客が長野新幹線に転移したことなどにより、開業当初から経営は苦しく、2001年9月の中間決算では累積赤字が24億円以上になり、資本金23億円を上回る債務超過状態に陥った。そのため、同年に、「しなの鉄道経営改革に向けての提言」を策定。2002年6月からは旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)から杉野正を社長に迎え、退任するまでの2年間に高齢者の乗降介助を行う「トレインアテンダント」やサポーター制度の新設といった経営改革を進めた。また、最も集客が見込まれながら、未だに「篠ノ井線の特急列車のダイヤ調節のため」と、JR東日本が経営権を握っている篠ノ井~長野間について、早期に譲渡するよう求めている(しかしこれには「しなの」を乗り入れさせているJR東海も関与するため、実現はやや難しく、北陸新幹線長野以北の開通以降も篠ノ井~長野間はJR東日本の経営のまま残る可能性もある)。開業直後には多くの駅でJR東日本線への連絡乗車券が発売されていたが、2002年に連絡乗車券の発売駅・発売範囲が大幅に縮小され、使用されなくなった発券機は会社の公式ホームページで一般向けに販売された。
杉野正社長の経営手腕により、しなの鉄道は減価償却費前の利益で黒字計上するに至ったものの、2004年には減損会計導入を進めたい田中康夫知事(当時)と「上下分離方式」を主張する杉野正社長が対立を起こして杉野正社長が辞任した(なおその後、杉野正社長は埼玉高速鉄道の代表取締役に就任し、2007年4月の神奈川県知事選挙に立候補)。その後、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)の元社長であった井上雅之を社長に迎えて減損会計に踏み切り、その結果、2005年度決算において開業以来の初めて最終損益において黒字を計上するに至った。井上雅之社長の下でも駅構内で宝くじを販売するなどの事業を展開している。
当然のことながら、かつて存在した信濃鉄道(現在のJR大糸線の一部)とは何の関係もない。
[編集] 歴史
- 1996年5月1日 設立。
- 1997年10月1日 しなの鉄道線 軽井沢~篠ノ井間が開業。
- 2001年3月22日 運賃改定。JR東日本との乗継割引額を縮小。
- 2002年3月25日 本社を長野市から上田市に移転。
- 2002年7月12日 レールサポーター・トレインサポーター募集開始。
- 2002年9月9日 主要駅や列車に「トレインアテンダント」を配置。
- 2002年10月1日 JR各社との連絡運輸取扱範囲縮小。
- 2006年7月1日 「しなの鉄道ファンクラブ」創設。
- 2007年6月1日 運賃改定(現行の12.5%値上げ。初乗り運賃が160円から180円に)およびJR東日本との乗継割引運賃を廃止(予定)
[編集] 路線
路線についての詳細は下記の記事を参照のこと。
[編集] 車両
2006年現在保有する車両は、転換の際にJR東日本から譲り受けた国鉄形電車のみである(169系のうち3両は1998年にJRより購入した)。
169系についてはかつて置換えの計画があり、2002年ごろには営団地下鉄(現東京メトロ)から5000系を購入する計画があったが財政難で消滅し、2006年度より低コストタイプの新型車両を導入することが決定(2両編成×5本を3年計画で登場させる予定)したため、中古車両購入計画は消滅した。しかしその後経営状況により、新型車両導入もしばらく見合わせると公式ホームページで発表されている。
車両の検査は長野電鉄のグループ会社で屋代駅構内に工場がある長電テクニカルサービスに委託している。
[編集] 特記事項
2005年より、鉄道施設内での映画、テレビドラマ、コマーシャル撮影の誘致を開始し、同年より撮影が行われている。
[編集] しなの鉄道ファンクラブ
旧称「トレインサポーター」・「レールサポーター」。
- トレインサポーター:車両の保守費用を援助するもの。
- レールサポーター:レールの保守費用を援助するもの。
2006年にはこの二つを発展統合し、「しなの鉄道ファンクラブ」が創設された。 入会金は1万円で、特典として「期間限定フリー切符」「会員証の進呈」「ビアトレイン招待」などがある。