サンケイスポーツ
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サンケイスポーツは、産業経済新聞社(産経新聞社)が発行するスポーツ新聞。通称サンスポ。
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[編集] 概要
- 産経新聞東京本社から本州の東日本側に、産経新聞大阪本社から本州の西日本側と四国に向けて発行している。
- 現在、関東版、東北版、東海・北陸版、近畿版、中国・四国版が発行されている。
- 関東版では、フジサンケイグループと資本関係にある東京ヤクルトスワローズの記事が比較的充実している。
- 近畿版では阪神タイガースの報道が創刊当初から積極的で、最近はデイリースポーツ同様「タイガースファン御用達のスポーツ紙」と称されるようになった。オリックス・バファローズやガンバ大阪、セレッソ大阪の報道にも力を入れている。
- 東北版は仙台市の東北支局で製作し、仙台新聞印刷社で印刷。宮城県、山形県、福島県を中心に発行されている。
- 東北版が新設された背景としては、プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスが本拠地を仙台市に置き、東北エリアにおけるスポーツの話題が増えたためと思われる。
- 通常は20,21面の東北支局版紙面を除くと東京本社版とほぼ同内容であるが、岩手県南部と宮城・福島県内発売分(遅版)においては1面を楽天やベガルタ仙台関連の情報に差し替えるケースが多く見られる(楽天が好ゲームを展開した翌日や、仙台の注目カード当日および翌日など)。
- サンスポは楽天イーグルスのオフィシャルスポンサーにもなっている。
- 東海・北陸版の紙面は基本的に近畿版と同一である。
- 中国・四国版は、近畿版のテレビ・ラジオと公営競技面を中国・四国のものに差し替えている。
- 道新スポーツ(北海道新聞社発行)、西日本スポーツ(西日本新聞社発行。中央競馬面のみ)と紙面提携。一部紙面を共有している。
- 地方紙の中にはサンスポに掲載されたスポーツ、芸能記事の一部を掲載する新聞がある。(北國新聞、南日本新聞など)
- 西日本スポーツのエリアである福岡県では、西日本新聞販売店の一部から配達されている産経新聞本紙と異なり、宅配やコンビニエンスストアなどでの扱いはされていないが、博多駅、天神駅、小倉駅など、福岡市と北九州市の一部ターミナルにおいて、お昼過ぎから大阪最終版が即売されている。
- これは、山陽新幹線で輸送されているもので、番組表と公営競技は近畿地方のものを掲載し、九州向けの差し替えは一切行っていない。
[編集] 沿革
- 1955年2月26日 関西ローカルのスポーツ新聞として大阪市で創刊
- 1963年 東京でも発刊
- 1975年 フジサンケイグループの発行紙別子会社化策によりサンケイスポーツ新聞社設立。ここから発行
- 1985年 フジサンケイグループ、CI導入。「サンケイ」の書体変更
- 1987年 スポーツ紙としては初めての1面連日カラー紙面を採用。また11月、サンケイスポーツ新聞社、夕刊フジとともに産経新聞社に再統合
- 1988年 産経新聞岡山工場稼動。中国・四国版の現地印刷開始
- 1996年 秋田魁新報社、サンスポと提携し「さきがけスポーツ」創刊
- 2005年 東北版新設
[編集] 発行所
[編集] エピソード
[編集] 紙面
- 題字は1987年にカラー化される以前は横書きのブロック体だったが、カラー化以後はフジサンケイグループ共通の丸文字体(赤地白抜き)が使われている。
- 2000年代初めまでは1面右端の見出し横に縦で書かれていた。後に他のスポーツ紙もこの縦組み題字を使っていたため、そのきっかけともいえた。
- 現在は1面右上に横組みで「サンスポ」、また右下側にやや小さめに日付と「サンケイスポーツ」の文字を入れている。
- 芸能面ではフジサンケイグループのフジテレビ寄りとなる。
- また基本的に相手の芸能事務所側から売り込んでくるグラビアアイドルの記事に頼ることが多い。
- 風俗面にも力を注いでおり、大阪本社版では、スポーツニッポン(大阪版)と同様、家庭宅配版にも風俗面が掲載されている。
- 他紙では通常、テレビ・ラジオ欄に差し替えられている。
- スポーツ面にコラム甘口辛口というコラムを掲載している。
[編集] 関連誌
- 新聞の増刊扱いで競馬雑誌「週刊Gallop(ギャロップ)」、競馬予想新聞「競馬エイト」を発刊しているほど競馬に熱心であるが、JRAとしばしばトラブルを起こしている。
- 大災害等が発生した時は、産経新聞では本体から出さず、「週刊Gallop」の別冊・増刊号扱いでグラフ誌を発行している。
- その他サンケイスポーツが編集協力するスポーツ専門の雑誌として「スポーツYeah!」を2000年から発行している。
- 元々1999年に「週刊ゼッケン」として発行していたが、わずか半年で休刊した後形態を変更して再創刊したものである。
- また、2004年からは歌謡曲・エンターテインメントに特化した「月刊kamzine(カムジン)」を創刊。タイトルのkamzineは「歌・夢・人」から取ったものである。
[編集] 中国・四国版
- 1988年に岡山工場が完成するまでは、近畿版と同じく近畿のテレビ・ラジオと公営競技面のみしか掲載されなかった。
- テレビ番組表で使用される放送局表示カットは、産経新聞大阪本社版で1988年5月(この時は題字がカタカナの「サンケイ」だった)まで使われたものをそのまま使用している。
- このカットは1992年3月まで近畿版でも使用されたが、番組表のサイズをハーフからフルサイズに変更するに当たり変更された。
[編集] 東海・北陸版
- 福井テレビの番組表は、2002年4月ごろから、近畿版、東海・北陸版のテレビ番組表に(但し小サイズで)掲載されている。
- 2002年3月ごろまでは、東海・北陸、中国・四国の各地域に発行された版でも一般スポーツ競技面に掲載されていた。
[編集] その他
- 2006年6月に開かれたワールドカップ・世界サッカー選手権ドイツ大会において、大阪本社が日本戦が行われた翌日(6月13、19、23日=23日は日本時間で言えば当日)の夕方に特別夕刊を京阪神の主要ターミナル向けにタブロイドで発行した。
- なお、23日に関しては他の一部スポーツ紙では京阪神の主要ターミナル向けにその日の朝刊最終版の紙面にブラジル戦の結果を掲載した速報版が発行されている。
[編集] パロディー
- 大阪府在住の阪神タイガースファンの広告デザイナー・君塚隆太が中心となって、1983年ごろから数年間に渡り、タイガースの優勝を祈願したパロディー新聞サンカイスポーツなるものを発行した。君塚によると2リーグ分裂後3回目のリーグ優勝を目指すという意味ではなく、彼の所属事務所のビルが「三海(さんかい)ビル」(大阪市北区天神橋三丁目)という所、しかもそのビルの3階にあることから命名したという。
- しかし、本家・サンケイスポーツからクレームがあり、更に「是非本家でこういった企画を」というオファーがかかり、1987年から1988年に「週刊タイガース」と題した1ページの特集ページが作られた。
- ちなみに、君塚のグループは1987年に週刊ポストのパロディー「瞬刊ポット」なる雑誌まで発行したという。
[編集] 関係する人物
- 江尻良文 - 夕刊フジ編集委員。元はサンスポのデスクだった。
- 佐々木主浩 - もとプロ野球選手。ニックネームの「大魔神」は横浜ベイスターズに所属していたころ、サンスポの読売ジャイアンツ担当記者が(敵チームにとって)「悪魔の守護神」を略した「魔神」と表現したことに由来。そのためサンスポやグループ企業のニッポン放送では、現在も「魔神」と表現される。
[編集] 外部リンク
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