オランダ領アンティル
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地域のモットー: Libertate unanimus (ラテン語: 自由によって結束される) |
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公用語 | オランダ語 | |||
主都 | ウィレムスタッド | |||
女王 | ベアトリクス | |||
総督 | フリット・ヘッジトラッヒ | |||
首相 | エチエンネ・イース | |||
面積 - 総面積 - 水域 |
(全島) 960 km² ごく僅か |
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人口 - 総人口(2002年) - 人口密度 |
(全島) 212,226人 221人/km² |
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通貨 | アンティルギルダー (ANG) | |||
時間帯 | UTC -4 | |||
国歌 | 題名のない国歌 (Volkslied zonder titel) |
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ccTLD | .an | |||
国際電話番号 | 599 |
オランダ領アンティル(オランダ語で Nederlandse Antillen)は、 小アンティル諸島の一部であり、カリブ海に2つあるオランダの海外領土の1つ(州に相当)である。もう1つはアルバ。
オランダ領アンティルは、以下の5つの島(1島は半分のみ)(県に相当)で構成される。(オランダ自治領のアルバも1986年までオランダ領アンティルに属していた。)
- ベネズエラの北西沖
- 小アンティル諸島に属するリーワード諸島
- シント・マールテン島の南半分(ダッチ・サイド)(北半分はフランス領グアドループに属し、サン・マルタン島と呼ばれている。)
- シント・ユースタティウス島
- サバ島
主都は、キュラソー島のウィレムスタッド。その中心市街と港は1997年世界遺産に登録されている。
キュラソー島は、お酒のキュラソー(オレンジのリキュール)発祥の地である。
セント・マーチン島の北半分は、フランス領。この島のオランダ語名は、シント・マールテン、フランス語名はサン・マルタンで、セント・マーチンは英語。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 政治
元首はオランダ国王であり、その代理として知事(州知事)が置かれている。知事は自治政府の代表であり、閣議を開催する他、行政府を取り仕切っている。議会はオランダ領アンティル全体のもの(州議会)の他、各島にも地方議会(県議会)がある。
2004年10月、オランダとオランダ領アンティルの合同委員会は話し合いの結果、オランダ領アンティルの解体を宣言した。各島の経済格差などが理由である。オランダ領アンティルの全5島は将来、オランダ領アンティルを維持していくかどうかの住民投票も行われた。1993年から1994年の間に行われた住民投票では全5島とも現状維持の方を選んだが、2000年に行われた住民投票では、キュラソー島、ボネール島、シント・マールテン島、サバ島の4島は現状維持の不支持を選択、シント・ユースタティウス島だけが現状維持を支持すると言う結果だった。今後もオランダ領アンティルとして各島を統合するのか、それとも1986年に分離したアルバ島の様に、独立したオランダ自治領となるのかは今のところは不透明な状態である。オランダ領アンティルを解体して、それぞれの島がオランダ自治領となる場合は、オランダ政府とオランダ領アンティル政府との合意が必要である。
オランダとしてのオランダ領アンティルの外交問題としてはベネズエラとの領海に置ける境界の問題である。2006年ベネズエラのウゴ・チャベス大統領はキュラソー島、ボネール島、そしてアルバ島(通称ABC諸島)の領有を主張し始めた。アメリカは兵士の休憩の為とキュラソー島に海軍空母を駐留させたが、チャベス大統領はベネズエラへの侵略準備だとアメリカと島を領有し、アメリカ軍の到着を認めたオランダを批判した。
[編集] 地理
オランダ領アンティルは全部で5島からなり、キュラソー島とボネール島はベネズエラ沿岸からわずかのところに位置し、シント・マールテン島(オランダ領の南部分)、サバ島、シント・ユースタティウス島は北方800Km、小アンティル諸島にある。
[編集] 経済
主産業は主にラム酒で、キュラソー島のリキュールは有名である。あとは、観光産業やオフショア金融。
[編集] 住民
混血のムラートが84%を占め、残りはヨーロッパ系白人などである。
公用語はオランダ語であるが、キュラソー島とボネール島ではオランダ語やスペイン語が混ざり合ったパピアメント語を話し、スペイン語も通じる。シント・マールテン島はオランダ語を母体にしたクレオール語。シント・ユースタティウス島では英語も話す。
宗教はカトリックが87%を占め、残りはプロテスタントである。
[編集] その他
- 第二次世界大戦中、リトアニアカウナス領事館の杉原千畝が、ナチス・ドイツの迫害から逃れて来たユダヤ人向けに日本の通過ビザを発行したが、その際ユダヤ人たちが持っていた最終目的地のビザの大半がこのオランダ領アンティル(キュラソー島)だった。
- 他のカリブ海諸国同様、野球が盛んに行われており、特にリトルリーグは、代表チームが、アメリカで毎年夏行われる「リトルリーグ・ワールドシリーズ」に毎年のように出場し、好成績を残している。日本プロ野球の千葉ロッテマリーンズと東京ヤクルトスワローズに所属したヘンスリー・ミューレン(キュラソー島生まれ)やMLBのアトランタ・ブレーブスに所属するアンドリュー・ジョーンズの出身地でもある。また、WBCオランダ代表にはジョーンズを含むアンティル出身の選手も名を連ねている。
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