たかじんnoばぁ~
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たかじんnoばぁ~ | |
ジャンル | バラエティ |
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放送時間 | 土曜日24:00~25:00(60分) |
作 | よみうりテレビ |
出演 | やしきたかじん トミーズ雅 |
放送国 | 日本 |
放送局 | よみうりテレビ系 |
放送期間 | 1992年10月~1996年7月13日 |
たかじんnoばぁ~(たかじんのばぁ~)は、1992年10月から1996年7月13日に放送されていたよみうりテレビ制作の深夜番組で、土曜深夜24:00 - 25:00で、1994年4月から最終回までは23:45 - 24:45の時間帯に放送された(東京・日本テレビでは1993年4月から放送開始、土曜日深夜2時台に放送されていた)。
目次 |
[編集] 概要
スタジオにカウンターバーのセットを組み(通常、放送には移らないカメラ後方も含めスタジオ全体にセットを建て込んでおり、非常に画期的なセットデザインであったと言われている。この件後述)、マスター役のやしきたかじんとバーテンダー役のトミーズ雅が、バーの客としてやって来たゲストとともに本物の酒を飲みトークするというスタイルであった。たかじんは収録が進むうちにヘベレケになり、編集音「ガオー」無しでは放送できないような発言、暴言を繰り返した。だがその過激トークの面白さが評判を呼び、キー局の日本テレビ等の系列局でも放送されるようにもなった。この編集音の「ガオー」がこの番組の代名詞となる。
放送時間が深夜0~1時台を過ぎているにもかかわらず、最高視聴率が25%を超えるなど(関西地区)、よみうりテレビ史上深夜番組の最高視聴率記録を更新する快挙も達成した。このため、「スポーツうるぐす」の放送が開始された1994年4月からは、本来ならばローカル放送時間枠のスタート時間が従来よりも25分繰り下がる編成となったにもかかわらず、視聴率が異例ともいえる好調ぶりであったために、先にこの番組を放送して「うるぐす」をキー局よりも1時間遅れの録画放送とする編成を組んでいた。(なお、「たかじんnoばぁ~」の終了と共に「スポーツうるぐす」の放送時間も全国と同じ夜23:45からの放送に変更された)。
[編集] 番組の特徴
- この番組はバースタイルのトーク番組の発祥ともいえる存在で、番組を立ち上げる際たかじんが「中途半端なセットは絶対アカン。この番組が成功するか否かはセットにかかっている。」とまで言い切り、読売テレビの社長に直訴し、関西ローカル制作では破格ともいえる1500万円をかけたバーのセット(洋風と和風の二つのスタイルがあった。)を製作した。酒も本物の酒で国内はもとより、世界中から取り寄せ、その種類の豊富さは他の追随を許さず、出演者が「よくこんなに集めたものだ」と感心するくらいであった。また、バーテンダーにたかじんとは祇園で弾き語りしていたころからの古くからのつきあいで本物のバーテンダー金崎公三(祇園花見小路「アクアマリン」マスター)を起用した。いたるところに水商売出身のたかじんのこだわりが見られる。
- 番組のゲストには意図的に、全く異色の組み合わせを起用し、必ずコントに出演する決まりになっていた。コントの内容は大半がベタなオチで終わるものであったが、出演者のキャラクターと番組の雰囲気が相俟って、不思議なおかしさを醸し出していた。
- カラオケやギターが用意されており、たかじんや出演者が歌うこともあった。よく番組の最後でたかじんが自分の持ち歌やお気に入りのジャズ・シャンソンを歌っていた。
- 番組は原則として2本撮りで、2本目にはたいがいたかじんは泥酔していた。
- 放送できない発言は「ガオー」という編集音が入り、口元に「ガオー」と書かれたテロップが貼られる処置が施されていた。これは同局で既に放送されていた「鶴瓶・上岡パペポTV」において、上岡龍太郎が放送上不適当な言葉を発した際に表示される「マル禁」テロップと、パトカーのような警戒音によるごまかしの手法を応用したと言われている。この「ガオー」がこの番組の名物となり、出演者からは放送禁止用語・暴言がでたときは「ガオー入れといて」言われるくらい有名であった。
- ツッコミ・解説スーパーを放送開始当初から使用していた(放送開始当時はまだ珍しかった)。この番組では画面中央付近に白い文字で、やや控えめな大きさで表示していた(使用されていたフォントは写研の「ナミン」)。
[編集] 番組の歴史
- 記念すべき第1回のゲストは、星野仙一と鳳蘭で、たかじんが鳳蘭と宝塚で共演した話で盛り上がり落ち着いた雰囲気の放送だった。
- 坂田利夫がゲストで出演したとき、番組の収録に参加していた女性に「×××(関西でお馴染みの3文字)させて」と口説いた。これが、「ガオー」の記念すべき(?)第1号である。この発言がきっかけとなり、たかじんがギターを弾きながら「×××させろ」と叫ぶと、大竹まことに「頭出せ」とハリセンをくらう。さらに円広志にいたっては、カウンターに立って腰を振って踊りながら「×××さしてーな」と連呼する狂態を演じ、これもまた大竹まことからハリセンの嵐を受け、「お前、人間として考えて喋れよ、人間として!」と突っ込まれた。歯止めが利かなくなり坂田利夫が放送できない下ネタを連発し、ついには出演者全員が「ガオー」のオンパレードとなった。
- 基本的にこの番組は二本撮りで、カルーセル麻紀、中田ボタンらが出演したときは収録の2本目でたかじんは泥酔しており、最初から放送禁止用語を連発し、「ガオー」の連発や「諸般の事情によりこれ以上放送できません」とテロップが入りカットされる事態になり、番組の放映時間が半分も経過しないうちに、たかじんが「もう放送でけへん×××」と叫ぶと、ついに出演者が全員泥酔し放送不可能な状態になり(その後もこのようなケースが続発し、ついには出演者が喧嘩する事態に及ぶケースも多々あった。)、「出演者全員が酔っ払ったためこれ以上放送できません」とテロップが入り急遽総集編に切り替わる事態になった。(しかし、このときの視聴率が19%を超え、当時の視聴率の新記録を達成し、スタッフは中途半端な編集でなく最初から総集編で行くべきだったと後悔の念を抱いていたという。)
- 梅宮辰夫、安岡力也ら初めてが出演したときは、最初たかじんと安岡力也は険悪な雰囲気だったが、この収録がきっかけで意気投合する。安岡力也のエピソード(山羊に手を出したとか、局部に真珠を埋めたなど)を惜しげもなく披露した。この番組で安岡力也は「××チュウ(中毒)」という言葉を定着させる。
- 堀内孝雄が初めて出演したときは、たかじんと桃山学院高校時代の同級生であることで盛り上がり、二人を比較されたとき、コンプレックス故かたかじんは不機嫌な顔をしていた。
- 桂ざこばが初めて出演したときには、その数年前に舞台についての考え方で(かつて、ラジオでたかじんがざこばがサンケイホールの独演会を休業したことを「サンケイをケツ割った」と発言し、その後、当時たかじんが司会していたナイトinナイトでそのことで口論となりざこばが憤慨し本番中に帰り、当時の関西の新聞にも大きく取り上げられる事態になった。余談だが、たかじんが50歳のバースディコンサートでコンサートを休止した際に、「ざこば兄さんの気持ちがようわかったわ」をざこばに言っていた。)喧嘩し、犬猿の仲だったが、この番組で和解。その後仲の良さは説明するまでもなく、たかじんのレギュラー番組でも欠かせない名脇役として活躍。このときの放送ではたかじんとの飛田新地での武勇伝を惜しげもなく披露し、例の如く「ガォー」を連発した。
- 谷村新司、上田正樹が出演した時には、たかじんがガンダムの主題歌を歌っていたことや、たかじんの「やっぱ好きやねん」と上田正樹の「悲しい色やね」と混同されるなど、歌に関する話題で盛り上がった。トミーズ健が谷村新司の顔を見るなり、「チンペイさんて貧乏人顔ですね」を暴言を吐き、背後からたかじんにお盆で頭を殴られるは、コントではたかじんが「いい日旅立ち」「昴」を題材に谷村本人を目の前に、谷村の禿頭をネタにギターで歌うなど無茶苦茶な内容であった。
- 宮川花子が出演したときには、癌で闘病していたころのエピソードにたかじんが感極まって泣き出すという非常に稀なシーンがあった。
- 番組開始から約半年過ぎたころに、ビートたけし、島田洋七、川中美幸が出演し、最初は互いに重たい雰囲気だったが、番組が進むにつれ、堰を切ったように喋りだし、トミーズ雅は感極まって泣き出すは、島田洋七は大嘘を連発するは、たかじんとたけしは暴言(「ガオー」)を連発し、カラオケではたかじんが「やっぱ好きやねん」で口火を切ると「ICHIZU」も熱唱。「この番組は乾杯!トークそんぐではありません」とテロップが流れるくらいカラオケ合戦になり、たけしが「六本木ララバイ」「壊れかけのRadio」、洋七は「宗右衛門町ブルース」、川中は「大阪で生まれた女」、雅は「なめとんか」を歌った。たかじんのあまりの熱唱ぶりにたけしは「こんなに歌い上げられたらおれたちどうすりゃいいんだよ」と多少困惑気味だった。ついにはたけしが「おい、これはいったいどんな番組なんだ、いいのかよこんなんで」と呆れる位番組というより完全に店状態になっていた。しかも、たけしはノーギャラで出演していた。(余談だが、番組を出演する条件に(1)ギャラはいらねえ(2)大阪のうまいもの食わせろ(3)お姉ちゃんいるところで飲ませろ(4)宿泊場所を確保してくれ の4項目であった。この収録後、新地でたかじんとたけしと洋七が無礼講でやりたい放題やっていた。)このときの放送で深夜0~1時台で23.4%という驚異的な視聴率を記録した。
- 金田正一、熊谷真実、森公美子らが出演したときは最初から下ネタのオンパレードで、あまりの凄さにさすがの金田も「なんちゅう番組や」と呆れ返っていた。
- 川藤幸三、加藤博一、山口美江らが出演したときは、かつて川藤が「辛子明太子」のことを「幸子(さちこ)明太子」と言っていたことや、たかじんが米問題をテーマに「たかじんのニュースステーション」と題して、暴言の連続あり、極めつけは番組の最後にたかじんが「ICHIZU」を熱唱し、その熱唱ぶりに感動した山口が「凄くいい歌、どうしてヒットしなかったんですか」と発言すると、たかじんはずっこけ爆笑の渦となり、たかじんが「ヒットしたのよ、狭い範囲(関西地方)でしたのよ」と叫んだ。ちなみに、この放送で25.1%という驚異的な視聴率を記録した。
- 秋野暢子が出演したとき、たかじんが遅刻し、しかも泥酔している始末。番組の最後でたかじんが「東京」を歌うも感極まって泣き出し「すんませんでした」を連発するという珍しいシーンがあった。
- 島木譲二が出演したとき、収録時間内だけで缶ビールを10本以上空け、終盤の頃にはベロベロに酔っ払って訳のわからないことを言う始末であった。
- 岩城滉一、かたせ梨乃らが出演したとき、最初は堅苦しい雰囲気だったが、横山たかし、坂田利夫らが包茎の話題を持ち出すと、男性出演者が全員包茎であることが判明し、大いに盛り上がった。番組の最後にたかじんが「東京」を歌った。
- 定番コントの中には「飲めないカクテル」を作って無理やり飲ませるネタがあった(例、ウォッカをベースに七味唐辛子や正露丸を混ぜる、ビールを熱燗にする)。北島三郎がゲスト出演したときは海の幸を混ぜ合わせたカクテルを一気に飲み干した。
- 立川談志、周富徳らが出演したときは、談志が顔に女性の局部の絵を書いて出演し、番組中盤ではオウム真理教事件についてたかじんが暴言のオンパレードで当然放送できず、音楽が流れた。ついにスタッフから「放送できることを・・・」というプロンプが出される始末。それでもたかじんのオウム真理教や麻原彰晃へ対する暴言は止まらず、「ガオー」の連発になり、トミーズ雅から「全部放送でけへん」と言われるまで凄まじいものであった。番組終盤では、過激な下ネタのオンパレードになった。あまりに過激なため東京では放送が臨時休止になったほどである。(番組の歴史の中で、過激な内容を理由とした東京での臨時休止は何度かあった。)
- 最終回は再びビートたけしが出演し、たけしが「最終回やめようよ、おれもやるから」と言い、出演者がこれまでの番組の歴史を振り返りながらしみじみ語った。たかじんが「東京」を歌うと、たけしが「壊れかけのRadio」を歌った。最後は当時たかじんの新曲であった「もしも夢が叶うならば」のプロモーションビデオが流れ番組の幕を閉じた。
[編集] 出演者
- やしきたかじん
- トミーズ雅
- 金崎公三(バーテンダー:たかじんとは祇園で弾き語りをしていたころからのつきあい。祇園の花見小路で「アクアマリン」のマスターをしている。)
- 大竹まこと(最初の半年間のみレギュラー)
[編集] スタッフ
- 企画 : KURU KURU ばぁ~
- 構成 : 鹿島我、東野博昭(東野ひろあき)、古川嘉一郎
- コント作 : 東野博昭、上田信彦、長川千佳子、鹿島我
- 技術 : 岸田功、野村武史、橋本喜隆(YTV)
- 照明 : 廣江貞雄(YTV)、関東電機
- 音効 : 青地瑛久(サウンドエフェクト)
- VTR編集 : 南方裕之(YTV)
- MA : 飯野龍秋
- 美術 : 伊藤大樹(YTV)
- 大道具 : つむら工芸
- 小道具 : 高津商会
- 衣裳 : 東京衣裳
- メイク : A.I.C
- AP (アシスタントプロデューサー) : 松尾淳一(ビデオワーク)※後にプロデューサー
- ディレクター : 松山源一(ビデオワーク)
- 演出・プロデューサー : 相原康司(ビデオワーク)
- プロデューサー : 岩渕輝義(YTV)※後にチーフプロデューサー
- チーフプロデューサー : 松井守→有川寛→岩渕輝義(YTV)、村田弘道(ビデオワーク)
- 協力 : アサヒビール
- 制作協力 : P.I.S
- 制作 : ビデオワーク
- 制作著作 : よみうりテレビ
[編集] 放送時間
- よみうりテレビ・土曜深夜24:00 - 25:00→土曜深夜23:45 - 24:45
- 日本テレビ・土曜深夜25:35 - 26:35
- 中京テレビ・土曜深夜25:10 - 26:10
- 西日本放送・土曜深夜24:00 - 25:00
- 広島テレビ・土曜深夜24:25 - 25:25
- 日本海放送・土曜深夜24:25 - 25:25
- 福岡放送・月曜深夜25:05 - 26:05
- 高知放送・火曜深夜24:40 - 25:40
[編集] 関連項目
- 古川嘉一郎
- 有川寛
- たかじんnoどォ!
- たかじんのそこまで言って委員会
- 中居くん温泉(後番組)