ヘルマンリクガメ
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?ヘルマンリクガメ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ニシヘルマンリクガメ Testudo hermanni hermanni |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Testudo hermanni Gmelin, 1789 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ヘルマンリクガメ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Herman's tortoise |
ヘルマンリクガメ(Testudo hermanni)は、爬虫綱カメ目潜頚亜目リクガメ科チチュウカイリクガメ属に分類されるカメ。
目次 |
[編集] 分布
- T. h. hermanni ニシヘルマンリクガメ
イタリア北西部、スペイン(スペイン東部、バレアレス諸島)、フランス南部
- T. h. boettgeri ヒガシヘルマンリクガメ
アルバニア、イタリア(北西部を除く)、ギリシャ西部、クロアチア、スロベニア東部、セルビア、トルコ西部、ブルガリア、マケドニア、モンテネグロ、ルーマニア
- T. h. hercegoviensis
クロアチア南部、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部、モンテネグロ
[編集] 形態
- T. h. hermanni ニシヘルマンリクガメ
最大でも甲長20cm程。頭部や四肢は黒く、眼の下部に黄色い斑紋が入る。腹甲は大部分が黒い斑紋に覆われる。
- T. h. boettgeri ヒガシヘルマンリクガメ
最大甲長35cm。大型化するのは一部個体群のみで通常は甲長20cm程。腹甲は甲板毎に独立した黒い斑紋がある。
[編集] 亜種
以前は基亜種がヒガシヘルマンリクガメと考えられていた。しかし模式標本がニシヘルマンリクガメと判明し基亜種はニシヘルマンリクガメになった。
- Testudo hermanni hermanni Gmelin, 1789 ニシヘルマンリクガメ
- Testudo hermanni boettgeri Mojsisovics, 1889 ヒガシヘルマンリクガメ
- Testudo hermanni hercegoviensis Werner, 1899
[編集] 生態
食性は草食性で植物の葉、花、果実等を食べる。主にマメ科の植物を好むとされる。
繁殖形態は卵生で、1回に2-12個の卵を産む。卵は90-120日で孵化する。性染色体を持たず、発生時の温度によって性が決定する。(温度性決定)31、32℃を境目に低温だとオス、高温だとメスになる。
[編集] Status
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
- ワシントン条約付属書II類
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- T. h. hermanni ニシヘルマンリクガメ
- ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
[編集] 人間との関係
イソップ寓話「ウサギとカメ」のモデルになったとも言われている。(他種の可能性もあり)
ペットとして飼育されることがあり、日本にも輸入されている。野生個体は生息地では厳重に保護されているため、欧米での繁殖個体のみが流通する。最近は日本国内での飼育下繁殖個体も見られる。主に亜種ヒガシヘルマンリクガメが流通していると思われるが、飼育下での亜種間雑種が流通している可能性もあり亜種としての特徴が曖昧な個体もいる。主に流通するのが繁殖個体のため寄生虫の心配が少なく、飼育情報も多いためリクガメ飼育の入門種として紹介されることもある。
[編集] 参考文献
- 安川雄一郎 「ビギナーにおすすめのカメ12種~初心者向けとして飼育者に薦めるカメ類~」『エクストラ・クリーパー』No.1、誠文堂新光社、2006年、146-147頁。
[編集] 関連項目
- リクガメ
- チチュウカイリクガメ属
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