シャイニングガンダム
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シャイニングガンダム (SHINING GUNDAM) は、テレビアニメ『機動武闘伝Gガンダム』に登場する架空の兵器。第13回ガンダムファイトのネオジャパン代表モビルファイター(MF)である。(大会登録番号:GF13-017NJ)
本項では兄弟機であるライジングガンダムや、その他雑誌、漫画媒体に登場する関連機体の記事も記載する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] シャイニングガンダム
シャイニングガンダム | |
大会登録番号 | GF13-017NJ |
所属 | ネオジャパン |
建造者 | ミカムラ博士 |
全高 | 16.2m |
本体重量 | 6.8t |
装甲 | ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 レアメタル・ハイブリッド多層材 |
武装 | ビームソード×2 バルカン砲×2 マシンキャノン×2 シャイニングショット×4 煙幕弾 |
必殺技 | シャイニング・フィンガー シャイニング・フィンガー・ソード |
主な搭乗者 | ドモン・カッシュ、レイン・ミカムラ |
[編集] 機体解説
ネオジャパンが、第13回ガンダムファイト用にライジングガンダム・アルティメットガンダム(デビルガンダム)と同時期に開発した機体。第12回大会のネオジャパン代表ガンダムの流れを汲むデザインとなっている。搭乗者であるガンダムファイター、ドモン・カッシュの感情の変化に応じて戦闘力や機体が変化する機構を備え、通常時のノーマルモード、戦闘時のバトルモード、搭乗者の怒りが頂点に達した時に発動するスーパーモードの3形態への変形が可能。
[編集] 武装解説
固定武装はビームソードが大小二刀、頭部バルカン砲、マシンキャノン、シャイニング・ショット。シャイニング・ショットは籠手アーマーに片方2門、計4門仕込内蔵される小型のビーム射撃武器だが、近接格闘戦主体のドモンの戦闘スタイルにおいてはほとんど使用されず、後継のゴッドガンダムには初めから同様の装備は設けられなかった。また籠手アーマーには、打撃時の拳の初速を増し威力を向上させる加速ブースターも内蔵されている。余談ではあるが、シャイニングショットは「スーパーロボット大戦F」等では離れた相手に対して有効な武器であり、ゲーム中ではじめてこの装備の存在を知ったファンも少なくないと言われるほどである。この他にマイナーな装備としては、TV本編の第一話で使用したグレネード・タイプの煙幕弾がある。だが、これはヒーローたる主人公にあっていささか卑怯な装備という事で、以降の使用は全く無くなってしまった。非公式ながら通称「シャイニング煙幕」とも呼ばれているが、別に光るわけでは無く単純なスモークによる目暗ましである。
なお、小説版ではドモンより以前にスギハラという名の、ネオジャパン軍の少尉が搭乗者候補として挙がっていたとされている。
[編集] 主な必殺技の解説
- シャイニングフィンガー
必殺技は液体金属でマニピュレーターを覆い、そのエネルギーで掴んだものを粉砕する。この時自身でも言うように正に黄金の指となり、掌全体が光り輝く。ガンダムファイト国際条約で「頭部を破壊された者は失格」と定められている為、頭部を直接破壊出来るこの技は強力な技である。また同条約「相手のコクピットを攻撃したり破壊してはならない」という項目についても、攻撃範囲が狭い為回避し易い事も有効性として挙げられる。 また、スーパーモード発動時にビーム状のエネルギーを放射して遠距離に攻撃したこともある。
- シャイニング・フィンガー・ソード
シャイニングフィンガーのエネルギーを剣状にして切りつける必殺技。
- 超級覇王電影弾
ネオホンコン代表機であるクーロンガンダムとの協力により放った事もある。そして、ギアナ高地にて「真のスーパーモード」発動時の必殺技キングオブハート・シャイニングフィンガーをデビルガンダムのボディに撃ち込み、一度は破壊に成功している。
- シャイニングストライク
これは本編にその名称は登場せず、元々はスーパーファミコン版ソフトの格闘ゲーム由来の技名であった。投げ技。 その後「スーパーロボット大戦シリーズ」において通常格闘技として用いられ、広く知られる形となった模様。
- シャイニングショット
篭手アーマーに内蔵される小型のビーム射撃武器
[編集] スーパーモード
本機の特筆すべき点は、パイロットの感情や状態が機体コンディションにフィードバックされる事である。この技術は第13回大会において見せられた最新技術の一つであり、ガンダムファイターの潜在的能力をMFにフィードバックさせる事で機体の活動ポテンシャルをアップさせる類のものである。
中でも本機は「怒り」の感情をピックアップする事で「スーパーモード」と呼ばれる形態を発動し、高い戦闘能力を発揮する事が可能である。この状態で初めてシャイニングガンダム最大の必殺技シャイニング・フィンガー・ソードが使用可能となる。その際、頭部や肩等の一部装甲版が展開し、冷却効果を得ている。しかしこれは、見方を変えれば本形態が機体及びファイター自身に大きな負担を強いている証でもあり、長時間の使用は不可能となっている。
スーパーモード時のシャイニングガンダムはバトルモード時を上回る戦闘力を発揮するが、発動の引き金には前述の通り「怒り」という感情を引き金としていた。しかし、怒りに身を任せたスーパーモードでは真の強敵の前ではまったく無力であった。それは東方不敗とのファイトでも証明されている。
後にドモンがギアナ高地の修行において「明鏡止水」の境地に辿り着いた事により任意でのスーパーモード発動が可能となった。この時、シャイニングガンダムは必殺技「キングオブハート・シャイニングフィンガー」を放ちデビルガンダムを破壊した。なお、この明鏡止水の境地に達した事で発動するスーパーモードは、「怒りのスーパーモード」と区別され「真のスーパーモード」と呼ばれる。
[編集] コア・ランダー
シャイニングガンダムにはコア・ランダーと呼ばれるバックパックと一体化したコックピット兼脱出装置が装備されている。劇中では移動手段として幾度か登場した。コア・ランダーは他国のMFのいくつかにも採用されているが 、ほとんどは設定上のみの存在である。(但しデザイン面ではコア・ランダーの存在が反映されており、プラモデル等では劇中で描写されなかった機体であっても本体とコア・ランダーの接続・分離が可能である。)その為、シャイニングガンダムの様に劇中で明確に描写された機体は珍しい。
なお、非戦闘時のガンダム本体は蓮の花を模したシルエットの移動運搬用カプセルキャリアーに格納されており、ドモンの周辺付近のどこかに隠れている。だが、一度ドモンが『出ろぉぉぉ!ガンダァァァム!』と指を鳴らし呼び叫ぶと、どこからともなく姿を現し、すぐさま駆けつける仕組みになっている。
[編集] デザイン
本機のデザインは大河原邦男による。基本状態のデザインモチーフは大河原曰く「日本というイメージから鎧武者」である。本機の先行機であろうウルベ機(名称不明)には、「鎧武者」のデザインモチーフが色濃く出ており、シャイニングもそれを踏襲した物と思われる。また、スーパーモード時の外観のデザインは歌舞伎をモチーフにしており、ギミックは文楽人形のガブを真似ている。
ちなみに、マスターグレード化の際には若干のデザイン変更が行われており、特に胸部のデザインは腕組み用機構との兼ね合いで大きく変更されている。結果、スマートにはなったものの、劇中のイメージとはやや異なる印象になってしまっている。前期OPのように腕組みは出来るが、腕組み用パーツは付いておらず、MGゴッドガンダム付属のものかMGガンダムシュピーゲル付属のパーツを流用する必要がある(ちなみに、手のひらのモールドが同じなのは後者である)。
[編集] 劇中での活躍
ネオジャパン代表機としてネオイタリアに降下したのを皮切りに、必殺技シャイニングフィンガーを武器に数多くのファイターたちと予選であるサバイバルイレブンを戦い抜く。整備時やドモンの不在時などには、一時的にレイン・ミカムラが搭乗者を務めた事もあった。
その後ギアナ高地での修行の結果「真のスーパーモード」をシュバルツ・ブルーダーの導きにより発動。東方不敗の駆るマスターガンダム、デビルガンダムを退けるものの、機体のエネルギーを使い果たしてしまう。さらに、東方不敗の執拗な攻撃の盾となって機体は中破。後継機であるゴッドガンダムにレインの協力でデータを転送した後、本機は放棄された。
なお、小説版ではドモンの生身によるシャイニングフィンガーも披露されている。指先に「気」を集中させ相手の額に放つ事で、脳神経を麻痺させる事ができるという。小説版ではテレビ版とは異なり三本指で繰り出されるのが特徴である。
[編集] 劇中以外での活躍
時系列的に『Gガンダム』より遥か未来の世界を描いた作品『∀ガンダム』ではモビルスーツターンXの溶断破砕マニピュレーターからシャイニングフィンガーが繰り出されるという描写がある。子安武人演じるギム・ギンガナムの口から発せられた「なるほど!シャイニングフィンガーとはこういうものか!」のセリフはファンに驚きを与えた。富野由悠季監督によるファンサービスであると言われている。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するデスティニーガンダムの掌に装備されている「MMI-X340 パルマフィオキーナ掌部ビーム砲」もシャイニングフィンガー的な演出で描かれている。これを見た関智一(ドモン役の声優。『DESTINY』にもイザーク・ジュール役で出演)は「他人の機体の感じがしない」と苦笑いをしていたらしい。当初は『ドラゴンボール』のかめはめ波的なものとして使用する予定もあったとも言われている。
テレビアニメ「ケロロ軍曹」にて、サブロー(声優は石田彰)というキャラクターが、描いた物を実体化させるペンでシャイニングガンダムを生み出している。なんとこの時には、ドモンを演じる関智一本人が、「シャイニングフィンガー」の掛け声を当てていた。他の番組のキャラクターを元の番組と同じ声優が演じた、というのは「ケロロ」始まって以来のことである。
この他『ニニンがシノブ伝』等など、関本人出演の他作品でパロディのネタにされる事が度々ある。
[編集] ライジングガンダム
ライジングガンダム (RISING GUNDAM) は、ネオジャパン軍に所属するモビルファイター(MF)。(型式番号:JMF-1336R (JMF1336R) )
ライジングガンダム | |
型式番号 | JMF-1336R (JMF1336R) |
所属 | ネオジャパン |
建造者 | ミカムラ博士 |
全高 | 16.2m |
本体重量 | 6.7t |
装甲 | ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 レアメタル・ハイブリッド多層材 |
武装 | ヒートナギナタ ビームボウ バルカン砲×2 ライジングシールド |
必殺技 | 必殺必中ライジングアロー |
主な搭乗者 | レイン・ミカムラ |
[編集] 機体解説
本機はアルティメットガンダム(デビルガンダム)、シャイニングガンダムと同時期にミカムラ博士により開発された軍事用の機体である。ガンダムファイト用ではなく、ウルベ・イシカワ専用の対デビルガンダム用兵器として用意された。純粋に戦闘を主目的としたモビルスーツ(MS)に近い性格の機体である。そのため戦闘力は高い。ガンダムファイト公式戦用の機体としては承認されておらず、型式番号は非GF参加のネオジャパン軍配備の機体として「JMF-1336R」が与えられている。名目上はゴッドガンダムのサポート用とされていた模様。本来はシャイニングガンダムの開発過程で生まれた武装強化案を下地に、同機の予備フレームと外装を流用し、単一の機体にリファインして設計された。そのためほとんどの部品がシャイニングガンダムと共用である。パーツ状態でガンダムファイト第13大会の決勝戦が行われていたネオホンコンに持ち込まれ、ミカムラ博士とアキノ曹長の手によって組み上げられた。
劇中での活躍は当初のパイロットであるウルベではなく、シュバルツ・ブルーダーの口からデビルガンダム事件の真相を知らされたレイン・ミカムラに強奪され出撃する。その後、ウォルターガンダムと対戦しこれを撃破している。
[編集] 武装解説
- バルカン砲×2
- ビームマシンガン
- ヒートナギナタ
- ビームボウ
- ライジングシールド
[編集] 主な必殺技の解説
- 必殺必中ライジングアロー
矢状のビームを形成し放つ。弓の弦を引き絞ることでより高威力となる。
- 刀掃脚
スーパーファミコンの格闘ゲームである機動武闘伝Gガンダムで登場した技。
- 空燕撃
スーパーファミコンの格闘ゲームである機動武闘伝Gガンダムで登場した技。
- 空刀旋
スーパーファミコンの格闘ゲームである機動武闘伝Gガンダムで登場した技。
- ライジングスラッシュ
スーパーファミコンの格闘ゲームである機動武闘伝Gガンダムで登場した技。
- *格闘ゲーム等のゲーム内で登場した必殺技も挙げていって下さい。
[編集] コア・ランダー
ライジングガンダムのコア・ランダーはシャイニングガンダムとほぼ同じものであるが、ヒートナギナタが固定されているためそのままでは使用不可能である。そのため走行形態は劇中には登場していない。
[編集] 劇中での活躍
ランタオ島に出現したウォルターガンダムとの戦闘にてレインが搭乗する。ウォルターガンダムのバーサーカー・システム制御部分を必殺必中ライジングアローで打ち抜くが、ウォルターガンダムの暴走は止まらずやむなくレインは機体を破壊しパイロットのアレンビー・ビアズリーを救出している。 目次へ移動する
[編集] その他
[編集] ニンジャー
ニンジャーは、講談社発行の雑誌「コミックボンボン」の連載企画『機動武闘伝外伝』に登場するネオジャパン軍のMSである。ネオジャパンがブッシ、ノブッシに次いで開発した量産型MSで、シャイニングガンダムの原型となった。
[編集] シャイニングアッガイ
シャイニングアッガイはことぶきつかさの漫画『いけ! いけ! ぼくらのシャイニングアッガイ!!』に登場する機体。ガンダムファイトより1ランク下のアッガイファイトのための機体であり、外見もシャイニングガンダム風アッガイといった感じである。作中では明確にされていないがおそらくMF。とはいえシャイニングフィンガーは使用可能で、スーパーモードになることも可能。アッガイタイプのMF(?)は他にアッガイマックスターがある。この作品を受けてか『SDガンダム GGENERATION-F-IF』の「ガンダムファイトEX」にはドモンがアッガイ(仕様は『機動戦士ガンダム』登場のノーマルタイプだが、改造でスペックアップしてある)に乗って参戦している。漫画の中では、さらにランクが下のボールファイトが存在するらしい事も語られている。なお、シャイニング&マックスターの二種のアッガイはセットでMO-CRAFTの大輪正和原型制作によるガレージキットも存在していた。ちなみに、マンガの作画の際に用いられた資料(模型)の提供は近藤和久であったという。