ジョン・バリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョン・バリーOBE(ジョナサン・バリー・ペンターガスト Jonathan Barry Prendergast,1933年11月3日 - )はイギリス・ヨーク出身の作曲家。多くの映画音楽の作曲を手がけた。中でも「007/ジェームズ・ボンドシリーズ」の曲は広く知られている。ゴールデングローブ賞とアカデミー賞を5回受賞している。
目次 |
[編集] プロフィール
- 父親のジャック・バリーは映画館や劇場を経営していたため、ジョンも幼い頃から映画に親しんでいた。母親はピアニストであった。
- 1941年9歳からピアノを弾き始め、後にトランペットも習い始めた。
- ヨーク寺院のフランシス・ジャクソン博士に音楽教育を受け、その後ロンドンの音楽学校で作曲と楽器法を学んだが中途退学となった。
- その後3年程、地方のジャズ・バンドで演奏していたが、兵役に応じ軍隊のバンドで演奏活動を続け、その間も作曲、編曲、ハーモニーをスタン・ケントンに通信教育で学ぶ。
- 除隊後は軍の友人達とR&Bのバンド「ジョン・バリー・セブン」を結成。
- 1957年にEMIレコードと契約を結ぶ。その後、クリフ・リチャードや多くのアーティストのプロデュースやアレンジを手がけ、テレビの音楽を担当した後、アダム・フェイス、ピーター・セラースの映画のスコアを書き、1959年に『狂っちゃいねえぜ (Beat Girl)』で本格的に映画音楽に進出し、007ジェームズ・ボンド・テーマで名声を博した。
- 1953年バーバラ・ピカードと結婚、一児をもうけたが1963年離婚。 1965年女優のジェーン・バーキンと結婚(映画『ナック』が縁?)、一女ケイト・バリー(写真家)が生まれたが、1968年に離婚。1969年ジェーン・シドニーと結婚、1971年離婚。1978年1月、現在の妻ローリー・バリーと結婚。
- 1970年代途中まで英国で過ごす。その後少しの間スペインで過ごし(税金問題のため)、その後、映画の仕事のため渡米、ニューヨーク近郊のオイスターベイで暮らす。
- 1988年肺炎による食道破裂を患う。
[編集] 映画作品
- 1959年『狂っちゃいねえぜ』 (Beat Girl)
- 1960年『喰いついたら放すな』 (Never Let Go)
- 1962年『桃色株式会社』 (The Amorous Prawn)
- 1962年『007 ドクター・ノオ』/『007は殺しの番号』(Dr.NO、この時はモンティ・ノーマンが音楽担当であったが、映画製作者気に入らなかったため、急遽バリーが主題曲の編曲を担当した。)
- 1963年『007 ロシアより愛をこめて』/『007 危機一発』(From Russia with Love、主題歌はライオネル・バート作曲。バリーはスコアと編曲、指揮)
- 1964年『雨の午後の除霊祭』 (Seance on a Wet Afternoon)、『007 ゴールドフィンガー』 (Goldfinger)、『ズール戦争』(Zulu)、『国際諜報局] (The Ipcress File)
- 1965年『キング・ラット』(King Rat)、『007 サンダーボール作戦』(Thunderbal)、『ナック』(The Knack)、『ジャングル・モーゼ』(Mister Moses)
- 1966年『さらばベルリンの灯』(The Quiller Memorandum)、『逃亡地帯』(The Chase)、『野生のエルザ』(Born Free)=アカデミー作曲賞・歌曲賞2部門受賞
- 1967年『007は二度死ぬ』(You Only Live Twice)
- 1968年『冬のライオン』(The Lion in Winter)=アカデミー作曲賞受賞、ゴールデングローブ賞ノミネート、『華やかな情事』(Petulia)、『夕なぎ』(Boom)
- 1969年『女王陛下の007』(On Her Majesty's Secret Service = O.H.M.S.S.)、『約束』(The Appointment)
- 1970年)『真夜中のカーボーイ』(Midnight Cowboy)=グラミー賞受賞、『最後の谷』(The Last Valley)』、『モンテ・ウォルシュ』(Monte Walsh)
- 1971年『クイン・メリー/愛と悲しみの生涯』(Mary, Queen of Scots)=アカデミー賞ノミネート、ゴールデングローブ賞ノミネート、『007 ダイヤモンドは永遠に』(Diamonds Are Forever)、『美しき冒険旅行』(Walkabout)、『マ-フィの戦い』(Murphy's War)
- 1972年『フォロー・ミー』(Follow Me)
- 1974年『ダブ』(The Dove)=ゴールデングローブ賞ノミネート、『007 黄金銃を持つ男』(The Man with the Golden Gun)、『夕映え』(The Tamarind Seed)
- 1975年『イナゴの日』(The Day of the Locust)
- 1976年『ロビンとマリアン』(Robin and Marian)、『キングコング』(King Kong)
- 1977年『ザ・ディープ』(The Deep)=ゴールデングローブ賞ノミネート、『ホワイト・バッファロー』(The White Buffalo)
- 1978年『ベッツィー』(The Betsy)、『ブルース・リー/死亡遊戯 』(Game of Death)、『スタークラッシュ 宇宙大戦争 』(Starcrash)
- 1979年『ブラックホール』(The Black Hole)、『ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど』(Hanover Street)、『007 ムーンレイカー』(Moonraker)、『ナイト・ゲーム』(Night Games)
- 1980年『サンフランシスコ物語』(Inside Moves)、『ヤング・マスター/師弟出馬』(Shi di chu ma) 、『ある日どこかで』(Somewhere in Time)=ゴールデングローブ賞ノミネート、『ラスト・レター』(Touched by Love)、『レイズ・ザ・タイタニック』(Raise the Titanic)
- 1981年『白いドレスの女』(Body Heat)、『ローン・レンジャー』(Legend of the Lone Ranger) (Razzie Award for Worst Musical Score)
- 1982年『女優フランシス』(Frances)、『ハメット』(Hammett)
- 1983年『ゴールデンシール』(The Golden Seal)、『ハイ・ロード』(High Road to China)』、『007 オクトパシー』(Octopussy)
- 1984年『コットンクラブ』(The Cotton Club)
- 1985年『愛と哀しみの果て』(Out of Africa)=アカデミー作曲賞受賞、『白と黒のナイフ』(Jagged Edge)、『007 美しき獲物たち』(A View to a Kill)
- 1986年『ペギー・スーの結婚』( Peggy Sue Got Married )、『ゴールデン・チャイルド』( The Golden Child )、『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』( Howard the Duck )
- 1987年『007 リビング・デイライツ』( The Living Daylights )=(指揮者として出演)
- 1988年『マスカレード/甘い罠』( Masquerade )
- 1990年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(Dances with Wolves)=アカデミー作曲賞受賞、ゴールデングローブ賞ノミネート
- 1992年『チャーリー』(Chaplin)=アカデミー作曲賞ノミネート、ゴールデングローブ賞ノミネート
- 1993年『マイ・ライフ』(My Life)、『ルビー・カイロ』(Ruby Cairo)、『幸福の条件』(Indecent Proposal)
- 1994年『スペシャリスト』(The Specialist)
- 1995年『遥かなる夢・ニューヨーク物語』(Across the Sea of Time) (もとは『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』(1991) のためのものだったが、ジェームズ・ニュートン・ハワードの曲が採用されたため、3D IMAX映画用にリライトした)、『スカーレット・レター』(The Scarlet Letter)、『輝きの大地』(Cry, the Beloved Country)
- 1997年『輝きの海』(Swept from the Sea)
- 1998年『マイ・ハート、マイ・ラブ』(Playing by Heart)、『マーキュリー・ライジング』(Mercury Rising)
- 1999年(『グッバイ・ラバー』(Goodbye Lover)曲は書いたが不採用となった)
- 2001年『エニグマ』(Enigma)
[編集] その他の活動
- The Americans
- The Beyondness of Things
- Eternal Echoes
- John Barry was inducted into the in 1998
[編集] 受賞歴
[編集] アカデミー賞
- 1966年『野生のエルザ』( Born Free )
- 1968年『冬のライオン』( The Lion in Winter )
- 1985年『愛と哀しみの果て』( Out of Africa )
- 1990年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』( Dances with Wolves )
[編集] グラミー賞
- 1970年『真夜中のカーボーイ』( Midnight Cowboy )
[編集] 関連項目
※アカデミー賞(Academy Award):作曲賞(Best Music, Original Music Score)、歌曲賞(Best Music, Original Song)
※グラミー賞(Grammy Award):(Grammy Award for Best Instrumental Composition)
※ゴールデングローブ賞(Golden Globe Award):作曲賞(Golden Globe Award for Best Original Score)