たまごっち
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たまごっち(ラテン文字表記は日本語版:Tamagotch、英語版:Tamagotchi)とは、1996年11月23日にバンダイから発売され、97年を中心に社会現象になるほど爆発的な人気を誇ったキーチェーンゲームである。名称の由来は「たまご(Tamago)」と「ウオッチ(Watch)」をくみあわせた和製英語。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
画面の中に登場する「たまごっち」と呼ばれるキャラクターにえさを与えたり、糞掃除をしたり、「たまごっち」と遊んだりしながら育てていく。こまめにコミュニケーションをとっていれば機嫌がいいが、えさをやり忘れたり、糞掃除が滞ったりすると機嫌が悪くなり、最悪の場合には死ぬこともある。こうして育てていくと、ある程度時間が経てば「おやじっち」や「にょろっち」など、様々なキャラクターに変身する。どのキャラクターになるかは、キャラクターのその時の体重や機嫌によるようだ。その他、名称の由来どおり、単なる時計としても利用できる。
1997年、ノーベル賞のパロディ的な賞であるイグノーベル賞(経済学賞)、新語・流行語大賞のトップテンを受賞した。大きさは高さ53mm
[編集] ブーム期の現象
[編集] 第1次ブーム(1997年)
たまごっちは、当初10代の女性、特に女子高生をメインターゲットとして発売された。当時影響力の強かった安室奈美恵がテレビの音楽番組で紹介したことや大人気となったテレビドラマ『踊る大捜査線』でいかりや長介扮する和久平八郎が持っていたことがきっかけでブームになり、マスコミの煽りもあって異常人気となった。
ブームの全盛期には、白いたまごっちが非常に稀少だとして特に人気が集中したり、たまごっちを模倣した偽物が販売されて販売会社が摘発を受けたり、「飼育」していたたまごっちの「死」によってペットロスに似た現象が一部のユーザーで見られるようになるなど、たまごっちブームは社会現象化した。50個のたまごっちの抽選販売に対して、抽選整理券が4000枚配られた所もある。
ブームが過熱し品薄状態が続くと、一個数万円で取引されるようになったり、「人気維持のために出荷制限をしている」という噂が流れた。これに対しバンダイは大増産を行ったが、数ヵ月後にはブームが沈静化、不良在庫の山を抱えることになり、1999年3月にメーカー在庫250万個を処分。同年には60億円の特別損失を計上した。
第1次ブームの頃はちょうど日本でインターネットが個人の趣味として一般家庭に普及し始めた時期であったので、インターネット上に個人運営(非公式)のたまごっちサイトが次々と誕生した。その一部は2006年現在でも残っている。
日本以外に、アメリカ合衆国やアジア各国でも大流行し(世界30カ国で発売)、アメリカ人気ドラマERにも登場するほどであった。発売元のバンダイによれば、これら第一期のたまごっちシリーズは全世界で4000万個(日本国内で2000万個、日本国外で2000万個)を販売したという。
[編集] 第2次ブーム(2004年-)
第二期たまごっちは、2003年頃に高校生の間で初代のたまごっちが流行っているという情報をバンダイの開発チームが聞きつけたことがきっかけとなって開発が始まり、初代のたまごっちを知らない小学生をメインターゲットとして発売された。ブームの過熱によって第1次ブームが終焉してしまった反省を踏まえ、メディア露出を控えめにした。
かつてのブームほどではないが、小学生を中心に受け入れられ、国内外での売上個数は1年で650万個を超えた。2005年7月現在は、再び小学生を中心に大ブームが到来している。「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス(ケーたま)」を求める子供に応えるべく、親も必死になり、発売当日は長蛇の列。開店前には品切れになることも常である。そんな人気に目を付けて、yahoo!オークションなどのインターネットオークションでは倍以上の値段が付けられることもしばしば。前回のブームではまだ日本ではインターネットオークションが普及しておらず、個人売買が一般的でなかったが、インターネットオークションが普及した現在、転売目的での購入者も増え、一層の供給不足を招いていることも否めない。
2005年以降は玩具屋店頭に通信機能を使ってアイテムのダウンロードや連動ミニゲームのできる『でかたまごっち』(後に一般にも販売)を設置したり、ゲームセンターにトレーディングカード方式のアーケードゲーム機、データカードダスで提供される『たまごっちカップ』などの展開を始めている。
[編集] キャラクターとしての「たまごっち」
たまごっちは、ばんぞー博士が拾った小さなUFOの中から発見された、たまごっち星生まれの地球外生命という設定である。第二期からも地球外生命と言う設定は健在だがばんぞー博士と助手のミカチューが登場しなくなり、その分たまごっち星の社会や文化が続々と判明するようになった。
[編集] 機種
[編集] 第1期
- 1996年11月23日発売 - たまごっち
- 1996年12月発売 - たまごっち金銀バージョン(限定5000個)
- 1997年2月発売 - 新種発見!!たまごっち
- 1997年3月発売 - たまごっち新色バージョン
- 1997年5月発売 - 新種発見!!たまごっち新色バージョン
- 1997年6月発売 - 英語版たまごっち
- 1997年8月発売 - てんしっちのたまごっち
- 1997年12月発売 - たまごっちオスっちメスっち
- オスとメスができた。
- 本体同士を合体させることで、オスとメスなら子供を生むことができる。
- 1997年12月発売 - たけしのてんしっちのたまごっち
- 『HANA-BI』公開記念として発売。パッケージと本体デザイン以外は通常の「てんしっちのたまごっち」と同じ
- 1998年2月発売 - 森で発見!!たまごっち
- 1998年3月発売 - 海で発見!!たまごっち
- 1998年4月発売 - たまごっちオスっちメスっち新色バージョン
- 1998年9月発売 - デビルっちのたまごっち
- 1998年10月発売 - やさしいたまごっち
1997年5月、元祖たまごっちの英語版「TAMAGOTCHI」が日本国外向けに発売された(同年6月には日本でも「英語版たまごっち」として発売)。またフランス語版も発売された。
[編集] 第2期
- 再びオスとメスができた。
- 別の個体と通信ができるようになった。通信をすると、「なかよし度」が上がり、オスとメスなら結婚できる。
- 2004年11月23日発売 - 祝ケータイかいツー!たまごっちプラス
- ごっちポイントができた。通信やゲームで増える。
- 携帯と通信できるようになった。ごっちポイントでいろいろな物を買ったり、ゲームでごっちポイントを増やしたりできる。
- たまごっちが死にそうになったとき、前にたまごっちが死んでいた場合は、供養すると一度だけ助けてくれる様になった。
- 2005年4月28日発売 - ちびたまごっち
- 2005年7月16日発売 - おうちのでかたまごっち
- 2005年7月23日発売 - 祝ケータイかいツー!たまごっちプラス赤いシリーズ
- 2005年11月23日発売 - 超じんせーエンジョイたまごっちプラス
- 2006年7月22日発売 - ウラ超じんせーエンジョイたまごっちプラス
- 2006年11月23日発売-たまごっちスクール せーとぜーいんしゅーごっち
- 2007年2月下旬発売-たまごっちスクール せーとぜーいんしゅーごっち2時間目
:以前のたまごっちとは違い、たまごっちの先生になる設定へと変わった。
[編集] 姉妹品
- 1997年6月発売 - たまぴっち(PHS)
- 1997年11月発売 - 原人っちのたまごっち(DNAっちを育てる。『北京原人 Who are you?』公開記念)
- 1997年12月発売 - モスラのたまごっち(モスラを育てる。『モスラ2』公開記念、限定生産)
- 1998年5月発売 - 玉緒っち(中村玉緒を育てる)
- 1998年8月発売 - ドラえもんっち(ドラえもんを育てる)
- 1998年10月発売 - ドラミっち(ドラミを育てる)
- 1998年11月発売 - サンタクロっちのたまごっち(サンタクロースのたまごっちを育てる)
- 1999年発売 - であい発見!!あるこっち
- 1997年発売 - デジタルモンスター(コンセプトは戦うたまごっちで、独自展開で現在も継続中)
- 1997年6月発売 - ポケットビスケッた(ポケットビスケッツを育てる)
- 2005年発売 - はねるっち(『はねるのトびら』とのタイアップ商品。入手困難となり、インターネットオークションなどでは元値よりも高値で販売されたりしていた。)
- 2006年8月発売 - はねるっち2
更に2006年2月発売『そだてて!甲虫王者ムシキング』のような類似コンセプト商品、「ニュータマゴウオッチ」「スマートチック」などといった海賊版も多数出回った。
[編集] 家庭用ゲーム機・パソコンへの移植
- 1997年6月16日発売 - たまごっちCD-ROM(Windows)
- 1997年6月27日発売 - ゲームで発見!!たまごっち(ゲームボーイ)
- 1997年8月8日発売 - たまごっちCD-ROM(Macintosh)
- 1997年10月17日発売 - ゲームで発見!! たまごっち2(ゲームボーイ)
- 1997年12月19日発売 - 64で発見!!たまごっち みんなでたまごっちワールド(NINTENDO64)
- 1998年1月15日発売 - ゲームで発見!たまごっち オスっちとメスっち(ゲームボーイ)
- 1998年1月29日発売 - セガサターンで発見たまごっちパーク(セガサターン)
- 1998年2月19日発売 - 星で発見!!たまごっち(プレイステーション)
- 1999年5月1日書換開始 - たまごっちタウン(スーパーファミコン用ニンテンドウパワー)
- 2005年9月15日発売 - たまごっちのプチプチおみせっち(ニンテンドーDS)
- 2006年7月27日発売 - たまごっちのプチプチおみせっち ごひーきに(ニンテンドーDS)
- 2006年12月2日発売 - たまごっちのピカピカだいとーりょー!(Wii)
- 2007年3月27日発売 -たまごっちのアッパレ!にじアドベンチャー(ニンテンドーDS)
- 2007年3月稼働開始 - マリオカート アーケードグランプリ2(アーケード)バンダイとナムコが合併したため、まめっちが特別出演
[編集] たまごっち関連の曲
- あっちむいて どっちむいて たまごっち(KYOKO Sound Laboratory & 小林亜星)
- 愛はたまごの中に(KYOKO Sound Laboratory & 小林亜星)
- アイのきもち(miyuki)
- 大きくなりたい(chihiro)
- たまごっちフリーク(diezel from JPS)
- Tamagotchi(Daze/デンマーク)※アルバム「SUPER HEROES」に収録、ただし日本発売盤ではTakanutchiに差し替えられている
- レッツゴー(ピキピキ5)※映画「たまごっち ホントのはなし」テーマ曲
- ちきゅうはたまごっち?!(歌手名未公表)※「たまごっちのプチプチおみせっち」テーマ曲で、太鼓の達人にも収録。
[編集] 漫画
- 『だいすき♥たまごっち』りっち
- 『だいすきLOVE♥LOVEたまごっち』りっち
- 『まんがで発見たまごっち 爆笑4コマ劇場』後藤英貴
- 『みんなでたまごっち』あべさより
- 『GOGO! たまたま・たまごっち』ヤスコーン
- 『未確認ギャグ生命体 たまごっち!』立川史
- 『あっちこっち たまごっちタウン』かがり淳子
[編集] アニメ
- テレビアニメ『TVで発見!!たまごっち』
- アニメーション映画『たまごっちホントのはなし』